BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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 ギ、ギリギリだ。評価がかろうじて5残ってる。
 これ以上落ちないことを願うばかりですよ。


10000000VS10000000

 今日の観光は楽しかったけどとんでもない目にあっちゃったよ。

 あれから危うく漏らしそうになっちゃったけど何とか間に合った。も、もうあんな目はごめんだよ。

 それから僕がみんなのところに戻るとボニータさんとは別の京都妖怪の方がいて案内を引きついてくれると。律儀な人たちだね。

 ちなみに後でボニータさんを連れてった人に猛烈に謝罪された。そして京都の菓子折りをいっぱいもらっちゃったよ。

 だいたい半分以上を家に送ってもらって残りの半分の三分の二ほどは恋の胃袋に消えた。それも恋は晩御飯をたっぷり食べた後に。

 

 ただ一つとんでもなく不愉快なことがある。

 それは今夜、テロリストたちとの戦闘があるから僕たちも参加せよとのことだ。

 もういやだよ家族を危険にさらすなんて! 僕一人ならいい。でもアザゼル先生は僕たち全員が参加しろと言うんだ。使える戦力を余らすわけにはいかないと。

 僕は当然猛抗議した。だけど敵の行動次第でここも安全じゃないとか、協力者の僕たちも狙われていて自分たちと一緒の方が安全とかで結局押し切られちゃう。僕がアザゼル先生に口で勝てるわけない。

 結局頼みの月も押し負けてしまいとうとう僕らは協力せざる得ない状況に。

 絶対家族のもとに帰ってやるんだ。……ぐすん。

 

 就寝時間近くなる頃、僕たち関係者は一誠の部屋に全員集合していた。

 てか狭い、僕たちを含めて立ち見がいるほどに。ゼノヴィアさんとイリナさんなんて押入れの中から参加してる。

 しかもなぜか魔王様の一人とロスヴァイセ先生もいる。

 魔王様がなんでここに? そしてロスヴァイセ先生も関係者だったの!?

 

「では、作戦をつたえる。現在、二条城と京都駅を中心に非常警戒態勢を敷いた。京都を中心に動いていた悪魔、堕天使の関係者を総動員して、……」

 

 アザゼル先生が話し始める。詳しくはわからないが大変なことが起きてることはわかる。

 だがその反面そんな重大なことをなぜ僕たちにやらせるのかと思う。

 確かにリアスさんたちは強者との経験が豊富かもしれない。一誠にも伝説の二天龍の片割れが宿ってるのも確かだ。だけど僕たちは悪魔としても人としてもまだ未熟、そんなメンバーで行くなんて不安すぎるよ。

 

「それとこれはあまり良くない報せだが、今回フェニックスの涙は三つしか支給されなかった」

「み、三つ!? た、足りなくないですか!? 一応対テロリストなんですし!」

 

 フェニックスの涙って確かレイヴェルさんのところで作ってる回復アイテムだったよね。

 それがたった三つっていうのは少なすぎだよ。それで修学旅行中の学生にテロリストの本拠地に突撃させたりとか完全にブラックじゃないですか!

 

「ああ、わかってる。だが各世界で禍の団がテロってくれるおかげで涙の需要が急激に跳ね上がってな。

 各勢力の需要拠点への支給もままならない状態なんだ。もともと大量生産できない品だったもんで、フェニックス家も大変なことになってるってよ。そのせいで元々高級品だったのに、頭に超が二つはつきそうな代物に化けちまったんだ」

 

 うわー三大勢力も大変なんだね。

 これは本格的にプロシュート兄貴が言っていたようなことが起きそうだよ。

 リアスさんたちには悪いけど早めに協力関係からフェードアウトする努力はさせてもらいます。

 

「これは機密事項だが、各勢力協力して血眼になって『聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)』の所有者を探している。

 調査の結果、アーシアの他に所有者が世界に何人かいると発覚しているからな。

 スカウト成功は大きな利益になるんだが、一番の理由はテロリストに所有者を捕獲されないためだ。

 優秀な回復要因は味方にいれば心強いが敵に取られると厄介なことこの上ない。

 それほど貴重で重要な力だ」

 

 いやあ/// 回復能力をそこまで褒められると回復能力を誇りにしてる僕、照れちゃうな~。

 まあ回復に関しちゃ誰にも負ける気はしないけどね。ふふ~ん!!

 

「てなわけだ。いや~運がいい。なんたって俺たちには回復のスペシャリストが三人もいるからな」

「「!!」」

 

 アザゼル先生の不穏な一言に僕と月が反応する。

 僕はゆっくりと月と顔を合わせこれから起こる不幸を予測する。

 

「フェニックスの涙は一応オフェンスのグレモリーに二個、サポートのシトリーに一個支給する。

 そして回復のスペシャリストの誇銅と月に関しては、誇銅はグレモリーに、月はシトリーについてもらう」

 

 やっぱりあてにされてる――――!!

 やばいよ、重要ポジションらしきものに埋め込まれて逃げにくくなっちゃったよ。

 

「そんで恋は誇銅に、ルピは月についてもらう」

「ちょっと待ってよ! 僕は誇銅君と行きたい!」

 

 ルピ君が先生の案に反対する。

 

「ちゃんと理由もある。

 相手のリーダーは曹操だ。だから同じ三国志の呂布をぶつけるんだ。

 それに恋の神器は『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』との相性もいい。

 槍の腕前も負けてないだろう」

 

 まあ恋は実際に曹操さんに師事するほどの腕だからね。

 実際多数でこられようとも恋は負けないと思う。

 だからって女の子を一人戦場に放り出すなんてことはしたくないし、家族を危険な目にあわせたくない。

 でも実際は恋をかなり頼りにしてる。だって単純に僕が弱いから。はあー、恋を守れるほど強くなりたいな。

 

「僕の方がいいよね? 誇銅君♪」

「頼りにしてるよ、恋」

「……うん」

「ガーン! ……ふん!」

 

 ん? なんか気づいたらルピ君がそっぽ向いちゃってる。

 そんなにアザゼルさんの判断が不満だったのかな?

 

「決まったな。それと匙、お前は作戦時、グレモリー眷属の方に行け」

 

 そこからまた細かいことの説明に入った。

 いやだ、もう帰りたい。なんで新しい家族を得た瞬間こんなことに巻き込まれていかなくちゃならないんだよ。

 僕は珍しく不満を胸に抱く。決して口には出さないけど、ただの平凡な学生がいきなりテロ組織と戦えと言われれば不満は当然だと思う。

 

「――――死ぬなよ? 種学旅行は帰るまでが修学旅行だ。京都は俺たちが死守する。いいな?」

『はい!』

 

 全員が返事をして作戦会議は終了。

 それぞれが戦う準備をしてロビーに集合とのこと。

 

「もし、戦闘中味方に攻撃が当たって味方を殺しちゃっても“事故”だよね? ねえ?」

 

 ルピ君、どこ見て言ってるの? そっちは壁だよ。

 僕がルピ君に声をかけようとすると後ろから月が僕と恋の型に手をおいて止める。

 

「恋ちゃん、もし戦闘中に誤って味方を斬っても、殺しても“事故”ですよ?

 誇銅さんも生き返らせる時には魂が壊されてるとか言っちゃえば“事故”ですからね?

 ねえ、みなさん?」

 

 月はとんでもなくドス黒い笑顔で僕たちに言う。

 それに対して僕たちはただ黙ってうなずくしかなかった。

 ただ、最後の言葉だけはルピ君と同じように壁に向かって語りかけていた。ルピ君と月には何か見えてるの?

 まあ確かに僕の蘇生は肉体が火葬されると蘇生できなくなると言う弱点があるからそれを明かせば僕の炎でごまかせるけどね。

 

「気負つけてくださいね」

「……」

 

 月が僕たちを心配する言葉をかけてくれる。

 ルピ君はなぜか未だにそっぽを向いてしまってる。どうしたんだろ?

 理由を聞こうかと思ったけど聞きづらいからやめとこ。しばらくすれば治るかもしれないし。

 

「誇銅、そろそろいいか?」

「あ、はい、匙さん」

 

 匙さんに呼ばれて僕たちもロビーに行く。

 そうして僕たちは二条城へ連れて行かれることに。

 

 ホテルを出て、京都のバスに赴く。

 ここからバスに乗って二条城へ行くらしい。

 そしてバス停でバスを待っていると、

 

「オッス、悪魔たち」

『ボニータさん!』

 

 メンバーの何人かが酒瓶を持ちながらこっちに歩いて来るボニータさんに驚く。

 え、僕は? 恥ずかしながら僕はボニータさんを見た瞬間恋の後ろに隠れたよ。

 今までの服装と違い、赤を中心とした動きやすそうな服装だ。

 

「ボニータさんどうしてここに?」

「いやな、九重が八坂救出に参加するって屋敷を何度も抜け出そうとしたんだよ。

 だからオレが代わりに行くことを条件におとなしくしてもらったってわけだ。

 この辺ってビン捨てれるとこあった?」

 

 うわ~、すごい助っ人がすごいダルダルな感じで来たよ。

 これじゃ頼れるのかどうか微妙だよ。

 

「ん、どうしたんだい? そんなに怯えちゃって」

「ひぃっ!」

 

 ボニータさんが半笑いで僕の様子をうかがう。

 僕の反応で恋は何となく察してくれたみたいで、少し僕をかばうような動作をしてくれた。

 流石にこんな時にちょっかいかけてこないと思うけど、もう一種のトラウマを植え付けられちゃったよ。

 ボニータさんは持ってる酒瓶を捨てる場所をキョロキョロ探している。

 途中で捨ててくればよかったのに。

 

「え~と、ここあんまここ来ないからな~ゴミ捨て場は……ん?」

「……?」

 

 ボニータさんが何かに気づいたように下を見る。

 それとほとんど同時に恋も下をみる。

 僕も二人の様子に気づいて下を見て見ると何もない。だけど、次第に足元にうっすらと霧が出てきた。

 そして次第にその霧は僕たち全員を覆った。

 

 

 

 

 

「ようこそ、誇銅、呂布」

 

 気づいたら目の前に曹操さんが。

 落ち着いて周りを見て見ると広めの宴会場のような場所だ。

 曹操さん以外の人もちらほら見える。

 

「いきなりでびっくりしただろうが、君たちをあいつらから引き離すのはこれが手っ取り早かったからな」

 

 え? まずどういう状況か説明してほしいな。

 

「……説明」

「ああ、すまない呂布。まず俺たちは三大勢力と正面から戦うために、九尾の御大将を使った実験をするということにしている。

 リアリティのために実際準備はしてるけど使うつもりはない。実際九尾の御大将はそこにいるし」

「花見で一杯」

「こりゃやられたのじゃ」

 

 曹操さんはちょっと離れた場所を指差す。そこには金髪のお姉さんと着物姿の綺麗な女性が花札をしていた。

 着物の女性の方には狐耳と尻尾がある。あの人が八坂さんなんだろう。

 

「ほらな?

 今回は適当に戦って、頃合いを見て撤退する。それで俺たちのことを徹底的に意識させる。これが今回の作戦だ!

 だけど、誇銅君の異常な回復や、呂布がいると撤退しにくい上に負ける恐れがある。

 君たちだって巻き込まれるのは不本意だろ? だからここで御大将と一緒に囚われていたということにしてほしい」

「もちろん大丈夫ですよ。曹操さん、ありがとうございます」

「……ありがとう」

 

 これはうれしい誤算だね。

 曹操さんに大感謝だよ。

 

「やっとちゃんと名前を呼んでもらえた……」

「何感動してんのよ? 私の名前はジャンヌ、よろしくね」

 

 さっきまで八坂さんと花札をしてたお姉さんが僕に手を差し出してきた。

 

「はい、日鳥誇銅です。よろしく」

「それにしても、写真で見るよりかわいい/// もう、だき!」

 

 いきなり抱きしめられる。もうこれはなれたから適当にハグし返す。

 これで大抵は満足してしばらくしたら無事解放してもらえる。

 ジャンヌさんもその例にもれずちゃんとしばらくしたら解放してくれた。

 

「ねえねえ、曹操、この子持って帰っちゃだめ?」

「もちろんダメ。後で元いた場所に帰すから」

 

 このやり取りも僕にとってはもう慣れたことだよ。

 傍にちゃーんとした常識を持った人がいれば問題ない。

 その後、他の英雄派のメンバーと自己紹介したり、なんでか包帯まみれのお兄さんを治療したりした。

 

「そろそろ準備した方がいいな。じゃあ、終わったら連絡いれるから。連絡が入ったら向こうの檻に入って三大勢力の救助を待っててくれ。

 それじゃ、九尾の御大将もよろしくお願いします」

「うむ」

「あっ、それとここではあくまで監禁されてたってことでよろしくおねがいします」

「わかっておる」

 

 そう言うと曹操さんたちは転移で行ってしまい、残されたのは僕と恋と八坂さんのみ。

 

 

 

 

    ***

 

 

 

 誇銅たちが霧に包まれてバラバラにされた時、ボニータも別の場所に飛ばされていた。

 ボニータが飛ばされた場所はただっ広いだけの場所。

 

「待っていたぞ、バッファロー・ボニータ」

 

 ボニータと対するように、離れた場所にはモンゴル娘が立っている。

 それを見てボニータは好戦的な笑みを浮かべる。が、それは一旦消して

 

「なあモンゴル(ニャン)、このビン捨てたいんだが捨てれるとこないか?」

「……向こう抜けた右側にあったアルよ」

「サンキュー」

 

 モンゴル娘は少しガックっとなりながら場所を教える。

 だが戻ってきたボニータから再び好戦的な笑みを浮かべてることを確認すると再び凛とした立ち姿に戻る。

 

「お前がオレの相手ってわけか」

「友のためにもお前だけは行かせるわけにはいかないモル」

 

 二人の間に火花が飛び散る。

 二人は互いに違う闘気をみなぎらせる。

 ボニータの闘気は猛々しく、力強い闘気。

 モンゴル娘の闘気は洗礼され、神秘的な闘気。

 

「いくぜ!」

 

 最初に飛び出したのはボニータ。

 頭の角を相手に向けて突進する。

 

「そんなただ真っ直ぐな攻撃は効かんモル!」

 

 モンゴル娘はこの攻撃を飛んで躱し、その後ボニータの後頭部に蹴りを打ちこむ。

 

「そんな軟な攻撃オレには通じねぇ!」

 

 ボニータはその攻撃をまったく意に介せずモンゴル娘の足を掴みにかかる。

 モンゴル娘はその攻撃を自分の弁髪を操ってボニータの足に絡ませ、そのまま引っ張り転ばせて防いだ。

 

「やはりこのままでは分が悪いモル。たぁー!」

 

 モンゴル娘は懐から札を大量に取り出し、自分とボニータを囲うように6メートル四方に展開する。

 札はボニータ空中で静止している。

 

「なんだこれは?」

「こういうことだ。アチョー!」

 

 モンゴル娘は空中の札を蹴るとまるで跳ね返ったような勢いでボニータに蹴りを浴びせる。

 流石にこれは効いたようでボニータも攻撃をくらいよろける。

 

「なるほど、反発か」

「その通りだモル。この6メートル四方の空間が私たちの戦うリングというわけモル」

「おもしれぇ!」

 

 すると今度はボニータが札の反動を利用したラリアットを仕掛ける。

 いきなり自分の言ったことを信じ、利用してくることに驚いて避けることができずにくらう。

 

「ぐふっ、すさまじいパワーだモル。だが負けんモル!」

「そう来なくっちゃね」

 

 今度はモンゴル娘が札の反動を使って蹴りを放つ。

 ボニータに当たり、反撃をかわしてまた札の反動で蹴る。

 最初はこれが繰り返されていた。

 しかし、ボニータもだんだんモンゴル娘の癖を見抜き攻撃に対応するようになっていく。

 だがモンゴル娘も見破られたことに気づくとすぐさま攻撃方法を変え、正面から攻撃と回避をする先方に切り替える。

 だがそれはボニータの得意分野。流石に全部躱すのは無理があった。

 だがモンゴル娘も負けずと攻撃を受け止める。

 

「ほう、勢いをつけてないとはいえオレの自慢のロングホーンを受け止めるとは」

「ぐっ、ぐぐぐっ」

 

 だがボニータのパワーにだんだん押し負けてくる。

 そしてついにはその状態から上空へ投げ飛ばされてしまう。

 モンゴル娘はそのまま重力に従って落下する。

 

「ううっ」

「まだまだ行くぜ!」

 

 ボニータは膝をつくモンゴル娘にさらに追い打ちをかけようと突進する。

 それをチャンスと見たモンゴル娘は下段から蹴りを放つ。

 これによって怯んだボニータに向かって首四の字固めを決めた状態でぶら下がりながら締め上げる。

 

「ぐぬぬぬぬっ、なんのこれしき!」

 

 この攻撃によって苦しそうな表情を見せるも自慢のパワーで強引にこれを外す。

 それによって一瞬だが無防備になったモンゴル娘に向かって、

 

「ハリケーン・ミキサー!」

「ギャッ!」

 

 モンゴル娘は回転しながら宙を舞う。

 ボニータは落下してくる時にもう一回転加え、最初の二倍の回転で地面に落下した。

 

「どうする? 降参か?」

「私はまだ負けてないアルっ!」

 

 モンゴル娘はよろよろしながら立ち上がると、ボニータに向けて鋭い蹴りを何発も放つ。

 流石にモンゴル娘の鋭く、闘気の籠った攻撃に直立不動で耐えることはできずよろけてしまう。

 

「ハアッ!」

 

 モンゴル娘はボニータを肩車のように担ぎ上げ、空中で上下逆さになった状態で、体重をかけて落下し地面に激突させる。

 

九龍城落地(ガウロンセンドロップ)

 

 その技をくらいボニータは倒れたまま動かない。

 だが、モンゴル娘も技をかけ終えるとその場に倒れて動かない。

 しばらくの無音がその場に流れた。

 

「……ふっ、はははははははははっ」

「哇哈哈哈哈哈哈哈哈」

 

 二人の笑い声が鳴り響く。

 そして二人とも立ち上がり互いが互いの目をしっかりと見合って無言の握手を交わす。

 二人の笑みは消えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「んぐんぐんぐ、ふー」」

 

 二人はベンチに座り、自動販売機で買ったお茶を飲む。

 この時、モンゴル娘はマスクを取り、術も解いて服も変装着から普段着へと変わっている。

 モンゴル娘は既に閻青娥となっている。

 

「……やっぱり錬丹術か」

「見破るとは流石妖怪の英雄アルね」

「てかちょくちょく喋り方変わるなと思ってたけど、そっちが素なんだな。

 隠すならちゃんと隠せよ」

「そ、その代り変装は何重にもしたアル!」

「いやいや、最後まで徹底しとけよ」

 

 二人はすっかり打ち解けていた。

 二人は缶のお茶を飲みながら談笑を続ける。

 そしてお茶を飲み終えてゴミ箱に空き缶を捨ててもう一度ベンチに座りなおす。

 

「で、八坂の奴は無事なのか?」

「曹操はそう言ってたアル。一度手合せしただけだけアルが信頼できるとおもうアルね」

「お前ほどの女が言うなら間違いねえだろう」

 

 二人はふたたび一息つく。

 

「これからどうするんだ?」

「もうちょっと回復したら帰るアルよ。私はお前を止めるだけアルから」

「俺も八坂が無事帰って来るなら無駄に首ツッコまねぇわ」

 

 二人はそう言うと夜空に浮かぶ月を見る。

 そしてお互いを見ずに互いの拳と拳をあわせる。

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