鬼畜王じゃないランス   作:F-Shinji

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第2話:王となった俺は生き残る為にレベルを上げる

 

 

 

 

「ランス王ッ!」

 

「えっ? バレス将軍と……」

 

「ハウレーン・プロヴァンスか?」

 

「はい」

 

 

メナドと並んで城内を歩いていると唐突に声を掛けられたので、振り返るとプロヴァンス親子が居た。

 

おっさんの方は戦争では非常に"使える"男だが、ハウレーンの方は正直微妙だった気がする。

 

しかし仏頂面ながら物凄く美人なので見とれた為、呟く様に名を漏らすと軽く会釈するハウレーン。

 

こりゃ(自称)女を捨てたとは到底思えない……ッとそんな事より、この意外な遭遇の対処だ。

 

 

「メナド副将と、どちらへ参られるのですかな?」

 

「え~っと、それはだな~」

 

「お、王様……?」

 

「いや隠しても仕方無いか。ちょっくら迷宮にでも潜ろうと思ってる」

 

「何と!?」

 

「な、何故即位されて間も無いと言うのに、迷宮などへ行かれるのですかッ?」

 

「単純に鍛錬の為だ。リックにも言ったが、大分鈍ってるからな」

 

「!? それでは、やはりヘルマンから逃れて来られたと言うのは……」

 

「バレスも知ってたのか」

 

「お、王様が……ヘルマンから?」

 

「どういう事なのですッ?」

 

「良く聞くのだ2人とも。ランス王はヘルマンにて"悪"と戦われていたが多くの仲間を失い、何とか此処リーザスに逃れて来られたのだ。故に捕らえられた仲間達を救う為……そして、世界を統一し全世界の人間を救う為に立ち上がられたッ! うぅっ……御立派で御座います!!」

 

「いや……別に」

 

 

――――只盗賊をしてたダケだと思うが、大方リアが尾鰭を付けてバレスが過大評価したっぽいな。

 

 

「しかし戦(いくさ)など儂らに任せて置けば良いモノを……自らも強く在ろうとする上……あまつさえ、危険な迷宮に潜られるなど……ずびっ……爺は感動の余り涙が止まりませぬッ」

 

「ふわぁ~」←メナド

 

「ち、父上。涙と鼻を拭いてくださいッ!」

 

「すまぬ……ハウレーンよ……」

 

「じゃあ、そう言うワケだから俺達は行くぞ?」

 

「!? お待ちくだされ、ランス王!!」

 

「うん?」

 

「バレス将軍?」

 

「王さえ宜しければ、娘を……ハウレーンを連れて行っては貰えませぬか?」

 

「えぇッ!?」

 

「何だとォ?」

 

「父上!?」

 

「あ~ッ……本当に良いのか? 副将が揃って不在になっちまうが」

 

「主君を守るのも騎士としての勤め。娘にも良い経験になりましょう」

 

「俺は別に構わないが……ハウレーンは良いのか?」

 

「御命令と有らば」

 

「じゃあッ!」

 

「決まりだな。宜しく頼む」

 

「か、畏まりました(……ランス王には悪い噂も多かったが、所詮は噂だったと言う事か……?)」

 

 

そんなワケでバレスの爺さんの御蔭で、ハウレーン・プロヴァンスも付いて来る事になってしまった。

 

確か才能限界は30後半程度だった気がする……人類としては十分に高いから戦力になりそうだ。

 

勿論、今の彼女からは原作で有った反乱による敵対心は皆無であり、王として認識してくれている様子。

 

原作ではランスの所為で堅物なイメージしか無かったが、一連の会話ダケでも割と表情が変わる事が多くて新鮮だった。

 

しっかし、イキナリ女性3人と一緒に冒険か~。

 

かなみとダケの予定が、随分とズれちまったなァ。

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

城下町へ出ると……メナドとハウレーンと共にアイテムを購入した。

 

主に世色癌3と竜角惨、そして食料を中心にだ。

 

うち竜角惨はぶっ壊れ性能なので割と高価だったが、王様なので無問題。

 

ちなみに"まんが肉"はデカくて重いので買っていない。

 

資金面では苦労しなさそうでも、持てるアイテムの数ダケはゲームに勝てそうもない。

 

んで道具屋を出ると"うし車"の手配を終えたかなみが現れたので、今は4人で目的地へと歩いている。

 

尚、メナドとハウレーンが加わった事を知った彼女には、俺と二人きりにならなくて良かったと皮肉を頂いた。

 

 

「それにしてもランス」

 

「なんだ?」

 

「暢気に迷宮探索なんかしていて良いの?」

 

「……普通に考えたら無いなァ」

 

「だったら分かってるでしょッ? 貴方が王様になって不満を言う貴族の連中も多いわ」

 

「その辺はマリスに任せれば大丈夫だろ」

 

「うッ、否定できないかも……」

 

 

――――実際クーデター後に大きな暴動が起きなかったのも、殆どはマリスの御蔭なんだろうしな。

 

 

「まぁ、反乱なんか起こす奴等が居ても黙らせてやるけどな(……実際そうしてたし)」

 

「ハァ……やっぱりランスらしいわ」

 

「そうか?(……何処がだよ……)」

 

「…………」

 

「…………」

 

「うん? どうしたんだ? 2人とも」

 

「え、えぇ~と……王様とかなみちゃん、随分と仲が良いな~って」

 

「彼女はランス王が即位される前からの、旧友だったと言う訳ですか?」

 

「……まぁ、そんな所か?(3とか4でどう接してたか知らんが)」

 

「ち、違うでしょッ? 今迄は任務だから組んでたダケ!! 別に仲が良いワケじゃ無いからッ!」

 

「あァ……考えてみれば、そうだったな」

 

「えっ!? お、王様は納得しちゃうの?」

 

「むぅ(……ランス王……いまいち分からない方だ)」

 

 

≪かなみか? コイツは俺様の女なのだッ! がはははははは!!≫

 

 

「(普通なら ああ言う筈なのに……や、やっぱりランスらしくない気がする……)」

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

"うし車"でそれなりのスピードで街道を駆け、俺達4名は4日で"魔物の洞窟"にへと辿り着いた。

 

そして迷宮へと侵入し、モンスターを蹴散らしながら奥へと進んでゆく。

 

どんな仕様なのか心配だったが、普通に楽勝みたいだな~。

 

もし軍隊で攻略するなら、一層一層のモンスターを全滅させてから次の階に降りるのが基本。

 

だが大佐ハニーとかが纏める高難易度のダンジョンであれば、防御して多くの味方を犠牲にしつつ切り抜けなければならない。

 

されど今回は両方とも違ったみたいで、遭遇したモンスターだけを倒す小規模の闘いを繰り返していた。

 

 

「何か居るな……かなみ、見えたか?」

 

「あれは"マーダー"よ!」

 

「お、大きい~ッ」

 

「(迷宮ボスだな)メナド、ハウレーンッ! 魔法に注意しろ、初撃は俺が抑える!!」

 

「はいっ!」

 

「承知ッ!」

 

『"ディーゲル"!!』

 

 

≪――――ドオオォォンッ!!!!≫

 

 

「ぐわっ!?」

 

「王様!? ……このっ!」

 

「はぁあッ!!」

 

 

流石は迷宮ボスだ……これまでの雑魚とは一味違う。

 

出会い頭の攻撃魔法は結構カラダに堪えた。

 

まだ弱い部類のボスとは言え、一回の攻撃で20人は戦闘不能にするしな~。

 

元気に居座ってた時点で、普通の冒険者じゃ勝てないのだろう。

 

けどリーザス上位のメンバー3人を含む俺達が易々と殺られるハズは無く、先ずは2人の騎士が斬り込む!

 

 

『…………』

 

「か、硬い!? 違う、鈍いのかな?」

 

「それに……詠唱しているのか?」

 

「かなみッ!」

 

「――――しッ!!」

 

 

剣攻撃に続いて、かなみの放った手裏剣がドスドスと直撃する。

 

"ビスマルク"か"メッサーシュミット"か知らんが大魔法を撃たせると危険なので、集中攻撃する事によりマーダーの詠唱をキャンセルさせたのだ。

 

ランス6だとキャンセルは麻痺が決まった時or確率だったが、コレは3人の攻撃によるダメージの蓄積によるモノだろう。

 

勿論、ターン制でも無いのでメナドとハウレーンの剣撃は現在進行形で続き、俺も参加する事でマーダーは装甲を次々と失っている。

 

 

『"ディーゲル"!!』

 

 

≪――――ドオオォォンッ!!!!≫

 

 

「ぐぅッ!?」

 

「は、ハウレーンさん!?」

 

「この野郎!!」

 

「まだ浅いわッ! ランス、そろそろ"何時もの"をしなさいよ!」

 

「仕方ないな……(恥ずかしいけど)……やってやるかッ」

 

『"ディーゲル"!!』

 

 

≪――――ズガアァァンッ!!!!≫

 

 

「そんなものッ!」

 

「かなみちゃん!?」

 

「メナド、ハウレーンと下がってろ!!」

 

「うッ……わ、分かりました」

 

 

マーダーは既に満身創痍に見え、長い詠唱は諦めたっぽいが、苦し紛れの反撃は強烈だったらしい。

 

その一撃を食らいハウレーンが吹き飛ばされたので、メナドが気遣う一方、俺とかなみが攻撃を加え続ける。

 

しかし巨体ながら未だ浮遊しているので、決定的なダメージが必要らしく遂に"あの技"を使う時が来たか。

 

必殺技を叫ぶとかガラじゃないので今まで使っていなかったが、かなみが注意を引いてくれているので急がなければ。

 

尚、基本的に魔法は必中なんだけど、彼女は俊足と障害物(岩)を旨く利用して魔法を防いでいる模様。

 

その発想は無かったな……流石は現実だ。

 

ゲームのシステムでは到底無理だった事を、平然と行えている。

 

……って、感心している場合じゃないッ。

 

俺は遅れて我に返ると、マーダーに向かって剣を構えながら走り出した。

 

 

『"ディーゲル"!!』

 

「クッ……まだなの!?」

 

 

≪――――ダダダダダダッ!!≫

 

 

「必殺!!」

 

『!?!?』

 

「ラーンス・アタック!!」

 

 

≪――――ドゴオオオオォォォォンッ!!!!≫

 

 

『……!? ……ッ……!!』

 

「す、凄ぉい……」

 

「これ程とは……」

 

「ふ~ッ(出来たか)」

 

「ランスッ! 何であんなに遅れたのよ!? もう少しで魔法に当たりそうだったじゃない!!」

 

「すまん」

 

「!? だ、だからランスの癖に謝らないでよッ!」

 

「……(どうしろと……)」

 

「ともかく注意してよね? 魔法なんて何度も避けれるモノじゃ無いんだから」

 

「分かったよ」

 

「…………」

 

「…………」

 

「んっ?(似たような視線が……)」

 

「な、何なんですか?」

 

「やっぱり王様とかなみちゃん……仲が良いみたいですね~」

 

「余程、信頼し合っている間柄と見受けられます」

 

「何故に」

 

「だ、だだだだから何でそうなるんですか~ッ!!」

 

「ハウレーン。食らった魔法は大丈夫だったか?」

 

「既に世色癌を飲みましたので問題ありません。それよりもランス王の御体は……?」

 

「えッ? あァ、俺も特には――――」

 

「ランスもアッサリ流さないでよぉ!!」

 

「……(かなみちゃん、ひょっとして王様の事好きなのかな~?)」

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

……攻略2日目。

 

 

「ランスさんは経験豊富とみなされ、レベル30となりました」

 

「良しッ」

 

「かなみさんがレベル33となるには残り――――の経験値が必要です」

 

「もう少しね」

 

「メナドさんは経験豊富とみなされ、レベル35となりました」

 

「やった~っ!」

 

「ハウレーンさんは経験豊富とみなされ、レベル32となりました」

 

「有難う御座います」

 

「それではランスさん、ご機嫌よう~っ」

 

 

ダンジョン内だろうとレベル神・ウィリスを呼び出しつつ、俺達は魔物の洞窟を攻略していっている。

 

昨夜は野宿をする際にランスの性格を知っているかなみがギャーギャー五月蝿かったが、迷宮内でセックスする気は起きないので黙って寝ると、彼女は呆気に取られた様子だった。

 

う~む……やっぱ普段から"ランスらしく"した方が良いのか?

 

せめて、一人称を"俺様"にしたり……

 

だがハウレーンに自分から嫌われそうな行動をしなくてはならないし、イマイチ踏ん切りがつかん。

 

まァ"ランスらしく"しなくちゃいけなそうな場面だけ装えば大丈夫な筈……多分だけど。

 

 

「さて、儀式も終わったし出発するか」

 

「そうね」

 

「それにしても、やっぱり王様って凄く強かったんですねッ」

 

「でもなあ……レベルは皆より低いぞ?」

 

「けど、アレだけ頑丈だった"マーダー"を沈めちゃった時の一撃は、ぼくじゃ絶対真似できません!!」

 

「あと20くらいレベルを上げりゃ~本来の"俺様"に戻るんだけどなァ」

 

「そうなれば更に……やはり魔人すらも倒されたと言うのも頷けますね」

 

「す、すっごいですッ! ぼく尊敬しちゃいます!!」

 

「ダメよ? メナド。ランスは煽てると直ぐ調子に乗るから――――」

 

「それほどでもないさ」

 

「ガクッ」

 

「あれ? かなみちゃん、大丈夫?」

 

 

俺が頑張れているのは殆どがレベル不相応の威力を持った"リーザス聖剣"の御蔭なんだが、何故か俺自身の強さの方が目立っているらしく、メナドがキラキラとした視線を送って来る。

 

ハウレーンも初対面時の仏頂面と比べると、それなりに表情が緩んでいる気がしないでもない。

 

こりゃ連れて来て正解だったな~。

 

リーザス城内でハウレーンと交流しようにも、世界制覇が始まった時点で機会は極端に減ってしまうだろう。

 

だけど才能限界になってからも迷宮へ連れ回す為には……『アレ』っきゃないのが今の悩みの種だなァ。

 

一方、相変わらずかなみは強いギャップを感じている様子だが、悪いけど慣れて貰うしかないか。

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

……攻略3日目。

 

 

「開きそうか? かなみ」

 

「もう少しよ」

 

 

≪――――ぱかっ≫

 

 

「これは……(予想通り)……壷だな」

 

「蓋の裏には"大魔王の壷"って書いてあるわね」

 

「何だか可愛い壷だねッ」

 

「コレが"この迷宮"の財宝と言う訳ですか」

 

「そうなるな~。つまり?」

 

「攻略終了って事ね」

 

「えっ? そうなんだ~、やったねッ!」

 

「少なからず、達成感と言うモノを味わえました」

 

「ハウレーンもか?」

 

「は、はい。この様な経験は今迄に無かったモノで」

 

「そうか……だったら今夜は"プアーの街"で祝勝会といくか?」

 

「ランスにしては良い提案ね」

 

「わ~い! ぼくもう、お腹ペッコペッコだったんですよ~」

 

「此処3日は世色癌と竜角惨が主食みたいなモンだったからなァ」

 

「……(迷宮に同行する事で、唐突に即位されたランス王を見定めるつもりだったが……)」

 

「んッ? ハウレーンは反対か?」

 

「!? いえ、とんでもありません」

 

「そうか。だったらメナド」

 

「はいッ! お帰り盆栽、使いますよ~?」

 

「……(どうやらランス王は、私が剣を捧げるに相応しい方だった様だ……)」

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

……その日の夜。

 

何気に泊まらずスルーしていたプアーの街へと戻った俺達は、4人で豪勢な夕食を摂った。

 

うちメナドとハウレーンは今迄に無い冒険だった為か、疲れが溜まっていた様で既に寝ている。

 

反面"ランス"とかなみには少し余裕が有り、今は俺の借りた個室にて彼女に指示を出そうとしている最中だ。

 

実行は明日の朝からで構わないのだが、かなみには冒険だけでなく"忍者"としての任務が残っていた。

 

 

「とりあえず"魔物の洞窟"の攻略自体は無事に終わったと伝えてくれ。だが此処で宿を取りつつ、もう2日くらいは篭ってから戻るから、リーザス城に着くのは一週間後と言う事も忘れずにな」

 

「はい」

 

「それと"ジオの街"の攻略は既に指示してるが、先陣をリックの部隊のみに任せる事にしている。削った後はバレス・エクス・メルフェイス・アスカの4部隊で一気にカタを付ける手筈だ。そんで次回の臨時徴収は(アルカノイド貝狙いで)マリスに"アランの街"を指示してるから、それらの結果を聞いてから戻って来てくれ。大事じゃない限りは、ゆっくりしていって良いからな?」

 

「分かりました」

 

「じゃあ休んでくれて良いぞ。お疲れさん」

 

「う、うん……」

 

「(さて俺も寝るかなァ)」

 

「……ッ……」

 

「何見てんだ? かなみ」

 

「えっ!? な、何でも無いわッ」

 

「そうか」

 

「そ、それじゃ――――」

 

 

……この瞬間、俺は流石にヤバいと思った。

 

幾らなんでも今の自分は"ランスらしく"無さ過ぎると。

 

それ故に……いや、元々酒に弱いランスにアルコールが入っていた為かもしれないが、訝しげな視線を向けて来たかなみを"このまま"立ち去らせては不味いと思っちまったのだ。

 

よって、彼女を引き止める為の言葉を考えたんだけども、真っ先に浮かんでしまった"ランスの台詞"は……

 

 

「待てッ! かなみ!!」

 

「えっ?」

 

「寝る前に一発やらせろ!!」

 

「!?!?」

 

 

――――案の定セックスの促しであり、別に断られても"ランスらしい"と思われりゃ良いの精神だ。

 

 

「なに驚いてんだ? かなみ」

 

「そ、そりゃ驚くわよッ! イキナリ何を言い出すの!?」

 

「何だァ嫌なのか~?」

 

「……ッ……」

 

「だったら構わ――――」

 

「別に、嫌ってワケじゃ無いけど……」

 

「ゑっ?」

 

「その……迷宮じゃ頑張ってたと思うし、ランスが……ど、どうしても~って言うなら……」

 

「どう言う風の吹き回しだ?」

 

「!? そ、それは私の台詞よッ!」

 

「へッ?」

 

「だって変じゃないッ! ランスなのよ!? 良いヒトだったら見境なく襲うランスなのよ!?」

 

「(……もしかして酔ってるんじゃ……)」

 

「なのに今迄、私に何も求めて来ないんだもん!! メナドとハウレーンさんに対しても色目すら使わないしッ!」

 

「抱かれるのは嫌じゃなかったのか?」

 

「それは……最初は嫌だったけど……何か今のランスは……や、優しく抱いてくれそうだったから……」

 

「(マジで!?)」

 

「……それに、えっと……」

 

「何だ?」

 

「や、"やらせろ"って言ったのが……3人の中で私が一番最初で……嬉しかったし……」

 

「……ッ……」

 

 

ドアの前で呼び止められて振り返ったかなみは、何と不快感を露わにするドコロか、もぢもぢとしながら衝撃的な事を言って来る。

 

真面目に戦っていたのを認めてくれたのはともかく、メナドとハウレーンより真っ先にカラダを求められた事が嬉しかっただと!?

 

信じられん誤算だッ。

 

そんな彼女の表情は非常に魅力的に見えたので、俺は何時の間にか彼女に近づくと小さな体を抱き締めていた。

 

 

≪――――ぎゅっ≫

 

 

「あッ」

 

「今のお前……めっちゃ可愛いぞ。何で気付かなかったんだ」

 

「!? ほ、本当?」

 

「うむ」

 

「……♪」

 

 

――――僅かな沈黙が続くと、自然とかなみも俺の事を抱き返してくれていた。

 

 

「じゃあ……ホントに良いのか?」

 

「う、うん。でも優しくして欲しい」

 

「任せとけ」

 

「――――んッ」

 

 

……こうして酔った勢いでかなみを抱く事ができてしまい、互いに熱い口付けを交わした。

 

そんで繋がる際、ランスのデカい息子を考えて全体的にソフトに行ったが、ソレも好評だったみたいだ。

 

典型的な『不良が優しくなるパターン』だったと言えるが、かなみにとっては効果覿面だった模様。

 

ちなみに、朝に俺(全裸)を起こしに来たと思われる、メナドの挨拶(ドア越し)を目覚まし代わりに覚醒した時、既にかなみの姿は無かった。

 

考えてみれば、互いに部屋に居たままだったら言い訳が難しかったと思うので、彼女の気遣いには感謝である。

 

と、ともかく今日も改めてレベル上げだッ。

 

そんで"ジオ"の街を落としたら、次は"レッド"の街だな。

 

早い段階でレッドに有ると思われる"魔剣カオス"を入手できれば大きなアドバンテージになるし、適当に頑張るとしますか~。

 

 

「(やっぱりランスは王様になってから"変わった"のね。出来る限り力になってあげなきゃッ)」

 

 

 

 

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