上里ひなとはts勇者である   作:エフさん

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はいいつも通りです。
休息は終わりだ。
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さぁ筆者の設定が色々ほころびを生むところにきたぜ


第12話 勇気のバトン

そして若葉は日記を読み終わったのか、日記を閉じた。

若葉の手は震えていた。

他の皆も若葉の周りに集まり、その日記をのぞき込んでいた。悲しみ、怯え、怒り、不安...様々な感情が表情に浮かんでいた。俺は読んでいるふりをした。もう内容知っているしね

 

「若葉ちゃん...」

 

心配するように、お姉ちゃんは若葉の顔を覗き込んだ。

 

「...大丈夫だ、ひなた」

 

若葉は首を横に振り、お姉ちゃんを安心させるように言った。

若葉は日記帳を、死体が積みあがった噴水の前にそっと置いた。そして静かに手を合した。

因みに簡潔に日記の内容を説明すると閉鎖空間と恐怖により人がおかしくなっている様子が書かれている。ただそれだけ

 

若葉がぶつぶつ呟きながら死体のほうを見ていると通路の向こうの暗闇から重いものがぶつかり合う音、何かがこすれ合うような音が聞こえ始めた。

 

「バーテックスか...⁉」

 

「まぁこの状況化だったらそれしかありえないよな」

 

若葉は刀の柄を強く握りしめていた。化け物ども(バーテックス)への怒りが沸き上がっているのだろう。

しかし前までの若葉だったら冷静さを欠いて突っ込んでいただろうが、今の若葉は冷静さを失っていなかった。

 

「...この地下街に、もう生き残りはいない。早々に脱出するぞ!ひなたは私のそばを離れるな!」

 

そう若葉は指示を出しながら刀を抜いた。俺たちも武器を構えた。

構えた瞬間、地下通路の奥から、巨体の白い化け物(バーテックス)たちが姿を現した。

若葉が先頭に立ってバーテックスを倒しながら、地上を目指す。地下街の構造図が頭の中に入っているのか、まったく迷うことなく若葉は進んでいく。少し方向音痴の俺にはできない所業だ。

ふとちーちゃんのほうを見てみると、不安そうな顔をしていた。

 

「ちーちゃん、大丈夫?ものすごく不安そうだけど...」

 

「四国も醜い争いをするようになるのかしら...?」

 

「...ここの出来事は勇者がいなかったから起きたことだ...だから俺たちがいる限り、大丈夫だ」

 

「そ、そうね...」

 

 

 

 

地下街から出て、襲ってきたバーテックスを蹴散らしながら、一通り大阪の街を見て回った。

まぁ当然ながら生存者なんていなかったわけだが...

俺らは跳躍して次の目的地へ向かった。移動の際の会話は普段の彼女らから比べるとありえないくらい少なく、出発の時の明るさはもうなかった...

ちなみに次は名古屋です。(セントレア空港があるね。行ったこともないし詳しくもないけど)

もう「次こそは」ということを誰も発しなかった。

 

 

 

 

やがて俺たちは、名古屋駅の前に立つ大型ビルの屋上に降りた。周辺を一望できる。変身解除した瞬間足が竦んで立てなくなりますが...

そこから見る景色は今までのものと変わらないと思っていた...

 

「おいおい...なんだ、あれ?」

 

球子が顔をしかめながら、駅の方向を指差した。

そちらのほうを見てみると、駅周辺とその向こう側の地域全体が、無数の巨大な卵状のものに覆われていた。精子と卵子どこ行った...

卵は生理的嫌悪感を催すほどの不気味な光景であった。

俺は怖いもの見たさで強化された五感で卵の様子を見てみた。卵の殻の中で何かが蠢いているのが分かった。

それはまるでGが大量に群がっているように思え、俺は杏と同時に崩れ落ちていた。

 

「...う、ぅ...」

 

「お、おえぇ~...うぅ...最悪の気分...今朝食べたうどん出てきそう...」

 

「大丈夫かっ、あんず⁉」

 

「大丈夫⁉ひなと君!」

 

慌てて球子が杏を支え、ちーちゃんが俺を支えてくれる。

 

「だ...大丈夫...。ちょっと、びっくりしちゃって...」

 

「う...きもび悪い...」

 

そう言いながら、杏の顔は真っ青になり目には涙が浮かんでいる。ちなみに俺は顔を真っ青にし、手で口を押さえている。

 

「...私たちの四国も...いつかこんなふうに...」

 

震える声で杏がつぶやいた。

 

「そんなこと、タマが絶対にさせないっ!」

 

杏の不安を断ち切るように、球子が強く言い切った。球子は引き続き吠えるように叫ぶ。

 

「そのためにタマたち勇者がいるんだっ!こんなふうに、させてタマるかっ!人間が...わけわからない化け物なんかに、負けてタマるかっ!」

 

球子の声を聞いて少しだけ元気づけられたのか、杏は弱々しい微笑を浮かべる。俺はちーちゃんにいい子いい子されてたので元気が出ていた。

 

「そう、ですよね...私たちが頑張らないと...」

 

「ちーちゃん、ありがと。おかげで気分少しだけよくなった」

 

杏は涙をぬぐい、自分の力で立つ。俺も自分の力で立つ。少しふらっとしたけど...

突然お姉ちゃんの声が響き渡る。

 

「皆さん!まずいです、囲まれています...!」

 

ビルの屋上から周囲を見渡してみる。所々にバーテックスが浮かんでいるのが見えた。バーテックスはどこからともなく次々に現れ、すさまじい勢いで数を増していく。おい、大社の数が減少してる理論どこ行った...もともと信じてないけど...

 

「...タマは今、腹が立ってんだ...」

 

球子は鋭い目でバーテックスを睨む。

 

「この世界は、お前たちなんかには奪わせないっ!そのためなら、どんなことだってやってやるっ!」

 

「球子、待て―」

 

若葉が止めようとしていたがもう遅い。既に球子は切り札を発動させていた。遠くの四国の地に立つ神樹にアクセスし、精霊『輪入道』を呼び出した。

次の瞬間、巨大化する旋刃盤。球子は全身を使ってその巨大な武器をバーテックスに向かって投げた。何度見ても根性ってスゲーと思う。

 

「いっけえええええええっ‼」

 

どっかの高校生の小学生が言ってそうな掛け声とともに投げられ、空中を滑走する巨大旋刃盤は、周囲の刃をチェーンソーのように回転させながら、ビルを取り囲む化け物どもに襲い掛かる。開店する刃は炎を纏い、バーテックスたちを凄まじい勢いで轢殺、焼却していく。

空中の敵を殲滅した後、地面を覆っている卵状のものへと、旋刃盤は襲いかかった。

輪入道の力を宿した巨大旋刃盤は、不気味な卵群を焼き尽くしていく。見てて爽快な気分になった。

 

「球子、軽々しく切り札を使うな!」

 

「悪い、若葉。ついカッとなった...まぁ後悔はしてないけど」

 

「あのきしょいの破壊してくれてサンキュー。よくやった」

 

「ひなと?今持ち上げてはだめですよ?」

 

バーテックスと地面を覆っていた卵をすべて焼却した後、自分のところへ戻した旋刃盤へ球子は飛び乗った。

 

「どうせならこれに乗って名古屋を見て回らないか。空から探したほうが手っ取り早いだろ」

 

「...ああ」

 

そうして俺らは巨大化した旋刃盤に乗った。

 

 

 

 

―そしてやっぱり名古屋でも生存者は見つからなかった。卵状のもので覆われた地域には、生存者はいないだろうという結論になり捜索は短時間で終わった。

駅前のビルに戻ると、体力がきれたのか、球子の旋刃盤のサイズが戻った

 

「あー、やっぱりきついなぁ、切り札使うのって」

 

屋上に座り込んで、球子はため息をついた。

 

「もう使わないようにしてくれ。ほんとにどうな影響があるかしれないのだから」

 

「わかってるって」

 

若葉の言葉に、球子は苦笑しながら答えた。そしてなんかあったのか、黙り込み考え込むように旋刃盤を見つめた。

 

「...」

 

「どうかしたの、タマっち先輩?」

 

杏が心配して声をかけた。

球子は首をかしげながら

 

「いや、若葉や友奈、千景が使った時は全然疲れている感じじゃなかったのになんでタマだけ疲れているのかなって思っただけだ」

 

といった。

 

「あぁ、それは俺を経由させて切り札を使っているからだな。カードがある人のみこれができるんだ。だから申し訳ないがカードがまだない杏と球子は俺を経由して切り札を使わせることができない」

 

「メリットって何なんですか?」

 

と杏が聞いてきた。

 

「疲労とか、もしデメリットがあった場合それを肩代わりできることだな」

 

「「「「「え...」」」」」

 

「別に俺は大丈夫だから気にするな」

 

「そ、そうか...」

 

「さぁ、さっさと行くぞ。諏訪はあっちだよな」

 

みんなが不満ありげな顔をしていたので、無理やり会話を終了させ跳躍しようとする。

 

「ひなと、待ってください!」

 

「何?お姉ちゃん?別に俺がいいって言ってるから、疲労どんとこいだから大丈夫だからね?」

 

「違いますよ...そっちは諏訪と逆方向ですよ」

 

「ぷっ!」

 

そうお姉ちゃんが言った瞬間、ちーちゃんが吹いた。他の皆もほほえま~って感じで俺を見ている

 

「ちょ!笑うな!」

 

俺はそう言いながら今度こそ諏訪の方向を向く。

名古屋から中央自動車道を辿り、東南へ進んでいく。

名古屋、長野、東京を結ぶ長距離道は、バーテックスによりボロボロになっていた。

道路上にはやはりバーテックスによって押しつぶされた車の残骸が無数に残されていた。

俺は長野が近づくにつれ、足が重くなっていた。若葉なんかはまだ期待などがあるようだが、俺に関しては結末をもう知っている。実際にあったことはないが、若葉の付き添いで一応言葉は交わしていたため友達程度には思っていた。知っている人の場所のためどうなっているかわかる自分からしてはどうしても足が重くなるもんである。

 

 

 

 

 

諏訪湖の周辺に四つの社を持っているらしい諏訪大社。かつてはその四社が要となって結界が形成され、人類の生存地域が守られていたらしい。バーテックスからの侵攻が激しくなり、結界はだんだん縮小され、去年連絡が途絶えたときの無事な地域は諏訪湖東南部のみだった。

俺らは諏訪湖にたどり着き、諏訪大社の上部本宮を目指す。

途中見える長野の街並みも、やはりほかの地域のように崩壊していた。もうそこに、人類を守っていた結界は存在しない。ワンちゃんなんかの奇跡が起きて変わると思っていたが、一瞬でその希望が消え去っていく。

そして上部本宮へと到着した。

しかし―

そこに社と呼べるようなものはなかった。

神社にあるようなものすべてが木材や石の残骸に変わっていた。

ここは他の地域よりオーバーキルをされている。そんなに人間の味方をしている神が嫌いなのだろうか、神の力で抵抗していたところはなかったことにするかのように、あらゆるものが破壊されていた。

 

「く...っ!」

 

言葉にならない呻きが、若葉の喉から漏れた。

結界は消え、バーテックスから蹂躙を受け...そんなところに人が生きているはずがない。そんなことはわかっているはずなのに、若葉は顔を上げ言った

 

「探そう...生き残りがいないかを」

 

 

 

 

俺たちは手分けし、上社本宮を中心に捜索を続けた。

 

日が暮れ、空が赤くなってきた頃―

 

上社本宮から近い守屋山ふもとの辺りで、畑が見つかった。

 

あらゆるものが破壊された中、かすかに残っていた人がいたという痕跡。雑草に覆われ、よく見ないとわからなかったがそれはしっかり人が耕した畑だった。

 

 

 

「あれ...?」

 

 

 

突然友奈が声を出し、畑のわきの地面を見た。つられてみてみると何かがわずかに突き出ているのが見える。そして友奈はその見ていたあたりに行き地面を手で掘り出した

 

他の皆も無言で続く中俺はライドブッカーからカードを取り出し、使用する。

 

 

 

『ATTACKRIDE SHOVEL』

 

 

 

その瞬間、目の前にがっこうぐらしとかで見るようなシャベルがいつものように出てきたので、空中でキャッチする。

 

 

 

「どいて。あとは俺がやる」

 

 

 

俺はシャベルで地面を掘っていく。

 

やがて埋まっていたものが姿を現した。それは人の身長ほどの大きさがある、木製の箱だった。

 

 

 

「誰かが残したのか...?」

 

 

 

若葉はそう言いながら、箱のふたを開けた。

 

出てきたものは―一本の鍬。そして折りたたまれた一枚の手紙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めまして

いえ、もしかしたらこれを読んでいるのは乃木さんやひなとさんかもしれませんから、初めましてというのは変ですね。

いえいえ、実際に乃木さん達にあったことはありませんから、やっぱり「初めまして」でしょうか。

ごめんなさい、どういう書き出しをすればいいか迷って、どうでもいいことを長々と書いてしまいました。

もしこの手紙を見つけた方が乃木さんでなければ、どうぞこの手紙を、四国の勇者である乃木若葉さんか上里ひなとさんに渡していただければと思います。

さて、バーテックスが現れた日から、すでに三年ほどになります。何とか諏訪を守ってきましたが、結界も次第に縮小し、本当に切迫した状況になってきました。本来なら、勇者である私が弱気なことを言うべきではないと思いますが、諏訪はもう長くはもたないでしょう。

けれど諏訪が終わっても、まだ乃木さんの四国は残っています。

世界はボロボロになってしまったけれど、過去の歴史話ひもとくに、人間はこれまでどんな戦争、自然災害に見舞われても、再興していきました。

だから、今は大変な時期でも、諦めなければきっと大丈夫なはずです。乃木若葉さんに上里ひなとさん。まだ会ったことのない、私の大切な友達。ひなとさんについては香川でそばを食べてくれている、香川にとって大切な人。

こんな時代でも、あなた達に出会えたことを、とてもうれしく思います。

どうか...どうか、あなた達がバーテックスとの戦いの中でも、無事でありますように。

この世界が、あなた達のもとで、ちゃんと守られていきますように。

最後まで人類を守り続けるのが、たとえ私ではなっかたとしても。それでも誰かが、乃木さんのような勇者が、世界を守り続けてくれるのであればいい。そこに繋げる役目を、私は果たします。

最後に。

この天災を乗り切った後、大地を耕して蘇らせる時に、この鍬を使っていただければ幸いです。私も一緒になって、耕しているという気持ちになれますから。ついでにひなとさんを香川のそばの大使に勝手ながら選ばせてもらいます。私の夢は農業王なのですが、ひなとさんにはそば王になっていただければ幸いです。三百年後らへんに香川がそば県になっていればすごくうれしいです。というわけで頑張ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前世に聞いた勇気のバトンを思い出した。一番最後のお願いは聞けそうにないな...俺の隣にはうどん魔王と、その四天王やら五天王がいるし、三百年後には新しいうどん女子力大魔王が生まれているからな。

 

 

 

「...っ」

 

 

 

若葉を見ると目には涙が浮かんでおり、手紙を握る力がこもりすぎているのか紙がぐしゃぐしゃになっていた。ふと俺は思う。なぜ若葉はこんな気持ちになっているのに、俺は何にも感じていないんだろうと。いや感じているは感じているはずなのだが、なんか他人事のように思えてしまう。こうなることが分かっていたのに何もしなかったからだろうか。それとも精霊の使い過ぎで精神、感情が死んでしまったのだろうか...

 

 

 

「ひなと...」

 

 

 

お姉ちゃんが俺を見てハンカチを取り出し、目の辺りに押し付けてきた。そこで俺は、泣いていたことに気づく、単純に無理難題と放心で泣いていることに気づかなかったらしい。はぁなんで何もしなかったんだろうな...上から目線で勝手に目標決めてバカみたいだ...俺なんt

 

マイナス思考になっている時にチートが発動し、マイナス思考が消えていき、何にも考えられなくなり、また箱だけを見る状況になった

 

 

 

「ここも...同じ...全部、壊されて...!」

 

 

 

「ううん、全部じゃない...」

 

 

 

友奈は首を横に振る。そして手紙と一緒の木箱に収められていた鍬を、小さな子供を抱くように優しく持ち上げた。

 

 

 

「これが残っていた。白鳥さんから引き継いだバトンだね、きっと...」

 

 

 

友奈はその鍬を若葉へと差し出す。

 

両手でしっかり握って、若葉はそれを受け取った。

 

祝え!異なる場所で生まれ、同じ時代を生きた勇者たちが白鳥歌野の勇気のバトン()を継ぎ、新たな決意がみなぎり、今ここでつながった瞬間である!

そんなどうでもいいけどどうでもよくないことを思っていると、ちーちゃんが

 

「さっきから黙っているけど大丈夫?」

 

と聞いてきた。俺は声を絞り出し

 

...大丈夫だよ...

 

と言った。その瞬間ちーちゃんが抱きしめてきて

 

「嘘ね、大丈夫だったらそんな絶望した顔しないでしょ。多分自分が何にもできなかったとでも思っているのかもしれないけど。そもそもこんなに離れているのに何とかするということ自体無理なのよ。だから自分を責めちゃだめよ。確かにつらいかもしれないけど、後悔したり、責めるのはすべてが終わった後でも遅くないと思うわ」

 

と頭をなでながら言う。

それを聞くなり、俺は心が軽くなった。

 

そうだまずは四国の勇者が死なないようにするのが先だ...

 

俺は抱き着いたちーちゃんを優しく突き放し

 

「ありがと」

 

と言った。ちょっとこっぱずしくて顔は見れなかったが

 

 

 

 

その後、大社への報告用として本宮境内を調べていたお姉ちゃんが、破壊された社殿の後から小さな布袋をいくつか見つけて持ってきた。

 

「何かの種...でしょうか?」

 

それぞれの袋を見ると、種類の違う細かな粒が入っていた。

杏が眉間に指を当て、思い出すように考えながら

 

「...多分これ、そばの種だと思います。ひなと君に育ててほしいのでしょうか...?こっちの袋は大根、こっちはキュウリかな?今の季節に植えられるものもありますね」

 

畑、種、鍬がここにある誰かが言い出すこともなく、俺たちは遺された畑を耕し始めた。

既に日は落ち、月明かりの下で俺たちは向き合う。みんなで雑草を抜き、交代で白鳥さんの鍬を使って土を鋤き返した。

なれない作業だったが不満を言うものはいない。

夜が明ける頃には、畑の一部を耕し終えることができた。

柔らかくなった土に種を撒く。

バーテックスが蔓延るこの地で、植えられた種が育つ可能性は低いだろう。それでも、白鳥が遺したものを、少しでも元の形に戻したかったのだ。

 

「この鍬と残った種は四国に持ち帰ろう」

 

朝日の中で畑の光景を見ていると、若葉が寂しげにそう言った。

その後、長距離の移動と農作業で疲れた俺たちは畑のそばで少しだけ眠った。

目を覚ましたら次は東京だな~そう思いながら。

だが調査遠征はここで中止となった。

休息から目を覚ましたお姉ちゃんが険しい状況で告げた。

 

―四国が再び危機にさらされている、と




さーてノープランですが頑張っていこう。
2,000文字やり直すのって意外とメンタル来ますね(番外編でもやりましたがこの学ばない奴はまたしでかしましたよ)
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