問題児がリリカルなのはに来るそうですよ?   作:増殖するX

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とある放課後の魔導師と駄目人間

「でも驚いたねー。まさかあの男の子がすずかちゃん家のお客さんだったなんて」

「部屋の灯りも付けてないからつい不法侵入だと思ったよ」

 

月村家での出来事から一日経って高町家に帰ってきたなのははユーノを膝に乗せながら昨日の事を語らう。

あの後ユーノが見つけてなのはと共に十六夜が借りている一室を訪れ、訳を聞くとどうやら居候している事が判明、すずかや忍にも確認したので間違いないそうだ。その時月村の方々から教えられたのは最初の挨拶だけで殆ど会話は無く食事も自室で、その為アリサに関しては居た事さえ気づかなかったらしく、すずかも対応に困ってる様子。物静かな少年だと思われているみたく破天荒な暴れっぷりや自分達を揶揄う際の捲し立てる彼を知っているなのはとユーノは苦笑しかなく。

十六夜の方はなのはやアリサが茶会に誘われて所在を知ってた模様。

 

「同い年くらいかな…えっと、十六夜君?も。……あの女の子も」

 

次に気になった、というより十六夜よりも気掛かりな金髪の少女を思う。自分と歳が変わらなそうな背丈で綺麗な金の長髪を二つ結びに持つ、同型の魔導師を。

何も分からぬまま攻撃されたがジュエルシードを集めている様子から活動目的はなのは達と変わらないと判断するが、少なくとも十六夜みたいな愉快犯ではない事だけは断言出来よう。

 

「あの杖や、魔法の使い方。多分…ううん、間違いなく僕と同じ世界の住人だ」

「…うん。ジュエルシード集めをしてると、あの子とまた結果───ぶつかっちゃうのかな」

 

ユーノの言葉に相槌を打ちつつ物悲しそうになのはは返す。

そんな少女を心配そうに見上げる小動物姿のユーノも言葉に詰まり。

 

(不思議な程に怖くはなくて…だけど、なんだか悲しいような…そんな複雑な気持ちで……)

 

心でそんな想いを吐露すればいつの間にか眠りに落ちていた。

 

 

 

 

 

           *

 

 

 

 

 

 

「じゃあ探そうぜ。あの黒マントっ娘をよ」

「うーん………って、なんでいるのおおおおおお!?」

 

翌日、家業である駅前喫茶店『翠屋』の手伝いで店番をしてる頃に逆廻十六夜が現れる。急に湧いて出てきた僅かに背の高い少年を視界に捉えて思わず叫び、周りの客が注目するのに気付けば口許を手で覆い、彼の耳元へ近付き小声で改めて問うも。

 

「なんでってそりゃ、偶々通りすがったら物思いに耽ってるツインテ娘が居る店を見かけたから適当に声を掛けただけだ。つーかお前、ボーッとしながら独り言呟いてたぜ」

「うそ!?」

 

そんな返事がきた。どうやら自分でも気付かぬ内にまた同じ魔導師の少女の事を考えていたみたいで、自覚がない。

 

「相変わらず面白れぇな、お前」

「むぅ…その"お前"っていうのやめて欲しいな。私にはちゃんと高町なのはって名前があるの」

「OK、ならこれからは高町って呼ぶぞ」

「なのはでいいよ。友達はみんなそう呼ぶから」

 

基本的に会計時以外は暇なのか十六夜との会話にすっかり没頭するも、要所では確り仕事を熟す様は流石の生真面目さ。

向こう側で注文の品のトレーを運ぶ母の桃子や父の士郎も新顔な娘の友人と内緒話しを語らうのを微笑ましく見守っていて。この場に兄が居たなら十中八九十六夜に絡んでいただろうが今日は残念ながら彼女の忍と出掛け中。

 

「えっと…それであの子を探すって?」

「お前らって同じモノ探してるんだろ?」

「へ?…あっ、多分」

「なら無駄足踏まずに済む簡単な方法がある」

 

そんな両親も露知らずな裏話しで、お前呼びを訂正されない事に内心少し不満がるもイマイチ要領を得ない十六夜の発言に疑念が勝るなのはは首を傾げ聞き返す。

 

「簡単な方法?」

「お前とあの珍獣は今まで通りジュエルシードを回収、俺はお前らを囮に黒マントっ娘をふん捕まえるって寸法でどうだ」

「ええー……出来ればあまり荒事には…」

 

屋敷で再会した際にジュエルシードの事は白状させられたので事情をある程度知る十六夜からの提案に、あまり気乗りしない表情で。

 

「大人しくお話し出来るなら俺も荒事に発展させる気はねぇけど、向こうさんが襲ってきた場合はこっちも応戦するぜ。正当防衛は仕方ねぇよな?」

「……きっとあの子も、第三者で一方的に暴れられた十六夜君だけには言われたくないと思うの。それにそれ、過剰防衛になる予定だよね?」

 

本日一番いい笑顔でそんな反論をされては怪訝になるのも当然だと、絶対ウェルカムな攻撃を誘発し楽しんでいるだろう十六夜になのはの内でも言動でも冷めた目で非難するも、己を段々理解してきた少女へ好感を上げつつヤハハッとまた涼しい顔で誤魔化される。

しかしなのはも自分単体で勝てる見込みも無い上、十六夜の強さは昨日身を持って体験した為提案を呑むしかなく。

不意なジュエルシードの反応にも対処出来るように連絡先の交換を済ませれば用件終了とばかりに立ち去ろうとする十六夜を呼び止め。

 

「そう言えば!……あっ、…どうして私があの子とお話ししたいって分かったの?」

 

店の出口まで歩み離れた事から声量が無意識に上がり、それで再び周りから注目されると途端に顔を赤くしてしおらしく、反応して振り向いた十六夜の傍まで歩むとまた耳元で小声に問い掛け。

 

「…どうしてって…別にアイツと戦いたい訳じゃないんだろ?」

「う、うん…出来れば戦いたくはないかな」

「なら話しがしたいのかもな、って憶測立てただけだが?」

 

十六夜の察しの良さに一瞬呆然とするも、自分でもどうしたいか方針が定まっていない状況で答え合わせを他者からされて衝撃を受け、しかしその単語は直ぐに己が胸に浸透してなのはは自身の感情を解した。

 

「そっか……私、お話ししたいんだ。自分と同じ魔導師の女の子と…できれば友達にも…」

「あ?…おいおい今気付いたのかよ。鈍いなお前」

 

これは自覚あるのか指摘されてガツンと頭を横殴りにされたように。少し感謝の気持ちがあるので何も言い返さず唸るなのは。

 

「ま、いい結果になればいいな。じゃあな、なのは」

「…………あ、うん!十六夜君もまた!」

 

また初めて彼から名を呼ばれ頭まで撫でられてしまえば今の気持ちも霧消し、大きく手を振って翠屋を去る十六夜を見送り、一部始終を遠目で伺っていた桃子は「あらあら〜♪」ととても楽しそうに娘と男の子の様子だけ見れば温かいやり取りに何かを期待する。

意外と優しい天然ジゴロの十六夜がそんなつもりはなくとも桃子の中で標的に変わった瞬間である。

 

 

 

 

 

 

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尚、その日の晩の高町家の夕食の席。

 

桃「金色の髪の男の子でね!」

恭「金髪だと!?不良じゃないか。許さん!」

桃「それでねそれでね!その男の子が頭を撫でてたんだけど、その時のなのはの緩んだ顔ったらもう〜」←スルー

美由「なのはももうそんな歳かー。このおマセさん♪」

士「いやー感慨深いね〜」

恭「忍のところか!?俺が返り討ちにしてやる!!」つ木刀

 

なの「お母さんお願いだからその話題を本人の目の前でやらないで〜〜(涙)お姉ちゃんもお父さんもそんな呑気な…───ってお兄ちゃん待って!?返り討ちにされるのは多分お兄ちゃんだから!」

ユ(平和だねー)

 

ツッコミが間に合わないなのはである。

因みにこの後威風堂々と月村家に乗り込んだ恭也だが、生憎と十六夜は不在で、夜に出歩く彼を心配しながらもでも十六夜だしと安堵ななのはや、そんな妹の気持ちも他所な姉の美由希と彼女の忍が無闇に捜索しようとする暴走男を押さえ付けるのに一苦労したとか。

 

「その場に居なくてもこんなカオスを作るなんて……もう!十六夜君の問題児〜〜〜〜〜!!!」

 

夜の空になのはの心からの主張が響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当の十六夜はビルの隙間の裏路地に居た。

太陽の光さえ届かぬその場は夜の薄暗さで更に視界を遮るも、まるで"見えている様に"目の前で歩む女性を見据える。

橙髪の人物は何処かのスーパーの買い物袋を片手に不用心に裏路地を歩くも、周囲には常に警戒を張り巡らせ隙を与えぬよう注意していて、またそれに気付かぬよう十六夜も"気配を消して"尾行する。

 

「毎日レトルトだとフェイトに申し訳ないけど、今日は特売ですき焼き♪あたしの自慢のご主人様には喜んで貰いたいからね〜」

「へえ…随分と小洒落た献立だな。折角だし俺もご相伴に預かりたいモンだぜ」

 

角へ差し掛かった辺りで背後から声を掛けられ、注意を抜いて迫られた相手へ目を見開きながら振り返ると、つい先日自分達の邪魔をしてきた金髪の少年を視界に映し驚愕。

 

「……なんの用だい?子供がお散歩するにはちょいと遅すぎる時間だよ」

「この時間に忍び寄るガキが普通で、ましてや時間なんか気にするとでも思ってるのか?…なあ、そっちも俺とそう変わらない歳でこんな真夜中に出歩く不良娘さんよ?」

「────フェイト!?」

 

最初何を言ってるか理解出来ず、16歳以上な見た目で自分より背丈の低い十六夜が"12歳相当"の自分と比較し語らう内容に。しかしその疑問は背後から影に包まれ現れたご主人であるフェイトと呼んだ金髪の少女へ向き晴れる。

だが此処で一つの疑問がある。恐らく気配を悟られない様に近付き不意打ちを狙ったフェイトを、魔法生物である自分が気付かない内に認識した少年へ。しかも半ば十六夜の言葉のお陰で気付けたのだ。

 

「……キミは?」

 

既に黒衣の魔導服を身に纏い杖状態の武器を持ち戦闘態勢万端のフェイトは内心驚きながら、やはり異常な少年に警戒と無意識な興味を示し。

 

「逆廻十六夜。見たまんま野蛮で凶暴、粗野で凶悪で快楽主義の三拍子揃った駄目人間なので、用法と容量を守った上で適切な態度で接してくれよ?魔導師様」

「……取り扱い説明書がないと難しそう」

「ハハッ、なら今度作っとくから覚悟しとけ。お前は?」

「フェイト・テスタロッサ、以下同文。……バルディッシュ!」

『Yes sir.』

 

両手を広げて堂々と名乗る十六夜、対してフェイトは淡々と返す。

魔導師とバレているならと躊躇なく漆黒のデバイス『バルディッシュ』を両手に構え、自己紹介も程々に袋を置いて拳を構えたアルフと共に獰猛な視線を交わすと十六夜は両手を挙げて降参の意を表し。

 

「ハハッ、まあ待てよ。何も戦いに来た訳じゃねえ」

「…なに?」

 

範疇に無い行動に警戒を強めフェイトが問うも次いだ言葉で戦意を削がれる。

 

「ご馳走してやる」

「「……え???」」

 

この後は特に戦闘もなく、十六夜自慢のマジカル☆クッキング(美味ver)に陥落したフェイトとアルフだがそれはまた別の話し。数時間前のなのはとの作戦も忘れた様に何故か親交を深めてすき焼きを囲む三人は後に大激突する。

 




ある日なのはにデュエルを挑まれた十六夜

十六夜「シンクロ召喚!舞い上がれ、ブラックフェザードラゴン!」
フェイト(あー、やっぱりBFなんだ)
なのは「コズミックブレイザー×3とシューティングセイヴァースター、どれで無効にされたい?」
十六夜「ハハハッ………インチキ効果もいい加減にしろよ?」

この後本気の十六夜がデッキを変えたが勝敗は如何に?
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