明日のヒーローアカデミア/White Rabbit Compassion   作:软糖哭泣

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戦火の哀歌

 

火蓋は切られた。

 

「ドクター。作戦通り各員ヒーロー並びにロドス勢力を目視にて確認した。」

ACEがそう無線で伝えてくる。

 

「あぁ。では作戦通りに各隊長の指示に従いヒーロー勢力を優先的に排除しろ。」

ドクターは、疲れきった声でそう言う。

 

ヒーローside

 

「今回の作戦ではヒーロー達には一般人の避難と便乗してくるヴィランの食い止めを行ってもらう。」

ケルシーは簡潔にそう作戦を伝える。

 

「1つ質問を」

相澤が、手を挙げケルシーに聞く。

それに答えるようにケルシーは手を相澤に向け話すように促す。

 

「今回の作戦ではそちらの作戦の内容が確認取れません。協力関係というのならそちらの作戦も提示していただきたい。」

相澤の意見は全くその通りでありケルシーは周囲から説明を求められる。

その時のケルシーは、言いたくなさげに重い口を開ける。

 

「我々はレユニオンムーブメント並びにロドス元勢力の完全な殲滅並びにドクターZEROの抹殺が任務となっている。その為君達がヴィランと一般人を避難ないし無力化出来た後に直ちに殲滅を行いドクターの個性を消耗させる。その後個性の使えなくなったドクターを、そのまま抹殺する。」

ケルシーの発言にオールマイトが反応する。

 

「ちょっと待って欲しい!つまりそれは…叶夢少女が、完全に無力化されたとしても殺すということか…」

オールマイトは、動揺しケルシーは、目をそらす。

 

「それしか、方法がない。ただそれだけだ。」

ケルシーはそう突き放すように言う。

 

「だが!殺す事なんて我々には納得出来ない!」

オールマイトがそう言い周りのヒーローも同調する。

 

「では、あなた達に一体何ができるんですか?」

アーミヤの冷たい口調でヒーローに言う。

 

「我々は人を助けるためにヒーローになった!殺すためでは無い!」

オールマイトは尚もロドスを否定する。

 

「なら貴方たちが我々の世界の差別を無くしてください。我々の世界の鉱石病を治してください。天災を止めてください。海の怪物に怯えずにすむようにしてください。全ての国がおのが利益のみを追求するのを止めてください。テラに住む全ての人間の誤解を怒りを悲しみを何とかしてください。」

アーミヤは淡々とオールマイトに言う。

 

「ッ!」

オールマイトは言葉が詰まる。

 

「できませんよね?出来るわけがないんです。」

アーミヤの、感情を殺したかの様な目がオールマイトに向く。

 

「私の先代は私よりも力があり、求心力があり。素晴らしい指導者でした。ですがそんな彼女でも何も成し遂げられてはいません。我々がどんなに時間をかけてどれだけ努力しても何も変わらないんです。けれど進むしかないんです。」

 

「だが!それでも殺すなんて!」

オールマイトは、尚も噛み付く。

 

「ドクターを殺す。その事に意味があるんです。我々にはもう選択肢がありません。」

アーミヤは、悲しそうな顔をする。

 

「だが他に方法が…」

オールマイトは顔を歪めながら言う。

 

「ドクターは、我々の希望です。そして私の大切な仲間なんです。けれど私たちの世界は彼女の生存を望んでいません。やるしかないんです。もうそれしか解決方法がないんです。例へ貴方方がやらなくても私はやります。貴方方の価値観で我々の問題は解決できません。」

アーミヤが語気強めに言う。

 

「わかって欲しいとは言いません。ですが、我々はこのロドスアイランドを守る為にどんな困難でも立ち向かいます。」

アーミヤは、真っ直ぐヒーロー達を見て

 

「もし避けられる戦いならば沈黙を護り。それが必要な戦いなら最後まで戦い抜くそれが我々ロドスのゆく道です。」

あまりの覚悟にオールマイトを含め口を噤んだ。

 

「納得はしなくとも理解は出来たか?この作戦はここにいるプロヒーロー並びにロドス関係者以外他言無用だ。では作戦に取り掛かってもらう。」

ケルシーの冷たい言葉にプロヒーロー達は思う所があっても何も言えなかった。

 

作戦開始

 

プロヒーロー達は市民の誘導を完了した。

気味が悪いぐらい敵勢力は、手を出してこなかった。

 

「僕達の行動はもう確認が取れてるはずなのにどうして手を出してこないんだろう…」

緑谷が不思議そうに首を傾げる。

 

「知るか!あんな陰険女の考えることなんてこっちが真面目に考えるだけで無駄だ!」

爆豪がそう声を荒らげる。

 

「でもヴィラン連合も何もしてこない…不気味だわ…」

蛙水がそう周りを見渡す。

 

「「grrrrrrrrrrrrrrrー!」」

雄叫びと共に大盾を持った大男が先頭に後ろにも同じように盾を持った兵がヒーローに向かってゆっくり詰め寄ってくる。

 

「あれはパトリオット…!」

相澤が彼の姿を認知する。

 

「aaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

パトリオットが拳を高く揚げ周りを鼓舞する。それに答えるように後ろの兵も雄叫びを上げ歩く。

 

そしてヒーロー達はその覚悟の違いをまじまじと見る事となる。

レユニオンの登場はあった方がいいですか?

  • パトリオットのみでいい
  • ある程度は登場させる(主要メンバー)

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