上里ひなとはts勇者である   作:エフさん

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なんか短めになりました。どうもエフさんです。もう特にいうことはないです。最近ドッカンと原神とスタレに嵌りました。いつかゆゆゆいが買えるといいのですが...
あ、いつも通り下ネタがあります(初の注意...いつもあったのに)


第38話 外伝⑥

「あのすいません」

 

 車で研究所に言っている途中で俺は気になることがあったので、助手席にいる人に声をかけた。

 

「なんでしょう?」

 

 その人は振り返らずにバックミラー?でこちらを見ながら聞き返した。

 

「もしかして山を歩いたりするのかなと思いまして」

 

「いえ、歩きませんよ」

 

「え、でもこの車が自分の歩いてきたところを通れるとは思えないんですが...」

 

 俺がこの間何時間もかけて歩いてきたところはバイクだったらかろうじて通れそうなくらい狭く、今乗っている普通車が通れそうな道ではなかったのだ。

 

「ひなと様が歩いて行ったのはおそらく研究所を出て目の前の道ですね。一週間に一回ほどしか使われていませんが車用の道が研究所を出た反対方向にあるんですよ」

 

「へぇ...そうなんですか」

 

 その道を仕えていたら少しは早く下山できていたのだろうかと考えた。しかし考えてもあんまり変わらないだろうという結論になり、俺は景色を見るだけにした。

 

 

 

 

 しばらくするとつい一週間前に俺を散々苦しめてくれた山が見えてきた。

 

「あまり整備されていないおかげで大変揺れますのでご注意ください」

 

 山に入る瞬間に助手席にいる人がそう忠告してきた。その忠告を聞いた数秒後に車は大きく揺れ始めた。上下左右、東南西北、古今東西()に激しく揺れ、前に倒れこむのをシートベルトが止めてくれたかと思ったら、次の瞬間にはヘッドレストに大きくぶつかり小さなたんこぶを作った。また、軽く浮遊感を味わったり窓に思いっきり頭をぶつけてこれまたたんこぶを作ったりした。そして何より酔った。

 

 

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 その職員の質問に俺は深呼吸で答えた。車が研究所の入り口についてからというもの俺はすぐに車から出て、服が汚れるのを気にせずに寝っ転がって空を見つめ深呼吸をしていた。ただでさえ他人の車でにおいがあれだったしジェットコースターかよってくらい揺れたのだ、吐かなかったことをほめて欲しい。俺は職員が声をかけてくるのを無視して気分がすぐれるまで空を見つめ深呼吸をしていた。お空は雲一つなくきれいであった。この研究室ふつーに天の神に見れれてそうなんだけどな...入り口は天にちょっと近い場所にあっても研究しているところはものすごい地下にあるのだろうか?

 俺が気分がよくなり研究所の中に入れるような状態になったのは車から降りてから三十分ほどのことであった。長い長いエレベーターに乗りついたのは山の中とは思えないほど設備が整えられたところであった。

 

「遅かったですね」

 

「すいません...体調を崩してしまって」

 

 苦言は俺ではなく連れてきた職員に向けられていたのだが完全に俺が悪かったので代わりに答えた。

 

「そうですか...確かに車はかなり揺れますからね。もっと早く着くと思って勇者システムをここにおいて待ったので少々退屈でした。研究しなければならないことがたくさんあったので遅れそうなら連絡をくれてもよかったんですよ?」

 

 目の前の職員は俺の背後にいる職員に対しニコッと笑って見せた。

 

「すいません...」

 

 職員は縮こまって謝罪の言葉を述べた。

 

「まぁいいです。これがひなと様からお預かりした勇者システムです」

 

 職員は左手で三方っぽいもの置かれたベルトを指した。

 

「ひなと様のお体が弱っていると聞いて私共が勝手に更新させていただきました」

 

「はぁ...何をしたんですか?」

 

「ひなと様の勇者システムの強みとして異常なまでの自己回復能力があります。それを利用してひなと様が死にそうになった時に強制に変身させ回復させるという機能をつけさせていただきました」

 

「ほえ~...」

 

 どう反応していいかわからなかったので俺は適当に相槌を打った。

 

「次に研究してわかったことです」

 

 職員は改まり、こちらを真剣に見つめてきた。

 

「あ、研究結果いうんですね」

 

「ひなと様にあまり関係なさそうだったら言わなかったのですが、ひなと様にしかできないようなことが多かったので報告させていただきます」

 

「...?というと?」

 

 ピンとこんな~な俺は首をかしげながら聞き返した。

 

「ひなと様がこの機能があればいいな、これといえばこの機能だよな、などと思うと勇者システムが反応しその機能を追加するということです。もっとわかりやすく言うと何でもできるということです」

 

「そうですか...」

 

 だったらもうちょっと最後の戦いを楽に終わらしてくれよと思う。いやそれよりもこの弱った体を戻してくれ。

 

「ということでひなと様にお願いしたいことがあります」

 

「...なんでしょう?」

 

「遠い未来おそらくこの端末を扱えるものが現れるでしょう...そのための重婚ですから。その時のためにひなと様には最大限この端末を強くしていただきたいのです。本来勇者システムを変えるためには巫女が神樹様に祈ったりしていたのですがひなと様にはその必要がございません。ですので存分に『ぼくがかんがえたさいきょーのゆうしゃ』を実現してください」

 

「は、はぁ...」

 

 俺は困惑しつつ、変身して屋敷に帰るのであった。

 久しぶりに軽くなった体をかみしめつつ変身を解いて先ほどの大赦職員の言葉を思い出す。

 

「『ぼくがかんがえたさいきょーのゆうしゃ』か...」

 

 結論から言うとそんなものを作るのは不可能である。現状が最強だから...俺が望めばその機能が追加されているのならばもうその時点で最強だろう。そしてその状態にもかかわらず大赦職員が最強でないというのなら原因は俺の意識にある。どこかで俺がこれはさすがに無理だと...そう思うことでリミッターをかけているのだろう。

 

「だけどいいことを聞いたな」

 

 俺が望んだことが叶うのならば俺が不便だと思うことを解決できるようになるはずだ。そう例えば俺が女になるこの現象とかね...!

 

「いや待て、俺が女じゃなくなったら誰が子供産むんだってことになるな...よし!女になる期間を一か月から一週間にしよう!」

 

 この時なぜ三日とかにしなかったのか、おそらく意識的に神に許されないとでも思ったのだろう。

 

「あとさすがに花がカードに描かれているんじゃなくて顔が映っている感じにしたいよね~」

 

 なぜさっきからしゃべっているかというと思っているより言葉に出したほうが実現されやすいと思ったからである。

 

「ついでに花の名前を読み上げるんじゃなくて普通に名前にしてほしいなー」

 

 それを発している俺のテンションは神龍に美容のことをお願いするブルマのようにさぞ叶えてもらえるのが当たり前と思っているような軽い口調だった。

 とりあえずぱっと思いつくような願いはこのくらいか...そう思いながら家事をしようとベルトを取り出す。

 

「変わっているだと...⁉」

 

 神様によるアップデートは光の速さで終わったようで、取り出したカードには仏頂面の俺の顔が写っていた。

 

「仕事早すぎだろ...まぁいいか」

 

 困惑しながら頭を掻き片手でサイドハンドルを引っ張りバックルを回転させる。そしてあらかじめ取り出しておいた『ブレイブライドひなと』を取り出しライドリーダーに装填した。

 

『BRAVERIDE...』

 

『ひなと!』


そうして勇者は女になりながらものほほんと余生を過ごした...わけがなかった。体の状態が勇者の姉以外二十で止まった。最年少の勇者が二十歳になった瞬間、勇者はほぼ性奴隷になって死にそうになり、六人の子供を一気に孕んだ。そして死にそうになって六人産んだかと思ったら今度は育児、家事、性奴隷の生活を両立しなくてはいけなくなりまた死にそうになった。そしてあっけなく五十で息を引き取った。


 

「いやぁお疲れ様~ある程度救えたようで何より」

 

「久しぶりにその姿を見たぞ」

 

 そうつぶやく俺の前にはアクア...まぁ実際にはアクアではないのだがとりあえず俺を転生させた張本人がいた。気づけば俺の体は転生前のものとなっていた。

 

「ハーレムとはいえ悲惨な人生だったね」

 

「結構楽しかったよ?」

 

「うわメス堕ちかよ...そんな睨まないでくれ...でも実際メス堕ちしてたじゃん」

 

「そういう時は謝罪だけでいいんだぞ」

 

「あなたには二つの道がある」

 

「無視かよ」

 

 少し図星を突かれて反論したのに無視された俺は肩をすくめた。

 

「輪廻転生の輪に入るか、またみんなと会えるように魂を神樹に捧げるかだ」

 

「魂を捧げよう」

 

「すぐ答えたねぇ」

 

「当たり前だ。きっとみんな捧げるだろうし...俺だけ捧げなかったってわかった時の来世が怖い」

 

「全員で何回も回されたことが相当トラウマになっているようで」

 

「だって俺大赦が死にそうになった時に勇者に変身するっていう神アプデ実装してなかったら死んでたんだよ...?」

 

「わかったから少し涙声になるのはやめた前」

 

 恐怖とトラウマで震えている俺に対し目の前の神は少々慌てたように言った。

 

「それで魂捧げるというのならば前に来なさい」

 

 玉座っぽいのに座り足を組んだアクアが手招きをした。俺はおとなしく従いとぼとぼとアクアの前へ移動した。アクアは頭に手を置き一言呟いた。

 

「ごめんね」

 

 その瞬間俺の意識はなくなっていた。




のわゆ編終わり。
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