上里ひなとはts勇者である   作:エフさん

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スイッチ2当たらんなぁ...
当たったら1をゆゆゆい専用機にするんだけど...


第三話

「~♪」

 

 音のする方向を見ると園子が鼻歌を歌いながらサンチョを抱きしめていた。俺の驚いた声により起きた園子は父親から今日俺が泊まるということを聞いてからこの調子なのだ。なんでもお友達とお泊りするのが初めてだからこんなにご機嫌のようだ。しかも同じ部屋で寝るらしい...ベッドも大きいから同じベッドで寝るそうだ。まぁ俺らはまだ幼児...普通のことだろう。

 マジで許さんぞ親ぁ...置いて行かれたことに対して俺は怒っているのではない。こういうのはいったん本人に

 

『勝ちゃんお友達出来たんだ。よかったねぇ~それじゃあせっかくだしお泊りでもしていく?』

 

 みたいな確認があるべきではなかろうか?まぁつまるところものすごい険悪な雰囲気の中お泊りになっていたらどうしてくれんねんということが言いたかったのである。まぁそんな雰囲気にはならなかったため結局許可がなくてもよかったわけだが。それにしても俺、もしものことを考えて怒ってるものすごい面倒くさい奴になっているのでは?まぁいいか

 

「勝っちゃ~ん」

 

 俺がしょうもない怒りを抱えていると園子が話しかけてきた。それに俺は目を合わせ、相手の次の言葉を待った。

 

「一緒にお風呂入ろ」

 

「入らないよ⁉」

 

 思わず食い気味に返す。この子は何を言っているのだろうか?何幼児って性別の違いをあまり気にしないの?

 

「え~この国には裸の付き合いっていうものがあるんだよ?」

 

 あっけらかんと答える園子。俺はため息をつきながら頭を抱えた。

 

「どこでそんなこと聞いたの?」

 

 俺は頭を抱えながら聞いた。すると園子は本棚を指さした。またこの子は本による悪影響を受けてるのか...マジ全部撤去したほうがいいんじゃないか?

 

「そういうのはね同じ性別同士でやるものなんだよ?まぁ結婚とか恋人同士ならしてもいいと思うけど...」

 

「ん~?そうなの?」

 

 園子はぽかんとしながら聞いてきた。

 

「そうだよ」

 

「でも私が読んだ本は違う性別でも入ってたよ?」

 

「園ちゃん?いい?あまり本のことをうのみにしたらだめだよ?フィクションイベントって言って現実じゃそうそう起きないことも現実で当たり前に起きているように書いてある場合があるから」

 

「例えば~?」

 

「例えば...例えばか~...」

 

 俺はいい例があるかと再び頭を抱え思考をめぐらす。こうして考えてみるとすぐに出てこないものである。というか俺も前世は幼馴染(異性)の家に泊ったし、風呂も入ったからなぁ...さすがに初対面で入ってないけど。というか初対面がいつだかわからん。さすがに異性で一緒にふろに入る(幼児)はフィクションイベントとは言えないのかもしれない。というか俺は何をためらっているのだろう?たかが子供の裸。何も感じることはない。俺は大人とは言えないが、さすがにこんな子供に欲情するほど子供ではない。ただなんだ?このいけないことをしてしまうような気持ちは...?体に精神年齢が引っ張られているのと変に性知識があるせいだろうか?

 

「確かに...違う性別で入ることもあるけど...それは子供同士で決めていいことじゃなくて親が『一緒に入れ』っていう風に言って、不可抗力で入るものなんだよ。だから...その...子供同士で入ろう!って決めてはいるのは...フィクションイベントなんだ!」

 

「例えになってないんよ~」

 

「...」

 

 そういえばフィクションイベントの例えを聞かれていたんだった...

 

「まぁ...例えはもういいんよ~。お父さんのところ行ってくるね」

 

「え...」

 

 俺が驚いて声を出したころには園子は部屋から出ていた。俺も部屋を出て左右を見渡すが園子の姿はもうなく、ついていこうとして迷子になるのが目に見えた俺は部屋に戻って本を読むのであった。

 

 

 

 

「もうすぐご飯だし二人でお風呂でも入ってきなさい」

 

「...」

 

 俺は父親の後ろでニコニコとほほ笑んでいる園子をガン見した。

 

「...わかりました。でも俺着替え持ってきてないんですけど...」

 

 俺は腹をくくった。まぁもう一度言うがたかが子供の裸である。大丈夫...ダイジョウブ

 

「それについては心配は及ばない。先ほど君の母親が来て着替えを持ってきてくれた」

 

 そう言って園子のお父さんは手提げバックを俺に差し出した。ご丁寧に明日の着替えだったり来ていたものを入れるビニール袋も入っている。

 

「ハハハ...アリガトウゴザイマス」

 

 まぁさすがに幼児だし親も特に反対する理由はないよね。

 

「着替えもゲットしたことだし早速お風呂にレッツゴーだよ~」

 

 はしゃぎながら園子は俺を大浴場まで引っ張った。

 

 

 

 

 五分ほど歩いてようやく大浴場の目の前にたどり着いた。てっきり女湯に連れ出されるのかと思ったが、それが分かれているのは従業員らしい。まぁ園子が入る風呂だし家族用だか個人用のものに入るのが普通ってものか...扉を開け脱衣所に入る。中は園子の部屋と同じような広さだった。この場合園子の部屋が思ったより狭いのだろうか?それとも脱衣所が家族用だとしてもせいぜい同時に四人ぐらいしか使わないのに広すぎるのだろうか?あまり園子のほうを見ないようにしながら服を脱いで浴場に足を運ぶ。扉を開けたらそこには馬鹿でかいお風呂が一つあっただけだった。意外である。てっきりでかい風呂が何個もあると思っていた。あ、もちろん体を洗うところはあるよ。お互い無言で体を洗う。ホラーな本を読んでいたせいか、お泊りのせいか冷や汗が出ていたためそれを流せるため少し気分がよくなった。

 体を洗ったためいよいよ湯船につかるわけだが、縦横深さ二十五メートルプールくらいありそうな風呂だ。俺らは身長が低いため、湯船に入るための階段ぐらいしか入れるところはなさそうだ...というか今更だが傍から見たら園児二人しかいないのにふろに入ってもいいのだろうか?普通に危なくない?と思ったがドア付近に人影が見えるので大丈夫だろう。人の気配を感じ安堵していると園子がゆっくりと息を吐きながら湯船につかった。無言の時間がしばらくと続いた。裸の付き合いといってもしゃべらなければ親睦も深まらないのではなかろうか?そう思っても、であってすぐの俺らに話題なんてものは存在しないのだ。

 

「私ねぇ...友達いなかったんだぁ...」

 

 身の上話という話題が存在した。

 

「お、おう...」

 

 反応しずらい身の上話である。

 

「だからね、私今日、いっぱい初めてのことができてうれしいなぁ~」

 

「そっか」

 

 適当な相槌しかできない自分に嫌気がさしそうだ。だがそんな俺を園子はあまり気にしていないようだ。

 

「あと私あまり外に出ないから、常識がよくわからないんだよねぇ...一応、本でそれを学んでいるつもりではあったんだけど勝っちゃんが言うにそれもあまり信用しない方がいい物らしいし...」

 

「別にいいと思うよ...自分が正しいと思ったことを信じたらたいていは正しいと思う。園ちゃんの場合は」

 

「そうなの~?」

 

「まぁそうじゃないとしても、そのいい意味で非常識さが魅力にもなるんじゃない?」

 

 幼児相手に俺は何を言っているのだろうか?

 

「そうなんだ~。あ、そういえば今日ちょっと安心したんだぁ」

 

「なにに?」

 

「私ってどうなんだろってこと。友達がいなかったから同い年の子ってどんな感じに成長しているんだろう...って思ってたんだ~。変な感じに育っていたらこの先大丈夫かな~って思ったりもしてたんよ~。でも今日勝っちゃんと話してみて、あまり私は変に育ってないなぁ~って思えたんよ~」

 

「(変な子に十分育っていると思うけど)変に育ってるって思った理由でもあるの?」

 

「ん~とね~使用人さんたちが漢字読めてすごいね~っていっつも言ってくるんだ~。でも今日勝っちゃんに聞いてみたけど勝っちゃんも漢字読めるし~これって普通のことで、使用人さんたちが褒めすぎなんだって思ったんよ~」

 

「ハハハ...」

 

 俺は乾いた笑い声しか出すことができなかった。空間は湿気しかないのに...

 それから先のことはあまり覚えていない。気が付けば乃木家の食卓でものすごいおいしい料理を食べていた。お母さんには申し訳ないがシェフってすごいなぁって思ったりもした。

 ご飯を食べ終わると園子は急いで俺を部屋まで連れ戻した。何か用があるのかと聞いてみると

 

「ここからがお泊りの醍醐味...真っ暗な部屋で眠くなるまで話すんよ~」

 

 という返答が帰ってきた。つまるところただ寝るだけである。果たして寝るだけが醍醐味なのだろうか?また変な小説に引っ張られているのだろう...

 俺たちは歯磨きを済ませて電気を消してからベットへと向かった。園子がダイブしてベッドインし、サンチョを抱くのを眺めながら俺は恐る恐るベッドの上に行った。

 ベッドインして数分、俺がサンチョを抱いている園子をずっと見つめていたらサンチョが欲しいと思ったのだろう。自分が持っていたものを渡すかと思ったらそこらへんに転がっているものを渡してきた。ちょうど抱き枕が欲しいと思っていたところだ、ありがたくもらっておこう。俺は思いっきり渡されたものを抱きしめ顔を埋めた。柔軟剤のにおいがした。そして相変わらず話題がないため俺らは無言の時を過ごす。少し居た堪れなくなってきたため俺はさっきの誤解を解くことにした。

 

「さっき漢字読めるのが普通って園ちゃん言ってたよね?」

 

「うん。言ったよ~」

 

「たまたま俺が読めただけでね?実際は普通じゃないんだ...」

 

「そうなんだ...」

 

 園子は少し残念そうに声のトーンを落とす。

 

「多分園ちゃんはこれからもっと勉強して周りの子とは全然違う感じに育つと思う。でも周りに合わせなくていいと思う」

 

「思うばっかだね~」

 

「...そうだね、俺もよくわからんし。あんまり期待して欲しくはないけど、独りぼっちが嫌だっていうなら俺が頑張って勉強して追いつくよう努力するよ」

 

「ほんと?」

 

「うん」

 

「じゃぁ私もっと勉強する!いろんな本を読んでいろんなことを学ぶね!」

 

「ちょっとお手柔らかにしてほしいかな...」

 

 これ以上今からいろんなことを学ばれたら月と鼈を通り越すからほんとに手加減してほしい。気分が落ち着いたのか園子はすぐに寝息を立てた。

 

(なんてことを言ってしまったのだろうか...)

 

 ほぼ園子が本編通りに育ってくれることを祈って変に周りに合わせないように言った言葉を思い返す。園子に追いつくということは小学校で高校レベルのものを解けるようにならなければいけない。義務教育などでとれる知識だけではなく雑学もつけなければいけない。現状そこそこアドバンテージはあるが俺はそこまで頭のいい学校に通っていたわけではない。すぐにこのアドバンテージはなくなっているだろう。どこかの本で読んだが、幼少期は物覚えがよくなるそうだ。家に帰ったら武術の訓練も始まるそうだがその合間に三百年の間に増えた歴史、俺がそもそも覚えていない歴史、その他諸々。とりあえず義務教育までを完璧に仕上げていくことを目標にしてから高校の内容に入ってそこから雑学だな...

 一気に忙しくなる人生計画を立てながら俺は夢の世界へと誘われた。 




正直頭いいキャラは書く上で困るからほんとに嫌。え?文章から馬鹿がにじみ出てるから今更ですよ?ハハハ...
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