更新設定でミスをしており、一度削除しました。
感想を書いてくださった方、読んでくださっていた方、申し訳ございません。
内容は削除したものと同一です。
◇◇◇
キズナ君と会話を進めながら、思う。
これからしようとしていることは、簡単に言えば「
そもそもの話。この肉体は、人と、精霊と、星の【三位一体】だ。
地球の意志という規格外の存在を取り込んでいるわけだが、それでも基本的にはクソ雑魚である。人間の魂がクソ雑魚すぎるからだ。
凄まじい燃料を積んでいるが、エンジンがゴミなので、最終的な出力もゴミになっているに過ぎない。
ティエラ・アスの人気が高まりSSRとして実装されると、このエンジンがグレードアップする。そうすると、より強力な出力で、より多くの活躍ができるようになるわけで。結果として人気が上がり、再び出力が上がる。これの繰り返しの果てに人気投票1位がある……というのが、基本的な計画のわけだが。
では、このエンジンを取っ払って、
やろうとしていることは、つまりはそういうことである。
愛用の双剣『葬送』『回帰』は、魂を正常な輪廻に戻すことを可能とする剣。つまりは「
これをオレ自身の身体にぶち込んで、「人」と「精霊」というリミッターを外し、「星」本来の力を爆発させるのだ。
道中、徘徊する機械兵と戦いながら時間を調整した甲斐があった。おかげで、目立つことは難しいと諦めていた2章で、こんなにも「最高」の見せ場が用意できたのだから。
振り返れば。この章では思い通りにいかないことが多かった。多すぎた。
元々、機械だらけの章だ。活躍が少なくなることは分かっていた。だからこそ語り部ポジを目指そうとか最初は思っていたのだけれど――そんな計画はとっくに破綻して見る影もない。
嘘つきピエロに脅されて行動を制限されたことから始まり。
研究バカの変態白衣女から、3股前提の愛の告白をされ。
なんとしても登場を防ぎたかった中二病女(人権)に役割を奪われ。
挙句の果て、アルニマでは意識を手放す事態となり。
極めつけは、恋愛フラグ乱立によるメアリー・スー化ルートの開拓である。
……なにこれ、酷すぎる。あまりにも酷すぎて目も当てられない。
中でも、やっぱり恋愛フラグ乱立事件は大きい。
これまでの5年間、
それなのに、今日だけでヴァルト、サーカス、ウインター……カップリングフラグ×3である。これは酷い。
こんなわけで、このスリーフラグ事件は大きな問題である……のだが、
最悪の問題は、このフラグ事件を引き起こした原因の方。つまり、意識喪失事件の方こそ最悪。「精霊」に孤軍奮闘を強いてフラグ管理にミスったことは勿論、最終的に気絶してグースカ寝こける事態になり――結果として、「語り部」の就職試験に落ちることが確定した。
一体全体どこの誰が職務中に寝こける奴を採用してくれるというのか。過去を思い出しながら語る……そんな回想形式で進むような物語ならいざ知らず。リアルタイム物語において、重大局面で意識を手放す奴が語り部になど採用されるはずがない。ましてや、「観測者」兼「記録者」なんて立場の天下り縁故採用もいるのである。
さて、整理しよう。このままだと一体どうなるのか?
Q.語り部としては?――A.失格。
Q.双剣の戦士としては?――A.役立たずのゴミキャラ。
Q.ヒーラーとしては?――A.人権の足元にも及ばない低レア雑魚キャラ。
Q.女としては?――A.ビッチ。
……確かに、パワードスーツT²とか、「精霊」の孤軍奮闘とか、所々のファインプレーで救われている。感謝してもしきれない。ただ、総合的な収支はマイナス。赤字だ。
加えて、あのルネの超級の見せ場である。あれはルネしか出来ない役割で、奪うことは絶対に不可能だったけれど、でも「ヒロイン」としての立場で完全に負けている。
この状況。今のオレに必要なのは単純明快、見せ場に他ならない。全てのマイナス要素を上回って余りあるインパクト。2章のティエラと言えば……で真っ先に出てくるシーン。それが必要なのだ。
故に、爆発させる。
いずれ人気が出てきたら到達するはずだった、遥かな未来の到達点。その力を一時的に顕現させる。
唯一問題があるとすれば、膨大なエネルギーの本流の中で「星」の人格が搔き消える可能性があるということ。物言わぬ惑星になってしまう可能性があるのだ。
ここまで、三位一体の設定に何度も救われた。「星」と「精霊」がずっと傍にいてくれた。眠るフリだけをしている長い夜、人っ子一人いない過酷な砂漠の旅路、恐ろしい敵と遭遇した時。いつだって、どんな時だって。独りじゃなかったから、こんな異世界でもやってこれた。
「星」の人格が消えたとしたら、それは家族を失うのと同じくらい辛いことだ。
けれど――。
――さぁ、願え。今の『
妹を救いたい。
――そのためには何が必要だ?
人気投票で1位になること。
――然らば、貴様は『 』に何を求める?
…………輝くことを。
――ほう?
天の星より。どんなキャラより。
俺たちの青い星に。水の惑星に。唯一の故郷に。
一等の輝きを、俺は願う。
――ふ。ならば見せつけてやろう! 異世界とやらに、地球の輝きを!
さぁ、行こう。
不安は既に無い。
だって、「ティエラ・アス」は。
世界で一番、可愛くて。
世界で一番、強くて。
世界で一番、輝いている。
そう願って。そう思って。そう信じて。
「俺」が考えた、世界で一番の女の子なんだから……!
◇◇◇
双剣を胸に突き刺すと同時。
強制的に、意識が途切れた。
◇◇◇
「俺」から『
「人」から『星』へ。
――其は【三位一体】の精霊に非ず。
――「精霊」に非ず。「人間」に非ず。
――是より現れるは、純粋なる【星の精霊】。
……………………。
…………そうか。独りきりとは、斯くなる気分だったな。
久しく忘れていた。何十億年もの間、これが普通であったのに。
この5年という月日が余りにも――
「傍に誰かがいる……望外の奇跡に少々慣れすぎたらしい」
胸に刺さった剣を
青と朱の二振りの剣が溶け合い、混ざり合った、一振りの
ふむ。中々に振りやすい剣だ。双剣よりも性に合っていると感じる。
あまり人間の好みは分からないが、見た目も悪くない。
……ふっ。アイツなら、きっとこう言うのだろうな。
刮目せよ、ユーザー! そして人気投票で投票しろ! ……なんてな。