超人同盟が冥界に宣戦布告した少し後、この事件は起こった。
いつも通り平和だった京都に突然大量の侵入者が現れたのだ。
八坂は自身と術の得意な妖怪たちを集めて一般人には被害が及ばぬように京都全体を結界で囲む。
そして八坂たちが結界を敷いてる間に敵の全体を派手に戦える場所に誘導する。
京都の様子が変なのはもちろん誇銅たちも気づいている。
というより……
「クロスファイアーハリケーン!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
絶賛襲われ中である。
今まで全然戦力にならなかった誇銅も十字架のかたちの炎で敵を攻撃する。
5つの十字架のうち4つが敵を物理的に攻撃して残りの一つは敵にあたると同時に相手を炎に包む。最初は自分が燃えてると思い込み激しくのた打ち回る。
やがて自分が燃えていないことに気づくも特殊な性質の炎から逃げるすべはそうそうなく炎の熱にさらされ続ける。
「
誇銅は炎の縄を作り出し、それと同時に敵を纏っている炎を物理型の十字架に変えて縄を使って十字架に貼り付けにした。
「完成、『
誇銅の炎で作られた十字架に貼り付けにされてるため熱だけでなく魔力の放出も完全に燃やし防げる。
さらにこの誇銅の必殺技は敵の内容してる魔力も徐々に燃やすこともできるため強力な魔法の発動も未然に防げる絶対拘束技。
ちょっとした弱点としては、これが僕の技量では単体拘束だってことかな。たった一人しか拘束できないし、使用中は他の技も使えない。
「内と外から完全に魔力を燃やす十字架。
本来なら攻撃力の乏しい僕はここでもう一つの十字架でサンドしてあなたが熱で死ぬまで閉じ込めなくちゃいけないんだけど、今はそこまで苦しめる必要はないよ」
「
貼り付けにされた敵に向かってルピのセロが放たれる。
攻撃の後に残ったのは無傷の十字架と敵の拘束された両手のみ。敵の本体は軽く消し飛んでいる。
「ありがとうルピ君、嫌な役やらせちゃってごめん」
「ううん、全然OKだよ。誇銅君のためならこのくらい何人でも殺っちゃうよ♪」
「あ……うん……」
「じゃあ、僕は
ルピの発言と勢いにちょっと引く誇銅。
侵入者はそこそこの強さがあり数も多いため誇銅ファミリー全員でそれに対処している。
これが冥界ならばアルセウスの結界の中に閉じこもるという選択肢をとるが、京都には誇銅たちと友好な関係のため誇銅たちは見捨てようとは考えなかった。
そのためアルセウスも事態の鎮圧のために妖怪たちと協力して侵入者の誘導を行っているため誇銅たちの傍にはいない。
そのほかの家族も何かしら協力しているため誇銅と一緒にいるのは、ルピ、テト、月の三人だけである。
***
誘導から漏れた侵入者たちが京都の大路を進んでいく。
やはりアルセウスがついていようと漏れる者も出てくる。
『『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!』』
大路を勢いよく駆けていく侵入者たち。
だが、その勢いはすぐに収まっていく。
なぜなら……
「な、なんだこれは!?」
「お……俺の体が……!」
「なぜ……なぜついさっきまで健康だった俺たちが……なぜ急にこんなにも“老いている”!?」
侵入者の集団がどんどん老いて行く中、大路の脇道から一人の男が歩いて来る。
「こういう集団殺戮は俺のスタンドの得意とする分野だ。
それと、こういう大胆な暗殺は俺の得意とする分野だ」
脇道から現れた男と言うのはもちろんプロシュートだ。
老化した侵入者は一斉にプロシュートを見る。
「馬鹿めッ!! わざわざ術者が姿を現しやがって!」
侵入者の大群から少し離れたところから別行動の敵がプロシュートに奇襲を仕掛ける。
こういう術は術者が気絶したら死ねば解除されるものだからだ。
本来ならこの大群の中でも上位の実力者であろう奇襲者。
だが、相性が悪すぎた。
「テメェみたいな小賢しいやつをあぶりだすためだ」
「ぐっ!」
その敵は空中で首を絞められたかのように苦しみだす。
だがプロシュートは指一本動かしてはいない。
敵の首元には異形の手形がついている。
「『
プロシュートのスタンドが敵の首をボキッと折るとそれを合図に老化した侵入者が大量の砂に呑込まれる。
大量の侵入者を閉じ込めた砂の塊はグシャという生々しい音をたてて一回り小さくなる。
「
プロシュートとは反対側の脇道から出てくるのは江ノ島盾子。
「不測の事態を予測して」
「不測の事態に備える」
「アハッ♪ さっすがプロシュート。
やっぱり場数を踏んだプロの予想はすごいね♪」
「お前も俺とまったく同じ場所を導き出したじゃねえかよ。
俺から言わせればお前も十分場数を踏んだプロだ」
「あたしは言葉巧みにだます立場の人間だったからプロシュートには及ばないわ。
だけど、同じ考えになったのはやっぱり愛ってやつじゃない♪」
「勝手に言ってろ」
「や~ん、冷たい~」
プロシュートと盾子はあらかじめアルセウスと妖怪たちの誘導から外れる侵入者がいると予測しその侵入者がどのような経路を通るかも予測して待ち伏せをしていた。
まずはプロシュートの
一撃で仕留めることによって他の敵に盾子の砂の情報が伝わらなくなる。
敵は高い魔力耐性を持ってるのは妖怪たちの情報で知っていたがプロシュートの『
そして次の問題が老化ガスをしのぐ小賢しい敵の処理。
そのために一度プロシュート自身が標的となって敵を誘い出しスタンドで返り討ちにする。この世界で唯一のスタンド使いのスタンド攻撃は知らぬ者から見れば初見殺しに匹敵する。
プロシュートの技量なら殺し合いならそうそう負けないうえに他の敵の攻撃方法がほぼ素手などの接近戦で自身の肉体に自信があるタイプのためプロシュートの方が相性的にかなり有利。
そして作戦は見事成功したのだ。
「一度アルセウスのとこに戻って他に漏れた奴はいないか確認するぞ」
「ハイハ~イ」
***
誇銅たちがこうしてる間、英雄派もメンバーも敵と交戦中であった。
英雄派のメンバーの実力なら敵を殲滅するのに十分な戦闘力を持っているが、英雄派のジークとジャンヌ、ヘラクレスの相手は別格である。
三人は全力でたった一人の敵に奮闘するもまるで相手になっていない。
「はっはー! 最初の勢いはどうした?
最初にも言った通り俺はこの軍勢の率いる部隊長、『超人同盟』の超人“レオパルドン”」
英雄派メンバーの三人が戦ってるのは襲撃してきた侵入者、『超人同盟』の部隊リーダ。
屈強な体つきに赤いマスク、そして背中には戦車の砲台のようなものを背負っている。
レオパルドンが部隊リーダと聞いたジークとジャンヌ、ヘラクレスは気を引き締めて油断も慢心もなく戦ったが、結果レオパルドンに傷一つ負わせるに至っていない。
「くっ、、
「出し惜しみはできないわね。
「ちっ、できればせずに終わらせたかったが、
ジーク、ジャンヌ、ヘラクレスは禁手化をして改めてレオパルドンに向かう。
三人の強大な威圧を放つ禁手化を見てもレオパルドンは一切焦った感じは見せない。
「はぁッ!」
まず真っ先に飛び出したのはジーク。
本体と背中の四本腕の龍人合わせて六本の腕から繰り出される六刀流の剣術でレオパルドンを攻撃する。
「はっ、その程度かよ」
レオパルドンは腕の籠手でジークの攻撃を軽く防ぐ。
そしてジークの剣術を強引に突破して激しい拳を叩き込む。
ジークはかろうじて二本の腕でガード。
「うごっ!!」
「『
ジークが飛ばされるとその瞬間ヘラクレスがレオパルドンに向かって全身のミサイルを発射する。
それによって直撃したにも関わらずレオパルドンはノーダメージ。
だが、ヘラクレスたちの目的はそこではない。『
その斬撃もあっさり止められてしまう。
「あん?」
「掛かったな」
だが、レオパルドンが止めたのはジークの二本の腕だけ。
神器の龍人はジークの背中にいない。
「『
「グォォォォォッ!」
ジークから分離した龍人は新たに見える下半身と四本の剣でレオパルドンを後ろから襲撃する。
ジークによって止められているレオパルドンに後ろの剣を止めるすべはない。
「残念だったな」
勢いよく振り下ろされた剣はレオパルドンの肉体に弾かれてしまった。
「超人の肉体はその程度では傷つけられない。
なぜなら超人とはもっともすぐれた種族だからだ!」
「そうかよ、なら!」
今度はヘラクレスがレオパルドンに向かって走る。
ジークは龍人も使ってレオパルドンの体をロックする。
「オラッ! オラァァ!!」
ヘラクレスは自身の拳を一撃をレオパルドンの顔面に与える。
そして意味なしと悟ったヘラクレスはすぐさまレオパルドンを空中に投げ捨てる。
ジークは空中で龍人と二人でお互いレオパルドンの片手片足をロックして両側に引っ張る。
加えてたとえ効かないとわかっていてもダメ押しで追加ロックで剣を関節部分に差し込む。
普通ならこれで脱出しようとすれば剣に切り刻まれ、脱出できなければ真っ二つに引き裂かれる。
「俺の体を引き裂く魂胆かもしれんが無駄だ。痛くもかゆくもないわ」
「はなから引き裂けるとは思ってない。
これは次の攻撃に対して受け身をとれなくするためだ!」
「何?」
ジークが空中で技をかけている時、ジャンヌの禁手が動き出す。
『
「『
トリシューラの腹が塞がりジャンヌの姿は見えなくなる。
それと同時にうっすらと青いハズのトリシューラの体は赤く変わっていく。
この技は痛みと引き換えにより精密な精密操作と攻撃力の強化を可能にする。
自身の剣に串刺しにされる痛みは想像を絶するものだが、その分の代償は強力なものとなる。
現在の『
『
ジークは攻撃直前に戦線離脱しているため攻撃を受けているのはレオパルドンただ一人。
この光景は三人も思わずやっかたと思ってしまうほど。
グシャン!
「え?」
「ぐふっ!」
「がはっ!!」
だが……そんな期待もむなしくレオパルドンは無事だったどころがトリシューラの頭を掴んで首一つをもぎ取る。
『
さらに地上に降りたレオパルドンはジークとヘラクレスにも強力な蹴りをくらわせる。
二人はノーガードで受けてしまい立ち上がれずにいる。
「グハハハハ! 無駄無駄。
お前らじゃこの俺に勝つことはできない」
既に三人の禁手も解けてしまい絶対絶命の状況。
このままでは三人とも死を待つのみという状況に陥るが、レオパルドンは何かを感じ取り立ち止まる。
「ん~?」
レオパルドンは自分の足元に違和感を感じて下を見る。
するとレオパルドンの足元に霧がうっすら出ている。
その霧は次第にレオパルドンを包み込む。
「部下が世話になったな。
ここからは『英雄派』リーダの曹孟徳が相手になろう」
「大丈夫かジャンヌ」
霧の中でレオパルドンと対峙するのは他の英雄派メンバーを後ろに控えさせた曹操。
曹操に目を移してる間にジークとヘラクレスは重傷のジャンヌを連れて曹操の後ろに加わる。
レオパルドンの表情はマスクで見えないがニヤリと笑ったように見える。
曹操は『
「戦う前に聞きたい。
『超人同盟』とはどういった目的の組織なんだ」
「簡単に言ってしまえばお前ら『英雄派』と同じだ」
レオパルドンの自分たちと同じという言葉に軽く表情が変わる。
「俺たちと同じ?」
「そうだ、そもそも『超人同盟』とは超人が自身の存在を再び世に知らしめることを目的とした超人だけの組織」
「超人といってもベースは人間だ。それを世に知らしめるなんて意味が分からない」
「ガハハハハハ! まあ一般人の感覚としては当たり前だな。
ただ一つ勘違いをしている」
「勘違い?」
「俺たちの言ってる超人とはただ並外れた人間という意味ではない。
正確には超人の子孫。
その昔地球で最も優れた種族、超人という種族の血を受け継ぐ者のことを指す!」
超人の子孫。
普通なら思い上がった人間のたわごとだと曹操も切り捨てただろうが、実際手練れの自分の部下が三人もこうも一方的に負けたとこを見るとそうも言っていられない。
曹操は半信半疑だがとりあえず超人の子孫ということを信じた。
「それともう一つ、なんで京都を襲った」
「俺たちの現在のターゲットは三大勢力。
その三大勢力と保留ではあるが同盟関係を結びそうな京都を狙ったってわけだ。
今頃はボスの部隊が赤龍帝の住む街を襲撃して回復だけが取り柄の人間をついでに攫っているだろう。
あんなに便利な回復薬はみたことがないからな。
だが、その人間もかわいそうに三大勢力と手を組んでなければ知られることも狙われることもなかったろうに」
曹操はレオパルドンが何を言っているのかをすぐさま理解した。
だが、その人物は現在安全なところにいることに少し安堵する。
「話は終わりだ。
はじめっから全力で行かせてもらう。
曹操がそう宣言すると『
そしてその光が曹操の体を包み込んでいく。
そして光が収まるとそこには神々しい全身鎧を纏った曹操が仁王立ちでたたずんでいた。
その鎧からあふれる聖の気配は悪魔など近寄っただけで吹き飛んでしまいそうなほどのもの。
「『
これが俺の禁手化だ。
お前の実力は俺の部下たちをそこまで軽々と倒したことで相当なものだと理解している。
だから俺も最初っからこれで行かせてもらう」
「ほう。だからって今の状態でも負ける気はしないがな」
「この『
そしてこの七宝を封じることによって『
ジャンヌ、ジーク、ヘラクレス、ゲオルグ、俺に力を貸してくれ!」
『『オウッ!!』』
「……ええ」
曹操とゲオルグ以外のメンバーが曹操に向かって何かを差し出すかのように手のひらを向ける。
すると四人の掌から光の玉のようなものが飛び出し曹操の鎧に吸い込まれていく。
レオパルドンはそれを流石に不思議そうに見るが取るに足らないことと認識して気に留めなかった。
曹操はその光の玉が自分の中に入ると自分の前で拳と拳をぶつけて気合を入れる。
「これで俺は仲間の希望を背負う将軍となった。
仲間から託されたこの思いが俺を強くし逃げ道を塞いでくれる。
そして俺は人間の希望となる! 行くぞ!」
「掛かって来い!」
曹操は勢いよく走り出してレオパルドンと組み合う。
英雄派一の力自慢のヘラクレスですらレオパルドンのパワーには手も足も出なかった。だが、曹操は若干劣性ではあるがちゃんと組み合うことができている。
レオパルドンも自分のパワーに対抗できるとは思っておらず少し驚くが自分の勝利には何の疑問も持っていない。
だがそんな時、曹操の両横の地面から合計四本の聖剣が飛び出す。
レオパルドンも流石に何が起こったのかじっくりとみる。
「『
「なに!?」
突如曹操の背中から鎧を纏った四本腕の龍人が生えてくる。
その龍人は飛び出した聖剣を握りレオパルドンに斬りかかる。
レオパルドンはその刃に動物的直感で危機を感じ取り曹操を蹴とばして回避する。
それによって刃はレオパルドンにかすった程度となった。
「!!……これは……!!」
「どうやら届いたようだな」
だが、レオパルドンの体にうっすらと血が流れる。そこはつい先ほど剣がかすった場所。
曹操の刃は強靭な肉体のレオパルドンの皮膚を確かに斬ったのである。
この事実に曹操はしてやったりと思い、レオパルドンは驚きが雰囲気に出るほどである。
レオパルドンが自身に起こったありえないことに驚愕している間、曹操の体から徐々に突起物のようなものが生えてくる。
「『
それはヘラクレスの使う武骨な形ではなくよりミサイルに近い形をしている。
そのミサイルがレオパルドン目掛けて数発飛んでいく。
「! ウグッ、ギャアアアアアアアアアッ!!」
土煙立ち込める中響くのはレオパルドンの叫び声。
曹操は攻撃の手を緩めることなく次に移る。
「『
地面から無数に飛び出る聖剣が重なり一匹の巨大な龍の形へと変わっていく。
その形はジャンヌと違い四足歩行の三つ首龍。
その姿は主を守る星獣のようにも見える。
「行け! 奴にとどめを刺すんだ!」
曹操は『
それは確実に勝利を求めようとする曹操としては少しらしくない戦い方。
もっと確実に戦うならむしろ『
だが曹操はこの方法をとった。いや、とらざる負えなかった。
それが悪手になろうとも。
ドガン!
「ぐぉぉぉぉ!」
突如霧の中から何かが飛び出し曹操の『
曹操はあまりのダメージに片膝をつく。
霧の中から人影がゆっくりと曹操の元に歩いて来る。
「グハハハハ! まさか俺の最終兵器、地獄の砲弾を使わされるとは思っても見なかった。
人間にしては見事だ! ハッハッハ!」
レオパルドンは傷つきはしてるもそのダメージは曹操と比べるまでもなく軽傷。
曹操の禁手は解けてしまっている。
それと同時に『
曹操の禁手化、『
だがその代り同意をもらった神器は拒絶反応なく100%曹操に力を貸してくれる。借りた分だけ力も増す。
そして神器の同時使用も不都合がない限りできる。
だが、その反面どうしても力の消耗が激しく短期決戦にせざる負えない。それは英雄派一精神力の強い曹操でも仕方のないこと。さらにこの技はごく最近完成に至った技で曹操も慣れていない。
だから曹操は自身の攻撃が通じるとわかると短期決戦を挑んだのだ。
そして厄介なことにこの核が壊されると曹操も含めすべての神器が破壊され所有者は全員死に至る。
幸い今回は核がひび割れただけなのでしばらく神器の使用ができないだけで死にはしない。
レオパルドンは曹操にとどめを刺すわけでもなくただニヤニヤと見下す。
「つ、強すぎる。
外の奴らと本当に同じ種族なのかと疑いたくなるぜ」
「その疑問は当然だ。というより正解と言った方がいいかな」
「どういうことだ?」
「ここに来ている者は殆どが超人ではない。
いや、俺様以外は自分を超人だと思ってるだけのただの人間だ!
超人の血統だからと言って超人の能力が備わるわけではない。
その中で少数の覚醒した者だけが超人としても力を授かる。
超人の子孫が覚醒するのは本当に稀なことだ。
今代はいつもより多い超人の子孫が覚醒してるそうだが、それでもやっと二ケタに届いたくらいだ。
本当に超人ってのは優れた種族だぜ。
覚醒した超人の子孫ですら本来の超人の十分の一以下の実力しかないらしいからな」
レオパルドンは曹操に銃口を向ける。
ジークは曹操を担ぎ上げて逃走する。それに続いてヘラクレスとゲオルグもジャンヌを抱えて逃走する。
「無駄だ」
だが、レオパルドンの銃口は五人に向いただけで何一つ解決していない。
全員の神器は使用不可のためむしろ状況は悪化したと言える。
もしもあの場で曹操を見捨てていれば生き残る道はあったかもしれない。だが、彼らは曹操を見捨てるなんて選択肢はできなかった。
自分たちを発掘してくれ希望を見せてくれた曹操を。
「地獄の砲弾!」
レオパルドンの地獄の砲弾が曹操たちに近づいてくる。
ゲオルグたちがいくら急いだからって体は人間、さらにほとんどが負傷兵。
砲弾は急速な勢いで英雄派メンバーとの距離を縮めていく。
ジーク、ヘラクレス、ゲオルグ、ジャンヌはもう自分たちは助からないだろうと思いながらも後ろを振り返らず走り続ける。
だが、強者であるゆえにわかってしまう。砲弾は既にすぐそばまで来ていることに。
「フライング・レッグ・ラリアートッ!!」
そんな時、前方から閻青娥が一瞬のうちに自分たちの上を飛んで後ろの砲弾に蹴りを放つ。
英雄派の全員はフッと後ろを振り返る。
すると両足に札を撒きつけた青娥の蹴りがレオパルドンの砲弾がせめぎ合っている。
そして、拮抗の末に砲弾は大きく弾道を変えて地面に落ちる。
「なんだと……この俺様の
「ギャー! 痛いアルー!!」
青娥は右足を抱えてごろごろと転げまわる。
レオパルドンの砲弾を弾いた際自身の足にも大ダメージがあったようだ。
「俺の地獄の砲弾を弾ける人間なんて……もしやあいつは!……まあそこは終わってからでいい。
まずは邪魔な人間を排除するとしよう」
レオパルドンはいろいろ悩みながらも目の前のことを一つずつ解消することに。
再び曹操たちに照準を向ける。
「地獄の砲弾!」
「危ないッ!」
青娥の登場のおかげで少し冷静になった英雄派のメンバーは距離もそこそこあったおかげで次の砲弾はしゃがんで避けることに成功。
砲弾はまっすぐに曹操たちの上を過ぎ去っていく。
だが、曹操たちがしゃがんだことにより曹操たちの背後に一人立っているのが見えた。
パシ
あまりにもあっけない音が不思議とこの空間に残る。
曹操たちはその音のした方を見ると、そこには地獄の砲弾をまるでゴムボールでもキャッチしたかのように立っているボニータの姿が。
「よっ、青娥。先行ったと思ったら痛そうだな」
「ちょっと札の選択を誤ってしびれただけアル」
「無事ならそれでいい。足しびれてるならあいつもらっちまってもいいか?」
「別にかまわんアル」
青娥はゆっくりと立ち上がって片足とびで英雄派メンバーのところに。
そしてボニータはゆっくりとレオパルドンの方へ歩いていく。
レオパルドンは自身の最強技を軽々と止められるというあまりの出来事に魂が抜けていた。
「……はっ! なんなんだお前は! 俺の地獄の砲弾をそんな軽く止めれる奴なんてボスくらいなのに!
というより他の連中はどうした!? 妖怪ごときには負けないくらいの強さはあるはずだ、お前のような超戦闘力が抜けてもいいのか!?」
「あんな雑魚オレの相手になりゃしねえよ。
それに今は頼れる相棒、青娥も一緒にいるんだ。
他の仲間が一か所にまとめてくれりゃ殲滅に五分もかかりゃしねえ。
それより、よくもオレの大切な場所を攻めてきてくれやがったな。
無傷で帰れると思うなよ!」
ボニータはド迫力の突進でレオパルドンに突撃する。
その気迫は青娥以外のその場の全員が動けなくなるほどのもの。
おそらく一般妖怪程度では呼吸困難に陥るほどに。
レオパルドンはボニータのあまりの迫力に逃げることができない。
「わ、わわわわ……」
「ハリケーン・ミキサー!!」
レオパルドンはボニータの猛烈な体当たりを受けて空中に回転しながら跳ね上げられる。
「もう一発!」
「ギャァ!」
再び猛烈な体当たりで倍の回転数で跳ね上げられるレオパルドン。
そして二回目の体当たりでボニータも飛び上がりレオパルドンをの両腕をがしっと掴み落下する。
「妖怪十字架落とし!!」
「ギャアーッ!」
レオパルドンはその衝撃により気絶。
青娥とボニータが来るまで大した傷のなかったレオパルドンの体はこの数分間でボロボロの重症となっていた。
そしてレオパルドンを拘束するためと英雄派の治療をするために八坂の元へ戻る。