BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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安息日

 僕が生き返った後、僕は向こうの世界で知ったことを家族たちに伝えた。

 

「ふ~ん、そうなんだ、でも僕たちにしてみれば誇銅の正体なんてどうでもいいよ。それを言ったら僕なんて合成獣なんだし」

「そうそう、誇銅君は誇銅君であることが大事なんだ。破面(アランカル)である僕を受け入れてくれた君を僕が受け入れないわけないじゃないか。

 僕は誇銅君が悪魔であろうと、天使であろうと、死神であろうと愛するよ」

「ルピさんと言うとおりです、誇銅さんはそんな心配をする必要なんてないんです。

 ですからいつもみたいに私たちのもとで笑っていてください」

 

 みんな僕がプロメテウスの生まれ変わりであることを何の遺憾もなく受け入れてくれた。

 というよりここまで僕と言う存在を歓迎してくれることがすっごくうれしい。

 

「プロメテウスな、確かオリンポス神話に出てくる神だよな」

「そうそう、火を奪われて苦しんでいる人間に火を盗んで与えた神様。まあそのせいで山に貼り付けにされて生きながらにして肝臓をハゲタカについばまれる責め苦を受けたんだけどね。さらに自身の不死身のせいで毎晩その責め苦が続いた」

「よく知ってんな」

「フフフ、あたしがまだ絶望の教祖だった頃に読んだの。その部分は何か絶望的なことに使えそうだったから覚えたし」

「まったく、誇銅の悪い癖はその頃からだっんだな」

 

 僕自身プロメテウスという神様について知らなかったけど、プロシュート兄貴と盾姉の話でプロメテウスの像が大体浮かんできたよ。

 ああ、それで僕、ハゲタカと山が嫌いなんだ。なんか知らないけど小さいころから嫌いだったんだよね。

 そんなことを思っていると、フランが疑問を持った表情で僕を見る。

 

「よくわかんないけど、お兄ちゃんはお兄ちゃんなんだよね?」

「そうだよ、フラン」

「よかった♪」

 

 そう言ってフランは僕にフワッと抱き着く。いつものような力いっぱい、元気いっぱいな甘え方ではない、僕を気遣うような優しさの甘え。

 

「……誇銅、疲れてる。フラン、行こう……」

「うん」

 

 恋がフランを抱き上げて僕から離す。

 

「そうですね、生き返ったばかりであまり顔色がよくありません」

 

 そうかな? 僕としてはそんな感じはしないけど……。

 

「そうね、生き返ったばかりなんだから今日一日は安静にしてなさい」

「え、でも学校…」

「ぜってえ行かせねえから」

 

 盾姉とプロシュート兄貴のダブル絶対安静通告、僕にはそれを覆すすべはなかった。

 みんなが僕の部屋から出て行く、そして最後に月が、

 

「では誇銅さん、ごゆっくりおやすみなさい」

 

 そう言ってドアを閉める。

 僕は特にすることもないし言われた通り今日はおとなしくしておこう。

 時計を見ると時間は夜中の5時……朝食でも作ろうかな? 時間もあるしちょっと手の込んだ朝食でも作ってみよう。

 そう思って台所で朝食を作っていると、

 

「誇銅さん! 今日は安静にしてくださいと言ったハズですよ!」

 

 同じく朝食の準備をしに来たんであろう月に怒られた。

 

 みんなで朝食を終えると恋と月とルピ君は制服に着替えて登校の準備をする。

 月たちが学校に行ってる時には掃除でもしよっかな。

 

「誇銅さん、私たちがいない間に掃除などをするのもダメですからね、今日は病人のようにじっとしてくださいね」

 

 月に先手を打たれてしまった。

 

「誇銅君、退屈だと思うけど今日は我慢してゆっくり休んで」

「誇銅……ゆっくり休む」

 

 ルピ君と恋にも行き際に言われとうとう僕は何もできなくなってしまう。仕方ないから自室で寝てよう。

 

 

 

 

 

 

 目が覚めたのはお昼頃、睡眠をしっかりとったおかげか眠気もなくスッキリ起きられた。これは夜になるとちゃんと寝れるかが心配だ。

 

「お兄ちゃん……あっ、もう起きてた!」

 

 フランがゆっくりとドアを開けて入ってくる。

 

「お昼ご飯できたらから一緒に食べよ」

 

 フランは僕の手を引っ張って僕をリビングまで連れて行く。

 

「誇銅、体調はどうだ?」

「もうすっかり元気です」

「そのようだな、顔色もよくなっている」

 

 リビングではアルセウスさんが既に昼食の準備をしながら待っていた。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん」

「ん? ああ、そうだな、では」

「「「いただきます」」」

 

 僕はフランとアルセウスさんと一緒に昼食をとる。

 

「ところで他のみんなは?」

「みんな仕事で出かけとる、晩飯までには帰ると言っておった」

 

 みんな頑張ってるんですね、僕も卒業したら就職して家族の負担を減らしたいです。そのために勉強もバイトももっと頑張ろう!

 

「と言うことは晩御飯の買い出しに行かなくちゃ。僕も元気になったし言ってもいい?」

「ダメ」

 

 残念。

 昼食を食べ終え僕は再び暇な自室へ戻る。だって食器洗いもさせてもらえなかったんだもん、過保護すぎですよ。

 仕方ないから昔買った小説を読みながら暇をつぶそう。

 小説を読み始めてしばらくすると僕の部屋にノック音が響く。

 

「お兄ちゃん」

「あっフラン、おいで」

 

 僕は呼んでいた小説をおいて部屋に入ってきたフランを両手を広げて誘う。

 フランは僕の誘い通り僕の胸の中に来る。だが、いつもは飛び込んで来るといった感じなのに、今日は病人に抱き着くようにフワッと入ってきた。

 

「本当にもう大丈夫?」

「大丈夫だよ~フラン。だからもっとフランをなでて僕を幸せな気持ちにさせて」

 

 あ~かわいい妹を撫でてると幸せが胸の中に広がる。これが兄としての幸せなんだろうな~。

 

「フランを撫でるとお兄ちゃんは幸せな気持ちになるの?」

「そうだよ」

「じゃあ、禁忌『フォーオブアカインド』」

 

 四人に分身するフラン。

 え!? どうしたの?

 

「えへへ」

「フランが四人でお兄ちゃんの幸せも四倍!」

「フランでいっぱい幸せになってね」

「お兄ちゃん大好き♪」

 

 四人のフランが僕に一斉に抱き着く、僕はフランたちの頭を撫でるが、

 

「お兄ちゃん、こっちのフランも~」

「お兄ちゃんこっちも~」

「手が止まってる」

「あ~もっと~」

 

 とても一度に相手できる人数じゃない。僕は頭を撫でたり、顔に近づくフランに頬ずりしたり、お腹を撫でたりしてるが全然手が足らない。

 僕は一度なでる手を止めて、

 

「フラン、可愛いフランは四人でも僕は一人なんだよ、だから四人同時には可愛がれないよ」

「「「「あ~う~……」」」

 

 フランは残念そうな顔をするが、何か思いついたような顔をすると顔を上げて笑みを見せる。

 

「じゃあ、フランたちがお兄ちゃんを可愛がってあげる!」

「え?」

「「「「う~!」」」」

「うわぁ!」

 

 四人のフランが一斉に僕に覆いかぶさる。それぞれのフランが僕の頭を撫でたり頬ずりをしたりしている。フランは僕を可愛がってるつもりだろうが、僕にはいつものように甘えているようにしか思えないけどね。

 僕はそのままフランの気がすむまでなすがまま状態になった。

 

 

 

 

 

「ちょっと良いか? 誇銅」

「はい、大丈夫です」

 

 フランがいなくなってしばらくすると今度はアルセウスさんが僕の部屋に来た。

 

「なんですか?」

「いや、特に用はないがお主が暇してるのではないかと思い」

「ありがとうございます。ちょうど暇になってたところです」

「そうか」

 

 アルセウスさんの気遣いはうれしいけどそれなら家事をやらせてほしい。

 正直みんなが働いてるのに僕だけ病気でもないのに寝てるのは罪悪感が……。

 

「誇銅のことだからどうせ自分一人が休んでることに罪悪感でも感じておるのだろう?」

「うっ!」

 

 な、なんでわかったの!?

 

「その顔は正解と言ったところか。皆を思う気持ちがあるのならしっかりと休んで次の日元気な姿を見せて皆を安心させるがよい。

 お主に過剰なまで何もさせんのは何もいじめてるわけではない、一度お主を失ったことで皆過剰なまで心配しておるのだ、我も含めてな。それに一度は完全に死んでおるのだ、一日くらい絶対安静にでもせんとお主は良くても他の者が安心できん!」

 

 そこまで僕のことを……ヤバイ……涙出てきた。

 アルセウスさんはそんな僕の涙を自分の服の袖で拭ってくれる。

 

「ほれほれ、泣くでない、うれしいのはわかったがこんな姿を見られては我が他の者から怒られてしまう」

 

 アルセウスさんは笑いながら僕の頭を撫でる。その手は暖かくて僕に本当の家族のことを思い出させる。そのせいで余計に涙があふれる。

 

「ムムム、どうしたもんか……そうだ! こういう時は母親のぬくもりが良いとテレビで見たぞ!」

 

 え? そうかもしれないけど今家にいる女性はフランだけ、それに家の家族で一番の年長はテト姉と盾姉(テト姉は自分の年齢を半分にして数えれるから)。それでも二人とも母親って感じではない。

 そんなことを思っているとアルセウスさんの体がグニャグニャとした光を発する。これはアルセウスさんが変身する時の状態。

 

「どうだ!」

 

 アルセウスさんは変身を終えるとなんと女性の姿に変わった。腰近くまである綺麗な銀髪、女性らしい綺麗な声、男性のアルセウスさんの父性が丸々母性に変わったかのような雰囲気、それと……

 

「男は大きい方が好きであろう?」

 

 明らかにリアスさんよりも大きい胸、一誠がいたら即飛びつきそう。これってI…いや、下手したらJカップはあるんじゃない!?

 

「ほれ、我が抱きしめてやる」

 

 そう言ってアルセウスさんは僕の顔を自分の胸の中に埋める。

 ちょ、ちょ!!?

 

「遠慮することないのだぞ? 本当の母親と思って甘えるが良い」

「///]

 

 あまりのことに顔を真っ赤にさせる僕。場所が場所だけに僕には触れれない、たとえアルセウスさんとわかっていても。

 僕はアルセウスさんからの慈愛と自分からの羞恥を感じながらじっと耐えることしかできなかった。

 

「「「ただいま~」」」

「む、月たちが帰ってきたようじゃな」

「ム、ムガ……プハッ! ……う、う~///」

 

アルセウスさんが月たちを出迎えに行ってようやく僕も解放される。は、恥ずかしかった~///

そう言えばアルセウスさん女性の姿のまま行ったけど大丈夫かな?

 

「おかえり、月、恋、ルピ」

「え!? ア、アルセウスさん!?」

「そうだが? あっそうか今は女の姿になっておった」

 

 玄関での会話が聞こえる、どうやら大丈夫だったようだね。

 

「え? なんで女の人の姿になってるの?」

「ん? お主たちが帰って来るまで誇銅を気持ちよくさせておったからだ」

 

 大丈夫じゃなかった!!

 何言ってるの!? アルセウスさん!

 

「誇銅君!」

 

 下でアルセウスさんの声がしてたった数秒で同じところで声が聞こえていたルピ君が部屋に突撃してくる。

 

「なんで初めてをアルセウスさんにあげちゃうんだよ! 上の初めてを上げた人に普通下の初めてもあげるものだよ!」

「いやいや、別にルピ君が思ってるようなことは無かったよ! それにあれはあげたというより奪はれただから、しかもあれはカウントに入るの?」

 

 まあキスはキスだから僕の中ではカウントされてるんだけどね。

 そしてそんなことをしてるうちに今度は月が僕の部屋に入ってくる。

 

「誇銅さん、アルセウスさんの言ってたことは本当ですか!?」

「月、落ち着いて、それは勘違いだから」

「え? でも、アルセウスさんは誇銅さんを気持ちよくさせたって……(ゴニョゴニョ)」

「どうしたというのだ? 母親の抱擁は気持ちいものなのであろう?」

 

 いつの間にか僕の部屋の前まで来ていたアルセウスさんと恋、二人は中の様子を不思議そうに眺める。

 

「「……え?」」

「だから、アルセウスさんは僕のお母さんの代わりになってくれようとしたの!」

 

 そう言うと月とルピ君はやっと実体を理解してくれた。

 

「そ、そうでしたか」

「ふ~、なーんだ、安心安心」

「お主たちは何と勘違いしたのだ?」

 

 話が終わりそうなところにアルセウスさんが爆弾を投入する。

 え? ちょ、アルセウスさん?

 

「そ、それは……///」

 

 顔を赤くして俯いてしまう月。

 これはまだいい、だが、

 

「僕はてっきりアルセウスさんと誇銅君がセ」

「うわぁぁぁぁぁあああぁぁっ!」

 

 僕はあわててルピ君の口を両手で塞ぐ。危ない危ない!

 

「ルピ君! すぐそこに恋もいるし、下手したら近くにフランもいるかもしれないでしょ!」

「ああ、そうか」

 

 何を思ったのかルピ君はアルセウスさんを自室へ連れて行った。

 そして恋と月が自室へ戻ってしばらくするとまたアルセウスさんが部屋に来た。

 

「誇銅、我には人間の生殖行為はよくわからんがルピに見せてもらった本のようなことくらいなら我が相手をしても良いぞ?」

 

 何の本を見せたんだよ! いや、聞かなくても大体想像できる!

 

「いえ、大丈夫です。どんな本を見たのか知りませんがアルセウスさんの言葉から推測するにそう言った行為は愛し合ったつがいがする行為なので」

「そうであるか、なら我の出る幕はないな」

 

 そう言って来た時と全く同じ表情で部屋を出て行く。

 どんな意味を持つ行為かは理解してないみたいだがとりあえずうやむやにできたから良しとしよう。そしてぶり返す気もない。

 

 

 

 

 

 その日一日アルセウスさんは女性の姿のままでいた。

 晩御飯の時、盾姉がそのことを詳しく聞きアルセウスさんがあの時の話をして盾姉とテト姉とプロシュート兄貴は大爆笑。そして僕と月は下を向いて顔を真っ赤にさせる。

 アルセウスさんと恋はよくわからないと言った表情。あぁ、ピュアなことが羨ましい。

 食後は盾姉が買ってきてくれた僕の大好物のラズベリーケーキを食べてちょっと落ち着いた僕。僕ってちょろいね……。

 みんな種類が違うから一口交換とかしたりしてその雰囲気はいつの間にか消えていった。

 

 

 

 そしてベッドの中、僕はなかなか眠れないでいた。今日は殆ど何もしてないから当然かもね。

 今日一日の暇な時間にちょっと今の状況を考えてみた。協力関係のことを。

 今何かあれば僕たちの助けになってくれるのは多分リアスさんたちとソーナさんたち。でも、本当に信頼していいの? 今までのことを思い出すと僕はリアスさんを心の底から信頼することが出来なくなっていた。

 今ではリアスさんを自然と避けている。もしであっても一定の距離を置いてしまう。

 基本的にソーナさんは裏方をして、リアスさんが表だって行動する。少なくとも僕がリアスさんの眷属だった頃はそうだった。そうなると僕たちに何かあると助けてくれるのはリアスさんたちということになる。

 僕は本当にリアスさんを信頼していいの? 今はまだわからないからこのことはとりあえず頭の片隅に置いておこう。また判断材料が揃う時まで。

 

 

 

 

 

 

 次の日、僕はいつも通りの生活に復帰することを許可された。

 僕は張り切って学校に登校する。だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父様♪」

「誇銅、お前の子らしい」

 

 ……え? え!?




 基本誇銅を甘やかそうとしちゃう誇銅ファミリー。
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