BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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 お待たせしました。
 正直ちょっと無茶したかもとも思いますがもうやっちゃいましょうとなったので投稿します。


時と闇の二重面

 金次郎を吹き飛ばした攻撃の方向を見るとそこには変な被り物のようなものに顔がついた頭部に一昔前の玩具のような胴体をした何かがこちらを見ていた。

 だが、その雰囲気と体を構成する骨のような外骨格があるものを連想させる。

 

「ウラララ」

「虚、いや、破面!?」

「その通り私は破面識別番号22番、(ヴィクトリー)様だ」

 

 ギャスパーたちの右横から現れたのは破面を名乗る奇妙な風体の男。

 自身の事を破面と言っているが退化しかけてる破面と言った方が的確な姿をしている。

 

「安心しなさい私たちがぶっ殺すのは妖怪だけ。何も邪魔しなければ君たちには危害を加えないであげよう」

 

 ヴィクトリーはにっこりと笑って一誠たちを安心させるようなセリフを言う。

 だが、彼らもこの破面が金次郎を吹き飛ばし地面にあれだけの攻撃跡を残せる攻撃力の持ち主だということは忘れていない。

 相変わらず距離を保って警戒を続けている。

 

「おっと一つ訂正させてくれ。一人だけ殺すように言われていた。

 確か名前はリアス・グレモリーだったな」

「なっ」

「あいにく私は顔を知らないのだ。教えてくれないか?」

 

 ヴィクトリーは道を尋ねる感覚で一誠たちに聞く。

 仲間を殺しに行こうとしてるのに対してあまりにも軽く尋ねるヴィクトリーに驚きやら怒りの感情から固まってしまう。

 

「ん? なぜだって顔をしているな。

 ファファファ、確かに君たちは盾子様に招待されたゲスト。

 だが、盾子様は君たちにもっと刺激的な要素を求めている。

 だから重要人物でありながら戦闘力にあまり支障が出ない、なおかつ君たちを刺激するのに最適な人物が彼女だからだ。ドゥー ユー アンダー スタン?」

「ふざけんじゃねえッ! お前なんかにリアスを殺させるかよ。

 いや、俺がいる限り誰も仲間を殺させないッ!」

「フフ~フ、盾子様の言うとおり彼女は最適な人材のようだな。

 だがしか~し、素直にしゃべってくれないという事は痛い目を見てもらうことになっちゃうよ? それでもいいのかい?」

 

 小さな子供に注意するかのような言い方で警告を発する。

 その言い方が狙ってか天然か一誠をより挑発する。

 

「うるせぇ! だったらお前を倒してみんなを守ってみせるだけだ」

「フハハハハハハハハハッ! 虚にも勝てないガキがこの私に勝てるとでも?

 これは愉快だ笑わせてくれる。フフ、フハハ、フハハハハハハハハハハハハハハハハゴフォゴフォ」

 

 ヴィクトリーはその場で腹を抱えて大笑い。

 その間に一誠は『赤龍帝の三叉成駒(イリーガル・ムーブ・トリアイナ)』」で僧侶へとプロモーションし速攻で撃てる分の魔力を発射した。

 

「なるほどなるほど笑いで私を窒息死させる作戦か、なかなかユニークなアイディアじゃないか。

 しかーし私にそんな稚拙な作戦か通じるとでもブラァー!!」

 

 油断しきったヴィクトリーは真正面からの不意打ちという形で直撃した。

 

「やったか?」

「くぅ~私が笑い疲れてるところを狙うなんて卑怯だぞ~」

 

 ヴィクトリーは吹き飛んではいるが傷らしい傷は何一つ負っておらず平然と立ち上がってきた。

 

「何無傷だと!?

 というかあんたも金次郎に不意打ちしただろ」

「ベリーシット!!

 貴様らもう許さん。軽くお仕置きしてやるだけで勘弁してやるつもりだったが死なない程度にボコボコのグチャグチャにしてやる―――――ッ!!」」

 

 ヴィクトリーは額に青筋立て霊力を急上昇させて怒りをあらわにする。

 その桁違いのパワーは一誠もアーシアもギャスパーも感じ取った。

 

「虚砲よりも強力な華麗なる我が砲撃を受けよ。完備ノ虚砲(ベリー・グロリアスセロ)

「なんとかギリギリ溜まったぜ。MAXチャージ、ドラゴンブラスタァァッ!」

 

 龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)の砲撃とヴィクトリーの虚砲(セロ)がぶつかり合う。

 だが、一誠のドラゴンブラスターはヴィクトリーの虚砲(セロ)と一瞬たりとも拮抗する事無く簡単に押し切られた。

 しかし攻撃をぶつけたことによりほんの少しだけ攻撃の速度が落ち避けることには成功。

 だが後ろにあった建造物、その奥の奥にある建造物にまで一直線に閃光がきれいに突き抜けて行った。

 

「こいつ……なんてパワーだ」

「美しき我が攻撃の痕跡。華麗なる(ヴィクトリー)様の~勝利の爪痕。

 ん~なのに、憎きはテメエらが攻撃を避けたこと。

 ベリーシット!! 生意気なッ」

 

 一誠の最大威力を誇る龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)の砲撃を一方的に破られた。

 一誠はやっと目の前の破面には勝てないと理解した。

 と言うよりリアス・グレモリー眷属全員が揃って初めてわずかな可能性が出る相手にたった三人ではもとより勝ち目がないことは明白である。

 

「く仕方ないここは逃げるぞアーシア、ギャスパー」

「懸命な判断だ。しか~し、私のお仕置きはまだ終わってない。

 お前らのせいで私のお腹はブリブリムッカムカ」

「だったら俺がお前を止める。アーシア、ギャスパー俺がこいつを食い止めるからみんなを、できれば他にも協力してくれそうな助けを呼んできてくれ」

「そんな、イッセーさんを置いて」

「行くんだアーシア」

「逃がすかッ! 虚砲(セロ)

 

 一誠がアーシアを説得してる間にヴィクトリーは通常の虚砲を放つ。

 だが今回は一誠ではなくアーシアを狙って。

 

「危ないアーシア! モードチェンジ、『龍剛の戦車(ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク)』 ぐぁぁっ!」

「イッセーさん!」

 

 避けられないアーシアをかばうために戦車へとプロモーションし身を挺してかばった。

 だが防御力に全力を注いだがアーシアの力でもすぐには回復できないダメージを負った。

 

「ん~手加減してやったとはいえそこまでダメージを抑えられるとはない。さすが赤龍帝と言ったところか。だがその体ではもう戦えまい」

 

 ヴィクトリーは相変わらず一定の距離を開けて余裕綽々と言った表情で一誠たち見続けている。

 

「そう気に病むことはない。お前が弱いんじゃない、私が強すぎるだけなのだ。

 私の虚砲は龍程度の装甲ならば簡単に貫ける。

 まっそれを踏まえたうえでもお前たちは弱いがな。ウラララ」

「……アーシア先輩、イッセー先輩を連れて離れてください」

「ギャスパーさん?」

「ここは僕が足止めします」

「テメエみたいなひ弱そうな小僧に何ができる。

 ん? 男だよなお前」

 

 ヴィクトリーは自分が言ったことに自信なさげにギャスパーの姿をじろじろ見る。

 それでもギャスパーはひるまずに一誠たちを背にヴィクトリーの前に立ちふさがった。

 

「僕はイッセー先輩みたいに強くないし、バッボさんみたいに豪傑でもない。

 木場先輩みたいに剣が強いわけでもないし、……誇銅先輩みたいに勇気があるわけでもない。

 だけど、そんな僕でもできることくらいはあるんだ」

 

 ギャスパーを中心に闇の領域が形成されていきかなりの広範囲を包み込んだ。

 その闇の領域にギャスパー以外の全員が驚愕する。

 

「な、なんなのこの力は。

 んん゛? なんだこの闇は!?」

「おい、ギャスパーこの力は……もしかして禁手の能力なのか?」

「その話は後で。

 闇より生まれし魔獣よ敵を食い尽くせ」

 

 その闇から無数の様々な種類の魔物が生まれギャスパーの言葉と共に襲い掛かる。

 

「ブラアアッ! こんなもんで私を倒せるとでも思ってんのかッ!! 魂吸(ゴンズイ)

 

 大量の魔物はヴィクトリーの魂吸によって一匹残らず消滅してしまいヴィクトリーの栄養となってしまった。

 

「シーシーあまりうまくなかったな。だけど体力回復ゥ」

「なんてこった。あれだけいた魔獣を全部食い尽くしたというのか」

「やっぱり虚と同じ結果に。

 じゃあやっぱりこれですね」

 

 今度はギャスパーの周りに大量の巨大で様々な種類の武器が現れる。

 ギャスパーはそのどれにも触れずに何かを投げる体制をとると武器のうちの一つが動き出す。

 そして投げる姿勢と同時にその武器がヴィクトリーの方へと飛んで行った。

 

「こんなもん簡単に避けれ」

「フラッシュ・ザ・タイム」

 

 ヴィクトリーがジャンプで攻撃を避けようとする。

 ギャスパーが神器を発動させるとヴィクトリーは一瞬だけ止まりヴィクトリーは地面から数ミリだけ浮き上がりすぐに地面に落ちた。

 

「こんなものちょっとジャンプすれば避けらブラアアッ!!」

 

 ヴィクトリーはジャンプの途中で飛び上がるのをやめすぐに地面に落ち武器の攻撃に当たってしまう。

 武器はヴィクトリーにぶつかると闇へと戻った。

 

「ど、どういう事だ。私のジャンプ力はこんなにも乏しかったか……。

 んなわけねえだろォォッ!! クソガキ、私に何をした!」

「フラッシュ・ザ・タイム。

 『世界停止の邪眼』と違い一瞬だけ対象を止める。

 だけどその瞬間対象の時間は周りの時間と切り離され、その場に固定される。結果その物体が持っていた勢いは0になる。

 だからあなたの上にあがる力が途中で0となり地面に落ちた。

 僕より遥かに上の似た力を使う人との修業で身に着けた僕の新しい技です」

 

 ギャスパーが効力の説明をするとヴィクトリーは怪訝な表情から安心した表情に変わった。

 

「そんな技だったのか心配して損したわ。

 たかが一瞬と止められたくらいでどうってことないわ。

 その原理でいけば確かにジャンプやとび蹴り、銃撃などの勢いのみの力は殺される。

 パンチやキックなのどの勢いをつけること前提の威力も半減。

 だが、私の虚砲は常に力を放出している。一時的に時間を切り離されたからといってコンマ1秒着弾か遅れるだけでノープログレム。

 唯一まともに機能する完全停止も、もとより私には効かん。ウララララ」

 

 ヴィクトリーが動き出すとギャスパーは虚砲を避けながら空間全体に生成され武器を手に持たずにフリの動きで投げつける。

 

「『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』」

「馬鹿めッ! 効かんと言うのがわからんのかッ」

 

 神器の力で投げた武器を止める。

 次々に投げた武器を別々のタイミングで止める。そしてその武器大群はヴィクトリームを囲む。

 しかも、神器の力で止めてるため推進力もそのまま。

 

「くそ~だがこんなもの避けられぬものだけ撃ち落せばいい。虚砲」

 

 ヴィクトリーは武器の嵐を避けながら避けられない攻撃だけを虚砲で破壊する。

 

「そこだッ、フラッシュ・ザ・タイム」

「何を止めてるんだバーカ、ガハッ!」

 

 ヴィクトリーが避けた鉄球が頭上に来た時に一瞬だけ止め推進力を消してヴィクトリーの頭上に落とす。

 それにより一手遅れたヴィクトリーは次々と他の武器の攻撃をくらった。

 

「くそ~だったらすべて破壊尽くしてやるゥッッ!」

 

 頭に大きなたんこぶを作ってヴィクトリーは再びキレる。

 

「分離せよ、我が頭部よ」

 

 そういうとヴィクトリーの頭部が分離し空中へ舞い上がる。

 

「アハハハハ、視界良好。この状態に死角なし。

 さらに、荘厳回転(グロリアスレヴォリューション)3・6・O(スリー・シックス・オー)

 

 ヴィクトリーの頭部が360°に素早く回転していく。

 それを見てギャスパーは片目をつぶり闇から生み出した魔物でアーシアと一誠だけを守らせた。

 

「アーシア先輩、イッセー先輩の回復だけに専念してください。僕の魔物がガードします」

「からの~虚砲ッッ!!」

 

 回転しながら放たれる虚砲はまさに死角なしにデタラメに周りを破壊していく。

 

「闇の壁大破、武器粉砕、魔獣撃破、我が体撃沈ッ! ブラアア!!」

 

 ヴィクトリーはうっかり自身の胴体まで攻撃してしまい痛みのあまり浮かんでいた頭部も地面に落ちた。

 だが闇の領域はほぼ全壊しており武器も殆ど使い物にならない。一誠たちを守っていた魔物も全滅。

 自滅に対しての対価は十分だったと言えよう。

 

「く~ミスったわ。まあ良い、これでわかっただろう貴様たちでは私に勝とうなど100年はやいということがんん゛!?」

 

 胴体と頭部を合体させたヴィクトリーはある不可解な場面に気付いた。

 確かに周りには多大な攻撃の跡が残っており唯一無事なのはギャスパーが全力でガードさせた一誠とアーシアの場所だけ。

 

「まさか……テメエ私の攻撃を、しかも殆ど動かずに最小限の動きで避けたというのかッ!」

 

 ギャスパーの初期位置が殆ど変っていないことに。

 しかしギャスパーの足元は例外なくヴィクトリーの攻撃の跡がびっしり。

 つまりギャスパーはその場から殆ど動かずに攻撃を躱したという証拠。

 

「まぐれで躱したくらいでいい気になるなよーッ! ……と、言いたいところだが、まぐれではないな。

 そのおびえの見えぬ姿、攻撃の最中も貴様だけからはおびえの一つも感じなかった。

 破面中最高威力の虚砲の使い手である私の砲撃の中で」

「貴方の虚砲は確かに強力です。ですが、一直線。砲撃の先があらかじめわかっていれば避けるのは簡単です」

「なぁにぃッ!!?」

「僕は修業の末に僕の中にある何かに気づきその力を借りることに成功しました。

 それによりこの闇の領域を創り出す力と数秒先の未来を見通す力を得ました」

 

 ギャスパーの口から明かされるギャスパーの新たな能力。

 その新事実に敵味方共に驚きを隠せないでいた。

 

「なに~!? ……フフ、だが焦ることはない。見たところ貴様の霊圧はかなり落ちているし体力的な疲弊も見られる。

 どうやら私の攻撃を凌ぎ続けるのはやはり容易ではなかったようだな」

「はい、その通りです。

 加えてさっきの闇の領域が僕の最大技です」

 

 上級悪魔でも下手したら一撃で消滅しかねない攻撃を避け続ける集中力はギャスパーの体力を急速に奪った。

 さらに最大奥義を破られ魔力もギリギリもう一度闇の領域を作る程度しかない。

 だがそれをしてしまえば今のギャスパーに必要不可欠な身体能力の上昇に割くわずかな魔力すらなくなる。

 

「フフフそうかいそうかい。

 それは悔しいだろ悔しいだろ。何ならもう一回闇の領域とやらを創る時間を与えてもよいのだぞ?

 まっどうせまたすぐに私に粉砕されるだけだがな」

 

 余裕たっぷりに挑発するヴィクトリー。

 そこで動かないギャスパーを見てピンチに陥ってると考えた一誠は回復したての体を起き上がらせてギャスパーの横へ並ぶ。

 

「後輩が困ってるなら先輩として見過ごすわけにはいかないぜ。助太刀するぜギャスパー」

「いえ、大丈夫です」

 

 それをあっさり拒否。

 一誠も思わずポカンとなった。

 

「もう僕には闇の領域を再構成するだけの余裕はありません。

 闇の領域は最大奥義であっても最終兵器ではありません!」

 

 ギャスパーは何の武器も持たずヴィクトリー向かって走り出し特攻した。

 ギャスパーの特攻に気付いた一誠はその無茶を止めるべく走り出すが、ギャスパーのストップ・ザ・フラッシュで片足だけ止められ転ばされる。

 

「馬鹿目、確かに私は強力な遠距離攻撃を得意としてはいるがそんなヒョロヒョロの体で私のこの美しいボディにかかってくるだと?

 なめやがって反撃のキックをくらわせてやる」

 

 既に一誠が間に合わないところまでギャスパーは走り出している。

 そこにナイスタイミングな鋭いヴィクトリーのキックが繰り出される。

 

「ウラララ、くらえ~」

 

 だが、

 

「ブラァァアッ!」

「え!?」

 

 逆にギャスパーのローリングソバットが見事ヴィクトリーに命中し完璧なカウンターが決まった。

 

「テメエよくもこのヴィクトリー様の美しいボディに土をつけやがったな」

「……」

「ギャスパー?」

 

 何も答えないギャスパー。

 急にギャスパーらしくない見事な体術に急に雰囲気も変わった。

 その様子は急に新しい力を身に着けてきた以上の違和感を一誠たちに与える。

 

「何とか言ったらどうだ!?」

「……」

「もう絶対許さんッ!」

「!」

 

 ヴィクトリーが虚砲の体制に入る寸前にギャスパーは動きだし接近した。

 そして虚砲の照準が定まる前から斜線上から微妙に外れて攻撃を躱し懐に潜り込み容赦ない一撃を当てる。

 その攻撃は悪魔では突破できないハズの破面の装甲の隙間を完璧についてヴィクトリーをうずくまらせた。

 

「例え魂が欠けようと、例えこの身が下等生物に堕ちようと、完璧超人としての誇りは捨てない」

「ギャスパーどうしちまったんだ?」

 

 ギャスパーの変わりようにのんきな一誠も異変を感じて問いかける。

 口調に戦い方、声のトーンも低くなっている。

 そして問いかけに答えるように一誠の方を向く。

 

「我が名は魔神バロール。いや、今こそ地に堕ち下等生物につけられし不名誉な魔神の称号は捨てよう。

 我が名はギャスパー・バロール。魔神バロールの断片とギャスパー・ヴラディが交わりし意識」

「魔神バロール……。ギャスパーのもう一つの意識……?」

 

 闇の領域を形成した闇がギャスパーの体にまとわりついていきギャスパーを包み込む。

 そうして闇は大きな何かを形成し始める。

 

「我が兄はその目であらゆる真実を見抜き曝け出し、遥か未来まで見通せた。

 だが我は僅か数秒の未来しか見通せぬ。

 さらに肉体の強靭さテクニック、素質パワーすべてにおいて劣っていた。

 故に我は兄を妬むと同時に自身の完璧さすら失ってしまった。

 完璧でなくなった我は地へ堕とされ下等生物の世界で天狗となり晩年その後悔と恥辱に埋もれた」

 

 黒くゴツゴツした3mはある体にサイクロプスのような一つ目にカブトムシのような大きな角が一本生えた姿へと形成された。

 

「だからこそ我はもうこの完璧性を二度と見失わぬ。

 ギャスパー・バロールというギャスパー・ヴラディの新たに生まれし意識として己の完璧さを誇示する!

 所詮貴様も下等が準下等となっただけの存在。本体は下等生物とはいえ完璧の魂と精神、わが魂から再現されし完璧な肉体が負ける理由はない!」

「なーにが完璧だー。

 テメエが何者であろうと私の究極の虚砲は止められない!

 喰らえ、ゼロ距離。完備ノ虚砲(ベリー・グロリアスセロ)

「はっ! そんな焦りがある攻撃当たらんわ」

「ぐはっ~!!」

 

 バロールは至近距離から放たれた虚砲を躱しカウンターの一撃でヴィクトリーを吹き飛ばす。

 

「ほ、本当にギャスパーなのか?」

「シャババババ、紛うことなき我はギャスパー・ヴラディーだ。

 そうだな、下等生物にわかりやすく例えるなら厳密には違うが、『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)禁手化(バランス・ブレイク)『禁夜と真闇たりし劫の真眼(フォービトゥン・インヴェイド・バロール・ザ・サイクロプス)』とでも名乗ろう」

 

 バロールが一誠の質問に答えている間バロールに吹き飛ばされたヴィクトリーも負けじとすぐさま立ち上がる。

 

「こなくそ~! 虚砲!」

「こんなもの避けるまでもない」

 

 今度の通常の虚砲は直撃したが倒れるどころが片手で止められている。

 その攻撃によってできた煙の中を何かが近づいてくる。

 

「見えなければ躱せぬとでも思ったかッ! 直線特攻では意味も!!?」

 

 煙の中を走ってきたのはヴィクトリーの胴体部分だけ。そこには頭部がなかった。

 そこに気を取られたバロールは後手を取られてしまう。

 

「ウララ、我が胴体よそのまま逃がすな。次は外さん完備ノ虚砲(ベリー・グロリアスセロ)

「そうはさせないッ」

「なにィィッ!」

 

 完備ノ虚砲(ベリー・グロリアスセロ)を空中から放とうとしたヴィクトリーを一誠がトリアイナ戦車で撃ち落す。

 これによりヴィクトリーの奇襲は阻止された。

 

「よし、ここは協力して早くリアスを助けに」

「邪魔をするな下等生物がァーッ!」

「ぐはっ!」

 

 助けに言ったはずの一誠はバロールの強力な蹴りをくらいその場にうずくまる。

 強力な蹴りによって呼吸困難になっている。

 

「確かに貴様はギャスパー・ブラディの仲間。つまり我の仲間。

 守るに足りる存在。

 だが、我の戦いを汚すのならその瞬間から貴様は我の敵だッ! 覚えておけ」

 

 バロールは振りほどいたヴィクトリーの体に攻撃せずに頭部の方へと戻る胴体を見過ごした。

 

「我はギャスパー・ヴラディの意識とバロールの意識が混ざり合い生まれた存在。

 仲間意識と言うものは存在するし守ってやりたいし助けたい。

 ギャスパー・ヴラディが恩人と思ってる2人は特にだ。

 だが、我が完璧さを汚す者は例外なく全員的だ。それだけは覚えておけ」

「ウララララ、仲間割れなどしてる暇などないぞ。

 これから私の最強最大の虚砲を喰らわせてやる。これで全員まとめて吹き飛びやがれッ!」

 

 冷静そうに見えて完全に頭に血が上っており本来の目的を忘れているヴィクトリー。

 だが、それに反して一誠でもわかる程シャレにならない程大きな霊圧上昇がヴィクトリーから感じられる。

 

「吹き飛べェェッ! 完充ノ虚砲(セロチャージ・ベリー・バルバドン)

 

 完備ノ虚砲(ベリー・グロリアスセロ)とは比べもにならない程巨大で強力な虚砲が一誠たちに襲い掛かる。

 その攻撃範囲は一誠とバロールどころがアーシアまでも完璧に巻き込む範囲だ。

 その攻撃を前にバロールはなんだかうれしそうな顔をしている。

 

「シャババ、素晴らしいぞ。まさかギャスパー・バロールとしての初のお披露目でこんな強敵に出会えるとは!

 下等としては申し分ない威力だ。

 魔神だった頃の神共は派手なだけでカスッカスな技を最大威力と言っていた。それとは天と地ほどの差がある素晴らしさだ!」

 

 巨大な光がもうバロールと一誠の目の前まで。

 

「だがッ!」

 

 バロールはその光を両手で受け止めた。

 

「所詮は下等! 我に止められぬはずがない」

 

 両者の激しい押し合いが始まった。

 

「ブラァァッ!」

「シャバー!」

 

 渾身の力比べの結果軍配が上がったのは。

 

「シャバーッ!」

「アンビリーバボーッ!!」

 

 勝ったのはバロール。

 ヴィクトリー渾身の一撃はバロールによって完全に防がれてしまった。

 自身の最強の技を敗れヴィクトリーに初めておびえが見える。

 一歩、また一歩後退する。

 

「シャババババジャッ!?」

「こ、今度はなんだ~?」

 

 バロールは急にふらつき片膝をつく。

 体の闇もどんどん剥げていく。

 

「シャババ~もう限界か。

 こいつはもっと鍛えなくては駄目だな。シャバ~」

 

 ついにすべての闇が削げ落ちてしまい魔力を使い果たして動けなくなったギャスパーだけが残った。

 それを見たヴィクトリーはさっきまでの弱気が嘘のように再び調子に乗り出す。

 

「ウララララそいつさえいなくなれば私に怖いものはない。

 私の美しさの前には耐えられなかったようだな。

 散々余裕かましやがってバーカバーカ」

 

 ヴィクトリーは小学生のような幼稚な挑発で一誠たちを馬鹿にしだす。

 だが実際一誠ではヴィクトリーには勝てない。

 そのことは悔しながら一誠も理解している。

 ギャスパーを回復させればまだチャンスはあるかもしれないがアーシアでは魔力は回復しない。

 そもそも回復しようとすればヴィクトリーも黙ってはいないだろう。

 

「バーカバーカ」

「馬鹿はテメエだカスッ!」

「ブラァァ!」

 

 突如背後からヴィクトリーが襲われ顔面を地面にめり込まされる。

 その正体はヴィクトリーに殺されたと思われた金次郎。

 サングラスは割れ汚れや傷が目立つが元気そうではある。

 

「キサマ~生きてやがったか~」

「あたりめえだ。

 カスの攻撃で俺が倒れるわけねえだろ?

 だが、けっこうぶっ飛ばされて戻ってくるのに時間がかかったがな」

 

 強い力で一誠の時と同じように正確な力配分で押さえつけている。

 だがヴィクトリーは掴まれてる頭部と胴体を分離させて胴体からの攻撃で拘束を解かせた。

 

「さっきのバロールとかいうやつには正直驚かされたが貴様程度が一人増えたところで怖くもなんともないわ」

「あ゛?」

「何を隠そう私は人口破面。数体の虚を合成させて作られたエリート。

 生身の体から生まれた破面とはわけが違うのだよ」

 

 

 5分後

 

 

 金次郎から一方的に暴行を受けてボロボロになり倒れるヴィクトリー。

 金次郎は殴った拳をさすりながらいつもの見下した目ではなくそれなりに手こずった相手を見る目で見降ろしている。

 

「くそ~」

「近づきさえすれば当たらねえんだよ。エリート様よ~。

 しっかし硬てーな。こんだけ殴ってまだ意識があるのかよ」

 

 虚砲の中心となる頭部を発射する瞬間にすべて顔の方向を鋭い攻撃でそらされてまともに戦えなかった。

 ヴィクトリーは悔しそうに顔を起こすがまだ負けた時の表情ではない。

 むしろまだ奥の手があるのだぞと言いたげな余裕がある。

 

「く~だが残念だったな。

 私とは別にこの町には後3人の人口破面が貴様らの命を狙っている。

 この俺様を倒したくらいでいい気になってんじゃねーぞー!」

「これのこと?」

「ワット!!?」

 

 突如ヴィクトリーの目の前にその破面らしき三体の破面が突き出された。

 その三体はヴィクトリーよりも人間らしい体と顔。大した外相も見られずむしろヴィクトリーよりも傷が少ない。

 だがピクリとも動かないところを見ると既に絶命してるようだ。

 

「悪魔と戦ってた私、猿夢、八尺の戦いに乱入してきたのを返り討ちにしてやった。

 

 おかっぱ頭のいかにもあの有名な都市伝説の人物のような少女がそこにいた。

 金次郎や口裂け女と似た生粋の妖怪が放つ独特の魔力とは違う強い妖気から目の前の少女がなんなのか一誠も察する。

 

「初めまして都市伝説組、トイレの花子さんよ」

 

 一誠が妖気を感じることができたのは金次郎や口裂け女や花子さんが自身を妖怪と教えるためにわざとわかりやすいように妖気を高めているからである。

 花子さんは三体の破面の手を見せる。

 そこには爪がない。正確にはすべて引き抜かれた跡がある。

 そして一誠には見えないがそれぞれの破面の服の下をチラッと見せるとヴィクトリーの顔色はどんどん蒼くなっている。

 

「ま、待ってくれ! 私は何も知らない!

 私は他の実験破面と違い正の感情を可能な限り残されているのだ!」

「だからどうしたっての?」

「だから私は他の破面より人間に近い感情と感覚を持つ!]

 

 ヴィクトリーは自身がこれからどんな目にあわされるかを悟った。

 そして一誠もそれがわかった。花子の手に錆びたペンチがあったから。

 バロールと金次郎との連戦で霊力の大半を消費。

 さらにある程度の強者であることと破面の正確な霊圧感知で今のままでは確実に花子さんには勝てないとわかっている。

 しかも目の前には金次郎。逃げることもできない。

 

「だったらさっさとしゃべってくれる?」

「エヘ~ヘ~、だから私は窮地の際拷問などで情報を漏らす危険性が非常に高いと言うことでお前たちをボコボコにしろ以外何も聞かされていないんだ。信じてくれ」

「なるほどわかった」

 

 花子は何処からか取り出した縄を取り出してヴィクトリーを縛り始める。

 二人の前でこれと言って抵抗することもできずおとなしく縛られる。

 そして分離することもできないくらいぐるぐる巻きにされ身動き一つできなくなった。

 そのヴィクトリーを金次郎が担ぎ上げる。

 

「な、何をするんだ。私を捕まえたところで何の情報も渡せんぞ。

 ああだからって殺せという意味ではなく」

「もし隠してることがなけりゃ捕虜としての待遇は保障してやるよ。

 だが、何か不審なそぶりを見せたらわかるよな?」

「ヒィ~!!」」

 

 すっかりおびえてしまったヴィクトリーを担いで金次郎と花子さんは一誠たちを残してどこかへ歩いていく。

 花子さんは少し歩くと何かを思い出したように一誠たちの方を向いた。

 

「あっそうそう、この町の守護は今まで通り貴方たちに任せるわ。

 私たちはそれどころではなくなってしまったから。

 本来は三勝するのが条件だったけど一勝したから良しとするわ。ねえ、金次郎」

「ああ、俺が来るまで生き残れた事とあのでけえ攻撃を抑え込んだことだし俺から一勝くれてやるよ」

「一応都市伝説組はこの町にいるから何かあれば伝達係の怪人アンサーに電話してちょうだい。方法は二人以上が互いの電話番号に同時に掛けるか、公衆電話から10円で自分の電話番号に。

 アンサーとさとる君は同一人物だからどっちでも大丈夫よ。

 そうだ、もしもアンサーでもさとるでもない自分自身から電話がかかってきたらすぐにきって。後日かかってくる事もあるけどうっかり話すと大変なことになるわ」

 

 こうしてリアス・グレモリー眷属VS都市伝説組との勝負は幕を閉じた。

 この戦いでリアスたちは新たにギャスパーの新技とバロールの戦力を手に入れたがギャスパーは修業の情報とバロールに関する深い情報は完全に黙秘した




 アランカル大百科

月「今回の破面はみんなの想像通りテトちゃんやで」

テト「破面のアイドルテトちゃんだよ~♪ よろしく♪」

月「なんかカーン カーン カーンって解体されそうな出だしやけど大丈夫? テイク2いっとく?」

テト「テトちゃんはアイドルだから沈まないんだよ~! ……冗談はこのくらいにしてこんにちは重音テトだよ♪ 作者のお気に入り『最強テットテト計画』よろしくね♪」

月「ほんじゃいこか。テトちゃんは虚砲が強力で探査神経が低めの破面やね。
 ほんで刀剣解放は『『虚栄混合獣(メンティロサ)
 力の空き容量に神器などの非固有の能力を詰め込むか、そのままパワーにするかの能力やね」

テト「今回は空っぽだからフルパワーだけど、能力を入れる度にパワーダウンしちゃうんだ」

月「スキルを増やすと単純なパワーが減るってなんかまんまゲームキャラみたいな能力やね。やっぱ二次創作やからかな?」

テト「ちょ、その話題はタブーだよ!! まあ私は生まれがあれだから詰め込める能力になったんだろうね。それにテトはキメラだから元々能力はかなり詰め込まれているよ」

月「ふーん。ところでフルパワーって実際どんくらいの力あんの? この作品のキャラで比較したらどんなもんなん?」

テト「う~んとね、パワーならだいたいこんな感じかな?」


  球磨≧レディ・ロビン>>>>>>ボニータ>ウルフ>パルテノン≒テト>バッボ≒土蜘蛛≧サイラオーグ>青娥>ペンタゴナ>>>>>>>>>一誠



月「うわ~超人並やん。キャラは適当に選ばれてるけど主人公低っく」

テト「まあ超人の子孫上級くらいの力は出ると考えてくれたらいいよ。かわいいアイドルが実は怪力ってギャップがいいでしょ♪」

月「まあわからんでもないけど。そんじゃ今日はここまで。またね~バイバ~イ」
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