BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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学園祭のシャドードラゴン
誇銅の親友


「おにいちゃ~ん♡」

「よしよし」

 

 僕はいつものように甘えてくるフランを抱きとめてなでなでをする。

 この行為自体いつもの日常。本当にかわいらしい妹だよ。だけど修学旅行から帰って少しの間は甘えられなかった時間を取り戻すかのように四人に分身して抱き着いてきた。あれは流石に苦労したよ。

 フランはいつものように僕の胸にほっぺたをつけてスリスリしている。

 この純粋に甘えてくれるところがフランのかわいらしいところなんだよね。

 

「う~ん、愛しのmy弟君(ブラザー)&(アンド)my妹ちゃん(シスター)

「うわっ」

 

 突然盾姉が僕とフランをいっぺんにハグする。

 盾姉はなぜかこっそり忍び寄ってきたらしく全然気配に気づけなかった。

 

「どう? 気づかなかったでしょ? プロシュートと修業デート中に教わった気配の消し方だけど上手いでしょ」

「なんで気配を消す必要が……」

「希望の天才である盾子ちゃんにかかればできないことなんてあんまりな~い!

 弟君びっくり作戦大成功!」

 

 なぜ驚かせる必要が?

 それに盾姉は後衛タイプだし、そもそも直接戦ったりはしないよね。

 護身術か何かと思えばいいかもしれないけど砂で十分だと思うよ。

 まあ盾姉がなんかすごいのはいつものことだけどね。

 

「ところでどー? 炎の練習ちゃんとしてる?」

「うん、フランにも協力してもらってちゃんとやってるよ」

「お兄ちゃん、いつもの遊びしよ~」

「うん。じゃあ行こうか」

「あたしもするー」

 

 僕とフランと盾姉は裏の練習スペースへ移動する。

 そこはあらかじめ鏡が入らないようにしているから安心して暴れられるスペース。

 ここで最近よくする練習兼遊びとは、その名も百鬼ごっこ。

 鬼はフランで逃げるのは僕のフラブルマ・マンドレイク百体。なぜかフラブルマ・マンドレイクだけは一つの指に十体、合計百体まで出せる。

 その代り操作性は数に応じて難しくなるし、はっきり言って弱い。だからこそ練習にはうってつけなんだけどね。

 ルールは簡単、逃げ回るマンドレイクを制限時間内にフランが全滅させれば勝ち。もし一体でも逃げ切れば僕の勝ち。(能力の使用あり、弾幕の使用なし)

 ちなみに僕は勝ったことがない。

 

「よーし、お姉ちゃん手加減しないからね」

「早くしよしよ!」

「わかってるよ、フラン。『フラブルマ・マンドレイク』」

 

 僕は炎をマンドレイクの形にして100体創る。

 

「砂クマ」

 

 盾姉はクマのぬいぐるみの形をした砂を100体創る。

 

「負けませんよ、盾姉」

「どれくらい腕が上がったか見せてもらおうじゃないの」

「じゃあ行くよー! 1~2~……」

 

 フランが100数える間に200体の人形が街中に散らばる。

 そして結果は僕のマンドレイクは全滅。盾姉のクマは10体だけ残った。

 

 

 

     ***

 

 

 クラスから修学旅行後の興奮が収まった頃、学校で意外な人と意外な組み合わせで再開した。

 

「おはようございます、誇銅先輩」

「おはようございます。そしてお久しぶりです誇銅さん」

 

 ギャスパー君とレイヴェルさんだ。

 なんでレイヴェルさんがここにいるの? それに服装も駒王学園の制服だし。

 

「えっと……もしかして」

「はい。このたび駒王学園に転入することになりました。

 これからよろしくお願いします」

 

 レイヴェルさんは丁寧にお辞儀する。

 僕もお辞儀を返す。

 急にレイヴェルさんが転入して来てびっくりしてるけど、それ以上にこの学園転入生多すぎじゃないかと思う。

 

「レイヴェルさんは僕と同じクラスなんですよ。だから僕がここまで案内しました」

「そうだったんだ」

 

 ギャスパー君の頭を二度撫でるとギャスパー君は嬉しそうな顔をしながらえへへと声を漏らす。

 よかった。反射的になでちゃったから嫌がられなくて。

 ギャスパー君は小っちゃくてかわいいけど、僕みたいに家族以外からは頭なでなでは嫌なタイプかもしれなかったからね。

 

「ギャスパー君、一つお願いがあるんだけど」

「なんですか?」

「レイヴェルさんは初めて人間の学校に通うからいろいろわからないことがあると思うんだ。

 だからギャスパー君がいろいろ教えてあげてほしいんだ」

「もちろんです!」

「誇銅さん、私なんかのために……」

 

 ギャスパー君は元気よく了承の返事をしてくれた。

 ギャスパー君にまかせっきりにするつもりはないけどやっぱり同じクラスに頼れる友達がいる安心感は強いからね。そこは一年生の親しい人はギャスパー君しかいないからギャスパー君を頼らざるえない。

 

「あ、ありがとうございます。誇銅さん、ギャスパーさん」

「もし僕にできることがあったら言って管さいね」

「は、はい///」

「それじゃ」

 

 そう言って僕は自分の教室に戻る。

 レイヴェルさんも早く学校になじんで楽しい学生生活を歩んでもらいたいね。

 

 

 

 

 

   ***

 

 

 

 

 

 放課後、僕は久しぶりに一人でショッピングに出かけた。

 月は時々遊びに行ってる料理研究部の学園祭での出し物の準備のお手伝いに。どうやら当日は部員として参加するらしい。

 そして恋も料理研究部のお手伝い。主に味見役がメインの仕事らしいけどね。なんでも当日は甘いスイーツやがっつりとした食事など様々な種類を出すらしい。そして体重を気にする女子の白羽の矢がたったのが恋。

 恋はいっぱい食べることができるし、味の感想も聞けばしっかり言ってくれる。

 ルピ君はなぜか写真部の手伝いをしている。別にルピ君は写真に興味もなければ写真部の人とと面識があるわけでもないのに。まっいっか、別に悪いことじゃないし。

 

「ふんふ~ん♪ ここ来るの久しぶりだけど何か新しくなったかな~」

 

 懐かしいな、中学時代は一番の親友とよく一緒に来たっけ。

 ……いや、そんなに来てないか。時々…二、三回くらいかな?

 学校じゃよくおしゃべりしてたけど外じゃそんなに会ってないや。だって僕も思春期だったし、相手は異性だったから……。

 

「おーい、ワンコー」

 

 そうそう僕はいつもあの人だけにはワンコと呼ばれてそのせいで狼と仔犬なんて呼ばれて……ん!?

 僕は声の下方向に振り向いた。するとそこには

 

「なんだよやっぱり誇銅(ワンコ)じゃねえか。アテーの人違いかと思っちまったじゃんか。

 久しぶりだなワンコ、元気してっか?」

「お、お久しぶりです(みつる)さん!」

 

 中学時代に別れた親友の大神満さんが。

 満さんは僕の返答も待たず僕を抱き寄せて頭を撫で続ける。わふ~久しぶりの満さんからのなでなで、すごくおちつく。

 

「あ~やっぱりワンコの撫で心地は最高だぜ。

 ちゃんと元気にやってか?」

「はい、大丈夫れふ」

 

 僕は嘘じゃないことを笑顔で示す。

 元々満さんのなでなででかなり緩んでるけどね。それでも僕なりに新しい笑顔を向ける。

 

「なるほど、嘘じゃねえな。

 卒業式の時、ワンコの泣き方がおかしいと思ったらあんなことになっちまってたからな。

 さみしがり屋のワンコがこれからちゃんと立ち直れるか心配だったが、その笑顔で安心したぜ」

「え!? そんな泣き方おかしかったですか!?」

 

 弱いところを見せないようにしたのに!?

 僕は耐えられなくなって満さんに打ち明けた時に初めて知ったと思ってたのに。

 満さんに隠し事はできないや。

 何だか今頃になって恥ずかしくなってきちゃったよ。

 

「でも、あの時はありがとうございます」

「気にすんな。ワンコはアテーにとって弟同然なんだからな」

 

 満さんに打ち明けた時、満さんに家に来ないかと誘われた。

 だけど僕は思い出の家を出て行きたくなかったから断ったんだ。

 

「なんなら今からでもアテーはOKだぜ。オヤジもおふくろもワンコなら大歓迎って言ってたしよ」

「ありがとうございます。だけど大丈夫です。僕はもう一人じゃありませんから、僕を本当に思ってくれる家族がいます」

「なぬっ!!? それは流石に予想外だったぜ。

 でも、ワンコがあんなにうれしそうな笑顔を見せるにはそれぐらいのことがないとな」

 

 あは、やっぱり満さんにはかなわないや。

 僕の中を見透かされてるようだよ。だけど、満さんになら見られてもいいかな?

 

「なあワンコ明日暇か? 久しぶりに遊びに行こうぜ。今までのこともじっくり聞きたいしよ」

「はい、僕は大丈夫です。僕の事だけ話すのは不公平ですからね」

「あたぼうよ! じゃあいつもの場所な」

「はい!」

 

 そうして僕は満さんと別れる。ふふ、楽しみだな久しぶりの満さんとのお出かけ。

 僕は晩御飯の食材を買いに行く。今日はちょっと手の込んだものを作ろうかな?

 

 

 

      ***

 

 

「それでは、作戦開始よ」

『おーっ!』

 

 誇銅が親友と再開していたころ、オカルト研究部のメンバーはレイヴェルの入部挨拶の後、学園祭の準備作業に入っていた。

 旧校舎全体をオカルト研究部が任されているためメンバーが出した様々な案を出し惜しみなしで採用することとなったため全員張り切っている。

 本来なら魔力を使えば短時間でできるがそこは学生らしく手作りで準備をしている。

 

「イッセーくん、そっち持って」

「おう」

 

 木場と一誠は旧校舎の外で木材と格闘。

 一誠は誇銅たちも誘ったが誇銅には遠回しに、他は直接的に断られていた。

 

「ところでイッセーくん。ディハウザー・ベリアルって知ってるかい?」

「名前だけなら。王者だろ?レーティングゲームの」

 

 木場と一誠は作業を続けながらレーディングゲームの話を続ける。

 その話の中で木場はこれから入っていかなければならない世界を教え、一誠はそれによってこれから厳しくなっていくであろう悪魔世界の大きな壁を感じる。

 

「とりあえずはサイラオーグさんとの試合か」

「そのことなんだけど、もしかしたら延期になるかもしれないらしいよ」

「え?」

 

 木場の突然の試合延期の話を聞いて一誠はまぬけた声を出す。

 

「えっ、それってどういうことだ!?」

「まだ決まったことじゃないけど実はエルフと練習試合中に背骨を折られたらしいんだ」

「サイラオーグさんの背骨を折るエルフって、どんなムキムキのエルフだよ」

 

 一誠は使い魔の森でのマッチョなウンディーネを思い出す。

 

「それは僕も知らない。それで相手のエルフが秘薬で弁償すると言ったらしいけどその秘薬がなかなか手に入らないらしくて。だから延期の可能性が出てるらしい」

「そうか……」

 

 一誠はサイラオーグとの試合を楽しみにしていた分ちょっと肩透かしを食らった感覚に陥った。

 だけど一誠はこれを前向きに修業の時間が増えたととらえる。

 

「イッセーくんの新しい力『赤龍帝の三叉成駒(イリーガム・ムーブ・トリアイナ)』。あの力は必ずレーディングゲームでも重要になってくる。

 発動タイミングも重要だけど、時間があればもっと作戦を練ることができるからね」

「ああ、その通りだ。どれもクセが強いから、サライオーグさん相手じゃ二度目はまともにくらってくれそうにないからな。今の間にできるだけ完成度を高めておかなきゃな」

 

 修学旅行から戻ってから一誠は修業中に『赤龍帝の三叉成駒(イリーガム・ムーブ・トリアイナ)』を扱う特訓もしている。だからもちろん眷属の皆もある程度その能力は知っている。

 

「どの形態もイッセーくん自身の体力をかなり消耗させるけど、その分どれも必殺の威力を秘めている。その中でも戦車(ルーク)僧侶(ビショップ)は別格じゃないか」

「確かに騎士(ナイト)が弱いわけじゃないが戦車(ルーク)僧侶(ビショップ)はまた違う感じがするんだよな。

 京都では戦車(ルーク)だけが違ったのに帰ってきたら僧侶(ビショップ)も変化しててびっくりしたぜ」

 

 『赤龍帝の三叉成駒(イリーガム・ムーブ・トリアイナ)』を特訓で発動させたとき、僧侶の形態が変化しており両肩の側面に真珠の意匠が施されていた。

 

「前の形態よりも威力が上がったうえに新しい能力まで追加されてたからな」

「あの能力はチャージ時間が短くて威力もすさまじい。だけど技の効果範囲が狭すぎる。やっぱりこれも単発ではなくてコンボとして組み込んだ方が効果的だね」

戦車(ルーク)の時でも僧侶(ビショップ)並みの遠距離攻撃を出せるけどあれを撃った後はしばらく動けなくなるんだよな~」

 

 一誠との会話でなにか思い出したのか木場はうーんと考える姿勢を見せる。

 その様子に疑問を持った一誠はどうしたと声をかける。

 

「……確かイッセーくんの僧侶(ビショップ)は駒王学園に帰って来てから変化してたんだよね?」

「ああ、その通りだ」

「それってもしかしてあの龍が原因とは考えられないかな」

 

 一誠はすぐに木場の言った龍の心当たりを思い出した。

 それによって他の心当たりも思い出す。

 

「確かに僧侶(ビショップ)の両肩にある真珠は京都で襲ってきた龍の両肩にあったものと似ている。

 それに戦車(ルーク)の胸にあるダイヤもアザゼル先生の研究室で襲ってきた龍の胸にあったものに似てるな」

「もしかしてあの龍たちはイッセーくんに力を貸すために現れたのかもしれないね」

「龍の試練ってか? とんでもなく急すぎる試練だぜ」

「ふふ、これもイッセーくんの魅力がなせることだよ。そうじゃなかったらあの龍たちは力を貸してくれないだろうしね」

「そっか。だったら襲われたけどあの龍たちに一言お礼がいいたいな」

 

 一誠は籠手を出現させて宝玉を撫でる。

 それからアザゼルが職員会議を抜け出して来てドライグのカウンセリングの話を始めたり、一誠のおっぱいでのパワーアップで心が疲弊してることに関して謝罪したり、リアスがサイラオーグの執事から明日リアスと一誠にお願いがあると伝えに来たりした。

 そしてこの日の準備時間が終わると一誠たちは帰宅。

 晩御飯を食べてお風呂に入った後就寝することに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一誠の部屋。

 そこにいるのはベットで眠っている一誠ただ一人。

 だが、その部屋にある鏡には一誠を真っ赤な目で見下ろす黒い龍の姿が。

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