BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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盾子の神器設定変えたの忘れてた。(今作では神器なし)


バスターゴースト

 誇銅はその日の夕ご飯の時買い物途中にミシェルに会ったことを話した。

 だったら何かお礼をしたいと言っていたがミシェルの去り際の言葉、「いつか寄らせてもらう」を待ちその時お礼をしようと考えた。

 向こうの都合もあるだろうしその方がちゃんとした恩返しができるんじゃないかと思って。

 

 ピンポ~ン

 

「はーい」

 

 家のチャイムが鳴る。ドアを開けるとそこには。

 

「ミシェルさん」

「すまん。しばらく泊めてもらえんか?」

 

 恩返しのチャンスは案外早く来たのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~助かった。この辺に安く泊まれるところがなくての」

「全然大丈夫ですよ」

「そうです。私たちを頼ってもらっても平気ですよ」

 

 誇銅と月はミシェルを空き部屋へ案内する。

 誇銅の家族はミシェルを歓迎した。

 

 

 

 

「ミシェルさんは今何やってるんだお?」

「今までの人生ずっと怪物退治をしとったからの。だから世界中を見てやりたいことを探そうとおもっとる」

「ってことは怪物退治は廃業ってわけか」

「いや、それはもはやワシの性みたなもんじゃ。目につく範囲内なら続けようとおもっとる。

 何平気じゃ。ワシかてジョンたちに出会うまでは一人ではぐれエクソシストのようなことをやっとったからの。フォフォフォ」

 

 プロシュートの言葉に笑いながら答えるミシェル。

 

「もし働き口が欲しかったらあたしがどっか紹介してあげれるかもよ?」

「今はまだ世界を見て回りたい。だがその時がくれば頼めるかな?」

「当たり前じゃん」

 

 誇銅たちはいつもの家族たちはしばらくミシェルと話す。誇銅と月は軽いつまみなどを作りながら。

 だがすでに夜も遅くなってきたので各々は部屋に戻って睡眠をとる。

 そして誇銅たちが寝静まったころ、ミシェルは盾子の部屋をノックする。

 

「なに?」

「盾子、すまんがここに書いてあるものを持ってはおらんか?」

 

 

 

       ***

 

 

 盾子side

 

「盾子、すまんがここに書いてあるものを持ってはおらんか?」

 

 私は渡された目を用紙を見る。

 そこに書いてあったのはどう考えても日常品と言った感じのものではない。たとえハンターだったとしても。

 

「一応そろえることはできるけど、今回のターゲットはなに?」

 

 これは明らかにただの怪物を狩るためのものではない。

 もっと特別な相手に使用するものだ。

 

「……推測だが北欧神話のロキじゃと思う」

「ロキ!?」

 

 ロキって……悪神とはいえ神じゃん!

 

「ロ、ロキってあんた」

「心配することは無い。

 まだ数えるほどしか狩ってはおらぬがこの世界の怪物は向こうの世界の怪物とほとんど同じじゃと感じた。だったら神格と言えど大差はないじゃろう。

 向こうの世界で神格と戦ったことがあるが、そこらの怪物よりも強かったが殺すのは大差なかった。

 油断さえしなければ大丈夫じゃろう」

 

 この人たちって神格を狩ったこともあんたんだ。

 でも晩御飯の時はあんなこと言ってたけどやっぱりここに来たのは仕事のためか。何となくだけどそんな気がしたんだよね。

 そう言えばこの人たちが狩りをしてるとこって見たことないけどまあ大丈夫か。でもあれ?

 

「でもこれって神といえ一人殺すにしては多くない?」

 

 明らかに量が怪物の集団を殺す、もしくは弱らせるものだよね。

 

「それはのう。ロキの被害にあった場所を調べてみたところいたるところに大量の数種類の獣の痕跡があったんじゃ。

 しかも歯形から見てもその一帯に生息するような獣の歯形ではなかった。

 おそらくロキが何らかの獣を連れてるのじゃろう。それはその獣用じゃ」

 

 なるほど。ロキが作り出したと言えばフェンリルやヨルムンガンド。詳しく調べたら他にもなんかいそう。

 

「流石に数で攻められればワシも危ない。それに被害も大きくなってしまう」

「わかったわ。すぐに用意するわ。ついでに調合もしておくわ」

 

 私はいざって時のために用意していた材料を使って注文通りの調合をする。

 

「できたわ」

「ありがとう」

「わざわざここ来たってことは転移かなんかで行くんでしょ?

 あたしも連れてってよ。自分の身は守れるし、いざって時のサポートくらいするからさ」

 

 恩人にみすみす死なれたら目覚めが悪い。それに

 

「この世界の神の力の予想を作っておきたいのよ」

「まあお主なら身を守る力もあるし大丈夫じゃろう。ただし、危ないと思ったら逃げるんじゃよ」

「りょうか~い」

 

 あたしさっさと着替えを済まして眠気覚ましに栄養ドリンクを一本飲む。

 そしてさっそくミシェルさんの転移で現場へ向かう。

 襲撃されるであろう場所の通り道で隠れて待ち伏せをする。

 待ち伏せと言っても今までの被害現場から予測を立てただけで確証はないらしいけどね。

 

「きよったぞ」

 

 マジかよ。ただの推測で予測できるとか。

 これはミシェルさんがすごいのかまたはロキが単純なのか後で聞いてみよ。

 多分後者だと思うけど。

 

「ぬっ!?」

 

 ロキがあらかじめ貼ってあった魔法陣の罠に引っかかり動きを止める。

 ミシェルさんはその隙にすばやくロキに近づきナイフを突き立てようとする。

 

「人間ごときがなめるな!」

「ぬぉ!」

 

 ロキは魔法陣を破壊してミシェルさんを吹き飛ばす。

 

「ふむ、やはりその程度の結界では封じ切れんか」

「当たり前だ。人間ごときが我にかなうはずないだろう。死ね!」

 

 ロキはミシェルさんに向かって魔力の塊を放つ。

 だがその程度でミシェルさんは倒せない。

 

「ふん!」

「なに!?」

 

 その魔力をミシェルさんは念力で跳ね返す。

 

「貴様……ただの人間ではないな?」

「フォフォフォ。ワシは死人。死体に憑りついた幽霊じゃ。長年の幽霊をやっとったおかげで力の使い方はバッチリじゃ」

 

 そう、ミシェルさんは俗にいうポルターガイストを起こせる。その力で相手を跳ね飛ばしたり、あのように攻撃を跳ね返すこともできる。

 

「ちょうどいい。貴様には一足先にこいつらの実験に付き合ってもらおう。

 フェンリル、スコル、ハティ、ミドガルズオルム」

 

 すると空間が歪みそこから大きな狼とそれより小さい二匹の狼、そして大量の蛇が出現する。

 うわ~あそこまでやる?

 

「今まで何度か人間たちを襲わせて性能の実験をしていたのだがこれは試運転になりそうだな。

 太古の幽霊を名乗るのなら簡単には死んでくれるなよ」

「フォフォフォ、これはちと危ないの。ではこれを使うか」

 

 ミシェルさんは懐からあたしが調合したビンを取り出す。

 そして呪文を唱えながら地面にたたきつける。するとビンからはありえないほどの煙がたちこみ辺りを包む。

 

「な、なんだこれは!?」

「フォフォフォ、死にゃせんから安心せい。まあ結果的には死んでもらうがの」

「ぬお!」

 

 ミシェルさんはロキを念力でロキを押さえつけながら歩いてロキの方へ歩いて行く。

 

「ぐぬぅ、お前たち何をしている! 早くこいつを殺せ!」

 

 ロキは魔獣たちに命令するが魔獣たちは先ほどの術で弱体化すると同時に冷静さを失っている。

 かろうじて混乱の末にミシェルさんにとびかかるものもいたが返り討ちにあう。

 

「ではさようなら」

 

 ミシェルさんは手に持ったナイフをロキの頭に刺す。するとロキはその場に倒れて動かなくなった。

 だがロキが死ぬと同時に他の魔獣たちが散って行ってしまう。

 

「まずい!」

「大丈夫」

 

 逃げて行くミドガルズオルムが砂に包まれていく。

 あら? 何が起きたのかしら? な~んてね。あたしがやったのよ、あたしが。

 あたしには向こうの世界で覚えたこの地の魔法があんのよ!

 

砂縛柩(さばくきゅう)

 

 これが大量のミドガルズオルムを閉じ込めてる魔法。

 でもこれはただ閉じ込めてるだけ。だから

 

砂瀑送葬(さばくそうそう)

 

 これが砂縛柩(さばくきゅう)でとらえた相手を砂で圧死させる技よ。

 とりあえずこれでミドガルズオルムは全滅。あとは、

 

「ガウッ!」

「砂の盾」

 

 向かってくる大狼を砂の盾で防ぐ。

 あぶね~。念には念を出かなり厚く、そして圧縮させて作ったのにちょっと貫通されてんじゃん。

 

「グルルルル」

 

 このサイズはフェンリルね。ミシェルさんも残りの狼の相手してるしあたしがやるか。

 さ~てあんたの相手はこいつよ!

 あたしはフェンリルとあたしの間に大量の砂を集中させる。

 そして砂は形を持ち、インディアンっぽい羽飾りをつけ、犬っぽい前足と車輪の後ろ足を持つ大きめの魔獣の形へと変わる。

 

「砂の魔獣、イギー」

 

 これがあたしの造形魔法、砂の魔獣イギーよ。

 さ~てフェンリル、遊びましょ♪

 

「行きなさい!」

「ガルッ!」

 

 やっぱりただの獣ね。

 あたしをねらいばいいのに、イギーを攻撃した。

 まあこっち来たらそれはそれだったけどね。

 フェンリルの爪はいとも簡単にイギーを引き裂く。だが、イギーはそのままフェンリルを自分の中に閉じ込めようとする。

 フェンリルも捕まる前に脱出しようとしたが、予測してなかったことだからかちょっと逃げるのが遅れて片方の後ろ脚を捕まえた。

 そのままフェンリルの下半身まで砂に埋めてその部分を石に変える。

 そして逃げれなくなったフェンリルに向かってイギーの石の爪でリンチ。

 

「ガウ!」

 

 けどフェンリルの皮膚が固くて全然きれない。けど何度も何度も切ってるから傷はついてるし、フェンリルも苦しんでる。

 だがフェンリルもこのままでは終わらずあたしの石の拘束を振りほどきミシェルさんの方へ走り出す。

 

「危ない! ミシェルさん!」

「ふん!」

「ギャン!」

 

 あっよかった。

 ミシェルさんは既に二匹の狼を刺し殺していたのでフェンリルの攻撃を躱し反撃を与えることに成功した。

 

「キャウン」

「あっ! またんか!」

 

 逃げて行くフェンリル。ミシェルさんは追いかけようとするが手負いと言えど人間の体ではフェンリルのスピードには追いつけない。

 

「いや~お互い生きててよかったですね」

「ああ。ロキが死んでもうむやみやたらに人を襲うこともないじゃろうが……殺せんかったのは残念じゃの。それに貴重なナイフを一本回収し損ねた」

 

 あ~それで追いかけようとしてたのか。

 

「仕方ない。元凶のロキは殺せたしよしとするか」

 

 ミシェルさんは残念そうにしているがまあ生きてるから結果オーライだだね。

 てかなんでこいつ日本でこんなことしてたんだろ?

 

 

    ***

 

 

 そしてオーディン側。護衛最終日。

 リアスたちはロキ襲撃に向けて準備を整えていた。ロキを倒すための武器を手に入れ、厄介なフェンリルを封じる手段も手に入れる。

 ヴァーリチームも協力してくれることになり準備は整った。

 そして最終日。ロキが絶対妨害に来るであろう日。だが、

 

「……来ないわね」

「来ないですね」

「来ないな」

 

 一向に現れる気配がない。

 だが道中でオーディンの乗ってる馬車を襲撃しフェンリルまで連れてきたロキが来ないはずがない。

 リアスたちは今か今かと緊張感を持って待っていたがついには会談終了まで現れなかった。

 その場の全員に安心と同時に深い疑問を持って解散となった。

 

 

    ***

 

 

 アザゼルさんに言われていた護衛の期間が過ぎた。結局一回も呼ばれることは無かった。まあいいけど。

 次の日の朝、ミシェルさんはもういなくなっていた。どこに行ったのかみんなに聞いてみると

 

「狩りが終わったからもう行くって」

 

 盾姉が眠そうにあくびをしながら教えてくれた。てか狩りって!?

 朝ごはんを食べると盾姉はすぐに自分の部屋に戻る。

 

「もう少し寝かせてもらうね~。ふぁ~」

 

 なんかだいぶ眠そうだったよ。

 そして現在僕は授業と授業の間の休み時間。

 

「おっ誇銅、久しぶり」

「あっ久しぶりです匙さん」

 

 廊下で匙さんにばったり会う。ここ最近学校を休んでいた匙さん。大方護衛についての事だろうね。

 

「なあ誇銅、すまんが次の授業が終わったら英語の教科書貸してくれ。つい忘れて」

「構いませんよ」

「サンキュー。じゃあ授業終わり取りに行くわ」

「はい」

 

 そう言って匙さんと別れる。

 ……なんだろう? なんか匙さん前と違う感覚がする。雰囲気が変わったとか言葉づかいが変わったとかじゃないんだけど。う~ん……。

 

「あっソーナさん。お久しぶりです」

「そうですね。お久しぶりです」

 

 次にソーナさんと出会う。

 ちょうどいい。ソーナさんに聞いてみよう。

 

「ソーナさん。少々聞きたいのですが、ここ最近匙さんに何かありました?」

 

 身近な人間なら何か知ってるかも。

 もし僕の勘違いならそれでもいい。

 

「え!? もしかしてわかります?」

「?」

「四つに分担されていたヴリトラの神器を統合させたんです。

 おそらく誇銅君が感じてるのは統合されて復活したヴリトラの気配だと思います」

 

 よくわかんないけど何か悪いことがあったわけじゃなさそうだしいいか。

 

「そうですか。ありがとうございます」

「いえ、かまいません」

 

 ソーナさんと話していると予鈴が鳴り響く。そろそろ教室に戻らないと。

 

 

       ***

 

 

 

 学校が終わり誇銅たちは家に帰宅する。

 そこで誇銅はリビングで疲れた顔をしている盾子を見つけた。だから誇銅は盾子の肩をもんであげることにした。

 

「いや~あんたみたいないい弟もってお姉ちゃんしあわせだわ。サンキュー」

「ふふ、ありがとう。いつも家族のために頑張ってくれてありがとう、盾姉」

「ニシシ、ど~たしまして。でもこの苦労も含めてあたしは今幸せだよ。なんたってあんたたちのために頑張ってるっておもえるんだから」

「そんな希望の塊の姉を持てて弟として希望だよ」

「ニシシ♪」

 

 希望と言われて思わず笑みをこぼす盾子。

 絶望と言われた彼女は今本気で誇銅家の希望になろうとしている。

 自分が感じ取ってる希望を守るために。

 

「だいぶこってるね盾姉。張り切りすぎて体壊したらだめだよ?」

「大丈夫大丈夫。それより最近どう? 学校の方。なんか面白い話とかあった?」

 

 その時の会話で誇銅は匙が神器を統合して少し様子が変わったことを話す。

 肩もみが終わると盾子は誇銅にお礼を言って自室に戻る。そして電話をかける。その相手は

 

「はい、もしもし」

「あ、ソーナ。元気してる?」

 

 悪魔のソーナ・シトリーである。

 盾子はソーナ・シトリーを他の悪魔よりはちゃんとした常識があると見込み、彼女にアドバイスをすることで間接的に人間側の被害を減らそうと考えている。

 盾子は半分おふざけの入った調子で話す。

 

「あのさ~、ソーナんとこと匙って子いるじゃん? あの子の神器を統合したってマジ?」

「はい、四つに分担されていたヴリトラの神器を統合させました」

「それってちゃんとあんたも許可したの?」

「はい、きちんと危険性も理解して許可しましたし、これからのことも考えています。もちろん本人の承諾も得てます」

「ふ~ん……」

 

 盾子は数秒の間を開けて

 

「それで神器を統合するって意味はわかってる?」

 

 急に真剣な声質に変わる盾子。

 

「え?」

「神器は一人の人間に一つまで。さらに神器を抜かれるとその人は死ぬ。

 つまり君の兵士は今四人分の魂を背負ってるんだよ?

 それがどういうことかわかってる」

「そ、それは……」

「つまり今の匙君は三人の犠牲の結晶なんだよ? 理解してる?

 もし命の重さを考えずにした行動ならあんたは他の悪魔たちと同だよ」

「……」

 

 ソーナから暗い沈黙が流れる。だが盾子は

 

「じゃあ学校作りがんばってね~。そんでもって早く悪魔社会をちゃんとさせてね~」

 

 盾子は声質をいつもの半分おふざけが入った調子に戻す。そして電話を切る。

 

「……私の目に狂いがあったのかな~。

 ……まあいいや。あの子との関係は小学生の時の友達くらいの関係にしとこと思ってたし」

 

 盾子はほんの数秒悩んだ表情をしたがすぐにいつもの笑顔に戻る。

 

 

 

 

     ***

 

 

 

 

 その夜、僕の電話が突然鳴る。

 

「はい、どちら様で?」

「ワシじゃ、ミシェルじゃ」

 

 電話の主はなんとミシェルさん。

 でも聞こえてくる声は少し弱い。

 

「今この前君と会った時に近くに公園があったじゃろ? 今そこにいるんじゃが、ちと助けてくれんかの?」

「どうしたんですか!?」

「いや、ちとしくじってしもうての。ちいとばかし怪我をしてしもうたんじゃ。

 悪いが君の力で治療してもらえんか?」

 

 え!? それは大変!?

 

「わかりました! すぐに皆さんと」

「いやいや、他のみんなには言わんでくれ!」

 

 え? なんで?

 

「いい年こいてあんなこと言った手前、こんなミスを犯したなんてばれたら恥ずかしいんじゃ。

 だから頼む! 他のみんなには秘密にしてくれ!」

 

 電話越しにミシェルさんの必死に頼み込む姿が見える。

 恩人であるミシェルさんにここまで頼まれたら断れないね。

 

「わかりました。すぐに僕一人で行きますのでもう少しだけ待っててください」

「おお、ありがとう」

 

 そうして電話を切り、すぐに家を出る。家族には僕のいつも使ってるレポート用紙が途中で切れたからちょっと買ってくると言って。

 他のみんなにばれないように家から出て少しの間だけは少しだけ早く歩いて、その後は急いで走る。

 電話の様子では弱ってはいたが今にも死にそうといった様子ではなかった。それに恥を気にする余裕もあった。恐らく一刻を争うほどではないだろう。

 そんなことを考えながら走っているとミシェルさんがいるはずの公園につく。

 僕はあたりを見渡してミシェルさんを探す。

 

「おお、誇銅。こっちじゃ」

 

 ミシェルさんの声が聞こえたほうを見ると、そこにはベンチに座るミシェルさんが。

 だがその右足は刺し傷のようなものが見受けられ、左足に至ってはもうズタズタだ。

 

「ミシェルさん! 大丈夫ですか!? 電話の声は何だか弱ってたみたいでしたし」

「別に平気じゃよ。忘れとるかもしれんがワシは幽霊でこの身体は死体じゃ。

 さっきは戦闘の後と言うこともありここまで来るのに霊力を使いすぎての」

 

 ミシェルさんは笑いながらそう言う。

 僕はとりあえず依頼された通りミシェルさんの足を治す。

 幽霊の乗り移った死体はちょっと神器がうまく使えるか心配だったけどまあ大丈夫だったよ。

 

「フォフォフォ、すばらしいできじゃ。

 いや~ちょうどいい肉体が無いと物の持ち運びが不便じゃからの。かといって壊れたままの足では歩きにくいことこの上ない。今更他の死体を探すのも気が進まん。本当に助かった」

「いえいえ、気にしないでください。でも本当に無事でよかったです」

 

 僕がそう言ってる間、ミシェルさんは僕をじっと見る。

 ……ミシェルさん?




 ミシェルは死体の損傷が少なければ体を動かして生きてると同じ状態にできる。
 そのため食べたりすることができる。
 だがそれはロボットを動かしてるようなもので感覚を感じないようにすることも可能。
 さらに、味覚など一部分の感覚だけを残して一部分だけ消すといったこともできる。
 死体の損傷が激しくなると動かせなくなり、肉体が無いとその場からあんまり遠くに行けない。
 別に生きてる人間に憑りつくこともできるが退治されかねないのでやらない。
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