明日のヒーローアカデミア/White Rabbit Compassion   作:软糖哭泣

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叶夢零オリジン

叶夢はあの日オールマイトとオールフォーワンの戦った場所で静かにそして重く立っていた。

A組の一部とその他少しのヒーローが彼女の逮捕の為にその殺戮者の元へ赴く。

 

「ヴィラン叶夢、君を捕まえさせて貰うよ!」

 

ヒーローが1人叶夢にそう言う。そして個性を使用しながら接近。

その瞬間

バーン

銃声と共に突っ込んだヒーローは絶命する。

容赦なく頭を吹き飛ばした叶夢ヒーロー達に緊張ど動揺が走る。

 

「私を小娘と思って舐めているのか?人を殺すのになにか躊躇するとでも思っていたのか?私はタルラでなくとも躊躇いなんてしない。」

叶夢は静かにその口を開きヒーローに問いかける。

同時にその様子は全国の放送に流れ始めた。

正義感に目覚めた報道者は、この現状を伝えようと命懸けでこの場にヘリを飛ばしたのだ。

 

「叶夢さんどうして?どうして僕達を殺すんだ?」

緑谷が叶夢に質問する。

 

「それが納得する答えなら君達は大人しく死んでくれるか?」

叶夢は話す気がないと言ったように突き放す。

 

「性悪女と話してても何にもなんねーよ!!しねー!」

爆豪が叶夢爆破で足元の自由を奪う。

 

「っ!」

叶夢はよろけながらじぶんの足を叩き無理矢理義足の向きを変え救護を専門とするヒーローに狙いを定めて銃を放つ。その弾丸は命中しメディックは悶えながら自分の首に打たれた弾痕を治療する。だがその傷がなかなか治らない。

 

「な…ん……」

しばらくしてメディックは完全に動かなくなる。

 

「これは殺し合いだルールなんて存在しない。私はお前達全員を殺すその為に外道と呼ばれる程度の汚名は喜んで受け入れる。」

そう言って新しいマガジンを装填する。

 

「気おつけろ!奴の撃つ弾は何かしらの毒性の物だ!」

そう相澤が周りに注意を呼びかけながら交戦する。

 

 

ーーー

戦いは泥沼化していく。そもそも数の暴力。叶夢側は1人個性はもう使えない。

 

ただ足掻きとも言える攻撃が確実にヒーロー側に大きなダメージを負わせた。

 

殉職したヒーローはざっと半分生き残っているのはヒーロー科の面々と一部のヒーロー達。

 

運良く生きてるランク外のヒーローは叶夢の異様な殺気に当てられてもう立つのが限界になっていた。

 

だがそれは叶夢も一緒だった。

 

叶夢は大きく肩を揺らしながら息を整える。

 

「はぁ…はぁ…まだ…だまだ…負ける訳には行かない。」

その執着に緑谷は恐怖し聞き返す。その恐怖は、彼女を救いたいと願う緑谷が彼女が死んでしまうと感じた恐怖に自分が死ぬのではないだろうかと感じる矛盾した恐怖。

 

「もう辞めよう叶夢さんこれ以上戦ってもいずれ僕達が勝つ。もう終わりにしよう。」

緑谷は心の底から叶夢にそう言う。

 

「何千…何億」

叶夢がそう口にする。

「?」

緑谷は叶夢の言葉に疑問符を浮かべた。

 

「何億もの人類を何億もの期待を何億もの願いを何億もの想いを私は背負っている。」

叶夢はキッと自分の意志を確かめるかのようにそう告げる。そしてその言葉にヒーロー達は思わず手が止まる。

 

「何億もの命が救えるかもしれない。犠牲になった者に報いることが出来るかもしれない。そんな可能性があってお前達は止まるのか?」

叶夢は緑谷に初めて問いかける。

 

「それじゃ僕達の世界の人間はどうでもいいのかい?叶夢さん…皆が手を取り合って救える命だって…」

「あると思うのか?あの世界を見て?まだそんな事思うのか?」

緑谷はあの日見た光景を思い出す。

 

「難しいかもしれない時間が掛かるかもしれない。でもそれが人の営みならできるはずだ。」

「理想論だな…」

叶夢は嘲笑するように吐き捨てる。

 

「緑谷…人間はお前が思うより醜くて汚い。」

「叶夢さん人間は君が思ってるより残酷じゃない。」

「緑谷…人間はお前が思うより強くないんだ。」

「叶夢さん…」

初めて聞く叶夢零の弱音。

 

「それに、私がここで引くことは私の生き方の全否定だ。」

緑谷は発せられた殺気に身構える。

 

「私は彼らを救わなければならない。私は彼らの帰る場所を作らなくてはいけない。」

叶夢は銃弾を装填しながらゆっくり歩き出す。

 

「もう既に時間はかけた!いやかけすぎた!」

叶夢が吠える。

 

「私がここで引いたら、今まで犠牲になったものは何の為に死んで行った!託されたものを捨てることができるものか!私が払ってきた犠牲は、私が殺すしか無かったあの子達は!」

叶夢は声を荒らげながら銃を撃つ何発かヒーローにあたりはじめてヒーローは再び叶夢と戦闘を繰り出す。

 

「未来を明るく語った子が明日を迎える前に死んで行く!無意味になんの価値も無かったかのように!平和を享受する貴様らに我々の何がわかる?!」

叶夢の怒号に緑谷を始め多くのヒーローはヒーロー殺しと同じいやそれ以上の気迫を感じる。

 

「誰かがやらなくてはあの子たちの未来を作れない!目の前にあの子達が安心して過ごせるかもしれない未来があるなら!私は何を犠牲にしてもそれをなす!偽善では何も救えない!全てを救う事はできない!我々が幸せを享受するのであるなら君達には不幸になってもらうしかない!それがただの対象のすり替えでもそれで私達の世界の人間が救われるなら!私は君たちを殺す!」

 

「叶夢さん!」

緑谷は何か言いたげに叶夢に呼びかける。

 

「私が守るべきなのは私の世界の人間だ!私の世界の住人だけが対象だ!お前達は対象外だ!」

叶夢ボロボロになりながらそう叫ぶ。

 

「あの世界をまともにする!あの世界に生きる全ての人間が、鉱石病に怯えない世界をつくる!それこそが私が両親を殺した時に誓ったあの世界への復讐だ!」

叶夢怒りは理不尽に対する怒りそれは正義ではなく復讐。誰かを救うことでの復讐。そのあり方にヒーロー達は困惑する。

 

「私達は多くの物を犠牲にしてきた、多くのものを見捨ててきた、あまりに大きい決して許してはいけない取捨選択をしてきた!私達は許されてはいけない!だが、子供達は未来ある彼らの罪はない!繰り返してはいけないここで断ち切らなければ!せっかくチャンスが目の前にできた!私達がのぞみ続けた未来が!」

叶夢はヨロヨロになりながらそう怒鳴り続ける。もう誰がどう見ても叶夢に勝ち目はない。叶夢はよろけて膝を着く。

 

「ッア゙!!!!!」

彼女の足はありえない方向に曲がっており。もはや歩くことさへ困難になっていた。

 

「もう終わりにしよう叶夢さん…」

緑谷は泣きそうに叶夢に近づく…

 

「あぁ…そうだなもう終わろう。」

叶夢はゆっくりと足を引きずりながら後ろに後ずさる。

 

 

 

 

グサッ

 

 

 

 

「え?」

緑谷は目の前で起きた事が理解出来無かった。

目の前で叶夢がアーミヤによって刺されていた。

 

「ドクター…もう…もう…良いんです…休んで…休んで良いんですよ…」

アーミヤが泣きながら剣を突き立てる。ドクターを、守ると誓ったその剣で。

「あぁ…そうか…もう休んでいいのか…あぁ…アーミヤ…大きくなったな…」

「ッ…!」

たった2語誰にも聞かれな声でそう言葉を交わし。

 

「さようならドクター…」

「ありがとうアーミヤ」

そう言ってアーミヤはすぐに他の倒れているケルシー達を連れて転移装置で転移する。

 

 

 

 

 

 

「叶夢さん!!!!」

緑谷は慌てて叶夢の元へ駆け寄る。その他の同級生もヒーロー達も

 

「おい!性悪女!何勝ち逃げしようとしてんだ!」

爆豪を始め叶夢に怒号の様に呼びかける。中には涙を流しながら訴えかける者もいた。

そんな中叶夢は緑谷の手を払いうつ伏せになり手を伸ばす。

 

 

 

「叶夢さん?」

「あぁ…皆…ごめ…私も…今…そっーーーーーーーーーー」

そう残し叶夢は絶命した。

そしてその遺体は氷のように砕け空を舞った。

それはオリジニウムではなくただの肉片。

もう既にドクターの体は限界を超えていた。

 

この日の戦いはヴィランの中でも極悪非道とも呼べる存在との戦いであった。だがこの戦いで一点のおかしな点をあげるのであれば、誰一人としてヴィランを倒したと思えなかった事。

そして戦いの後誰もテラの住民と出会わなかった事。

まるで全てが泡沫に消えた様になり。ヒーローは、大悪人ドクターZEROの排除に成功した。

だが、彼女を知る者は皆言葉を詰む。

その在り方にどうすればいいのか分からないから。

雄英高校はその筆頭だった。

彼女の死を憂う催しは誰もしない、してはいけない事になった。雄英生徒も先生も誰一人として。

彼女の死が喜ばれなければいけないのだから。

ヒーローでは何も救えなかった。

彼女の背負う物が大きすぎて…

誰も雄英生であっても、プロヒーローであっても

本当に世界が違うのだとなんでも出来ると勘違いした彼らはその現実を突きつけられる。

その事実が雄英生にとっては何よりも苦痛だった。

 

レユニオンの登場はあった方がいいですか?

  • パトリオットのみでいい
  • ある程度は登場させる(主要メンバー)
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