『――改造完了。当機は水陸両用となった。これで湖の横断が可能である』
「やったね!」
「あぁ、これで湖が渡れるな」
バカンス3日目。ついにテトマの改造が終了した。
おおよそ、テトマの当初の計算通りといった所か。
全体が一回り大きくなっただけではなく、細部に様々な変化があるらしい。これで浸水することなく湖を突っ切れる。
「でも…なんだか、さびしい…」
「言いたいことは分かるにゃ。滅茶苦茶だったけど、結構楽しかったにゃ」
「今は難しいかもしれないけど。また何時かこうやって皆で遊ぼうよ!ね、ルネ!」
「…っ!うん!約束!」
「モチのロンっス!皆でまた遊ぶっス!」
「その時までにはルネも泳げるようになってないといけませんね」
「それは、ままも。一緒に泳ぐ」
「…そうですね。その時には、是非。あとママじゃないです」
「ならば拙者が泳ぎを指南致しましょう」
などと思い思いの事を話しながら、出立の準備を整える。
そして、暫くして皆でテトマに乗り込んだ。
だが、オレは知っていた。
まだイベントは終わっていないという事を。
「…っ!何か来ます!湖の底から…!」
何か余りにも巨大なモノが迫ってくる音が湖より鳴り響く。
そして。
「何にゃ!?」
「オイオイ。これはまさか例の…」
「湖の、ヌシ…!」
湖から山が生えた。
そう表現するのが的確な程に。巨体に押し上げられた大量の水がドームを形成するように落ちてゆく。
水のベールが晴れ、そこに現れたのは。
「なんだ!?あの奇怪な生物は!?」
「透明にゃ!透き通ってるにゃ!」
「ゆゆゆ幽霊っスか!?死んじゃうっス!おへそ隠さないとっス!」
「パハル、それは雷への対処法ですよ」
「たべれる、かな…?」
「流石に無理だと思うよ、ルネ」
「不覚にござる!接近に気付かぬとは!」
透明で、垂れ下がった手のようなものを有し。
真っ赤な心臓と脳…のようなものが丸見え。
生物として色々と間違って進化したような、謎の姿。
「OooooooNEEEEEEEE!!!!!」
そう、
もう、クリオネなんて海の生物が湖にいるのは「カオス」だから突っ込まないけれどさ。
クリオネは「オネー」とは鳴かないと思うよ?てか、どう見ても声帯ないよね??どっから声出してるの???
「どうやら、戦うしかないみたいですね…」
コイツこそが最初の夏イベのイベントボス。そして、今後の様々なイベントで思い出したように唐突に現れることになる謎存在。
空中だろうと、マグマの中だろうと、淡水でも塩水でも、何処でも現れる正真正銘の謎生物。クリオネちゃんである。
夏の最後を飾る、壮大な戦いが幕を開ける―――!
流石に某お空のマグロにインパクトで勝つことは出来そうも無いから、自分の好きな生き物にしました。可愛いよね。捕食の時以外は。
他のソシャゲで使われてないよね…?一通り調べたけどいなかったはず…。
次回、夏イベ最終回。夏イベよ永遠なれ。
※以下は「ソシャゲで1位」は関係ありません!
【宣伝】
『俺「以外」の全員が「2周目」は流石に鬼畜仕様すぎる。』
URL:https://kakuyomu.jp/works/16817139555369815665
以前紹介した短編を連載化。同時に、「カクヨム」様で開催中の「第4回ドラゴンノベルス小説コンテスト」に応募してみました。
コンテスト初挑戦です。夢のために、駄目もとで戦ってみようと思います…!
実は、ヒロインの「師匠」はTSじゃない「ティエラ(星)」を意識していたりします。
双剣で、家事は出来ないけど姉・ママ属性を持ってたり。
よろしければ、閲覧してみてください!