ソシャゲで人気投票1位にならないと帰れない!   作:夢泉

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17000…!?え、え…!?(二度見)
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8話 新しい仲間=便利な足★

『当機は集積機兵。個別名称はテトマ・ネシテア。個体名キズナ。当機の疑問への回答を願う』

「えっと、僕…?」

『肯定。個体名ティエラ及び個体名ルネは貴方を中心にして活動している。故に、貴方達について問う場合、個体名キズナに尋ねるのが最善と判断。当機の判断は間違っているだろうか』

「いえ。それで正解ですよ。オレはキズナ君についてきているんです。このパーティのリーダーはキズナ君ですよ。ルネもそう思いますよね?」

「うん。キズナが、リーダー」

『個体名ティエラ及び個体名ルネの認定を確認。最初の会話に戻る。個体名キズナ。当機の疑問への回答を願う』

「わかった。僕に答えられる範囲だけど…」

『感謝する。では、最初に。当施設の置かれている状況を尋ねたい』

 

 と、そんな感じでキズナ君とテトマの会話が始まった。

 キズナ君は時々オレの補足を受け取りながら、1つ1つ答えていく。

 まず、ここがテトマの元々いた世界ではないこと。

 遺跡のシステムが暴走して、多くの人を襲うモンスターハウスに成り果てていたこと。

 自分たちがそれを止めに来たこと。

 などを順に伝えていった。

 

『――状況把握完了。先ずは謝罪を。当機は状況を誤認し、貴方達に危害を加えた』

 

 その後、テトマの話が始まる。

 まず、己が封印された兵器であることと、この遺跡の成り立ち。

 そして、何故攻撃をしてきたのかが語られた。

 他の兵器が着実に朽ちていく中、特別頑丈なテトマだけが残った。

 それでも、いずれ訪れる滅びの時を待って静かに眠っていたのだが。

 ある日、遺跡に侵入者がひっきりなしに訪れるようになってしまう。

 要するに山の生命の数々だ。山に生きとし生ける命の全てが侵入者としてシステムに引っ掛かったのだ。これは慌てるわな。

 簡単に言えば、ゆっくり寝てたら、家のインターホンが1年間毎秒ひっきりなしに押されるような感じだ。人間だったら鬱になる。

 この状況が暫く続くも、全く変わる気配がない。とはいえ、封印された存在が外に出て状況を確認するなどしてはならない。

 そんな中、遺跡の最奥である封印領域まで侵入してきた3人。テトマは一連の騒動の元凶であると判断して攻撃を選択した、ということらしい。

 しかし、撃破された後の会話や行動を観察していると、どうも様子がおかしい。

 ということで、会話を元に言語を分析し、こうして質問しているというわけだ。

 

『如何なる理由があれ、当機が貴方たちに危害を加えたのは事実。重ねて謝罪する』

「いや、事情を聞けば仕方のない事だったと思うし…僕より危なかったティエラさんとルネは…」

「オレは許しますよ。そこまで心の狭い女じゃないつもりです」

「ルネも。許して、やる」

「…って感じだよ。城塞都市の人たちはともかく、僕たちはもう怒ってない」

『感謝する。キズナ、ルネ、ティエラ。……では、もう1つの質問への回答を願いたい』

 

 さて、重要なのはここからだな。「アレ」の計算では大丈夫だったんだろうが、オレはそこまで信用しているわけじゃないし。

 もう、WFプレイしてた頃の細かい会話内容とか覚えていないしな。

 

『キズナ、ルネ、ティエラ。貴方たちは何故、ここを訪れたのか。非統一の武装及び会話内容を鑑みるに、貴方達は正規の兵ではない。ならば何故、危険を顧みず当施設に挑んだのか。回答を願えるだろうか』

 

 ここからどういう風に会話が運ばれていくのやら。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ここで協力を取り付けられるか否かは重要に過ぎる。主にオレの疲労の問題で。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「…という感じかな。僕たちは世界を「ワールドイーター」の脅威から救うために必要だから、ここに来たんだ」

 

 キズナ君が自分たちの状況と目的を説明し終えた。

 「ワールドイーター」という脅威が「カオス」に迫っていること。

 そのために世界中の存在が協力する必要があること。

 目前に迫った戦争を止めるために城塞都市の領主に会う必要がある事。

 などが語られた。

 

『…世界を、救う。争いをなくす』

「あはは…馬鹿げた話、かな」

『確かに、理想主義的と言わざるを得ない。共通の敵の存在は、必ずしも知的生命体が団結する要因とはならない』

「やっぱり、そうかな」

『しかし。当機の作成者達。かつて当機を用い、戦乱の世を終わらせようとした者達のデータ。貴方の行動、発言、心理は彼らのソレと重なる』

「え…?」

『可能性は0ではない。少なくとも、為す前から無意味と断ずることは当機には不可能。それは試す価値のある行為だと、当機は結論付ける』

「…そっか。ありがとう、テトマ」

『キズナ、ルネ、ティエラ。貴方達の旅路に幸運があらんことを』

 

 あっれぇ~?これ、このまま会話終わっちゃわない?マズイよ!?

 集積機兵テトマ・ネシテア。これは簡単に言えば()()()()だ。

 あらゆるモノを集積して1つとなることが出来るテトマ。古代人たちはこれを、たくさんの武器や物資を輸送するのに使っていたらしい。だからこそ、壊されて物資が奪われないように特別頑丈にコアが作成された、というわけだ。

 WFにおいては主人公たちの移動拠点となる。某動く城みたいなヤツなのだ。あそこまで大きくはなれないけど。精々が、大きな屋敷くらい?

 でも、結構自由なカスタマイズが出来て、戦闘には一切何の影響もないが、かなりこだわることが出来る。こういうのが好きな人は一定数いるもので、超大作テトマの画像がSNSに公開されていたりした。ミニ動く城を再現した人もいれば、空を飛ばない天空城を再現した猛者もいる。

 これで活動できるなら、世界の果てから果てまで歩き回らなくて良くなるのだ。

 移動手段が無ければ足が死ぬ。てか、時間がかかりすぎる。

 だから頑張れ!主人公!(丸投げ)

 

「…君はどうするの?」

 

 そうだ!良いぞ!

 会話を続けろ!足を用意しろ、オレのために!

 

『当機はこの場所で朽ちるのを待つ』

「それは、どうして?」

『当機は平和のために封印された危険な兵器。外の世界に出て平和を乱すわけにはいかない』

「でも、ここは君が元居た世界とは違くて、今も平和とは程遠い」

『………』

「君は平和を壊す兵器だって言うけれど、本来は平和を願って造られたんだよね?そして、平和を実現してみせたから、封印された」

『……肯定する。当機の目的は戦乱を終結させることだった』

「それに、君と会話していて、君が危険だと僕は思えない」

『………』

「力は使い方なんだと、僕は思う。正しい目的と強い意志、そして正してくれる仲間さえいれば、きっと間違えない」

『……何故、そこまで当機を気遣うのか。力が必要だからか』

「それは、勿論ある。けど、一番は君が寂しそうだと思ったからだよ」

『…寂しい?当機にそのような感情は…』

「でも、僕はそう思った。君をここに置いていく選択では笑えない。後悔する。だから、君を仲間に誘う。どう?」

『………。個体名キズナ、貴方は当機の想像以上の異常者だ』

「えぇ!?」

 

 それは完全に同意。テトマ気が合うな!

 キズナ君はあれだし、ルネはそれを信じてるし。まさか異常なのはオレの方かと、1ミクロンくらいは疑いかけてたんだよね。

 良かった良かった。異常なのはキズナ君の方。オレはまともだ。普通の極み。万歳。

 

『しかし、だからこそ計算を超える存在とも言える。……当機の敗北だ。キズナ、ルネ、ティエラ、当機も貴方達の旅路に同行しても構わないだろうか?』

「無論。テトマ、一緒に行こ」

「オレも異論はありませんよ」

「よし!テトマ。君は今日から、僕たちの仲間だ!」

 

 やった便利な移動手段ゲット!お前、今日からオレたちの足な!

 よくやったぞ、主人公!後でカレー大盛りにしてあげるね!

 

 

 ――こうして。

 ゲーム的にはチュートリアルが終わり、キズナ君の冒険が始まる。

 「カオス」を救うために奔走する旅路の始まりだ。

 そして、オレの戦いの日々が本格的に始まるということでもある。

 オレにとっては全てが敵と言っていい。エネミーは勿論、キズナもルネもテトマも、これから加わる実装キャラたちも。全ては人気投票のライバルであり、利用するための駒。

 ソシャゲで人気投票1位にならないと帰れないのだから。

 

 オレの目的は変わらない。元の世界に帰ること、そして妹を救うこと。

 これは断じて世界を救う戦いではなく。

 ユーザーたちの票を集める戦いだ。

 

 

 




これで2章本編は終了となります。
ユーザー視点や考察掲示板などを挟んだ後に、3章突入です。

今後とも当作品をお楽しみいただければ幸いです。


★頂いたイラストの紹介

「挽きたて抹茶」さま作『ソシャゲ風ティエラ』

【挿絵表示】

以前いただいたイラストのソシャゲ立ち絵風です!
凄い!ソシャゲっぽい!
ありがとうございます!
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