上里ひなとはts勇者である   作:エフさん

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休憩は終わりのはずだったんですけどねぇ...
あ、いつも通りですはい...
忙しくなるから休憩って言ったのにさらに忙しい週がまだあったとは...



第13話 レクリエイション

『勇者様と巫女様による調査の結果、諏訪地方の無事が確認されました。現在大社は、諏訪の避難民へ物資を輸送する方法などを検討しています。また、諏訪以外の地域でも人類が生存している可能性が高いとみられ―』

 

 俺たちは食堂で、テーブルに置かれた携帯テレビから流れるニュースを聞いていた。

 第1回壁外調査(調査遠征)から四国へ帰還して、今日で3日目。今は昼食時間でみんなはうどん、俺はそばを食べていた今日で3日目のそばである。若葉も遠征から帰ってから俺がそばを食べても何も言わなくなった。

 この3日間、テレビや新聞などの情報機関は、調査遠征によってもたらされた『よい報告』を流し続けている。やっぱり人は同じことをするらしい...戦時中の日本みたいだ。

 

「相変わらず嘘ばっかだ。せっかくのうどんが不味くなる」

 

 不機嫌そうに言いながら、球子がテーブルに箸を置いた。

 

「人々の士気を下げないために、情報を操作する...戦争とかではよくあることですけど...」

 

 杏が暗い口調でつぶやく。

 歴史上、フェイクニュースを流して無理やり明るい空気を作ったところって、大体最終的に負けるんだよなぁ...

 

「みんな、うd...麺伸びちゃうよ、ニュースばかり見てたら!よ~し、伸びるくらいだったら、私がタマちゃんの肉うどん食べる!」

 

 友奈が球子のどんぶりに箸を伸ばし、素早く一口食べてしまった。

 

「あっ!友奈っ、お前~!肉まで食べやがったなっ!」

 

「残すくらいだったら、食べてあげたほうが良いかなって」

 

「ちゃんと食べるつもりだったんだっ!こうなったら、友奈のうどんのキツネいただくっ!」

 

「ああー!1枚しか入ってないのにー!」

 

 うどんをめぐって争いを繰り広げる友奈と球子。

 

「もう、タマっち先輩、子供みたいに喧嘩しないでください」

 

「むぅ...」

 

 杏に叱られ、球子はおとなしくなる。

 

「友奈さんもお行儀悪いですよ」

 

「はぁい」

 

一方、友奈もお姉ちゃんに注意され、恥ずかしそうに返事をする。

 

「...ひなと君さっきから箸進んでないけどなんかあったの...?」

 

 球子たちの争いを無言で見ているとちーちゃんが心配した様子で聞いてきた。

 

「いや、さすがに飽きてきた。俺がうどんを苦手になった理由が5日連続でうどんが出てきたことだからこのままいくとそばもうどんの二の舞になりそう...」

 

「そう...」

 

「ついでにお腹いっぱいになってきたかも...残そうかなぁ...」

 

「なんですって⁉」

 

 そう俺がギブアップしようとしたら、隣にいたお姉ちゃんが声を上げた。

 

「残しちゃだめですよひなと!ほらお姉ちゃんが食べさせてあげますから。ほら、あーん」

 

 そういって俺から箸をぶんどり、そばをすくい押し付けてくる。

 

「え...いやぁ...いいよ...お腹いっぱいだし...」

 

 そう言って俺は拒むが、

 

「聞こえなかったんですか?ひなと...あーんって言ったんですよ?」

 

 そう言ってすごい笑顔になるお姉ちゃん。怖い...しょうがないので口を開けると箸を突っ込まれ、すごい量のそばが口に入ってくる。

 

「んぐ...」

 

 口をハムスターのように膨らませながら、必死にそばをかむ。するとお姉ちゃんは頬に手を当て懐かしむように

 

「いやぁ懐かしいですねー...昔ひなとはピーマンは少し嫌な顔をしながら食べるのですが、ゴーヤ、パプリカは絶対に箸をつけないで残そうとしていたので、今みたいに無理やり食べさせたものです。そして食べた後の目に涙浮かべて必死に食べているのはほんとにかわいかったですねー」

 

 俺は今、口の中がそばでいっぱいなので反論できなかった。なので軽くお姉ちゃんをポカポカ殴っといた。若葉のほうを見てみるとこっちを見て苦笑していた。なんだよ、そんなにこの顔おかしいかよ...

 友奈はみんなを見回し、明るい口調で言う

 

「あのさ!大社の人たちが流しているニュースは、今は噓だけど、私たちが本当にすればいいんだよ。バーテックスを全部やっつけて、世界を取り戻して!」

 

「ああ、友奈の言う通りだ」

 

 若葉は頷き、携帯テレビの電源を消した。

 

「...ごちそうさま...」

 

 ちーちゃんは食べ終わったどんぶりの横に箸を置いて俺を見てくる。早く食い終われという目だ。

 

「あ、そういやタマ用事あるんだった」

 

 球子がテーブルを立った

 

「あんず、午後の授業、欠席するって先生に言っておいてくれっ!」

 

「え?うん、いいけど...」

 

「さぼりじゃないからなっ」

 

 急いで食器を片付け、球子は食堂から出ていった。

 

 

 

 

 放課後―俺はちーちゃんと訓練場で勇者用の武器を使って模擬戦をしたり素振りをしていた。

 前までは重そうに慣れない手つきで鎌を振っていたが、今では軽々と振っている。

 

「ぐんちゃーん!」

 

 突然明るい声がしたのでそちらのほうを見てみると、訓練場の出入り口から駆けてくる友奈の姿があった。

 友奈は俺たちの前に来て、ちょっと不満そうに言う。

 

「自主練するんだったら呼んでくれれば良かったのに。一人より二人、二人より三人でやったほうが練習になるよ!」

 

 そのまま流れで俺たちは模擬戦をする。最初は一対一対一だったが、俺が澄ましたかおで全部避けていたのでいつの間にか一対二になっていた。きりのいいところになったので一休みする。

 

「四国に戻ってから、ぐんちゃん達偶に自主練してるよね」

 

 ペットボトルの水を飲みながら友奈はこちらを見て言った。

 

「いつ襲撃があるか...わからないから...」

 

「う~ん、そうだよね。ヒナちゃんの神託によれば、危険が迫ってるらしいけど、具体的にいつなのかはわからないって言ってたよね...」

 

「私は...早く戦いたい...早く、バーテックスどもが、来ればいいのに...」

 

 ちーちゃんがポツリとつぶやいた。

 

「ぐんちゃん?」

 

 不穏なちーちゃんの口調に心配したのか、友奈はちーちゃんを見つめる。

 

「私は...早くひなと君との日常を取り戻したい...だからバーテックスを全滅させたい」

 

「...」

 

「四国の外があんなふうになっているとしたら...いずれここもそうなってしまうかもしれない...だから少しは強くなっておかないと...」

 

「そう...じゃ、頑張らないとね!」

 

 友奈が笑顔でいう。

 

「そうだな」

 

 俺もつられてちーちゃんのほうを向いた。

 

 

 

 

 

 ちーちゃんとの自主練が終わった後、俺はお姉ちゃんといた。今から若葉の部屋に行くところだ。...俺、用ないんだけどね...若葉の部屋の前に来たらお姉ちゃんが

 

「恐れく若葉ちゃんは考え事をしています。ですので、抜き足差し足で、こっそりと入りましょう」

 

 と合鍵を見せながら言ってきたので俺は黙ってうなずいた。そしてお姉ちゃんは静かにカギを開け、つま先で歩き音を出さないようにしていたので俺も続く。そして考え事をしている若葉の後ろを歩きながら、ベットに腰掛ける。すると突然若葉が、

 

「遊び...レクリエーション...いいかもしれない」

 

 とつぶやいた。すると隣で同じくベットに腰掛けていたお姉ちゃんが反応した。

 

「レクリエーションですか。何をするんですか?」

 

「ひ、ひなた⁉そ、それにひなとまで!なぜ⁉いつの間に⁉どうやって入ってきた⁉」

 

「考えことをしていたようでしたので、邪魔にならないように、こっそり入ってきました。抜き足、差し足で。合鍵も若葉ちゃんから渡されていましたし。

 

「俺はお姉ちゃんの配慮という名の悪ふざけに付き合っただけだ」

 

「止めろよ...心臓に悪いから、普通に入って来てくれ...」

 

「細かいことはともかく。どうしたんですか、若葉ちゃん。考え込んで、急にレクリエイションがどうとか言って」

 

「『細かいこと』で流された...。ひなとはわかると思うが、今、私たちの間に、少し良くない空気が流れている。ひなたも気づいているだろう?」

 

「...ええ、そうですね」

 

 お姉ちゃんがニコニコとしていた表情を真剣な表情にし、頷いた。

 

「だから、何かみんなで遊んで、気分転換でもしたらいいんじゃないかと思ったんだ」

 

「「...!」」

 

 俺とお姉ちゃんは驚き目を丸くした。

 

「な...なんだ?二人して...なぜ驚く?」

 

「いえ、若葉ちゃんから、そんな考えが出てきたことが、意外で...」

 

「そうそう。若葉=バカ真面目。遊び?何それおいしいのって感じの人種かと思ってたから...」

 

「...そうかもしれないけど言いすぎじゃないか...?」

 

「やっぱり、若葉ちゃんは変わりましたね。とてもいい変化だと思います。ひなとはほんとに変わらないですね。少し大人になったらどうです?」

 

「あー!聞こえない聞こえないー!ところで若葉!レクリエーションって言っても何をやるんだ?」

 

「ああ、みんなで盛り上がれるし、同時に訓練になることを思いついたぞ」

 

 

 

 

 若葉曰く、レクリエーションの内容は、勇者たち全員によるバトルロイヤル形式の模擬戦だった。戦場は、丸亀城の敷地全体。最後まで生き残った者は、優勝の特典としてほかのメンバーに自由な命令を下すことができる。敗者たちはその命令に必ず従わなければならない。

 

「レクリエーションと言いつつ、模擬戦なのが若葉ちゃんらしいです」

 

 とお姉ちゃんは苦笑した。

 

「ほんとそれな。まぁただの訓練じゃないだけ幾分もましだけどね」

 

「そして、切り札以外だったら何をしてもいいというルールだ。武器も本物の勇者専用武器を使う」

 

 そう言いながら若葉は愛刀を握りしめた。

 

「いいねぇ」 「だめですよ」

 

 俺とお姉ちゃんの声が重なる

 

「けがをしたらどうするんですか」

 

「だがそうでないと緊張感が...」

 

「そうだよ、それだといつもの模擬戦と変わらないよ」

 

「駄目です」

 

「「え~」」

 

「え~、じゃありません。駄目です」

 

「「はい...」」

 

 お姉ちゃんが真顔で言ってきた。怖い。

 後日学校に聞いてみたところ、訓練になるということで許可が下りた。武器はしっかり模擬戦用だ。ついでに変身もできないため、俺の武器は固定になる。変身出来たら武器変えられんのになぁ...俺は適当に剣を選んどいた。

 

 

 

 

 翌日午後...デュエル開始―!

 

 適当にぶらぶら歩いて丸亀城の二の丸に着くと、友奈と若葉が戦ってるところに鉢合わせした。よし、逃げるか。そう思って抜き足差し足でその場から離れようとしていたのだが、その瞬間友奈がこちら側に吹っ飛ばされ俺にダイレクトアタックしてきた。そのまま俺は友奈のクッションに強制的になり、友奈の尻に敷かれる(変な意味じゃないぞ)

 

「なんだひなといたのか」

 

 そう言いながら若葉は追撃しようとしてくる。

 

「まって若葉ちゃんこのひなとくんあげるから、体勢整える時間頂戴」

 

友奈は俺を尻で踏みながら言った。

 

 「...え?」

 

「残念だったな。どっちも倒させてもらう」

 

 そう言って若葉はダッシュでこちらに来て俺らにとどめを刺そうとしてきた。

 

「させない...っ!」

 

 突然そこら辺の草むらから所々に葉っぱが付いたちーちゃんが出てきて若葉の攻撃を防ぎ、さらに追撃をした。まぁ避けられてたけど...

 

「サンキューちーちゃん」

 

「ありがとう、ぐんちゃん。助かったよ」

 

「うん...気にしないで...」

 

「仕切り直しだな」

 

 友奈が吹っ飛ばされる前に、弾き飛ばしていた木刀を鞘に納めながら若葉が言った。ちなみにさっきまでの若葉は鞘で戦っていた。

 

「でも、三対一よ...あなたに勝ち目は...ないわ...ついでにひなと君いるし」

 

「いいや、四対一だ」

 

 そう言いながら球子も二の丸に姿を現した。

 

「...なぁ...仮に、仮にだ。もし私が倒せたとして残った戦力でそこにいるひなとを倒せるのか?私は最低でも一人は持っていくぞ?ここは一時休戦してそこにいるひなとを倒さないか?」

 

「...確かに無理だな。よし!タマは若葉の意見に乗っかるぞ」

 

「うーん。私も若葉ちゃんよりひなと君のほうが殴るのに抵抗がなくなるから、若葉ちゃんの意見に乗っかろうかな...」

 

 そう言いながら二人は若葉のほうに足を進める

 

「え?」

 

 ...やべぇ。そんなことを思いながらちーちゃんのほうを向くと

 

「ごめんなさいね」

 

 そう言いながらちーちゃんも若葉のほうに足を進める。そこから先は蹂躙という蹂躙だった。まぁそこまでのことではなかったけど...まず若葉か、友奈の攻撃が来る。頑張ってその攻撃を避けても、クールタイムなしで、残った人の攻撃が来る。それの繰り返しだった。気づけば俺は壁際に追い込まれており武器は弾き飛ばされていた。攻撃を避けて続けていた俺の体力はもうなく、壁を背もたれにしてペタンと座り込んでしまった。そして友奈が指をぽきぽき鳴らしながらこちらに近づいてくる。怖い

 

「さ~て、顔面と腹どっちにパンチしようかな~?」

 

 そう言いながらにやにやとした表情でこちらに近づいてくる。怖い、怖いが目は絶対にそらしていけないと思い目はそらさないでおいた。疲れか恐怖か知らんが足はめっちゃ震えている。そうして友奈は目の前に立ち、拳を振り上げた。やられる。そう思うと目をそらさないなんてことはできず、衝撃に備え目をつぶった。だが思った衝撃は来なかった。代わりに頭にコテンって感じのパンチはされたが。俺は不思議に思い目を開けると、友奈に頭をなでられた。???と思っていると頭をなでながら友奈は言う。

 

「本気で殴ると思った?さすがにそんなひどいことはしないよ。ちょっとからかっただけ。でも今の見てるとヒナちゃんやぐんちゃんがひなと君のことかわい、かわいって言ってるのもわかる気がするな...だって目をそらしたくなかったんだろうけど、ずっと涙目だったよ?本気で殴ろうなんて気力なくなっちゃったよ~」

 

「さ~てひなとは倒したし、後は若葉だな!」

 

 そういって球子たちは若葉のほうを見て武器を構えた。...まぁここからは原作通りです...最初にちーちゃんがとつって若葉に切られ、それのせいで動きが止まった友奈が切られ、球子逃亡。そして球子がおとりになり杏が若葉の刀を落とす。そして若葉が敗北を認め球子が裏切られる。そして勝利の権利として、杏はほかの勇者たちに命令を下せることになった。

 

 

 

 

 杏からの命令で教室にいろとのことで、俺は教室で待っていたのだが、急に扉があいたかと思ったら結構でかめのカメラを持ったお姉ちゃんと、学ラン姿の友奈、若葉いつも通りのちーちゃん、なんかメガホンっぽいものを持っている杏、そして...え、誰?なんかタイプではないがすっげー美少女(語彙力崩壊)が入ってきた。...あ、この方球子か。全員がそろったことを確認した杏は

 

「全員揃いましたね。では全員廊下に移動してください」

 

 と言った。そして球子が壁に行き、若葉が球子の目の前に立ち、友奈は扉の前に立った。

 

「では始めてください」

 

 そう杏が言った瞬間若葉が急に壁ドンを始めた。あ~こんなシーンあったなぁ。そう思いながらもよくわからん寸劇は進んでいく。

 

「私のものになれよ、球子...」

 

「わ、若葉君...そんなこと言われても、たまには他に好きな人が...」

 

「待ちなよ、若葉君!球子さんが嫌がっている!」

 

「あ、高嶋君...って、なんじゃこりゃあああっ!」

 

「カット、カットぉっ!ダメだよー、タマっち先輩!ちゃんとセリフ通りに行ってくれないと!」

 

 そう言えばコーユー感じの場面最近どっかで見たことあるな...なんだったけ...あ、思い出した。この間杏に押し付け...すすめられた小説に出てきた気がする。読んでみたら意外と面白く、二週ぐらいした作品だ。

 

「こんな恥ずかしいセリフ言えるかっ!というか、なんでタマが『内気でおとなしい少女』の役なんだよっ!」

 

「このヒロイン、背が低くて貧乳っていう設定だから。タマっち先輩に合うかなって」

 

「タマがちびだって言いたいのかぁっ!」

 

 こいつ貧乳のところ見事にスルーしたな...

 

「というか、私は男装までさせられているのだが...」

 

「私も...なんだか男子の制服って、変な感じ」

 

「再現度を高めるために当然です!」

 

「と、とにかくっ!あんずの言う通りにしたぞっ!もうこれで終わり...いいか?」

 

 球子が顔を赤くしながら叫んだ。若葉はぐったりしていた。

 

「面白かったけど、やっぱり、ちょっと恥ずかしいよね」

 

 友奈も少し照れた様子でいう。

 

「まぁ少し再現度に不満はありますが、次に期待ってことで良しとしましょう。さて、次は」

 

杏の目が俺らのほうに向く。ビクッと体を震わせる俺ら。

 

「私も、あんな恥ずかしいことを...?...ぜ、絶対に...お断りよ...!」

 

「お、俺演技できないからね?」

 

「普段外でお嬢さま演じてる人が何言っているんですか...それに千景さん相手はひなと君ですよ?」

 

「何やっているのひなと君早く着替えるわよ」

 

 杏の言葉を聞いて早口でいうちーちゃん。さっきまで震えていた人はどこに言ってんだか...そうして俺らは着替えて先ほど球子や若葉がいた配置についた。

 

「ちなみになんていえばいいんだ?」

 

 俺は杏に尋ねた。

 

「さっきのタマっち先輩と同じことをしてくれればいいです」

 

「え...このままひなと君の名前のままで行くと字面的にはBLになるんだけど...いいの?」

 

「あーまぁいいでしょう」

 

「わかったわ」

 

 そうして学ラン姿のちーちゃんは壁を背もたれにして、立っている俺の前に立った。なんか少しに合ってないな。おとこっぽさないからな...ちーちゃん。ライダー風の衣装だったら似合いそうだけど...

 

 そう思っていると、ちーちゃんが手を少し引いて勢いよく前に突き出した。

 

 ドン!

 

そう壁の音がした。ちーちゃんの顔は目の前にあり、なんかこうドキドキした。心臓がうるさい。...やばい足が震えてきた。そんな俺の体の変化を無視しちーちゃんは俺の耳元まで体を持っていき囁く。

 

「私のものになれよ、ひなと...」

 

 その瞬間、頭が真っ白になった。あ、あれなんて言えばいいんだっけ...というかさっき少しに合っていないとか言ったけど、前言撤回むっちゃかっこいい。なんか言わなきゃ。そう思ったが口をパクパクさせるだけで声が出ない。あれ視界がぐらぐらしてきた。これ以上ちーちゃんを直視してはいけない。そう思い目をそらすが。すぐ強制的にちーちゃんを見ることになっていた。

 

「どこ見てんのよ」

 

 そう言ってちーちゃんは『あごくい』と呼ばれるようなものをして、目を合させられていた。その瞬間()の足に力が入らなくなっていて床にペタンと座り込んでしまった。

 

「カット、カットぉっ!だ、大丈夫ですか!?ひなと君!」

 

 杏がなんか言っているがあまり聞き取れない。大丈夫。そう言おうとしたが、その瞬間()の視界が少し高くなった。()()()にお姫様抱っこされていたのだ。

 

「大丈夫?」

 

 やはり耳元で()()()がささやいてくる

 

「あ!千景さん!今そんなことしたら...!」

 

 そんな杏の声を最後に()の意識は落ちていくのであった。

 

 

 

 

 ちなみに俺の意識が落ちている間に、ちーちゃんに卒業証書が渡されていた。...俺が渡したかったなぁ。

 




次の話は運命の瞬間ですね...楽しみ。
早くゆゆゆという日常を描きたいですねーわすゆ?何それおいしいの?
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