問題児がリリカルなのはに来るそうですよ?   作:増殖するX

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無印編〜ジュエルシード回収〜
問題児が魔法少女と出逢うそうですよ?


少年は木の枝に登り寝転んでいた。

 

それそのものに別に大した事も大層な理由もなく、偶々福祉施設やら養父母関連で20も30も居場所を転々として其れでも引き取り手に難航した親の顔も知らぬ12歳の"問題児"が、これまた偶々繋ぎで何世代も離れた前身請け人の更にその親戚の家へ預けられ、しかも女家系だとでもいわんばかり当主やほんの僅かな使用人を除き女に溢れて肩身も狭く挙句の果てにその家の子供(性別女児)が一時我が身を引き取られた翌日に友達(女児らしい)を招いてるそうだ。

今までの経緯も淡さり息苦しさで流石に堪え独り羽休めをできる場所に赴いただけに過ぎず、屋内では正に小洒落た茶会などが催されていようと己には無関係で無関心とばかりに身軽で未熟な体躯を利用して豪邸宜しくな頑丈な木々の物陰に身を潜めていただけで。

 

「何か面白い事ねえかな〜……」

 

鬱憤を吐き出すよう呟いてしまっていて、その直後に目と鼻の先に突然巨大化した猫が現れようと大した反応を起こさず、しかし摩訶不思議な光景をジーッと見つめ、直後何らかの衝撃でよろける巨大猫。

 

「あー暇。超暇。暇が売れたら一儲け出来る自信あるね」

 

興味はそそられるもだからどうしたと視線を下げれば今度はすぐ真下で駆け付けた少女が突然身に纏う装いを変えたとあればいつの間にか両手に杖を構えていて、しかし正体は直様明らかに。

 

「……あん?誰かと思えば月村のお嬢の連れじゃねえか」

 

更に向こう側にはこれまたいつの間にか薄着な黒マント少女が黒光りした武器を両手に構え明らかに対峙した風景を目の当たりに、噛み合っているのか否か真偽が問われるやり取りも早々接敵しており、少年はついに決壊した。

 

「っつーか、俺も混ぜろやゴラァァァァアッ!」

「「っ!?」」

 

今までは囁くくらいの声が直後怒声へ変われば対峙する二人も何事かと振り向き、木から飛び降りた少年が投擲した小石が地面に着弾すると共に爆風が目の前を覆い咄嗟に直撃は回避するもはなから威嚇で投げ付けた事で射線も大分逸れているがそれを補って余りある風圧に白い魔導服を纏う少女は体勢を盛大に崩して吹き飛びそのまま落下、対応に間に合った黒服の少女もしかし立て直せず標的を遠ざける程後退してしまう。

 

「なのは!!」

「フェイトッ!」

 

落下する少女は草むらから現れた小動物の奇怪な力で衝撃を和らげ無事着地して再び杖を両手に構え、勢いを殺しきれず地を滑らす黒い少女は待機していた仲間に支えられ姿勢を止まらせ此方も再び黄色の刃を生やした武器を携え少年を視認する。

 

「オラオラどんどん行くぞ!」

「ぐあっ!」

「アルフ!…ッ、なんだこの力……魔導師、じゃない…?」

「ごちゃごちゃ言ってる暇があるのか?」

 

金髪の少年、逆廻十六夜を挟んで両者牽制し合うも一瞬で十六夜は動き出し金髪の少女の懐へ踏み込み右拳を放ち、それを庇う様に少女の前へ出て両腕をクロスし攻撃を防御しようと試みるも威力に負け遥か後方の巨樹に吹っ飛ぶ橙色の女性。

圧倒的に体格差のある方が容赦無く力負けした事へ驚愕しつつ上空へと浮いて距離を取りながら金髪の少女は何かを分析するかのような言動で黒い武器に呟くもその隙を許さず十六夜は脚力のみで浮遊する少女へ飛躍し追撃、まるで瞬間移動でもしたのかというような速さに反応すら出来ず少女が持つ武器の柄を掴みそのまま腕力任せで投げ飛ばし、しかし先程殴り飛ばした橙色女性の側だった為彼女に抱き留められなんとか地面への激突を免れる。

 

「大丈夫かいフェイト!?」

「な、なんとか……」

「というかなんだいあの坊やは!?」

「……バルディッシュは、魔力反応の痕跡が無いって…」

「はぁ!?」

 

十六夜が地面へ降りる間に金髪の少女と橙髪女性の会話である。

 

「あの…ッ、誰なんですか、貴方達は…!」

『Divine Buster』

 

彼方側が戦闘してる間に今度は白服の少女が動く。両手に構えた杖の先端からピンク色の砲撃を放ち、着地したばかりの少年を狙うもこれを素速い身のこなしで側面へ飛んで回避。

 

「尋ねときながらビーム撃つとかどういう了見だよ?…こっちは大した事無さそうだな」

「うく…ッ」

 

更に白い少女の懐へ潜り込み杖を掴み上げ矛先を空に向ければほぼ抵抗も無く、一方少女は"魔力障壁"すら接敵の際難なく砕かれて今の状況に陥った事への動揺と目の前の恐怖の象徴ともたるべき存在への畏怖とその少年から言われた一言に対するショックで忙しなく感情を変え唸る事しか叶わない。

 

「……男の子が女の子に暴力は良く無いと思います!」

「あ…?」

 

きっと混乱の最中に絞り出したであろう訴えに、しかし予想外な言葉に少年の時が止まる。

相変わらずびくともしない杖は彼に押さえつけられているも眼を瞑って訴えた発言に振り上げた男子の拳を止め思考を鈍らせるには十分だった模様。そしてこの隙を見逃さない者がもう一人。

 

『Sealing form Set up』

「…捕獲」

 

金髪の少女からして敵となる少年と少女が鍔迫り合っているのを横目に同型の魔導師と異常性高い者へ注意を払いつつ"目的の物"を封印。突然立ち昇った金色の閃光に十六夜と対峙する少女はハッと視線を向けるも既に時遅しとばかり稲妻は終息していき、跡に残るは地に横たわる子猫と青い石。

 

「そういや猫もなんか珍妙極まりなくなってやがったな。黒マントっ娘は逃げたか?……ハァ、つまんね」

 

ふと思い出した十六夜の一言にも目もくれず握る力が弱まった隙に杖を引いて離させ(というよりも十六夜自身が離したが同時で気付かず)注視を猫に向けるがその時にはもう金髪の少女の姿は無し。

 

「むぅ〜〜〜〜〜…ッ!」

「ヤハハ、しかし凄いなアンタら。一体どんな手品を使ったんだ?」

 

やり場のない蟠りは感情そのままに突如横槍してきた目の前の少年に向けるしかなく、両頬を思いっきり膨らませ非難の眼差しを向けるも当の十六夜は気にした様子もなくあっさりスルー。寧ろ彼女が放った砲撃やまるで魔法でも使ったかのような先程までの乱戦に興味深々である。

少女の肩へ登ったフェレットが懸念を向けるも結局彼女達は目的を達成できず訳のわからない状況下。

 

 

 

 

 

これが逆廻十六夜と高町なのはの出逢いであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は移ろいビルの屋上、無事目的の物"ジュエルシード"を回収した金髪の少女、フェイト・テスタロッサは使い魔である燈色の女性アルフと予想外のダメージに一時身を休めていた。

 

「同型の魔導師が居たのも予定外だけど…」

「…フェイト、もう一度聞くよ。ホンットーにアイツは魔導師じゃなかったんだね?」

「……少なくとも魔力反応は無かった」

「結界は?」

「展開したし、既に展開もされていた」

「「……………」」

 

しばし沈黙の後。

 

「……どちらにしてもやる事は変わらない。ジュエルシードを全て集めるだけ」

 

 

 

 

 

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