BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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 戦闘描写大変。きちんとかけてるか心配です。


試合開始

 サイラオーグ・バアルVSリアス・グレモリー眷属の試合は予定通り延期されることなく開催されることに。

 一時はリアス側の事情で延期になりかけたが、問題すべてを誇銅の神器『救世の神薬(メシア・アンサー)』で解決させたのだ。それにより無事レーディングゲームの延期は行われず観客の不満無くなった。

 唯一問題があるとすれば誇銅がものすごい不満そうな顔をしたことくらいである。誇銅も今回はしっかりと不満を口にしたが、悪魔側の重要な行事が間近だったのできちんとは相手にされず。

 さらに一誠から試合を見に来ないかと誘われたが誇銅はこれを拒否。

 それでも一誠はしつこく誘ってきたので、

 

「いい加減にしろ、このヌケサクが」

「我々も暇ではない」

 

 と、話を聞いてたプロシュートとアルセウスがドスを利かせて言うとやっと一誠も引き下がった。

 

 

 

 レーディングゲーム当日、二つの眷属が舞台に揃った。

 大賑わいの会場、超巨大モニター、ド派手な格好のアナウンサー。そのすべてがこの試合がどれだけ注目されてるか物語っている。

 

『ごきげんよう、皆様! 今宵の実況は私、元七十二柱ガミジン家のナウド・ガミジンがお送りいたします!』

 

 アナウンサーの大ボリュームな説明でこの試合を取り仕切る審判、ゲストが続々と登場。

 試合前のゲストのコメントやルール説明が始める。

 

『涙を製造販売されているフェニックス家のご厚意とバアル、グレモリー、両陣営を支持されるたくさんの皆さんの声が届きまして、今回のゲームで各チームに一つずつ支給されるこちになりました!』

「「「ワ―――――ッ!!」」」

「このゲームには特殊ルールがございます!

 特殊ルールをご説明する前にまずはゲームの流れからご説明します! ゲームはチーム全員がフィールドを駆け抜けるタイプの内容ではなく、試合方式で執り行われます!

 これは今回のゲームが短期決戦を念頭に置いたものであり、観客の皆さんが盛り上がるように設定されているからです! 若手同士のゲームとは言え、その様式はまさにプロ仕様!

 そして、その試合を決める特殊ルール!」

 

 今回の特殊ルールは両陣営がダイスを振り、その合計の数だけ舞台に出れるというもの。

 例えば、リアス陣営は戦車5、僧侶と騎士は3、女王9、兵士8。サイラオーグ陣営は兵士の部分が7となっている。

 ちなみにリアスは8、サイラオーグは最大の12。

 

『それでは、両「王」の選手、台の前へ』

 

 審判に促されて両陣営の王はダイスの置かれた台の前に立つ。

 そしてダイスの目はリアスが1、サイラオーグが2、合計3となった。

 これによりお互い騎士か僧侶の一人しか出すことが出来ない。

 そしてリアスが選択したのは、

 

『第一試合の出場選手がバトルフィールドに登場です!

 グレモリー眷属から選ばれたのは――――――グレモリー眷属の神速の貴公子! 木場祐斗選手です!』

「「「「「キャァァァァァァァァッ! 木場きゅぅぅぅぅぅんっ!」」」」

 

 観客の女性たちから黄色い歓声が飛び交う。

 

『対するバアル眷属は――――』

「英国生まれの転生悪魔、シャルル・ヴィッカース、デース! サイラオーグ様の「騎士」デース!

 ヨロシクオネガイシマース!」

 

 第一試合のメンバーがステージに出現する。

 木場は凛としたたたずまいに対し、シャルルはバネの部分が異常にデカいホッピングのようなものに乗ってピョンピョン跳ね回っている。

 

「Hey 悔いのない試合をしまショーネ!」

「……ああ、こちらこそよろしく」

 

 シャルルの意味不明なテンションにどう反応を返したらいいか迷う木場。

 

『第一試合、開始してください』

「Hi!」

「なっ!」

 

 シャルルは開始の合図とほぼ同時にホッピングの足を乗せている部分を強く蹴り思いっきり回転させながらバネの部分で木場に斬りかかった。しかも木場を囲むように跳ね回りながらちょっとずつ近づいてきていたため木場の目測よりもずっと近くからの先制攻撃。

 木場は持ち前の反射神経で何とか聖魔剣でガードに成功。

 

「Oh あわよくば今ので決めたかったデ~ス」

「なるほど、正統な騎士ではないみたいだね」

「HaHaHa 私が正当な騎士に見えますカ~?」

 

 よく見るとバネの部分は刃、足を乗せてる部分は巨大な鍔、掴んでる場所は異様に長い柄にも見える。そう、それは異様な形をした長刀だったのだ。

 

「では、剣士らしく斬りあいといきまショー!」

 

 シャルルは剣を二本引き抜いて、長刀のバネを利用して一気に木場に近づく。

 木場もスピードには自信があったが、シャルルのバネの力を利用した瞬間的スピードには勝てなかった。

 木場も二本の聖魔剣で対抗するがシャルルの独特な動き、足の長刀をも使用した独特な剣術の前に終始翻弄されるばかり。

 

「……初手からあまり勢いよく手の内を見せるのは嫌だったんだけどね……。どうやら出し惜しみしていたら必要以上の体力を失いそうだ。ゼノヴィアのことを言えないな」

「Hey Mr木場、そう言うセリフは私の剣術を見切ってから言ってもらいたいネ~。

 私はサイラオーグ様のためにここで負ける気はないネー。たとえ負けたとしても骨の2、30本は絶対折ってやるヨ~」

 

 シャルルの冗談ぽいセリフ。だけどその目は本気とかいてマジと読むものになっている。

 そのことに木場もちゃんと気づいた。

 

「冗談みたいなセリフだけど、不思議と全然冗談に聞こえないや。だから、僕の本気を見せます! 『禁手化(バランス・ブレイク)』」

「why!!? ミーの禁手は既にしてるじゃないですか!?」

 

 その瞬間、木場から聖魔剣とは別の雰囲気があふれ出し、聖なるオーラに包まれていく。

 すると、地面から聖剣の刃が幾重にも出現して、同時に甲冑の姿をした異形の存在が創り出されていく。

 その甲冑の騎士の場太はドラゴンをモチーフにしたかのようだ。

 それを見たシャルルはただただあたふたするばかり。

 

「N、No!! Youの禁手は『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』のはずデース! なぜ違う禁手化が!?」

「『聖覇の竜騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)』、『聖剣創造』の禁手化の亜種です」

 

 木場はコカビエルの襲撃事件の際に元同胞の魂から聖剣使いの因子を譲り受け、聖剣を扱い、生み出す神器能力も得た。

 それによって可能になったもう一種類の禁手化。

 

「これに至るまで自前の聖剣のみで赤龍帝と戦ったけど……ふふふ、肝が冷えたよ。死さえ覚悟した。だって、イッセー君は本気で殺しに来てくれたからね。そのおかげで二度目の禁手になれたけど」

「No~~~~~~~~~!!」

 

 シャルルは騎士の軍団を見ると地面に魔剣を出現させてそれを長刀で木場の方に弾きながら逃げていく。

 

「君の神器は僕と同じ『魔剣創造』だったのか。その不思議な長剣も神器で作ったってことか」

「Yes! でもこのままじゃかないまセ~ン! 戦略的撤退デ~ス!」

 

 シャルルは長刀のバネを最大限まで発揮させて空高く飛び上がる。

 だが着地地点に木場の騎士たちが待ち受ける。

 

「空に逃げたのは失敗だったね。僕は着地を待てばいいだけだし、そこからじゃ僕に攻撃できない」

「チュチッチッ、禁手化デ~ス!」

 

 シャルルは急に上空で禁手化を宣言した。

 だがシャルルに何の変化も見られない。だがその時

 

「いったいどんな禁手……ぐっ!」

 

 木場の体に大蛇が……いや、魔剣で出来た大蛇が木場をらせん状に締め上げた。

 あまりの締め付けに木場は苦しみ、骨の軋む音も聞こえる。

 

「これが私の禁手化、『魔剣獣創造(ソード・ミキシアニマ)』ネ! そして、Fire!」

 

 シャルルは長刀を真下にいる騎士たちに思いっきり蹴り放つ。

 そして長刀は徐々にその姿を変化させて長刀は巨大な象へと変化して騎士たちを踏み潰す。残った騎士たちも剣の鼻に貫かれて破壊される。

 シャルルは剣の鼻の上に見事着地して見せた。

 

「ぐぐぐっ! この大蛇は最初に蹴り飛ばした魔剣だね。攻撃と逃避を兼ねた良い策だと思ったけど本命は僕の懐に忍び込ませることだったのか……」

「Yes~。そろそろ降参してくれませんか? 今ならまだ穏便に済ませますヨ~? 早くしないと私の螺旋解体絞りで体がバラバラになってしまいマース」

「悪いけど遠慮させてもらうよ。そしてすぐに抜け出して見せよう」

「それはいけませんネー。残念ですが、これでFinish!?」

 

 シャルルがそう言うと大蛇の身体が鋭利な刃物に変わり木場の肉体に食い込む。

 木場の傷口からおびただしいほどの血が流れる。そして木場はリタイアの光に包まれ舞台から姿を消した。

 

「ベリーグッドな実力でしたネ。きっとYouは私より才能がありマース。

 でも今回は私の勝ちデ~ス」

 

 シャルルは高らかと、派手に勝利宣言を掲げながら魔法陣で帰っていく。

 

『初戦を制したのはバアルチーム! さあ、次の試合はどうなるのでしょうか!』

 

 再び、両『(キング)』がダイスを転がす。出た目は―――――リアスが6、サイラオーグが3。合計9。

 

『おおっと! 今度の合計数字は9! 両陣営、9までの選手を出せることになります! もちろん複数での選出もOKな数字です!』

 

 リアスが選出したのは戦車の小猫と騎士のゼノヴィア。対するサイラオーグの選出は戦車一人に騎士一人というリアスと同じ選出。

 だが今回はサイラオーグの戦車と騎士が小猫とゼノヴィアの力に敗北。

 だが、サイラオーグ眷属もただでは負けなかった。

 サイラオーグの騎士であるリーバン・クロセルが神器『魔眼の生む枷(グラヴィティ・ジェイル)』で動きを制限させ、戦車であるラードラ・ブネがドラゴンへの変身能力を駆使してゼノヴィアのエクス・デュランダルの能力をフルに使わせることに成功。

 

「サイラオーグ様の眷属である我々が何の成果も残せぬままリタイアできない」

「私にはシャルルさんのような奇策を弄するテクニックも、バッボさんのような力も、クイーシャさんのような強力な能力もない。だけど! 足手まといにだけはなってたまるかッ!」

 

 そんな覚悟の末、負けながらも自分たちが戦った証を残して散った。

 第三試合、ダイスの目の合計は5。リアスは残りのメンバーからさっきの試合でサイラオーグ眷属は自分たちで勝てぬと悟った瞬間からゼノヴィアの能力を使用させることに集中したため殆ど無傷の小猫を選出。

 対するサイラオーグ眷属も戦車を選出。

 するとステージに小猫と黒マントで全身を隠した巨体が現れた。

 

「俺の名はバッボ・オーブ。サイラオーグ様眷属の戦車だ。相手が小さな少女だからって容赦はしねえ、大暴れしてやるぜ」

「……望むところです」

 

 小猫はまず猫又化で身体能力を上げてバッボに一気に近づく。そして相手に一撃与えるとともに妖術で相手の力の流れを乱そうとする。だが、

 

「!……力の流れを感じない」

「カラカラカラ! 予想外の出来事だからって気を緩めるのはどうかと思うぜ」

 

 バッボは一瞬気を緩めた小猫に向かって強烈な右ストレートをくらわせる。

 小猫は確かに力の流れを乱すことができなかったが、小猫が面食らったのはそれ以外に相手は一歩も動こうとせずに本気の一撃を直立不動で耐えたこともあった。

 だけど小猫はすぐに冷静を取戻し反撃に移る。

 小猫はどんなに強い者でも鍛えることのできない急所、顔面を狙って攻撃を仕掛けた。バッボは案の定その攻撃を避けようとはしない。だが、

 

「!!」

 

 小猫がバッボの頭部に攻撃を当てるとバッボの頭部は重力に従って地面に転がり落ちてしまった。

 このとっさの事件に小猫は再び思考の海に溺れる。何、何が起こったのか?

 ついさっき思考の海から脱出したところなのに再び溺れてしまった小猫は一瞬だが頭の中を真っ白にしてしまった。だが腹に与えられた激痛により強制的に現実に呼び戻される。

 そして吹っ飛んでいく途中、左方向から別の衝撃と痛みが小猫を襲い方向転換されて飛ばされる。

 小猫を左から襲ったものの正体は真っ赤な鉄球。だがただの鉄球ではない。その鉄球はバッボのマントの中から頭部が落ちたふくらみの中から出てきたのだ。

 さらに驚くことはその鉄球がバッボの左手と鎖で繋がっている。左手のある場所には手はなく鎖のつながりだけしかない。

 バッボは鉄球を自分の頭に戻すと鉄球から二つの目が浮かぶ。

 

「カラカラカラ、俺はデュラハン。その昔大きな戦いで俺は左腕と頭部を失った。

 だから俺の左腕と頭は偽腕と偽頭なのさ。

 そしてサイラオーグ様の戦車となった俺はさらなる力を求めて力のすべてを純粋なパワーと防御力の代償としてそれ以外を支払った。

 だから俺の内部を乱すことは誰にもできない。

 だがそのおかげで相手の攻撃を真正面から受けて特級の反撃ができる。だから俺は強いのだ」

 

 そこからは一方的な試合展開だった。

 バッボは鉄球を投げつけたり鎖を使った中距離攻撃、小猫の防御力をはるかに上回るパワーでの攻撃。対する小猫の攻撃はバッボに何一つ効果がない。

 そして一方的な攻防の末小猫はついにバッボに捕まり

 

「ケン玉ヘッド・バッド!」

 

 左手から伸びる巨大な鉄球を頭に装着しての強烈なヘッドバッドをお見舞いされた小猫はついに完全に意識を失ってしまう。

 誰の目から見てもバッボの勝利が確定していた第三試合はバッボの勝利で幕を閉じた。

 

 

 

 

 続いての第四試合、ダイスの合計は9。両者は眷属の『女王』同士の戦いとなった。

 だがこの試合は朱乃の雷光がサイラオーグの女王、クイーシャ・アバドンのあらゆる攻撃を吸収し、属性を分解して特定の攻撃のみを撃ち返す(ホール)によって光だけを返されてあっけなくリアス眷属の敗北となってしまう。

 続く第五試合、ダイスの合計は8。リアスの采配はゼノヴィアとギャスパーの二人に。そして対するサイラオーグ側の選手は

 

「皆さ~ん! 私の再登場デスヨ~!! もっと頑張るから目を離しちゃNo! なんだからネ!」

「カラカラカラ、この試合に勝ったら、たい焼き一万個食ってやる!」

「それは食べすぎネ。じゃあ私は紅茶千杯いただくヨ~!」

 

 サイラオーグ眷属で勝ち星を上げた騎士と戦車の二人。

 ゼノヴィアとギャスパーはサイラオーグの眷属で残虐な勝ち方をした二人を前に気を引き締める。そこに一つ油断があるとすればサイラオーグは一対一では全勝してるが、こちらはタッグで全勝してることに無意識ながら気づいてしまってること。

 

「相手にとって不足なしだ!」

「ぼ、僕は絶対引きません!」

 

 ギャスパーは相手と対戦した先輩たちの最後を頭に思い浮かべてしまうが、それを勇気で振りほどき自分にカツを入れる。

 その間にシャルルはその場でピョンピョン跳ね回り、バッボはしっかりと二人を見据える。

 

「では、そろそろ行きマース!!」

「だな」

 

 シャルルはピョンピョン跳ね回りながら二人に向かって創り出した魔剣を投げまくる。それを関係ないといった様子でバッボが剣の嵐の中走り出す。

 ゼノヴィアとギャスパーは飛んでくる叩き壊したり時を止めて新しく飛んでくる魔剣の邪魔をする。だが、シャルルは魔剣の遠距離攻撃ではなく魔剣をいろんなところにばらまくことが目的なのでそこまで意味をなしていない。

 そもそも飛んでくる魔剣は向かってくるバッボの体にぶつかって飛んでこないものまである。

 

「カラカラカラ、そっちばっか相手にしてんじゃねえぞ」

 

 バッボがギャスパーに向かって走っていく。観客のブーイングも後ろからガンガン当たってる魔剣も無視して。

 そして、ギャスパーを守るようにゼノヴィアがリカバリーに入るが、

 

「はなっから俺の目的はテメェだよ!」

 

 バッボは待ってましたかと言うかのようにゼノヴィアの腹に鉄球を打ち込んだ。

 ゼノヴィアはまともなガードできずに飛ばされた。

 

「行かせません!」

 

 バッボはもちろん追撃しようと走り出す。それと同時にシャルルも魔剣の生産を止めて飛び出す。

 だがギャスパーは一度蝙蝠に変身してバッボの前に飛び出して、元の姿に戻って片足に全力を込めて転ばした。そんなことをすればバッボの巨体に潰されることをわかっていながら。

 その甲斐あって既にリカバリーしたゼノヴィアのもとにシャルルが一人で突っ込んだ図式に変わった。

 

「Oh、せっかくの二人ががりの追撃ガ~。あの子意外とガッツありマ~ス」

「ギャスパーが身を張ったチャンス、無駄にはせんぞ!」

 

 シャルルは決してふざけてあんなピョンピョン跳ね回りながら変な喋り方をしてるわけではない。

 生物は無意識のうちに目立つものに注目してしまう。だからシャルルはわざとピョンピョン跳ね回ったり、特徴的な目立つ喋り方をしている。

 相手をかく乱させて本命を隠す戦い方を得意とする。

 だからゼノヴィアは立ち上がる時に足元にあると確認した魔剣の存在を一時と言え忘れてしまったのだ。

 

「し、しまった!!」

「スプリングナイフデ~ス!!」

 

 ゼノヴィアはまんまと二匹の大蛇に拘束されてしまい手も足も出ない。

 さらに短剣が変化した小さな蛇がゼノヴィアのエクス・デュランダルを持ってる方の指一本一本に絡みつきエクス・デュランダルを握る手を開かせていく。

 シャルルはホッピングのバネの縁を鋭利に変化させて斬りかかる。――――――が、

 

「Oh!!」

「ぐぅぅ…」

「ギャスパー!!?」

 

 間一髪ギャスパーが自分の身を盾にしてゼノヴィアを救った。だがその代りギャスパーの胸から真横に三の字に深い傷が。

 シャルルもこの事態はまったくの予想外だったので一時距離をとり観察を始めた。

 その間にゼノヴィアは大蛇をエクス・デュランダルの力で脱出を何度も試みるが、大蛇はゼノヴィアの間接をロックしているのでそう簡単には抜け出せない。

 

「……間に合って…よかった」

「なぜそんかことを~? 彼女がmeのウロボロスロックにガッチリはまってるのは一目瞭然デース。

 私の創り出す動物たちはすべてバネの特性を持ってマース。だから力で抜けることはほぼ不可能デス。それでもそんなに痛い思いをする意味がありマースか?」

「……痛い……痛いけど……僕にはあなたたちを倒す手段がない。今僕がするべきことは……ゼノヴィア先輩が脱出する時間を稼ぐことだ!!」

「「……」」

 

 シャルルとバッボはギャスパーの勇姿を目を見開いてみている。

 そして顔を戻すと再び構えをとる。

 

「我々の非礼を詫びよう」

「俺たちはお前を敵に足りえない存在だと勝手に評価していた。現に能力も俺たちには通じなかったからな。

 だけどそれは完全に間違いだったようだ」

 

 バッボはさっきまでも乱暴なイメージから一変して厳格な騎士のような雰囲気を表す。シャルルも先ほどと変わってキャラの強い喋りをやめている。

 

「だから我々は君を今から一人の敵として倒す」

「逃げるなら今のうちだぜ、ケケケ~ッ!」

「僕は絶対にゼノヴィアさんを守り切ります!!」

 

 バッボはギャスパーを上空に放り投げてその後に続くようにホッピングの長刀に乗ったシャルルを頭突きで跳ね上げてギャスパーに何度も体当たりをくらわせた。

 

「「悪魔のドッジボール!」」

 

 そして数度目の上空体当たりでバッボはシャルルを跳ね上げた後に鉄球の頭も投げる。シャルルはその鉄球をギャスパーの左手に装着して自身はバネの部分をギャスパーの右手にはめ込み、

 

「スプリングサイクロン」

「っ!!」

 

 その状態で回転を加えて地面にたたきつけた。

 ギャスパーは叫び声と一緒に弱音を吐かないように声をかみ殺す。

 

「オラァァァァァァァッ!!」

 

 さらにバッボはギャスパーとつながってる左手の鎖を右手で思いっきり振り回してから地面にたたきつけた。ギャスパーのダメージは回転の遠心力で倍増されている。

 ギャスパーが倒れているうちにシャルルとバッボはゼノヴィアにとどめを刺しにいくがその前にギャスパーは立ち上がりゼノヴィアの前に立ちふさがる。

 

『がんばれー! ギャスパーくん――――!!』

 

 観客からギャスパーを応援する声が多数響く。シャルルとバッボは再びギャスパーに二人掛かりで一方的に攻撃を加えた。

 

『おーっとこれは惨い! グレモリー眷属『僧侶』な男の娘、ギャスパー君に向かって二人がかりでリンチ攻撃!』

『ヒドイ!!』

『やりすぎだ!!』

 

 観客からシャルルとバッボを非難する声も響く。だがそれでもシャルルとバッボはギャスパーへの攻撃をやめることは無かった。

 その間もゼノヴィアはウロボロスロックからの脱出を試みるが、苦労して一つ解くごとに新たな拘束が追加されていく。

 シャルルとバッボは観客の大ブーイングの中にもギャスパーへの攻撃の手を緩めることはない。

 そんなギャスパーの勇姿を見て一人の観客の少女はある男と重なって見えた。

 その男は転生したばかりの下級悪魔なのにライザー・フェニックスの炎を仲間を守るためにわが身を盾に差し出した。その姿と今のギャスパーが重なって見えたのだ。

 

「無謀よ! ギャスパー! ゼノヴィアを連れて隠れなさい!」

「そうだ、なんならリタイアしたっていい! 二人とも十分戦ってくれた。後は俺に任せてくれ!」

 

 リアスと一誠が叫ぶ。幸いゼノヴィア自身は足まで拘束されているため動けないが、地面に固定されてるわけではないので連れて逃げれないわけではない。

 だがギャスパーは頑としてそれに答えなかった。

 

「ダメですぅっ! もし僕が背中を見せたら二人はきっとゼノヴィア先輩を狙う。

 二人は僕が逃げないから僕を攻撃してくれてるだけです!」

「だったらなおさら逃げろ! 黙って殴られるより一旦身を隠して作戦を考えるんだ!」

 

 するとバッボとシャルルはギャスパーへの攻撃を一時中断してまで二人の方に向いた。

 

「キサマら! これ以上この男を侮辱することは許さんぞ!」

「な、なに!」

「こいつは一番正しい選択をしている。もしギャスパーが逃げたら俺たちは背後から騎士を中心的にいっぺんに攻撃する。

 もし運よく逃げ切れて隠れても、生き物は誰しも一度身を隠すと多少なりとも一時的は必ず油断してしまう。見つかれば一瞬でリタイアだ。

 このフィールドには俺の魔剣が大量に散らばってる、隠れてもすぐ見つけられる」

「こいつは今は正面から攻撃を受けてるから気力で耐えられてる。だけど不意打ちには絶対耐えられない」

「テメェたちがするべきことは黙ってギャスパーの勇姿を見届けてやることだ!

 それを踏みにじりたいならさっさと強制リタイアさせちまえ!

 俺たちは俺たちの王のために手をぬくつもりはない!」

 

 ギャスパーは既に戦えないほどボロボロになりながら立ち上がり、ゼノヴィアの前に立ちふさがる。

 だがその目はまだ闘志を失ってはいない。

 その姿を見てシャルルとバッボはフッと笑みをこぼす。そしてギャスパーも同様に二人に笑いかける。

 

「……ありがとうございます。ぼ、僕をただ倒すのではなく戦ってくれて」

「お前に最大限の敬意を払って俺たちの最高の技を見せてやる」

「これが俺たち殺人遊戯コンビの必殺技(フェイバリット)!!」

 

 ギャスパーはゼノヴィアを拘束している大蛇に捕まり、ゼノヴィアと一緒に拘束されてしまう。

 その間にシャルルは空中に数本の様々な形でさまざまな種類の魔剣を投げる。その魔剣は空中で数種類の動物に姿を変えて、組み合わさってから一本の魔剣に戻る。

 それは巨大なネジの形をした魔剣。

 そして今度はバッボが空中に飛び上がり、足からマイナスドライバー状の突起を出し巨大ネジと合体。

 その巨大なネジを回転させてギャスパーとゼノヴィアを貫いた。

 二人は苦しみの叫び声を上げながらリタイアの光に包まれる。

 技を解いた二人は消えていくギャスパーに向かって完全に消えるまで敬礼の体勢をやめなかった。

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