BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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襲撃のシャドードラゴン

 一誠はその日も学際の準備をしていた。

 今は旧校舎内で作業をしている。

 

「先輩、こんな感じでどうでしょう?」

「うん、いいと思うぜ。いかにも占いの館って感じで」

 

 小猫は一誠に占いの館の内装を感想を聞き、一誠はそれに答える。

 一誠は旧校舎の外で作った台座を持って行こうとするが、

 

「おっと!」

 

 バゴンッッ!!

 

 下に置きっぱなしにしていた箒に躓いて転んでしまった。

 だが問題はそこではない。一誠が転んで宙を舞ってしまった台座が突然爆発してしまったのだ。

 

「な、なんだ!!?」

「大丈夫ですか!!? 先輩」

「ああ、俺は大丈夫だ。だけど、台座が壊れちまった」

「先輩が無事ならよかったです」

 

 この時、二人とも気づかなかった。

 この部屋にある小さな鏡が台座が爆発する寸前に粉々に砕け散ったのを。

 

 その後も一誠の身の回りで次々と不可解な現象が起こった。

 幸運にも大した傷は負わなく悪魔の体である一誠の小さな傷は短時間で完治。

 だがあまりにも連続して起きる不可解な現象にリアス眷属は一度部室に集まって話し合いをすることに。

 

「イッセー、一応聞くけど何か心当たりない?」

 

 リアスは多分ないだろうと思いつつも一誠に心当たりを聞く。

 一誠も一応心当たりがないか記憶を思い返してみる。

 

「もしかしたらイッセーくんに恨みを抱いている者の犯行という線は」

 

 事態の深刻さに心配して来たロスヴァイスが可能性の一つを示す。

 

「俺別に誰かに恨まれるようなことしてませんよ!? いや、禍の団には恨まれてるか」

「ということは禍の団の仕業でしょうか」

「そうよ! そうに違いないわ!」

 

 話の流れで犯人は完全に禍の団になっていた。

 そして話はどんどん未確証のまま確定となっていき、一誠にはなるべく仲間と一緒にいるように命じた。

 

「うん! 私もしっかり守るからねイッセー……?」

 

 その時一誠の反対側にいたイリナが自分の視界に違和感を感じる。何か変だと。

 そうして自分の目の前を広くじっと観察すると、一誠の背後にある鏡に不気味な何かが映っていて鋭い翼のようなものを振り上げて今にも一誠を切り裂こうとしていた。

 

「危ない!」

「うわっ!」

 

 イリナはとっさに一誠を自分の方に抱き寄せた。

 するといきなり一誠の背後の鏡が割れ一誠が座っていた場所に大きな切り裂かれた跡が残る。

 

「な、なんなの!?」

「リ、リリリリリリアスさん、私見ちゃいました。鏡に何か不気味なやつが映ってて一誠を切り裂こうと」

「なんですって!?」

「ふがふが」

 

 イリナの証言で周りのメンバーはすぐさま一誠を取り囲むようにして守る。

 そうして周りに異変は無いかを徹底的に見回す。

 その間一誠はイリナの胸の中で顔をゆるっゆるにして幸せを満喫していた。

 

 一誠はその日一日鏡を避けながら過ごした。

 家でも一誠が鏡に映らないように徹底した守り。そのおかげか家の中で一誠が危険な目にあうことは無かった。

 一誠の寝室の鏡には一誠が映らないように布で隠す。だが、それでも心配だからと一誠と一緒に寝ると女性陣の争いが勃発。

 これだけの人数がいても一誠の部屋にある小さな鏡がバッチリ一誠の寝姿を映せる位置にあることに気づかない。

 だが一誠は無事朝を迎えることができた。

 

 その日の放課後、リアスたちに久しぶりにはぐれ悪魔の討伐依頼が入る。

 一応人の住んでる場所から離れてはいるが結界役としてロスヴァイスも同行することに。

 はぐれ悪魔討伐はすぐに終わった。だが、はぐれ悪魔の所持品の鏡が一誠たちをバッチリ映す。

 そこにはリアスたちを映さずに一誠を襲った黒い影のみが映っている。

 リアスたちは二つの間違いをしていた。一誠が襲われた時、周りには全く一般人の目が入らない場所であることに。

 必ず一誠の周りとある程度の距離に一般人がいない時だけだと言うことに。

 そしてもう一つはいつも鏡が割れて攻撃が起こっていたことから相手は鏡の中からしか攻撃できないと思ったいたこと。

 その黒い影は鏡の中からその全貌を現した。その姿はボロボロの羽に六本脚、まるでドラゴンゾンビだとその場にいた者は感じた。

 

『ギゴガゴーゴーッ!!』

 

 その黒龍の雄たけびはまるであの世から響くような声、一誠たちも本能的に数歩後ろに下がる。

 本来なら戦いたくないとさえ思ってしまうほどに。

 だが龍は戦闘を放棄はしてくれなかった。

 

『くるぞ、相棒!」

「わかってるよ! 禁手(バランス・ブレイク)!!」

 

 一誠はすぐさま鎧を纏って

 

「いっきに決める! モードチェンジ! 『龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト)』ッ!!」

 

 一誠はトリアイナで騎士にプロモーションして一発ジャブを当てた後に戦車にプロモーションして決定打を与えるつもりでいた。

 少なくとも黒龍に大ダメージを与えるつもりで。本気でトリアイナのスピードなら避けられることは無い、本気のパワーならダメージは確実に与えられるであろう。一誠は本気でそう思っていた。

 だが、

 

「なに!!?……ガァッ!」

 

 黒龍はトリアイナ状態の一誠の攻撃を最小限の動きで躱したうえに進行方向にそって反撃までしてきたのだ。

 リアス眷属もまさかトリアイナ状態の一誠のスピードがあの巨体にあんなにあっさり躱されるとは思っても見なかったので思わず固まってしまう。

 

「負けるかッ!! モードチェンジ! 『時龍の戦車(ウェルシュ・シュバリエ・ルーク)』」

『ギゴゴ……』

 

 黒龍は一誠の『時龍の戦車(ウェルシュ・シュバリエ・ルーク)』を忌々しそうに睨みつける。

 だが一誠はそのことに気づかない。

 

「くらえぇぇぇぇ!!」

『ギゴガゴー』

 

 黒龍は一誠の拳をボロボロの翼で反撃に出た。

 その翼の攻撃はボロボロとは思えないほど力強く一誠を圧迫する。そして

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

「イッセー」

 

 一誠はその翼に押し負けてリアス達の場所まで吹っ飛ばされた。

 一誠は今の戦闘で大幅にダメージを受けている。対する黒龍はまだまだ本気を出してないかのような余裕のたたずまいでいる。

 これだけでもリアスたちにとってこの黒龍がどれほど差の開いている相手か想像は難しくない。

 

「このッ!」

「ふんッ!」

 

 木場とゼノヴィアは聖魔剣とエクス・デュランダルを持って攻撃に出た。

 そして黒龍の六本脚のうち二脚を攻撃するが黒龍は全く動じてる様子はない。

 そもそもトリアイナ状態の一誠の攻撃を避けれる黒龍が二人の攻撃を躱せないことは無かった。その証拠に龍は攻撃されるさい二人を確実に目でおえていた。それで黒龍は避けるに値しないと感じたのでこの結果になっている。

 黒龍は足元の邪魔なものを払うかのように二人を蹴とばした。

 

「うぐっ!」

「がはっ!」

 

 二人は左右に飛ばされる。

 木場とゼノヴィアに気を向けている隙にリアス、小猫、朱乃は龍に近づきそれぞれ最高の一撃を放つ。

 

「よくもみんなを!」

「容赦しませんわ。雷光よ!」

「ふんっ!」

 

 黒龍はまず一番近づいてきた小猫を翼のクロー攻撃で薙ぎ払い、次に朱乃の雷光を完全に受けきってからブレスを浴びせ、残るリアスには口元に集めた氣の塊を放ち消滅の魔力を突破しての攻撃。

 消滅の魔力に一度当たったためスピードが一瞬落ちたためリアスはその弾丸を避けるが弾丸はリアスの後ろでUターンして結局リアスに激突。それによりリアスは大ダメージを負った。

 

「よくも部長たちをッ!! プロモーション! 『空龍の僧侶(ウエルシュ・パラディン・ビショップ)』」

 

 一誠は僧侶にプロモーションしてキャノンの砲口に力を集中させる。

 僧侶のプロモーションは京都の戦いから変化しており、鎧の両肩に美しい真珠の意匠が施されていた。

 その時、アーシアによって回復を受けているリアスが叫ぶ。

 

「イッセー、ここで大規模な破壊は駄目よ!」

「わかっています。部長忘れてませんか、僧侶のプロモーションの武器はこのキャノン砲だけじゃありませんよ」

 

 一誠は力を溜め終わるとそのエネルギーをキャノン砲から発射せず右肩の真珠に移した。

 そしてそのエネルギーを右手の爪から発射。

 

「切り開けェェェッ! ドラゴンスラッシャァァァァッ!!」

 

 一誠の右手の爪から高密度エネルギーの斬撃が発射される。

 その攻撃には黒龍も驚き急いで回避する様子が見られた。

 黒龍は攻撃を回避すると一誠をいっそう忌々しい(まなこ)で睨みつける。そして一誠に攻撃しようと接近した。

 黒龍のスピードはそこまで早くはなかったが、まるで翻弄するような不思議な気道を描きながら接近してくる。

 その間にギャスパーも一誠の血で強化した『世界停止の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)』で援護に出るも黒龍には全く効果がない。ついには勇気を出して蝙蝠に変身して特攻をかけるも龍の翼によって簡単に弾き返される。

 

「ギャスパー! テメェ、もうゆるさねぇ!! モードチェンジ! 『時龍の戦車(ウェルシュ・シュバリエ・ルーク)』」

 

 一誠は怒りで頭に血が上って戦車にプロモーションして龍に突撃する。

 だがこれは決して怒りで我を忘れているわけではない。むしろ今現在とれる最良の戦闘手段をとっている。なぜなら一誠の手札はすべて黒龍には通じないのだから。

 それでも感情で底上げされた力で龍に戦いを挑んだ。

 でも、本当に冷静になるならここは撤退するべきところ。相手はある意味こちらの奇襲に成功している。そして自分たちはその龍を撃退するほどの力がない。ならばここは不利な戦場を撤退して次に備えなくては勝機は無い。

 だが今まで無理と言われた場面でも勝ち続けた実績と強者と呼ばれるプライドが撤退を許さなかった。

 なまじ最初のロキ戦でもきちんと相手の撃退に成功(そう評価されてる)してしまったことで勝てない場面ではない、勝機はどこかにあるはずだと思っている。

 だが夜という天の利、人気は無いがリアスたちの得意な大技を使えない地の利、リアスたちが龍の都合のいいところに行くまで待った時の利、鏡からの間接攻撃と奇襲と言う人の利、すべてが龍の手中にある。

 一誠は龍に向かってありったけの力で殴りかかる。

 龍もその拳とまっすぐ戦ってくれるかのように一誠に向かって一直線に進む。

 だが、黒龍は一誠の拳の直前で姿を消してしまった。

 

「ど、どこ行った! ……ぐぁぁぁぁ!!」

 

 黒龍は急に一誠の後ろから出現し強力な攻撃を与えた。

 リアス眷属は龍の動きを止めようと襲い掛かるが黒龍はまた姿を消してしまった。

 それによりリアス眷属は黒龍の姿を完全に見失ってしまう。そしてまた一誠に強力な攻撃を与えた。

 それにより一誠は満身創痍のダメージを受けてしまう。既に禁手も解けてしまい戦える状態じゃない。だが一誠は禁手が解ける前に吹っ飛ばされて結界の外にまで飛ばされた。

 

「イッセーくん! まずい! 結界の外に出てしまう!」

 

 ロスヴァイスは外で結界を張っていて中の詳しい様子はわからなかったが中で激しい戦闘が繰り広げられていることは容易に想像できる。

 黒龍はロスヴァイスの予想通り結界の外まで一誠を追いかけた。リアス眷属の妨害など歯牙にもかけず。

 

『ギゴガゴ……』

 

 だが、黒龍は急にその歩みを止めカーブミラーの中にその姿を消した。

 そしてそのすぐ後、一般人が倒れてる一誠を見つけて救急車を呼んだ。




 ????? LV?? こんらん
 はどうだん
 ドラゴンクロー
 りゅうのいぶき
 シャドーダイブ
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