BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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無駄な戦闘

 う~こういう殺し合いは本当に嫌いだ。できれば戦いたくない。でも、家族を守るためなら僕は戦う! この世界に足を踏み入れた時から僕はそのくらいの覚悟は最低限必要だ。でも……

 

 これはそれとは違うよね! あーもーこれホントになんなの? 僕はテロかと思ったけどホントにそうなの? 悪魔ってテロされるようなこととかしたの? というより僕たちは悪魔じゃないから関係ないよ! 僕も一誠たちが困ってるなら手を貸したい気持ちはあるけど家族に無駄な危険が及ぶのは流石にお断りだよ!

 僕がそんなことを思いながらフランとルピ君が怪我した場合に備えていつでも動けるように準備はしている。まあフランの周りには誰も近づけないしルピ君は攻撃を受けても結構平然としてる。僕の出番はなさそうだ。

 僕も一応武器なしの攻撃技はあるんだけど下手したら味方も巻き込むし……なにより使うとすごく心配をかける。別に大丈夫なんだけどね。それに僕もこの技はあまり使いたくない、だってすごく痛いもん。

 

「もしかして、お前ってフランドール・スカーレットか?」

「アナタ誰?」

 

 赤髪の短髪の男がフランに話しかける。なんだか笑顔がすごく嘘くさい。

 

「貴方たちに名乗る必要はない」

 

 その後ろから現れた黒のロンゲの男が言う。こっちは前の人と逆で完全に無表情だ。なんか無表情すぎて機械みたい。

 

「そうだな。これから俺に殺されるんだから名乗る必要はないな」

 

 え? この人たちはいったい何を言って

 

「貴方たちのレーティングゲームは見せてもらった。我々の障害にはなりそうもないが潰せる火種は決しておく。故に殺す」

「そんなことさせないよ」

 

 ルピ君とフランが二人の前に立ちふさがる。いざとなったら僕も戦えるように準備しておかないとね。

 

「じゃあ俺はこっちの男共を殺す。お前は吸血鬼な」

「それが効率的だ」

 

 そう言うと赤髪がルピ君にロンゲがフランに襲いかかる。ルピとフランはお互い邪魔し邪魔されないように離れる。

 

 

 

      ***

 

 

 

 ――ルピside――

 

 

 まったく、面倒な人に目をつけられちゃったな。僕は誇銅君たちと一緒に暮らしたいだけなのに。まあ誇銅君のために刃を振るうのは悪くないけどね。

 

「そういえばお前はいったいなんなんだ? 俺たちの情報にはいなかったが」

「最近誇銅君の家族になったんだよ。僕の名前はルピ・アンテノール。元第6十刃(セスタ・エスパーダ)。今は誇銅君を守る刃」

「よくわなんねーが殺せばいい話だ!」

 

 そう言うと間髪入れずに襲いかかってきた。まったく、血の気の多い人だなー。

 ー響転(ソニード)ー。

 

「うお! 結構はえーじゃねーか。速さには結構自信あったんだがな」

「フフ、君が遅いだけだよ」

 

 その程度じゃ簡単に避けれるよ。あとは

 

「君ってさ……強いの?」

「ああ? 俺が強いかって? お前には俺のこの魔力が感じとれねーのか? ハハハ! 笑っちまうよ。このS級はぐれ悪魔、アルタン様が弱えーわけねーだろ」

 

 なるほどね、彼でS級か。でも霊圧だけで判断はできないね。

 

「ぼーっとしてんじゃねえよ!」

 

 アルタンはルピが考え事をしているスキに魔力の右手に集約させ放った。その魔力はルピをとらえ呑込んだ。

 

「ハハハ! ぼーっとしてんのが悪いんだよ。戦場で俺みたいな格上の奴を前にしてぼーっとしてるから一撃で死ぬことになるんだよ! ハハハ!」

「ふ~ん。じゃあ今のは君の本気なんだ」

「!!」

 

 僕がちょっと考え事をしてる間に霊圧の塊をぶつけてきたよ。でもこれで大体わかった。

 

「テメェどんな小細工で俺の攻撃を防いだかしらねえがそう何度もできると思うなよ!」

「小細工? そんなのしてないよ。ただ真正面から受け止めただけだよ」

「うそつけ! そんなことできるわけねえ!」

「ん? 君が弱いだけでしょ?」

「なんだって!」

 

 ふふ、怒ってる怒ってる。

 

「君の実力を試してみた結果、君の実力は下級大虚(ギリアン)ってとこだね」

「あ?」

「僕は元々中級大虚(アジューカス)。下級の下級大虚(ギリアン)では中級の中級大虚(アジューカス)に勝てない」

「テメェ~!(ぷるぷる)」

「でも頑張れば勝てるかもよ。頑張ってね、B級はぐれ悪魔君♪」

「ぶっ殺す!!」

「ア・ごめ~ん。弱すぎて間違えちゃった。それと実は」

 

 彼はその身から赤い霊圧を噴出させまるで猪のように突っ込んできた。確かに下級大虚(ギリアン)中級大虚(アジューカス)に勝つことは無いことはなかった。でも

 

 ルピはそっと自分の刀に手をそえ

 

「今の僕、最上級大虚(ヴァストローデ)に進化したんだ」

 

 響転(ソニード)で一気に距離を詰め悪魔の首を切り落とす。悪魔の動きはピタッと止まり、その首は思い出したかのようにゆっくりと地面に落ちる。僕は落ちた首に向かって

 

「ごめんね、最初に言わなくて。え~と……誰だっけ?」

 

 

 

 

 

 ――フランside――

 

 

「貴方では私には勝てない」

「ふ~ん、そうなんだ」

 

 フランは男に手のひらを向けてギュッと握る。するといつものように男は爆発する。

 

「これでも?」

「そうだ」

「!!」

 

 なんで? 確かに壊したのに。

 

 そこにはさっきと変わらずに立っているロンゲの男

 

「貴方の力はすさまじい。まさに異形の吸血鬼にふさわしい。だが、私はその程度では壊れん」

 

 フランは自分の能力が確かに発動したのに壊れなかったことに混乱する。

 

「ぐっ!」

「フム、防御力は大したことないようだ」

 

 男は素早くフランの腹に向かって拳を突き出す。フランは両手でガードする。しかしとっさにガードしたのでダメージはそのまま両手にくる。

 

「じゃあこれならどうだ! 禁忌『フォーオブアカインド』」

「フム、分身か……」

 

 4人に分身したフランはそれぞれ弾幕を放ち四方から攻撃を浴びせた。

 

「無駄だ」

 

 しかし、男は倒れない。男はそのまま最初と同じように素早くフランに近づきこんどは蹴りを打つ。だが、今度はしっかりとガードできダメージを軽減することができた。

 

「スピードは私より上か」

「フラン! 大丈夫」

 

 フランの不利を見ると誇銅はフランのもとへ駆けつける。が、男はすぐさま誇銅を攻撃しだす。

 

 う~お兄ちゃんを守るハズなのにお兄ちゃんに戦わせちゃった。

 

「人間程度簡単に殺せる」

「ぐぁ!」

「お兄ちゃん!」

 

 男は誇銅の腹を右手で貫いた。誇銅はそのままの状態で口から大量の血を吐く。

 男はやっとその無表情を崩し残酷な笑みを浮かべる。誇銅は傷が治るとすぐに男の足をしっかりとつかむ。

 

「フラン! もう限界だ! 離れて!」

「う~」

 

 フランは泣きながら誇銅と男から離れる。フランが離れたのを確認すると誇銅は魔力を溜める。男は誇銅が何をするのかじっと観察する。

 

 う~ごめんなさいお兄ちゃん……ん?

 

 フランは離れたところで誇銅と男の方を見ると何かに気がついた。

 

 もしかして……

 

 フランはすぐさま誇銅と男の元へ戻る。

 

「お兄ちゃん! ちょっと待って!」

「?」

 

 フランはそう言うとフランは地面に降りてうずくまる。

 それは解放するため。あの日からずっと封じ込めていたもの。自分がすべてを失う原因になった理由。そして誇銅たちと出会うきっかけになったもの、そう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狂気、10%」

 

 そう、狂気である。

 

「ハハハハハ、この感覚久しぶり」

「ん?なんだ?」

 

 フランの変わりように疑問を持つ男。足元の誇銅からすっかり視線を外している。

 

「私はこの状態になるといろいろ研ぎ澄まされるの。今の私じゃ30%が理性を保ってられる限界だけどね」

「ほう。そうなったからといえ私は倒せない」

 

 男は今のフランを見ても余裕を崩さない。

 

「そうだね。あんたは倒せない。けどあんたの“本体”なら倒せる」

「!!」

 

 フランはそう言うとちょっと離れた建物へ向かって飛んでいく。

 

「ま、まて!」

「行かせないよ!」

 

 男は急いでフランを追いかけようとするが誇銅が立ちふさがる。

 

「どけ! 人間!」

「そのくらいじゃ僕は倒れないよ!」

 

 男は誇銅を思いっきり殴るが誇銅は踏ん張って男の進路を塞ぎ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりここにいたんだ」

「ヒィ―――――!」

 

 フランは目標の建物の壁を壊し中に入る。そこにはさっきまでフランが戦っていた男がいた。しかし、さっきとは違いその表情には一切の余裕はない。あるのは怯えだけ。

 

「な、なぜあの場にいたのが私の偽物だとわかった!」

「ん~? 遠目で見た時に魔力ばっかりだったからだよ。だからさ~もしかしたら偽物かもしれないと思ったの」

「う、うそだ! このS級はぐれ悪魔の私がこんな子供に見抜かれて負けるなんて! これは夢だ! 夢なんだ! お前は私の夢なんだ! 消えろ! そして目覚めろ私!」

 

 男はそのまま壁際まで追いつめられる。

 

「じゃあね、バイバ~イ」

 

 フランは男に手のひらを向けてそのまま握った。そしてフランは狂気を再び封じ込め誇銅のもとへ帰る。男はその場でぐったりと倒れ込む。その体には時に変わった様子はない。……首から上がないこと以外。

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