いつも通りです。
別にウマ娘とか、カービィとか、スプラとか、ドッカンとかやってないよ。
「ありがとうございましたー」
俺はバスの運転手にそう言いながらス〇カをICなんちゃらにタッチする。
なぜ関東でもないのにスイ〇なのかは疑問にしてはいけない。
「さてこの先にあるのが俺の新しい家...」
俺は真新しい道路を目で追いながら言う。目で追った先には山があり、『この先所有地、立ち入り禁止』という看板があった。
(...え、俺これ上るの?)
家は山の中に隠されているのか見えないがなんとなく道のりが長そうなのはわかった。
俺はリュックの位置を正しながら坂を上り始めた。
30分後...
「はぁ...はぁ...しんどい...」
汗をぬぐいながら、目の前の少し緩やかな坂を見る。歩いて分かったことだが坂は一直線にあるのではなくいろは坂のようにくねくねと曲がっているため歩く距離が長くなり、その分体力を消耗させた。
そのまた10分後...
「はぁ............はぁ...............」
(肩が痛い...足が痛い...もう無理かも...)
視界はぼやけて立つ力もなくなりそうな時だった。
「驚いた!ひなとジャン!」
聞こえてきた声は約半年ぶりに聞く声で、とても元気な声だった。
「球子...?」
「おう!正真正銘のタマだぞっ!」
マウンテンバイクに乗った球子は漕ぐのをやめ降りてからどや顔をした。
「元気だね...はは...ついたらお姉ちゃんに道のりが長いわ!...って文句言ってやろうかな...」
「ん?この道そんなに長いか...?」
「え、長くない?俺なんて40分くらい歩いてるけど全く着く気配がないんだけど...」
「40分⁉こりゃタマげた。杏だって重い本を持ちながら15分で着くぞ...ひなただって...いやあれは車だったな...そうだ!タマが荷物持ってやるよ!」
「え?いいの?でも...」
「いいのいいの。タマに任せタマへ!」
久しぶりに聞いたその言葉に俺は笑いながら荷物を渡した。
「...?ひなと、体調悪かったりするか?」
荷物を怪訝な顔で見ながら球子は言う。
「いや全然?しいて言うなら疲れたかな」
「そうか、まぁ元気なら別にいいか!」
しばらく歩いて...
「ひなと、この自転車乗らないか?」
「え、なんで?」
「いや急に走りたいって思ったんだ!」
「...じゃ乗るか。荷物持つよ」
俺はリュックにを受け取ろうと手を伸ばした。
「いやタマはリュックをしょいながら走りたいんだ!」
球子は自転車を押し付けて走り出した。
「え⁉ちょ待てよ」
左足を左のペダルにおいて、右足で2回地面をけって助走しながら俺は自転車にまたがった。思ったより椅子が高かったせいで少しふらついたが少し漕ぐと安定してきた。
「はぁ...はぁ...」
立ちこぎで何とか追いつこうとするが球子との距離はなかなか縮まらなかった。そして坂道だったからかすぐ体力は尽きてしまいいつの間にか座って漕いでおり、球子は歩きながら待っていた。
「これ...ケーブルカーか...バイクを...下に置かない...?」
「タマたちには必要ないからな...っともうすぐ着くぞ!頑張れ!」
そう球子は言ってきたので俺は再び立ちこぎをし始めた。
数分後...
今まで木で囲まれていたのに急に開けた場所が現れた。そしてその開けたところには山にふさわしくない豪邸が存在し俺は唖然とした。
「でか⁉え、なんでこんなにでかいのに山の外からは見えないの⁉」
「タマに言われても知らん!だが、おそらくひなたや杏が何とかしたんだろ!自転車はあそこにおいて早く入ろう!」
球子が指差したところにはちょっとでかめのガレージがあり、入ってみると自転車だったりバイクが置かれていた。
「ガレージと家って繋がってるんだけどせっかくだし玄関から入ろうな!」
そうして俺らはわざわざガレージから出て玄関へ向かった。
「改めてみるとほんとにでかいことがわかるな...」
目の前には5メートルほどの両開きドアがあった。両手で片方のドアの取っ手を持ち引っ張った。ドアは見て目に反して意外と軽く、容易に開けることができた。
「タマなら両方の扉を思いっきり開けてかっこよく入るのにな!」
「いいんだよ」
そう言いながら家の中を見てみると、豪華ホテルのようなオシャンティな内装ではなく、広い靴を置くところや、靴を入れるところ、大きい広間にその中央にある踊り場で左右に分かれる階段、階段の両端にある2つのドアに、左右に一つずつドアがあった。
「はぇ~なんもないけどでけー」
「ひなたが言うにここは廊下的な場所らしいからな!特に何かを置くということはないらしい!」
「へぇ~」
「あ、タマっち先輩!おかえり~」
上の方で声が聞こえてきたので見ると、杏が右の2階の通路から身を乗り出して手を振っていた。
「お~杏~ただいま~」
(相変わらず仲がいいな)
「ん?そこにいるのはもしかしてひなと君ですか⁉」
「ん、久しぶり~」
俺は小さく手を振った。
「昨日来るのかと思って楽しみにしてたんですけど何かあったんですか?」
杏はこちらに向かいながら言った。
「いや~、連絡が来た時にお母さんがいなくてね~お別れの挨拶だけでもしないとと思ってこっちにこれなかったんだ」
「そうだったんですね...とりあえず荷物を置きましょう!ひなと君の部屋は左の手前ですよ。ちなみにカギはないので入るときは注意してくださいね」
「わかったー。...そー言えば他の皆は?」
「千景さんはゲーム機などを買いに行きました。ひなたさんと若葉さんは夕飯をよりよくするために買い出し、友奈さんは散歩か道場にいると思いますよ」
「友奈の立ち位置本来は若葉の物じゃね」
「う~んたまには体を動かしたいのかもしれません...あ、前の寮に残していったひなと君の荷物は私たちが勝手に持ち出して部屋に運んでおきました」
「ありがと」
「いえいえ、さぁタマっち先輩!ものすごくおっきくなった書庫を見に行こう!」
「えー!タマは森を探検したいのに~!」
杏は球子を引っ張って2階に上がり正面右のドアに入っていった。
2階に上がり、左のそれなりに広い廊下の左(玄関側)の一番手前の部屋に入る。
(意外と広い...)
目の前には大きい窓に、その左に前に使っていた勉強机とその椅子、右には前よりもでかいベッド、間左にはタンスと長方形の鏡、右の真ん中には前に使っていたテレビ、そして部屋に真ん中には座布団と小さな机があった。
荷物を置き、窓(両開きのドアだった)を開け、テラスだかベランダにいくと大きな庭と山が見えた木に阻まれて町の様子を見ることはできなかった。
庭と自然を堪能してから俺は書斎を見に行くことにした。
さっき杏が球子を引っ張って入ったドアを開けると、そこには館を移動しそうなくらいの広さの書斎があった。
「あ、ひなと君来たんですね」
部屋を移動するたびに何かしらのイベントが起こる...ギャルゲーかな?
「どのくらい広いか気になったのと、ここしか知ってるところがなかったからね」
「そうですか。ここはすごいですよ!私が所有していた本があることはもちろん、DVDやゲームのカセットもあるんですよ!」
「書斎ってなんだっけ...」
「まぁあまりにも広いのでこんな使い方もありですね」
「確かに結構広いというか書斎の半分も埋まってないんじゃない?」
「それはおいおい増やしていくんですよ」
杏は目をキラキラと光らせながら言った。
「なぁもういいだろ~!タマは早く山に行きたい!」
「はいはい、じゃ行こうか」
「わ~い!ひなとも行くか⁉」
「俺は...玄関まででいいかな」
「えぇ!なんで⁉」
「まだ家の探検が終わっていないから」
「そうか...それならしょうがないな!じゃ、玄関まで一緒に行こう!」
そして玄関の前までに来た。
球子たちと一緒に玄関まで着た瞬間であった。
「ただいま~」
片方のドアを開け友奈が入ってきた。
「おかえり」
「あれ⁉ひなと君がいる⁉」
「さっき来たんですよ」
「そうなんだ」
「友奈はどこにいたんだ」
「私は適当にそこら辺を散歩してたよ、ぐんちゃんも誘ったんだけどちょっと忙しいみたいで一人だった」
「いいな~タマたちはこれからなんだ!あ、ひなとは家にいるけどな!」
「そうなの?じゃ、せっかく道場もできたんだし久しぶりに私と組み手をしてよ!」
「え...」
「いいでしょ?ひなと君強いんだし」
「......まぁいいよ」
「ひなと...?」
「どうしたのタマっち先輩?なんか急に元気なくなったけど」
「杏、山は一回中止だ。友奈ひなととの組手ってタマたちも見ていいか?」
「全然いいよー。私は先に行って着替えてるね」
それだけ言って友奈は靴を脱いで右のドアへ入っていった。
「ひなと大丈夫なのか?」
球子は杏に気づかれないように俺に言った。
「大丈夫ではないけど、自分が今どんな状態なのか確認しておきたいから」
「ひなとが乗り気ならタマは止めないが...」
「二人とも何を話してるの?友奈さんをかなり待たせちゃうよ」
「今行く」
俺は球子の会話を強制的に終わらして杏の方に駆け寄った。
ドアを開けてから少し廊下を歩き、屋敷から道場への渡り廊下を歩いて入ると道着姿の友奈がいた。
「意外と遅かったね」
「ここに来るまでにの部屋が何の部屋か説明しながら来ましたから」
「そっか!そういえばひなと君って道着持ってたっけ?」
「それがなくしちゃって...俺はジャージでやるよ」
「そっか!中で待ってるね!」
「私たちも中で待って居よう?」
「そうだな!」
三人が中に入ったのを確認してから俺は服を脱ぎジャージを着た。
(それにしても何か武道をやる乗って久しぶりだな...)
ここ数年俺はお姉ちゃんの手伝いだったり嫁修行をしていたため全く動いていなかった。
中に入ると友奈は軽くジャンプなどをしてアップを行っていた。
「お、きたね。じゃあ早速やろうか!いやぁひなと君と組み手なんて久しぶりでドキドキするね!全力を出せる感じがして!」
そう言いながら友奈は構えたので俺間無言で構えた。
「...」
俺が仕掛けなく無言の時間が続いたので、友奈はしびれを切らして一歩踏み込んだ。目の目に友奈が出現した。
俺は腹あたりを突かれると思い、腹の前で腕をクロスにした。しかし、思った通りにのところに攻撃は来ず、気づいたときにはわき腹に強い衝撃が加わっていた。友奈に蹴られたのである。
「え...?」
友奈は攻撃が通ると思っていなかったからかそうつぶやいた。俺はそのつぶやきを聞いた瞬間、思いっきり吹っ飛んだ。そして思いっきり道場の壁にぶつかった。
「かはっ」
息が止まる、そして俺は地球の重力に従って五十センチほど落下した。
「ひなと君⁉」
その場にいた全員が俺に駆け寄ってきた。
「やっぱり...」
「タマちゃんやっぱりって何⁉」
「ひなと、ここに来るときに対して重くないものを重そうにしていたし、ものすごくつかれてたんだ。だから結構弱くなっているのかなって思ってたんだ」
「どうしてひなと君を止めなかったの⁉」
「ひなとが自分の体がどのくらいなのか知りたいって自分で言っていたからだ」
「はは...思ったより弱くなってたわ...」
「ひなと君...とりあえず寝室まで運ぶね...あとごめん」
「気にしないで...俺がやりたくてやったことだから」
俺がそういうと友奈は俺を抱きかかえた。
「いっ⁉」
友奈が持ったところが俺がちょうど背中を壁にぶつけたところで触られたところに激痛が走り、思わず声を出した。
「ご、ごめんね⁉ちょっと我慢してね?」
友奈が歩くたびに俺の背中に衝撃が走り、激痛が起こる。あまりの痛さで俺は涙を出しながら気絶した。
目が覚めるて初めに見た景色は俺が先ほど荷物を置いた部屋の天井だった。体を動かそうと思っても痛みが発生するだけで体は動かなかったので、首だけを動かして周りを確認した。
確認すると友奈がすっごく絶望した表情で隣に座っていた。
「友...奈?」
普段は見せないそんな表情に俺は少し困惑した。
「あ、ひなと君、起きた...?」
俺が起きたことを確認した瞬間友奈は静かに涙をぽろぽろと流した。
「どうしたの?そんなに涙を流して...」
「ぐすっ。えっとね、あのあと部屋に運び終わってすぐにぐんちゃん達が帰ってきてなんやかんやあって調べたんだけど肋骨と背骨が折れちゃったらしくてもうひなと君は普通の生活が...できないんだって」
それを言い終わった友奈はずっと俺に泣きながら謝ってきた。
「友奈、ちょっとスマホを取ってくんない?」
「スマホ...?うん、わかった」
友奈は俺のバックを数分あさって机の上にあったスマホを持ってきた。
「机にあるなら先に行ってよ...」
そう文句を言いながら渡してくる。
「はは、ごめん俺もどこにあるかわかんなかった」
俺はそう言いながら勇者システムを起動する。俺はいつの間にか腰に巻き付いていたディケイドライバーの左にあるライドブッカーからカードを取り出しセットする。
『BRAVERIDE...サザンカ!』
そうして俺は変身した。変身した瞬間体が回復し、起き上がれるようになった。
「俺は勇者機能がある限りすぐに復活するから俺の体は気にしないでいいからね」
「そうなんだ...よかったぁ。でももう二度とひなと君と組み手はしないや」
「相手にならないからね...そう言えばみんなは?」
「下にいるよ。みんな優しいから本当はひなと君の傍にいたいんだけど私を一人にさせてくれたんだ」
「へ~じゃ元気になりましたし顔でも合わせに行きますか」
俺は変身を解いてベッドから降りた。そしてドアに向かったのだが
「ちょっと待って!」
友奈に肩を掴まれ無理やり止められた。
「駄目だよひなと君転んだら危ないよ!運んでってあげる」
「いやだから俺の体は変身さえすればすぐ回復するから大丈夫だって」
「駄目だよ!体は大切にしないと!それにもう私はひなと君が傷ついているところを見たくないんだ」
そう言って友奈は無理やりお姫様抱っこをしてきた。
「ちょやめろっ!俺は大丈夫だから!」
「駄目だよ、暴れちゃ...ね?」
「ひっ...!」
普段友奈から出ないような声色に驚き、友奈の方を表情をうかがってみたら見事なまでの真顔とハイライトグッバイだった。
(最後の戦いでの俺の大量の死と自分で俺を殺してしまったかもしれない今回のことでトラウマができてそれが変な方向にねじれたのかな...)
俺は運ばれながらそんな考察をしていた。
そうしてみんなのいるリビングに着いた。
「ひなと起きたんですね」
「うん」
「...あのお姉ちゃんと俺の状態について話すのは構わないんだけどさっさと降ろしてくれない?」
「降ろす...?おろしたところでひなと君は立てないでしょ...」
ちーちゃんが怪訝な顔をしながら言う。友奈はそんなちーちゃんの顔を見ながら俺を静かに降ろした。
「え、立てるようになったのか⁉」
友奈以外は目ん玉が飛び出るくらい驚いていた。
「なんでみんな勇者システムのこと忘れてるんですかね...」
俺は少しだけ呆れながら言った。
「あ、確かにひなと君だけには勇者システムが残っていましたね」
「ひなたと買いに行ったロボット掃除機が無駄になってしまったな...」
「そんなことはありませんよ若葉ちゃん。最初私たちはひなとの身体能力は落ちていない前提でひなとに家事を任せようと考えていましたからね。さすがに普通の身体能力の人一人にこの屋敷の大きさの掃除+αは厳しすぎます。まぁこんなことは今はどうでもよくて、とりあえずご飯を食べましょう。私たちは明日から仕事ですからね早く寝ないといけません。ひなと食材は冷蔵庫にすべて入れておきました。料理、期待してますね」
「うん」
「ちょっと待って」
リビングと隣接しているキッチンに向かおうとしたところで友奈に無理やり止められた。この展開どっかで見たな...
「料理ってことは包丁を使うってことだよね」
「そりゃ...もちろん」
「駄目だよひなと君そんな危ないことしちゃ」
「危ないって...料理には絶対刃物は使うし...」
「というか料理もそうだけどひなと君は外に出ちゃだめだよ?だって危ないし...あ、これが前に言っていたなんでも一つ言うことを聞くでどぉ?」
おい誰か来い止めろという目で見るが誰も反応を示さなかった。どうやら俺が寝ている間も友奈はこんな調子だったらしい。
「誰かが隣にいたらいいでしょ?というか料理とかは俺の仕事なんだから邪魔しないでくれよ。いやなんだよ俺だけなんもしてないのに生活しているのが。だからね?頼むよ。家事ぐらいさせて?」
俺が真剣に言ったからか友奈はついてくるだけだった。
俺が料理をしている間友奈は常に俺のことを見ていた。お母さんのところに行っている間は料理をしている時は常にお母さんに見られていたのであんま関係ない。
「友奈」
「何?」
「これ運んでくれない?」
完成したものをお盆に置きながら俺は言った。
「いいよ~」
友奈が運んでいるのを見ながら俺は人数分の箸を持ってみんなの座っているところへ向かった。
「ひなと...お前...」
「うそ...でしょ...」
若葉とちーちゃんがそんなことをつぶやき、他の面々(友奈を除く)はこれまた驚いた顔をして俺を見た。
「うどんじゃん」
「どうしたんですか?熱でもあるんですか?」
「もしかして友奈さんと組み手したときに頭がおかしくなったんですか⁉」
そんな反応をする人たちを見て俺は
(二度と作ってやんねー)
と思い。少し拗ねた。ちなみにうどんは好評だった。タマに作ってやろうと思った。
次もかなり遅れるんだろうな...