「結局俺の家に行くことになっちゃったね」
俺は玄関で息切れを起こしている少女に向かってそう言った。
「無理やり連れて来れれたんだけど...」
「まぁまぁせっかく来たんだしあそぼ?」
「そうね...」
少女は関わるなということを諦めたようだ。
「ねぇねぇ、何やる?W〇iやる?」
「そうね...私は持っていないから正直なんでもいいわ...」
「じゃ、桃〇やるか!」
そして俺は某すごろくゲームをすることになった。
最初はてこずっていた少女が次第に慣れてきて俺をいじめてくるようになった時だった。
「ねぇなんで私を助けてもデメリットしかないのに私を助けるの?」
少女は俺に貧乏神を押し付けながら言った。
「いじめには少なからずともその人が虐められる原因があるんだよ」
「...」
貧乏神を進化させながら俺は続ける。
「でも君にはそれがないじゃん。俺は何にも悪いことをしていない人がとばっちりでひどい目に合ってるのが嫌なんだ」
「だから私を助けるの...?」
俺がボンビーな星に連れてかれる画面を見ながら少女は呟いた。
「そうだね...あ、あともう君しか話せる人がいないからね。仲良くなっておきたい」
「...さっきまで嫌われるような態度だったのに...」
「それはそれ、これはこれ」
俺は借金を抱えながら頑張って進んだのにもかかわらず振り出しに戻されながら気楽そうに言った。
「そういえば...あなた名前は何て言うの...?あ、私は「知ってる」
俺は少女が自己紹介をしようとしていたのを遮って少女の名前を言おうとした。しかし体に見合った精神が邪魔をして少し悪戯をしようと考えてしまった
「
俺がそうふざけた瞬間周りがスローになった。見るとこちらをにらんだ
俺はその攻撃を受けることにした。その瞬間遅くなった時間が急激に加速した。
「ぐえ」
俺は押し倒され、首を絞められる。
「ご、めんって、こおり、ちかげさん...でしょ?」
しかし少女の手は緩まなかった。
「もっと...砕けた感じがいい...」
「千景さん?」
首の絞まる力が強くなった
「千景ちゃん!」
「もっと!」
(もっとっだと⁉これ以上何を言えと⁉)
俺は適当に意識を落としそうな頭で出てきたものを言うことにした。
「ちー、ちゃん」
俺がそういうと向こうは気に入ったのか首を絞めるのをやめて、ばつの悪そうな顔をした。
「少し...やりすぎたわ...」
「いいよ。これは百パ―俺が悪い」
「それにしても...あのカッターを防げるんだから私の攻撃も避けれたんじゃないの?」
少女...ちーちゃんは俺にまたがるのをやめて聞いてきた。
「百パー悪いと思ったから避けなかったんだよ。あ、俺は上里ひなとね。好きなように呼んでいいよ」
「ひなと...ひなと君...」
ちーちゃんは俺の名前を何度も繰り返した。君付けで呼ばれるのは子供同士ではなかったためなんか新鮮だ。
そしてそこからは和気藹々と言うまでではなかったが仲良くゲームをした。ちなみに俺はぶっちぎりの最下位でちーちゃんはぶっちぎりで一位だ。
次の日...
俺は登校してすぐに担任に呼び出されていた。会議室的なところに入ると手首に手刀を入れてやった男子がいた。
「とりあえず座れ」
そう言われたので俺はふかふかでもないがまぁ学校の椅子にしてはましな椅子に座った。
「○○君昨日こいつにされたことを言ってみなさい」
「何もしていないのに思いっきり手首を叩かれました」
(は?)
「だそうだ...お前は何をやっているんだ!」
俺のいる部屋に怒声が響き渡る。
「知らねぇよ。俺はカッターを持って襲ってきたやつに対して正当防衛をしたにすぎません。第一何もしていないというならば裁判所にでも警察にでも言えばいいじゃないですか。まぁ裁判所はこの村にはありませんから?ほかのところでやることになりそうですがね」
「お前ふざけてんじゃねえぞ...へらへらしてんじゃねぇ!」
担任は机を思いっきり叩いた。そしてものに当たったことで少し落ち着いたのか
「ふん、とりあえずこのことは両親に伝えさせてもらうからな」
「どうぞお構いなく」
俺は普段から暴力を振るやつではなく、なんかあっても我慢できるというところを親に見せてきた。そんな俺が人を殴ったと聞いたらまず何か裏があると思うだろうから、そこまでいたくないのだ。転校の危機はあるけどね。
「...謝れば親への連絡は許してやってもよかったあんだが、まぁいい。○○君も言いたいことがあったらいいぞ」
「よくお前教師にチクることができましたね。自分が状況的に不利だったと思わなかったんですか?仮にここの村では安全に過ごせていても結局裁判所はほかの市にあるから、状況が全然安全じゃないことに気づけなかったんですか?何なら今から裁判所や教育委員会なり行ってもいいんですけどね?」
「誰がお前が喋れと言ったんだ!もういい!出てけ!」
そう言って教師は俺に掴みかかったが俺は避け、ドアから出ていった。
そこからの授業は地獄の空気だったが俺にとっては別にどうでもよかった。
そして帰りの会が終わった瞬間に俺は上の学年の教室へ向かった。するとちょうどちーちゃんが俯きながら教室から出てくるとこだった。
「ちーちゃん」
俺が呼びかけるとちーちゃんは顔を上げ少しだけ優しい表所を見せた。
(村の連中はこの表所が見れないんだな...可哀そうに)
「ひなと君...」
「今日もゲームする?」
「そうね...することもないし行こうかしら」
そして俺らは一緒に帰る。帰路で何かしらのイベントはなく平和だった。
「今日はこのゲームをしよっか」
そして俺らは昨日のようにゲームをする。
「ただいまー」
「あ、やべ」
ちーちゃんとゲームをしている時にお母さんが帰ってきた。
「なにー?ひなと友達を連れてきたの?別にいいんだけど一言...」
そう言いながらリビングのドアを開けちーちゃんを見たお母さんは停止した。
「あはは...ごめんそこの女の子...ちょっとひなとと話をしたいから上のひなとの部屋で待っててくれないかしら?」
「わかりました...」
ちーちゃんはゲーム画面をポーズ画面にしてから部屋を出ていった。
「なに⁉あの子⁉」
ちーちゃんが出ていったことを確認してからお母さんは興奮した様子で言った。
「...」
俺はとりあえず無言でいることにした。
「まぁそんなことはどうでもいいわ。今日学校から連絡が来たわ。人を殴ったんだって?」
「手首だけどね」
「部位はどうでもいいわ。なんで殴ったの?」
「カッターを突き付けられたから」
「そう、カッターを...カッター⁉」
「それってあれじゃないわよね?たまにテレビでやってる、カード一枚引いてカッターとか言ってる人じゃないわよね?」
「だとしたら仮想の人物を突き立ててることになってるんだけど」
「そうよね...学校はカッターのことを知ってるの?」
「わかんない。多分知ってても俺を悪くするんだと思う」
「どうして⁉ただの正当防衛じゃない⁉」
お母さんは意味が分からないという風に声を上げた。
「今、女の子いたじゃん?」
「いたけど何よ?」
「その子が村単位でいじめられててね...それを助けたら俺もいじめの対象になった。それで、それをやめてやる代わりにカッターでその子を傷つけろ的なことを言ってきから煽ったら斬りかかってきた」
「まって、情報が混雑してるわ...村単位のいじめ?何それその子の親は何をしているのよ⁉というか何をすればそんなことになるのよ⁉」
「聞いてみる?」
「その子が話してもいいなら聞きたいけど...」
「ということで話せる?」
俺は自分の部屋にいたちーちゃんに母親と話したことについて話した。
「別にいいわ...この村にいる以上どうせわかるだろうし...」
「簡単に話しますと...お母さんが不倫したら私が淫乱女とののしられるようになりました」
「なによそれ⁉あなた関係ないじゃない!お父さんはそのことに関して何かをしてくれているの...?」
「いえ...あの人は子供が成長しないまま大人になったような存在で...家事も何にもしないでお酒ばかり飲んでます...」
「最低ね...村ごと訴えてやろうかしら?」
「お母さんそれをしたらちーちゃんがもっと住みずらくなる。俺らだってすぐに家が見つかるんじゃないんだから...」
「それもそうね...えっと...ちーちゃん?」
「千景です...」
「千景ちゃん...あなたが良ければここにいていいからね。私はあまり仕事でいられないことの方が多いけど、ここにはひなともいるし、料理もある程度覚えさせるから。
「ありがとうございます...」
ちーちゃんは少しうれしそうだった。そこから俺とちーちゃんは毎日遊ぶようになった。毎日一緒にいて、お互いが一緒にいなかったときにいじめられていないか確認するようになった。学校で過ごしている時に結構虐められるようになり、席がなくなっていたり、靴が焼却炉で燃やされていたり、実力行使でこられたり、スープに虫を入れられたり様々だった。そして俺はその問題に対し、結構人に迷惑の行く形で解決をするため毎回保護者に電話が行った。お母さんは無視をしていた。
日が過ぎるとともに、俺の料理スキルも上がっていき、いろいろ作れるようになった。そう言えば俺がちーちゃんになって初めての日から一週間後にお姉ちゃんから電話がかかってきた。
『もしもしひなと⁉気になる子ができたって本当ですか⁉』
「気になる子っていうか...守りたいと思える子かな...」
『な...』
「あ、今その子と遊んでるからまた明日ね。じゃーねー」
『え⁉ちょま...ブチ』
今思えばちょっとかわいそうであった。でもお姉ちゃんにその子の置かれている状況を説明したら
『若葉ちゃんと一緒に乗り込みたいところですが遠すぎますね...でも状況はわかりました。その子を守ってあげてくださいね...そして私のことも忘れないでくださいね...』
と言ってくれた。優しいお姉ちゃん大好き。
二〇一四年二月三日...
俺とちーちゃんの関係は良好であり、村の連中とは最悪の関係を保ちつつある。いじめは大体エスカレートし、大体が暴力になってきた。この間なんてはさみでちーちゃんの髪を切ろうとしてきやがった。まぁ阻止してやったけどね!今日はそんなちーちゃんの誕生日である。前々から教えてもらったケーキの作り方が火を噴く時が来た。残念ながら?お母さんは仕事で帰れないらしい。
「というわけで今日はちーちゃんの誕生日なのでしっかりとお祝いをしたいと思います!」
「クリスマスのときもやってくれたのにいいの?」
「クリスマスと誕生日は別です!さぁ食べよ食べよ!唐揚げも作ったし、小さいケーキもあるし食事には困らないよ!別に残してもいいからね!」
「テンション高いわね...」
ちーちゃんは少し引きながら言った。
「あ、クリスマスのときには用意できなかったけど今回はしっかりプレゼントを用意してきました!」
「別に...私はひなと君とずっとこうやって過ごせてればいいのよ...?」
「そんな遠慮しないで!受け取ってね!はい!ハッピーバースデー!」
そう言って俺はプレゼントの入った箱を渡した。
「開けていいの?」
「もちろん!」
するとちーちゃんはリボンを丁寧にほどいてから包装を丁寧にはがした。
「これ...」
俺が渡したものは少なくとも小学生のおこ図解では買えないような値段のするヘッドフォンであった。
「ちーちゃん、家でゲームするときはヘッドフォンをしているって聞いたから毎日お手伝いをして買ってみました!...使ってくれたらうれしいな」
「もちろん使うわ...」
「ならよかった」
それから俺らはたった二人の誕生会を楽しんだ。いつも通りゲームをしたが結果はいつも通り大敗だった。もうちょっとうまくなりたいものである。
そして誕生会が終わり、俺は今日ちーちゃんの言っていたことを思い返す
『別に...私はひなと君とずっとこうやって過ごせてればいいのよ...?』
(ずっとか...)
俺はこれから1.5年後に起こる災厄を想像する。
(ずっと暮らすためにはまずちーちゃんを村から話させないとな...)
俺はそう思いながら電話をかける。
『もしもしひなと?今日は遅かったですね』
「うん...ちーちゃんの誕生日だったから」
『そうですか...それはめでたいですね。いじめは大丈夫ですか?』
「うん。逃げてるから...ねぇお姉ちゃん」
『なんですか?』
「ちーちゃんを俺みたいに上里家の養子にできたりしないかな?」
『それは何でですか?』
「いまはさ、いじめも逃げられるもので済んでいるんだ。でもそのうち逃げられないものになるかもしれない。だったら早いうちにちーちゃんを親から引きはがして、そっちに引っ越したほうが良いのかなって」
『決めるのは私ではありません...とりあえずお父さんに相談してみますね』
「ありがとう。じゃ、また明日」
『はい。また明日』
上里家にて...
「というわけで前々から話に上がっていた女の子を家で引き取れないかだそうです」
「そうか...まぁする分には別にいいのだがとりあえず家庭だったりの詳しい情報を本人たちから聞きたいな...」
「そうですか...」
(今からひなとに行ってもいいですが...ひなとが私に構ってくれなくなったのでしばらく黙って起きますか)
そうしてひなたは自室へと戻った。
なんて抜け穴の在りそうな煽りなんだ...