上里ひなとはts勇者である   作:エフさん

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はいいつも通りです。
なんでゴールデンウィーク...いや黄金週間なのに普段より忙しいんですかねぇ?
今回は丸々戦闘です。
主人公影薄くない?まぁエアロ
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第10話 連携のある戦い

星を埋め尽くす無数の星々。

星の数は、かつて誰も見た事がないほど多い。

星々のいくつかは重なり合い、より輝きをましていく。

それらは流星のように堕ちて。

大地を蝕み、壊していく―

―それが、お姉ちゃんが神樹から受けた神託のすべて。

意味するものはバーテックスの総攻撃。

 

予言された侵攻が起こったのは、神託から半年も立たない頃だった。

 

樹海化によって一変した風景を見下ろしながら、俺たちは丸亀城の城郭に立っていた。変身した瞬間、ベルトのライドブッカーからいきなり4枚のカードが飛び出してきた。

 

1枚は桔梗の花がプリントされている

1枚は桔梗の花と鎧を着た何かがプリントされている

1枚は全てが黄色の桔梗の花がプリントされている

1枚はぼやけていてよく分からない

 

えぇ、いきなりかよ〜俺なんかしたっけ?まぁいいか。

瀬戸内海の向こうから、バーテックスの群れが迫ってくるのが見える。

 

「比喩ではなく、『無数』ということだな...」

 

険しい表情で若葉がつぶやいた。

俺は前回よりも激しい戦いになるな、ちょっとくすぐったいぞ何回言う羽目になるんだろう...と思った。

そんなくだらないことを考えながら若葉の方を見ると友奈が若葉の顔を、指でつついていた。

 

「若葉ちゃん、眉間に皺が寄っているよ!そんな怖い顔しなくても大丈夫。私たちは絶対勝てるから」

 

「そうだな...」

 

「そうだ、みんなであれやろうよ!」

 

「アレ?」

 

友奈言葉に、珠子が首を傾げた。

 

「みんなで肩を組んで丸くなって、『行くぞー!』ってやる奴!」

 

「円陣ですね。そういえば、勇者になる前の学校では、球技大会なんかでやっているチームがありました」

 

「...いいかもしれないな」

 

若葉、友奈、珠子、杏が肩を組んで円陣になった。ちーちゃんは少し戸惑いながら円陣の中に入った。俺がずっと棒立ちになってるのを友奈がみて

 

「どうしたのひなとくん?やらないの?」

 

と聞いてきたので

 

「いや、男である俺が入っていいのか?」

 

と言った。

 

「そんなくだらないこと言ってないでさっさと入りなさい...」

 

とちーちゃんが呆れた様子で言ってきたので

 

「へいへい」

 

と言いながらちーちゃんの隣に入る。

するとリーダーである若葉が声を上げた。

 

「四国以外にも人類が生き残っている可能性ー希望は見つかった。希望がある以上、私たちは負けるわけにはいかない。この戦いも、必ず四国を守り抜くぞ!ファイト、」

 

「「「「「「オーッ!!」」」」」」

 

 

 

 

今回の総攻撃にあたり、事前に杏から聞かされていた作戦は陣形を使うのとの事だった。まぁ簡単に言えば。休憩しながら戦うってことだな。

後、切り札はなるべく使うなと言われた。俺はしつこく言われた。10回くらい言われた。

 

「丸亀城の正面には私が立つ 」

 

円陣を組んだ後、そういったのは若葉だった。

 

「正面はバーテックスの群れの中心だから、きっと一番大変だよ…いいの?」

 

心配そうな友奈に、若葉は凛とした口調で言い切った。

 

「だからこそ、私がやらねばならない

 

「...なぜ?より多くのバーテックスを...仕留めたいから...?」

 

そう言いながらちーちゃんは若葉をじっと見つめた。

若葉はそんなちーちゃんの視線に、薄く笑って返した。

 

「違う。リーダーとしての責務ーそして何よりも、この四国の人々を守るためだ」

 

その答えにみんな安心した様子だ。

 

「分かったよ。そんじゃ、正面は頼むぜ、リーダー!」

 

「無理はしないでね、若葉ちゃん!」

 

珠子と友奈が若葉の肩を叩く。

 

「ま、程々にガンバ」

 

俺は軽い口調で若葉に言った

 

「では、正面は若葉さん、東側は友奈さん、西側はタマっち先輩。千景さんとひなと君は一時待機。始めましょう!」

 

指揮官役も兼ねる杏の声と同時に、少女たちはそれぞれ自分の配置に向かって跳躍した。

 

 

 

 

正面と左右からバーテックスに立ち向かう。こうしておけば、前回の戦いのように誰か一人がバーテックスの集団に取り囲まれる、という事態は起こりにくくなる...らしい。

 

「アンちゃん!ひなとくん!ごめん、3匹そっちに行ったよ!」

 

友奈の声が響く

 

「オケ」

 

「任せてくだい」

 

俺は今回はG7を杏はクロスボウを構え、友奈が打ち漏らしたバーテックスに矢と弾丸を放つ。

俺は一時待機だが、一人が動けなくなった時に動く切り札的な立ち位置で、通常時は遠距離攻撃を使えることから、杏の手伝いをしている。

まぁ杏の戦況を見て何とかするのは手伝えないが...

 

「タマっち先輩、地面スレスレの下方から迫る一群がいます!旋刃盤なら届く距離です!」

 

「りょーかいっ!任せタマえ!」

 

「友奈さん、やや突出しすぎています!少しだけ後ろに下がってください!」

 

「分かった!」

 

状況を見つつ、杏は時々前線の三人へ指示を出していた。

すげーよくわかるな全くわからん...

チートに全知全能があるはずなのに使いこなせない俺はそんなことを思っていた。暇なのでちーちゃんの方に行った。

 

「やぁちーちゃん。緊張してる?」

 

「そんなことないわ...それより伊予島さんの手伝いしなくていいの?」

 

「大丈夫でしょ杏なら。というか全くわからん...ゲームみたいに簡単に出来ればいいのになぁ」

 

「もしもゲームだとしてひなと君が指揮官の場合...私たちはすぐに全滅するわね...」

 

「うるせー」

 

そんな会話をしてると

 

「千景さんたち!仲良いのはいいですけど戦場ですよ!」

 

と杏のお叱りが入った。

 

「「すいません...」」

 

俺たちは、肩を落としながら謝るのであった...

 

 

 

 

半時間ほど経過した頃だろうか。

初めに動きが鈍り始めたのは、バーテックスの群れの真正面で戦っていた若葉だった。恐らく杏以外であれば気づかないほど、ほんのわずかな鈍り方だったが、彼女はそれを見逃さなかった。

 

「若葉さん!交代です、撤退してください!」

 

そう杏が呼びかけると、若葉は刀を振るいながら、

 

「まだ戦えー」

 

る。と言おうとしたか知らんが、少し考え直したのか

 

「分かった!千景、交代してくれ!」

 

と、叫んだ。

 

「じゃぁ行ってくるわね」

 

「うん行ってら」

 

そう言って手を振るとちーちゃんは市役所の屋上に向けて移動した。

しばらくすると若葉がこっちに来た。

 

「お、おつかれ〜」

 

若葉の方に手を振りながら声をかけた。

 

「いやぁあのまま交代しぶってたら殴りに言ってたとこだったぜ...」

 

と言ったら若葉は苦笑いしながら

 

「ハハ、千景にも同じこと言われたよ」

 

といった。

 

 

 

 

ちーちゃんは前線へ出る前、俺らに

 

「できるだけ高嶋さんを援護してあげて」

 

と言ってきた。友奈は武器が拳であるため、1匹を倒すためにも間近で格闘する必要があり、本来は集団戦に向いていないのだ。友奈の力だけに頼っていては、防御網が崩れる可能性がある。

俺らは城郭から動くことは出来ないが、持っいる武器が遠距離武器なので、友奈を遠くから援護できる。

だから基本的に杏は、前線を抜け出てきたバーテックスの処理、俺は友奈の援護射撃をやっている。

友奈に背後から食いつこうとしていたバーテックスの一体を、俺の弾丸が貫いた。それにしてもG7使いやすい。どっかのP2020とかとは違う

 

「ありがとー!」

 

拳を振るって目の前のバーテックスを倒しながら、友奈が叫ぶ。

援護射撃をしながら俺は杏に

 

「手が空いてたら珠子の方も援護してやってくれ」

 

と言った。すると杏は

 

「もちろんです!」

 

と元気よく答えた。

 

 

 

 

樹海化が始まってから、体感時間で3時間ほどたった。

交代で休みながら戦い、俺たちはほぼ無傷でバーテックスを圧倒し続けていた。杏すげ〜

まぁこのまま優勢が続くとは1ミリも思ってないけどね。だって向こう全力出してねーもん。

やがて、敵の動きに変化が起きた。バーテックスたちが1箇所に集まり、融合していく。何度でも言おう。キモイ

 

「注意してください!進化体を形成し始めました!」

 

と、隣にいる杏が叫ぶ。

バーテックスもやっと本気を出してきたか...

出来上がった進化体バーテックスは、巨大な蛇のような姿をしていた。

今前線に出ている勇者は、若葉、友奈、ちーちゃん。

まず蛇型は若葉の方に襲いかかった。

若葉は蛇型の突進を最小限の動きで避け、同時に切りかかる。

蛇型が真っ二つに切断された。

勝った!第3部[完]!

そう思ったのもつかの間、切られた蛇は2体の別個の蛇になっていた。

さらに若葉が切ると蛇は三体になった。

迂闊に攻撃出来なくなった若葉は通常個体を倒しながら後退していた。

この蛇は全身を一度に損傷させなければ倒せないのだろうなー

だけど、誰もそんな高威力な武器を持っていない...

 

「よし...タマの出番だなっ!」

 

休憩中だった珠子が立ち上がるそして蛇型を相手にしている若葉へ叫んだ。

 

「若葉ァ!切り札を使うぞ!!」

 

「!?待て、珠子!それならー」

 

「いいや、待たない。それなら自分が使うとか言うのも無しっ!タマにはタマにも活躍させろっ!」

 

そう言って珠子は目を閉じ、精霊の力を引っ張り出す。不味ったなぁ珠子のカードないぞ...まぁ珠子だしなんとかなるだろ...

そんなことを思っているうちに珠子は精霊を引き出した。

珠子が引き出してきたものは―輪入道。

地〇少女とかに出てくるやつだ。

直後、珠子の旋刃盤の形状が変化していく。

 

「え!?ちょっとタマっち先輩、それ大きすぎない!?」

 

「でかっ!あれ珠子の何倍だよ...」

 

旋刃盤は珠子の身長の何倍もの大きさに巨大化していた。

 

「それじゃ投げられないんじゃ...」

 

「いいや、投げるっ!根性で投げるっ!見てろ、あ〜ん〜ず〜〜〜っ!」

 

なるほど。勇者、根性、ベストマッチ!って感じか

旋刃盤を両手で掴み、まるでハンマー投げのようにグルグルと珠子は回転する。回りながら旋刃盤のワイヤーを伸ばしていき、次第に回転半径を大きくしていく。

 

「うううおおおおおお〜〜〜りゃああ!!」

 

充分に遠心力がついたところで、旋刃盤はワイヤーから外れて飛んでいってしまった。

 

「ちょっ!?ええっ、ワイヤー千切れて飛んでっちゃったよ!?」

 

「フゥ...大丈夫だ、これがあの武器の使い方なんだ」

 

今の旋刃盤はワイヤーを使わなくても操作できるらしく、物理法則を無視しながら、蛇型に突っ込んでいく。しかも旋刃盤の刃は炎に包まれていた。そして蛇型は旋刃盤によって焼き尽くされた。

 

「...っ!」

 

焼き尽くしてしばらくバーテックスを焼き尽くしていたら、突然崩れ落ちるように珠子が地面に膝をつけた。

 

「タマっち先輩!?」

 

「珠子!?」

 

杏が駆け寄って体を支えた。俺は珠子の真正面に立ち顔色を見た。

よくわからんが悪そうだ...

 

「だ、大丈夫...ちょっとクラっときただけだ」

 

「でも...!」

 

「珠子...少し休め...こういう時のために俺がここにいるんだ」

 

そう言って俺は立ち上がる

 

「杏...ここ任せても大丈夫か?」

 

「問題ありません。どうぞ行ってきてください」

 

「分かった。行ってくる」

 

そう言って俺は跳躍する。バーテックスを見てみると、残っているバーテックスが全部集まって融合していっていた。若葉が近くにいたのでそっちの方に行った。

 

「どうだ?なんか攻略法見つけられたか?」

 

「おぉぅひなといつの間にそんなところに。まぁそんなことはどうでもいいか、えっと攻略法だったか?見えたぞ。こいつの身体には、まだ脆い部分がいくつかある!やつの身体が完成する前にそれを叩けば、倒せるかもしれない!」

 

と若葉は叫んだ。だがその脆い部分にはバーテックスが集まっており簡単に近ずけそうでは無い。

 

そんなことを思ってると、珠子が旋刃盤に乗りながらバーテックスに向かって飛行していた。

あいつ...休んでろって言ったのに...

と思ったが、現状それしか突破口が見つからないので黙っておく。

俺たちは珠子の旋刃盤に乗り込んだ。

 

旋刃盤の上に集まった俺たちに珠子は笑みを浮かべながら、

 

「よし、じゃみんなで行くかっ!」

 

形成途中の巨体バーテックスは、下腹部から砲弾のようなものを次々に放ち、勇者たちの接近を妨げようとしてきた。

珠子は輪入道を上手く操縦し、それらをすべて回避していく。

 

「珠子は前方正面!杏は右上二時の方向!友奈は下方五時の方向!千景は左斜め後方!私は上方を叩く!ひなとは全員のサポート!」

 

と若葉が叫ぶ。全員のサポートって...ちょっとキツない?まぁ頑張るか...

 

「行くぞ!」

 

若葉の合図に珠子以外が旋刃盤から跳躍し、珠子は旋刃盤に乗ったまま、それぞれ融合体の脆弱な箇所へ突っ込んでいく。俺は適当に樹海の根っこに着地する。

しかしー

バーテックスも弱点を狙われることは予想していたのか、脆弱部を守るように通常個体が集まり、勇者たちを取り囲もうとしていた。

それを見て俺はすぐに若葉の方に跳躍した。

 

「おい若葉」

 

「なんだ?」

 

焦った様子で若葉は聞く。俺はその間にライドブッカーからカードを取り出し使った。

 

『FINAL FORMRIDE き、き、き、桔梗』

 

「突然だがちょっとくすぐったいぞ」

 

そう言って俺は若葉の背中をタッチする。

その瞬間若葉の首にマフラーが出現した。

すると若葉は不思議そうに首をかしげ

 

「なんだ?パワーアップしたことはわかったが、何がくすぐったいんだ?」

 

と聞いてきた。そうだったこの人耳以外聞かないんだった...

 

「いや、忘れてくれ」

 

「え、あ、そうか...えっと...もう行っていいか?」

 

「あぁもういいぞ」

 

微妙な雰囲気になったが若葉に力が宿ったので問題なしだ。

 

「おおおおおお!!」

 

若葉は近くを飛んでいる通常個体バーテックスの一体を蹴り、さらに跳躍した先でまた別の通常個体を蹴って飛ぶ。それを繰り返し、本来は空を飛ぶことが出来ない勇者が空中を凄まじい速さで移動していた。

若葉の精霊は義経。人間離れした体術を持つ武人らしい。

そうして凄まじい速度を手に入れた若葉は空中を自在に飛びまわり、ほかの勇者たちを取り囲んでいた通常バーテックスを次々に斬っていった。

 

「サンキュー若葉、これで行ける!」

 

「撃ち抜けます!」

 

「今度こそ―勇者パァンチ!」

 

「もう、邪魔は...ない」

 

妨害する通常個体を若葉が倒している間に、四人の勇者たちは巨体の脆弱部を次々に攻撃していき...そのすべてを破壊した。俺?俺は若葉の取り逃しを撃ってただけ。

 

 

 

 

形成途中の綻びを抉られた進化体バーテックスは、巨体を崩壊させ、奇妙な悲鳴をあげながら消滅していく。

 

 

 

 

精霊を俺を通して使った場合の疲労などは俺に来るため、俺はぶっ倒れた。

 

 

 

 

俺は目を覚ますと、丸亀城のてっぺんにいた。

え、勇者装束は消えてるから落ちたら死ぬやつやん...そう思った瞬間すごく怖くなってきた。早く変身して城の中に入ればいいものの、疲れていたせいか立つ気力すら出なかった。そうして怯えながらぼーっとしていると

 

「やっと...見つけた」

 

という声がしたので、顔をあげると勇者装束を着たちーちゃんがいた。

俺は寝ながら手を振った。

 

「ちーちゃん...俺今立てないから中まで運んでくんね?」

 

そういうとちーちゃんは呆れたように

 

「わかったわ...」

 

と言って、お姫様抱っこをしてくる

 

「ねぇなんでお姫様抱っこ?」

 

「こっちの方が運びやすいから...文句言ったらこのまま落とすわよ...?」

 

「アッハイ」

 

そう言って丸亀城の中に入る。入ったけど下ろしてくれない

 

「えっと下ろしてくれてもいいよ?」

 

と困惑気味で俺が言うと

 

「動けないんだからこのままの方がいいでしょ?」

 

とちーちゃん。えぇ〜っと思ってると

 

「あ、いたぞっ!...ってえ...?」

 

「良かった元気そう...仲良しですね」

 

「あらひなと遂にお嬢様道を極めることにしたんですか?」

 

「ひなた辞めてやれ...」

 

「あはは...ひなとくん!私たち、勝ったんだよ!」

 

振り返ると少しからかいながら駆け寄ってくる仲間たちの姿があった。




ちなみにチートの中にマイナス思考を極力無くすと言うものがあるので、ちょっとくすぐったいぞしてもデメリットは疲労だけだったりします。
まぁそれが満開になると...?
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