既に鎧姿の一誠とリアス、サイラオーグとその眷属の『兵士』、レグルスは団体戦のフィールドとなる広大な平地に降り立っていた。
両者が揃うと実況がマイクを震わせる。
『さあ、バアルVSグレモリーの若手頂上決戦もついに最終局面となりました! サイラオーグ選手によってもたらされた提案により、団体戦世なった最終試合! バアル側は「王」サイラオーグ選手と、謎多き仮面の「兵士」レグルス選手、対するグレモリー側はスイッチ姫こと「王」のリアス選手と皆の味方おっぱいドラゴンこと「兵士」の赤龍帝・兵藤一誠選手!』
一誠の紹介で子供たちも観客席からおっぱいドラゴン的な応援を送る。
ちなみにアーシアは陣地で一度一誠の回復をしてそのままお留守番となっている。回復役がいるのは心強いが守りながら戦うのはリスキーだと判断したからだ。そして目の前で仲間が無残に攻撃されるのが嫌だからと。
この時、リアスと一誠は誇銅のことを思い出していた。そして誇銅に対していろいろこっちで短くすると「なんでいないんだよ!!?」的なことを考えていた。
『さて、最終試合を始めようと思います』
審判が両チームの間に入る。
『……では、開始してください!』
ついに最終試合が始まった。お互いの兵士は素早くプロモーションで『女王』となる。
「兵藤一誠。ついに、だな」
「恨みはありません。嫉みもありません。これはゲームですから。
――――けど、仲間の仇を取らせてもらいます。俺の大事な仲間を
「極限とも言えるセリフだ……ッ! だろうな。お前は少なくとも仲間の敗北に耐えられる男ではない。よくぞ、ここまで耐えた。爆発させろ。ああ、それでいい。それでこそ、決着と思える戦の始まりに相応しいッ!」
一誠は背中のブースとを最大にまで噴かして真正面からサイラオーグに向かう。
サイラオーグも全身に膨大な闘気を纏わせて、地面を蹴って飛び込む。
一誠はサイラオーグから溢れ出す闘気を見て驚愕した。一誠はこの感じを今まで二度感じてることを思い出した。一度目は京都でのバッファロー・ボニータ。二度目も同じく京都でのモンゴル娘。だが一誠にはこの二人よりサイラオーグの方があふれ出る力強い闘気で数段上と認識した。
実際は本気で力を込めないと体外に闘気を放出できないサイラオーグより自然体のまま闘気を出せる二人の方が圧倒的錬度が上だが一誠にはそれを感じ取るほどの実力はない。つまり―――――
ゴォォォンッ!
一誠にサイラオーグの力を正しく認識することは不可能ということ。
一誠は自分の鎧なら少しは耐えられると踏んでいたのに、鎧越しで中身が吹っ飛びそうに感じるほどの衝撃と激痛が頭部を襲う結果になってしまった。
「けど! 俺のはこっからだ! いくぜ、ドライグ!」
『応ッ!』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
増大されたパワーが拳に宿り、サイラオーグの顔面へ叩きつけられた。
サイラオーグは鼻から血を噴出し、口の端から血が流れている。
「練り上げられた拳だ……ッ! 気迫が体に入り込んでくるようだ。悪魔になって少ない月日の中でどれだけ自分を鍛え上げた!? 生半可な想いで鍛えられたものではない!
ペンタゴナに見せた新しい能力を見せないので、舐められたものかと若干感じたが、杞憂のようだ。その形態の禁手でも十分力が底上げされているではないか!
だが、師匠の本気の一撃は俺を一撃で沈めるぞ!」
その後もサイラオーグと一誠の殴り合いは続く。一誠はドライグにサイラオーグの攻撃の瞬間に防御力を上げるように指示しているので何とか耐えきれている。
「実践で練られた攻撃か! 余念がない分、的確に確実にこちらの中心を狙ってくるな! だが、これならシャルルとペンタゴナの方が鋭い!」
サイラオーグも一誠の攻撃をきちんと防御する。
そしてその間にリアスと対峙しているレグルスがその仮面を静かに取り払った。そこにあったのは一誠と都市があまり変わらないであろう少年の顔。
だが、すぐにそれは変貌した。レグルスの体中から快音をおこして、少年のからだが盛り上がっていく!
その体は徐々に膨れ上がって、金毛が全身から生えていき腕や足が太くたくましくなっていく。さらに口が裂けて鋭い牙をのぞかせ、尻尾が生えて、首回りに金毛が揃っていく。その姿は――――
『おおっと! バアルチームの謎の「兵士」の正体は巨大な獅子だったーッ!』
『まさか、ネメアの獅子か!? いや、あの宝玉はまさか……』
解説ゲストのアザゼルが驚きの声を出す。
アザゼルの説明でレグルスが『神滅具』の一つ、『
「いや、残念ながら所有者は死んでいる。俺が本来の所有者を見つけた時は既に怪しげな集団に殺されたあとでな。神器となる斧だけが無事だった。
だがその戦斧は、意思を持ったかのように獅子に化け、所有者を殺した集団を根こそぎ全滅させていた。
おれが眷属にしたのはその時だ。獅子を司る母の血筋の縁だと思ってな」
レグルスが単独で意思を持って動いた経緯を聞いたアザゼルは一人で勝手に盛り上がる。
そのことに誰も触れずそっとされている。
「所有者なしの状態のせいか、力がとても不安定でな。このゲームまでとてもじゃないが出せる代物ではなかった。敵味方見境なしの暴走状態になってしまっては勝負どころではなくなるからな。今回、出せるとしたらいざという時単体で止められる俺か強大なパワーと防御力を誇るバッボだけ。でもバッボはシャルルと組んだ方がずっと強い。だから俺と組めるこのような最終試合だけだった」
「……どちらにしても、私の相手はその神滅具ってことに」
一誠はリアスの助けに行きたかったが、とてもサイラオーグから目をはなせる状態ではない。
拳の打ち合いの中、一誠はサイラオーグの隙を見つけて、サイラオーグに倍加した一撃を加える。そしてその隙に
「『
トリアイナ状態の戦車にプロモーションしてサイラオーグにアッパーをかますが。
だが、サイラオーグは一誠の拳を受けたふりをしてきちんと受け流していた。
「さっきのはオトリだ!」
サイラオーグは一誠の攻撃を躱しつつその腕を掴み、捩じり上げて腕折りの体勢に入るが腕を折るどころが一誠の装甲が固すぎて殆どダメージが入らない。サイラオーグは折れると踏んでいたため完全に気を緩めてしまった。
一誠はその隙をついてサイラオーグを上空に投げ飛ばす。
「『
チャージ時間の問題を逃げられない上空に投げることで弱点を埋めた算段なのだ。
「ドラゴンブラスタァァァァァァァァッ!」
だが、サイラオーグは上空で空中で回転して砲撃範囲から外れてから翼をだしてゆっくりと地面に降り立つ。
「強い。これほどのものなのか……ッ!」
サイラオーグは満足そうな表情を浮かべる。
その時、レグルスがリアスに大ダメージを与えて失血でリタイア近くまで追いつめていた。
『リアス・グレモリーはこのままいけば失血でリタイアとなるだろう。助けたければ、フェニックスの涙を使用するしかない』
レグルスは技とリアスを倒さずにフェニックスの涙を使わせるために倒さずにいたのだ。
それはレグルスなりの王への気遣いである。
「……『余計なことを』と言えば、俺の『王』としての資質に疑問が生まれる。いいだろう、それは認める。だが、赤龍帝との一誠はやらせてもらうぞ、レグルス」
『わかっております』
一誠はリアスにフェニックスの涙を使った。
リアスは自分が枷になってしまったことを嘆く。
『サイラオーグ様! 私を! 私を纏ってください! そうすれば赤龍帝と対等に戦え…』
「黙れッ! あれは……あの力は冥界の危機に関しての時のみに使うと決めたものだ!
俺はこの体のみでこの男と戦うのだ!」
「――――獅子の力を使ってください」
一誠は自然とそう口にした。
それはサイラオーグと同じステージで戦いたいという欲か、どんな強者も最終的には勝ってきという戦歴による慢心からくるものか。
「それを使ったサイラオーグさんを越えなければ意味がないんです! この日まで培ってきた意味がないんです!
今日、俺は最高のあなたを倒して勝利をつかむッ! 俺たちの夢のために戦ってんだッ!
本気の相手を倒さないで何になるんだよッ!」
一誠の叫びにサイラオーグは心打たれたように立ち尽くす。
一拍あけて、サイラオーグは不気味に笑う。
「…………すまなかった。心のどこかでゲームなのだと、二度目があるのだと、そんな甘い考えを頭に思い描いていたようだ。なんて、愚かな考えだろうか……ッ
このような戦いを終生一度あるかないかと想像すらできなかったじぶんがあまりに腹立たしいッッ。レグルスゥゥゥッ!」
『ハッ!』
「わが獅子よッ! ネメアの王よッ! 師子王と呼ばれた汝よ! 我が猛りに応じて、衣と化せェェェッ!」
フィールド全体が震えだす。
サイラオーグの本気に異空間であるフィールドが耐えられなくなって来ている。
「「禁手化ッ!」」
サイラオーグは金色の獅子の全身鎧に身を包まれていた。
「これが俺の禁手、『
兵藤一誠、ここからが俺の本気だ。全力でやり合おう!!」
そこからは一誠とサイラオーグの単純な殴り合いに発展した。
二人ともお互いの攻撃を防御して攻撃、防御して攻撃の今までの試合と比べて泥臭い戦い。だが、ぶつかり合う二人のオーラが地味さをみじんも感じさせない。
その試合を見ていた人はその熱い戦いに目を奪われている。
だが、その試合を冷めた目で見る目が陣内に6、観客席に1あった。
「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」」
攻防は一誠の方はサイラオーグの攻撃を防御しながら攻撃を繰り出す。一方サイラオーグの方は一誠の攻撃を受け流しながら攻撃を繰り出す。
戦況はサイラオーグが有利に見える。だが実のところ装甲は一誠の方がはるかに上回っておるので一誠は自分が思ってるほどダメージが入っていない。
サイラオーグもそこまでダメージが入っていないとは思わず一誠の隙を見つけて大振りの一撃をかます。
だが、一誠は顔面に綺麗に入ったのに、ドライグの防御力の強化も間に合ってないのにも関わらず一誠はよろけもしなかった。
「な、なんだと……!?」
『まさかここまでとは……』
「俺はッ! あんたを倒してッ! 上に行く……ッ!」
一誠の全力の一撃がサイラオーグの腹部を襲う。
獅子の鎧は砕け散り生身のボディまでとどいた。
それだけでは倒れなかったサイラオーグだが、力を振り絞って繰り出したパンチは一誠のカウンターローキックで阻止されてしまい崩される。
そして一誠は胸のダイヤに魔力を溜めて、
「ドラゴンフルバーストォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
至近距離から銀色のオーラが放射され、サイラオーグを包む。
巨大な爆発を生み出したあとの煙が止み、地を大きくえぐってできた巨大クレーターの中央にサイラオーグは倒れてる。
(―――――意識はまだあるのに、立てそうもない。
しかし、全力を出し切って負けたのだ。悔いはないと言ったらうそになるが、満足だ。
ああ、なんて清々しい敗北なんだ)
サイラオーグは周りを見渡した。
観客席には自分たちの戦いを見て心震わせてる観客の顔ばかり。
自分のような者でもここまで強くなれることを見届けてもらえたことにフッと笑みをこぼす。
そしてサイラオーグは自分たちの陣営の方を見た。
自分の眷属たちはどんな表情をしているのか。この戦いを誇ってくれるか、それとも自分の敗北を悔やんでくれるか。だが、それはサイラオーグの予想を完全に外れている目だった。
サイラオーグ眷属全員がサイラオーグを見定める冷たい眼差しで見ている。
(お前たち、なんだその目は……? 俺に失望した目か!? いや、違う。ならその目はなんだ!?)
サイラオーグは眷属たち全員が自分に向けている眼差しの意味を必死に考える。
そしてサイラオーグはロビンから聞いた言葉を思い出す。
『自分のすべてを出し切って負けた時の心境はむしろ爽やかで清々しくすらあった。なぜだかわかるか? それは欠けていたものに気づけたからだ』
そしてサイラオーグは眷属たちが自分に向けている眼差しの意味がわかった。
それと同時に自分が犯した失態についても理解した。
(俺は、なんて馬鹿な男だ。眷属たちがここまで完璧な状態でつなげ、俺の勝利のために散ってくれたのに。そのうえ赤龍帝と全力で戦いたいという王にあるまじき我儘も叶えてくれた。
それなのに俺は……この爽快な敗北を受け入れようとしてしまった……。
俺を支えてくれた眷属たちのために、俺の絶対叶えたい夢のために、今はこんな爽快な敗北を受け入れてはいけない!
仲間たちを俺のわがままにつきあわせた以上、負けることは許されない!
今の俺は一人の戦士じゃない、仲間たちの『
クレーターの中で動かないサイラオーグを見て観客は誰もが一誠の勝利を確信した。
審判もそろそろ戦闘不能と判断してもいい頃だと思いリアス眷属の勝利を宣言しようとしたその時、サイラオーグがゆっくりと、しかし力強く立ち上がった。
「……これが俺一人の戦いならさっきの清々しい敗北を受け入れただろう。だが! この戦いは俺一人の戦いじゃない! 自分勝手な我儘で負けるわけにはいかない!」
会場が大きく震えた。それと同時に一誠の心も打ち震えた。
この人とまだ戦える。決着がつけられる。そう思うだけで一誠はまだまだ戦える気持ちになる。
「俺だって! 負けられねぇんだよォォォォォォッ!」
再び泥臭い殴り合いが見れると会場の全員が思った。
だがそれと同時に一誠の鎧はまだまだ健在、それに引き替えサイラオーグの鎧はボロボロなのでさっきほどの大勝負は期待できずどうせ赤龍帝の勝ちであろうという思いが大小なりある。
だが、戦局はまるで観客の予想外であった。
鎧がボロボロになってさっきよりパワーが落ちてるはずのサイラオーグの一撃が一誠にきちんとダメージを与えている。
「わかる、わかるぞ! 今なら師匠が時々話してくれた昔の仲間との思い出の真意が!
先生たちが俺に何を伝えたかったのか、わかるぞッ!
今までは教わったことを殆どものにできなかったのに、今ならどんどん吸収できそうだ!」
最初は攻撃を受け流しつつも半分ほどは防御していた一誠の攻撃を殆ど受け流している。
さらに防御しても結構なダメージが入っている様子だったのに今は大してダメージを受けていないように見える。
「不思議だ。最初はあんなに俺の中に響いた攻撃が今は全く響かない。
あんなに圧倒された赤龍帝から何も感じない。攻撃の軌道も見える」
一誠は急に雰囲気の変わったサイラオーグに立場的にも精神的にも押されていく。
一誠の顔に有利状況から一気に逆転されようとしてる者特有の焦りが見え始める。
「これがテリー先生から教わった小技の大切さ」
サイラオーグは一誠に隙を見せない決して派手ではない小技の数々を当てて後手に回らせる。
そして上半身に神経を集中し始めた一誠に対して足技で地面に倒す。
「そしてこれがロビン師匠から叩き込まれた
倒れた一誠に対して左足にアンクル・ロックで左足首に、振りほどいたところ右腕に脇固めで、そして立ち上がって反撃に出たところで一誠の右腕を捩じりまわした。それからも倒しては破壊、倒しては破壊を繰り返す。
それによっていたるところに長期的なダメージと違和感を与える人体破壊をされた一誠。
「そしてこれが、金剛先生から教わった必殺技の威力だッ!」
サイラオーグはまともに動けなくなった一誠をダブルアームの体勢に捕えて大回転。
「
そして地面に叩きつけ、ローリングクレイドルの体勢になり、
「
その体勢で空中に上昇していく。
上昇の途中、一誠の『
そしてある程度の高さまで上昇すると今度はパイルドライバーの体勢に変え、
「侵略すること火の如く―――――っ!」
落下途中またもや一誠の意思とは関係なしに一番装甲の薄い『
それにより一番装甲の薄い状態で地面に頭から激突してしまった。
そして最後に、
「動かざること山の如し!
これが48の殺人技の二番目、風林火山!」
パリ……バギンッ!!
ロメロ・スペシャルで技の仕上げに入った。
それにより一誠の鎧のいたるところにひびが入る。
一誠はそのまま立ち上がらずリタイアとなった。
「……兵藤一誠。俺に大切なことを気づかせてくれて感謝する。お前との戦いは俺の誇りだ」
その後サイラオーグはフェニックスの涙で全快してリアスを倒す。
「土たまりて山となり、水たまりて淵となり、技たまりて“才となる”!」
『リアス・グレモリー選手、投了。リタイアです。ゲーム終了です。
サイラオーグ・バアルチームの勝利です!』
最後のアナウンスが流れ、会場は熱気に包まれた。
サイラオーグは勝利のアナウンスを確認すると右手の握り拳を天高く突き上げる。
最後にサイラオーグは自分の陣内を見ると、そこにはいつものように自分を王として信頼してくれる眷属たちの顔があった。
***
試合が終わってからサライオーグにうれしい知らせが届いた。
母が目覚めたのである。
サイラオーグはすぐさま病院に飛んで行った。試合後なのでインタビューやらいろいろガヤガヤしていたが、眷属たちがすべて処理してくれたのでサイラオーグはすぐさま病院に行くことができた。
病室では駆けつけた医者や看護師が驚愕の表情を浮かべ口々に奇跡や信じられないと言った言葉を漏らす。
ベッドには永い眠りから目を覚ました女性がサイラオーグに微笑んでいる。
サイラオーグはは体を震わせてベットに近づく。
「……母上、サイラオーグです。おわかりになりますか?」
「……ええ、わかります……」
この頬を撫でる母の手。震えるその手をサイラオーグの大きな手が取った。
「……母上……」
「わかっています。……立派になりましたね……」
サイラオーグはひとすじの涙をこぼす。
この後、サイラオーグの母「ミスラ」が目を覚ましたのはバアルの執事が頼んで連れてきた赤龍帝の力ではないかとの声があたっが。
実際一誠はミスラがまだ眠っている時にパイリンガルで何度も呼びかけると言うことをしていた。
事の真意はわからないが、ミスラはこんな供述をした
『私は小さな大地に取り残されていた。はるか向こうの方には美しい光が一つ、その間には大地がなく下は永遠の闇が広がっている。
私はずっと小さな大地で光を眺めるだけ。
だけどある日、光の中から黒い龍が現れて私のいる大地と光までの道を作ってくれたの。
私はその道を渡って光の中に入っていった。
そしていつの間にか目覚めていたわ』
***
駒王学園学園祭当日。
「みんな――――――!! 今日はテトのライブを見に来てくれてありがと――――――!!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」
テト姉が運動場の特設ステージに晴れ晴れしく立っている。
僕も予定表を見てびっくりしたよ、なんでテト姉が駒王学園の学園祭に出てるのか。
その原因が盾姉がソーナさんを通して押し通したらしい。まあ別に反対意見があったわけじゃないし僕も嫌なわけじゃない。ただびっくりしただけ。
「テトさ~~~~ん!!」
僕の隣で満さんがステージに向かって叫ぶ。
最初の時、満さんに学園祭の予定表を見せたら重音テトの特別ライブの部分を見て大はしゃぎしてたのを見てテト姉のファンだと言うことがわかった。
満さんならテト姉を気に入ってくれると思ってたけど既にファンだとは思わなかったよ。
月と恋は部活の手伝いが忙しくて今はここにいない。
午前中に月と恋が手伝ってる料理研究部の出し物、『
給仕服姿の月と恋がとってもかわいらしかったよ。
料理もとってもおいしかったしね。
ルピ君が手伝ってた写真部の出し物はなぜか学園祭前に中止となってしまった。
なんでも特定の人の盗撮写真を撮って学園祭で売ろうとしていると生徒会に誰かから情報が入って中止にさせられたらしい。
そしてルピ君はフランと一緒に学園祭を回ってたとこまでは一緒だったけど、この人ごみではぐれちゃったみたいだね。
もしくはフランのことを考えて人ごみから離れた場所にいるのかもね。
ちなみに学園祭には盾姉とプロシュート兄貴も来ている。ライブの関係者としてね。
後で二人で回るらしい。
アルセウスさんも来てるらしいけど、どこにいるのかまったくわからない。
もしかして昨日、「若い者同士で楽しんで来るがいい」って言ってたから僕たちに気を使って姿を見せないのかな? アルセウスさんも大事な家族なんだからそんなの気にしなくていいのに。
ちなみにオカルト研究部の出し物の方には行ってない。今更面と向かって顔あわせるのはなんか嫌だし、このまえ理不尽な理由で怒られたから。
幸い満さんも行きたいとは言わないでくれたからね。
「すいません、ちょっと」
「ん、アテーはこれ終わったらテトさんのサイン会に並ぶから」
ちなみに満さんには僕の家族としてのテト姉は既に紹介してるからサインくらいいつでももらうことはできる。
だけど、「人と同じチャンスがあるのにそんなズルするのはアテーの心がゆるさねぇ!」とのことでこういうイベントはきちんと並ぶ。だけど本人のサイン入りCDはきっちりテト姉からもらってるんだよね。
僕はライブの人ごみをかき分けてトイレに向かう。
そしてトイレから出てくると、
「あの、誇銅さん」
「あっ、月」
帰り道で月とばったり出会う。
服装が給仕服姿でないことから今は休憩中っぽい。
そんな月は周りをキョロキョロ見回して周りに誰もいないか確認する。。
今は大体の人はテト姉のライブに行ってるんだろう。
そして誰もいないことを確認すると僕の顔に近づいて、
チュッ!
僕の唇と月の唇が重なった。
僕はとっさのことに混乱して動くことができない。
「ふふっ、誇銅さんのセカンドキス、いただいちゃいました」
月は悪戯っぽく笑うと顔を赤くして去って行ってしまった。
僕……セカンドキスも取られちゃってるけどね。でも、人がいないからってこんなとこで月も大胆なことするね。
ふふっ、でも、この確かに感じる愛情はオカルト研究部では一度も感じたことは無かった。しかも今は家族全員から愛情を感じる。
どうかこんな幸せがいつまでも続きますように。
できれば次回には中章最後にしたいかな。
だけど、誇銅が協力関係破棄を決意するほどの事件と、残ってるものも消化しておきたい。
それに終章に入る前の最後の大戦闘も一話にまとめないと。なぜなら一話にまとめてこれにより終章での激闘を連想させないと絶対叩かれて、評価もお気に入り数もドン下がりして、やめたくなるから。
なので次章はちょっと長めに時間をもらうと思います。
おまけ
サイラオーグ: 母親が目覚めたことにより、より一層夢に向けての努力する。
レーティングゲームにより目覚めた何かを掴むために先生である人間のタッグチーム『ザ・マシンガンズ』に再び師事を頼むが、リアス眷属に勝って忙しくなったため時間が合わなくなってしまった。
今はいつもの鍛錬に加え政治の勉強時間を増やしている。
サイラオーグ眷属: サイラオーグに無礼を働いたと全員で土下座。その後自分も王としての意識が低かったと自分の眷属に土下座。一件落着となった。
ソーナ・シトリー: リアスVSサイラオーグ戦の数日後、旗を取り合うルールのレーティングゲームを行った。
修業の末手に入れた『
ソーナの『
ルピ: とある慈善活動で学校での誇銅の盗撮写真を大量入手。木場と少数の一誠の写真もあったがすべて燃やした。