BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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第6十刃到来

「ふー、疲れたよ。でも、体を動かすって気持ちいいね。それも誰かとするってのがいい」

「私も運動は得意ではありませんが誇銅さんとの練習は楽しかったです」

 

 月もこう言ってくれてよかったよ。種目決めの時に二人三脚に誘ったのが強制させる形になっちゃってないか心配だったんだよね。でも月の表情や練習中の感じから嘘じゃないと思う。

 

「恋ちゃんはどうだった?」

「遅かった……」

 

 まあ恋からすればただの高校生が相手では物足りないだろうな。でも、普通の中で生きていくには少しの不自由は仕方ない。そこは我慢してもらおう。

 

「お腹すいた……」

「帰ったらすぐにごはんだよ」

 

 今日の料理当番は盾姉。盾姉が作る料理はイタリア料理が中心。ちなみに他に料理をするのが僕と月で僕が作るときは和食中心、月が作るときは中華中心になってる。最初は僕と月だけが料理当番だったけど盾姉が自分も作りたいって言ったのだ。多分理由はプロシュート兄貴。昔兄貴が食卓でイタリア料理が食べたいってぼそっと言ったのを僕と盾姉だけが聞いた。その日からだ盾姉が料理したいって言いだしたのは。絶対にプロシュート兄貴のためだね。

 

「ただいま」

「おかえり、誇銅、月、恋、ごはんで来てるよ」

 

 家に帰ると盾姉が出迎えてくれる。僕たちは手を洗って制服から着替えて食卓へ向かう。この日の夕食はやっぱりイタリア料理中心の夕食だった。プロシュート兄貴の顔がどことなく嬉しそう。よかったね、兄貴。

 お父さんとお母さんが死んだ時からは一人で自分の分だけ作って一人で食べていた。でも、家族と呼べる人の手料理はその時の料理よりずっとおいしい。家族のために作るごはんは一人の時よりずっとおいしく作れる。一人で食べるごはんより家族と食べるごはんはとっても楽しい。一人の時はごはんがしょっぱくなる時があったからね。

 

 夕食も食べ終えて食器を洗う。食器を洗うのは僕と月の仕事。家の家計を助けてくれている盾姉にこれ以上家事をさせるわけにはいかない。盾姉は自分でやると言っていたが頑として僕は許可しなかった。だから盾姉時の食器洗いは僕と月の仕事。本当は僕一人でするつもりだったんだけど月が家事は自分の仕事だと言って頑として譲らなかったから二人ですることになった。僕は月の仕事を取るつもりで後片付けをするが月の方が手際が良く逆に僕の仕事が取られそう。なんでそんなに手際がいいのか聞いてみたら、昔から家事は得意と言われたよ。あれ? 月って董卓だよね? 王だよね? 王って家事とかするものなの?

 

 片づけも終わってお風呂の準備をしようとしたけどテト姉がいれてくれていたよ。テト姉ありがとう。今のうちに今日の復習でもしようかな。

 

 全員がお風呂から上がったら夜のお笑い番組でも見ようかな。

 あはは、やっぱりこの3人組の芸人は面白いな。

 

「アハハハハ」

「ははは」

「おもしろ~い」

 

 いつの間にかみんなが集まっていたよ。みんなお笑い番組大好きだよね。家で一人っきりの時は面白く感じなかったこの番組も今はすごく面白い。

 番組も終わり。ちょうど寝る時間だ。歯磨きして寝るか。

 寝支度も終わりあとはベットに入って寝るだけ、おやすみ!

 

 zzz…………ゴソゴソ

 

 ん? 変な物音でちょっと目がさめちゃったよ。部屋の中は真っ暗。まだ夜なのだろう。こんな夜中に来るとしたら……またフランが僕のベットに潜り込もうとしてるのかな? やれやれ、ここは寝たふりして見逃してあげようかな。

 

 

 ガサ

 

 

 あれ? フランの手ってこんなに大きかったっけ? いや、そんなはずはない!

 

「だ、だれ!?」

(ガバ!)

 

 ん? これは! キスされた!?

 

「ん、ん~!!」

「誰です!!?」

 

 僕の部屋のドアが勢いよく開けられた。そこに立っていたのは月。助かったよ、月。月はすぐさま僕の部屋の電気をつけた。部屋が明るくなって相手の顔が見える。!! 君は!

 

「ちゅる……ぷはっ。久しぶりだね、誇銅君」

「……ルピ君……」

 

 

 

 

                  ***

 

 

 

「ルピ・アンテノールです。よろしくね」

「うん、よろしく。ふわ~あ」

 

 今僕たちはリビングに集まっています。みんなルピ君が侵入したことで起こされていたのだ。みんな真夜中に起こされたから眠そう。盾姉がかろうじて適当に挨拶したよ。

 

「で、テメエはいったい何者だ」

 

 プロシュート兄貴はもうちゃんと目を覚ましている。流石元暗殺者だね。

 

「何者って言われても……名前はルピ・アンテノール。種族は破面(アランカル)って答えるしかないよ」

「彼はプロシュート兄貴たちと同じように僕が家族たちとこの場所に戻ろうとしたときに生き返らせた人だよ。ただ兄貴たちとちがって家族になることは断られたけど」

「じゃあなんでここにいる」

「誇銅君に会いたいって願ったらルルって女の子がこの世界に連れてきてくれたんだ」

 

 ルル? 知らない名だ。 おそらく僕が死んだ時にあった子の仲間か何かだろう。

 

「なるほどな。で、何しに来た」

「誇銅君。今更だけど僕を家族の一員にしてくれない?」

「うん、いいよ」

 

 家族が増えるのはうれしいことだからね。

 

「まて、なぜ今頃になってそんなこと言いだしたんだ」

 

 プロシュート兄貴が聞く。流石に兄貴は疑り深いね。でも僕だって適当に家族を決めてるわけじゃないんだよ。みんなにも言ったけど、僕は魂だけに触れて生き返らせる時には記憶の交換をするんだよ。それでその人の大体の過去がわかる。その記憶を元に家族に誘うかどうかを決めてるんだから。

 まあ出会った人全員誘ったけどね。

 

「あの時は確かに僕は誇銅君の提案を断って元の世界に戻った。 僕の求めるものをを手に入れるためにね。 僕は自分を満たしてくれるものが欲しかったんだ。 でも、どれだけ探しても、どれだけ戦っても見つからない。 僕は自分が何を欲してるのかも理解できていなかったんだ。 僕は目的もなく虚園(ウェコムンド)を彷徨った 僕はそれで僕が求めるものを考えたんだ。その時、僕の頭の中は誇銅君のことでいっぱいだったんだ。そして僕は気づいたんだ! 僕は誇銅君が好きだ! 僕はどうしようもないくらい誇銅君を求めてる! この感情は恋! どうしても誇銅君に会いたい! その日から僕は君に会う方法を探そうとしたんだ。そんな時にルルちゃんが現れて誇銅君のもとへ連れて行ってくれるって言ったからついって行って、今日の夕方にこの世界に着いて今に至るってわけさ」

 

 ……う、うん……

 

「……まあ嘘は言ってないみたいだな」

 

 プロシュート兄貴も困り顔してるけど、ある意味一番困ってるのは僕なんだよ。

 

「これからよろしくね、誇銅君♪」

「う、うん。よろしくねルピ君」

「ふわ~。終わり? じゃああたしはもう寝るね」

「フランも~」

「恋も……」

 

 みんな自室に戻る。残されたのは僕とルピ君と月。

 

「じゃあ僕もお休みさせてもらおうかな」

「あなたは何処で寝るおつもりですか?」

 

 月がルピ君に聞く。

 

「もちろん誇銅君のベットで誇銅君と一緒に寝ようと思ってるよ」

「ダメです!! あなたを誇銅さんと一緒にすることなんてできません!」

「大丈夫だよ。僕は誇銅君の了承なしに襲ったりしないから」

 

 え? じゃあ僕のファーストキスを奪ったのはなに!?

 ファーストキスが男! しかもディープキッス!

 

「ではさっきのキスはなんですか!」

 

 ルピ君は急にばつが悪そうになる。

 

「あれは……ずっと会いたかった誇銅君にやっと会えたことで興奮してついやっちゃったんだ。ごめんね誇銅君。でももう大丈夫だよ、安心して」

「信用できません!今日は私の部屋で寝てもらいます!」

 

 月はお客様用の布団をルピ君に渡すと自分の部屋に引っ張って行ってしまった。

 ……僕も寝よう。

 

 

 

 

  

                  ***

 

 

 

 ふ~疲れた……僕は今こんなことつぶやいてるけどまだ一限目も始まっていないんだよね。

 

「おい、どうした誇銅」

「あー、一誠」

 

 机に伏せている僕に一誠が声をかけてくれたよ。

 

「昨日、僕の家に新しい家族が来たんだ。それでちょっとバタバタして」

「また増えたのかよ! どんな奴なんだ?」

「また機会があったら紹介するよ」

 

 本当に朝からバタバタしたよ。

 まずは僕が目覚めたところからだ。目覚めたら僕はルピ君の抱き枕状態になってたんだ。そこから僕を起こしに来た月とひと悶着あってそれを止めるのに結構労力使ったよ。ルピ君の言い分では寝顔を眺めてたらそのまま抱き着いて寝ちゃったんだって。その後もルピ君の過剰なスキンシップは続いたよ。ボディタッチは当たり前で抱き着きながら僕の匂いを嗅いだり、時には耳を甘噛みしてきたり首筋をなめられたりしたよ。その度に月とひと悶着あってその度に僕が仲裁した。

 そして、説得の末に過度なスキンシップは極力控えるようにルピ君に言い聞かせることに成功した。……たぶん……。今日は早く帰えって休もう……。

 

 放課後になり僕たちはまっすぐ家に帰った。

 

「おかえり誇銅君、月ちゃん、恋ちゃん♪」

 

 家に帰るとルピ君が出迎えてくれたよ。月はすぐに僕とルピ君の間に飛び出した。

 

「大丈夫って言ったでしょ? それに極力控えるように誇銅君とも約束したしね」

「そ、そうですか」

「ただし、僕の中の誇銅君が足りなくならないようにちょくちょくスキンシップはさせてもらうからね」

 

 たんだんとルピ君への警戒を薄めていた月だったが、最後の一言ですぐにまた警戒を始めた。だいなしだよ。

 

「そう警戒しないでよ。僕は誇銅君が家族と認めた君たちとも仲良くしたいと思ってるんだから。もちろん誇銅君優先だけどね」

 

 月とルピ君の間で火花が散ってるように見える。完全に僕と恋は置いて行かれてるね。とりあえず二人は放っておいて着替えよう。

 ふー、疲れる。でも、家が賑やかになってうれしい。月だってあんなに警戒はしてるけど敵意は向けてない。ルピ君もあんなことを言ってるけど大事な一線は越えようとしてこない(キスはもう忘れることにした)。まあ、まだ一日目だけどね。でも、みんなも警戒はしてるけど敵意は向けてない。だから、みんなから認められるように頑張ってね、ルピ君。君ならすぐに信頼されると思うよ。

 あとこれだけは言っておく。僕にそっち系の趣味はない!

 

 

 

 

 

 

   BLEACHから  ルピ・アンテノール




ルピ『グリムジョーかと思った? 残念! ルピ君でした。』
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