いやぁ、障害物競走と騎馬戦部分はバッサリカットさせていただきました。べ、別に見どころなかったとか、ドレキングが主役だったからとかじゃないんだからねっ!(ツンデレ並感)
それでは第六話、どうぞ!
このお話は本編第27話までを圧縮してお送りいたします。
「......お?体育祭を見ているのか?」
「珍しいねぇ...。てっきりそういうイベントは見ないものだと思ってたわ〜」
「ん?あぁ、少し気になってな。あと、俺はそこまで怠けてないぜ?」
北海道内某所に設立されたヒーロー事務所の中で、3人の人物が会話していた。
1人はソファーに腰掛けている人物だ。グレーのフードが付属した青のパーカーと黒に白いラインが一本入った短パンを着た人――否、
もう1人はそんなスケルトンに声をかけた人物。全身にダークグレーに塗装されたプロテクターのような装甲を纏った男性だ。だが、背中からは宝石のように輝き透き通った結晶が2つ、露出する形で生えていた。
そして最後の1人は男性の隣から声をかけた人物。男性と似たような格好だったが、プロテクターで保護している部分が人体で大事なところ―――急所に当たる部分に限定されているため中に来ている黒い生地の服が露出していた。声的には女性だろうか。
「...heh、面白い事になりそうだぜ」
その視線の先にあるテレビに休憩代わりに放送されているハイライトにて障害物競走に映っている少女―――鬼姫を見て不敵に笑った。やがてスケルトンはパトロールのために立ち上がる。――――――骨ヒーロー・ボーンズとして、だが。
「ふぁぁぁ......っと」
クラスメイト達と離れたところで、鬼姫は欠伸をしていた。隣には宇覇とドレミーが試合を観戦しているようだが、話している内容から察するに第1試合が終わったようだ。
騎馬戦にて無事1位で通過した鬼姫含めた煉黒チームはシードのようで、手札を温存することができるらしい。鬼姫は目を瞑りながら、これから始まる試合に何を使おうか考え始める。今回は体育祭ということで体育祭は全力を出す所。舐めプは論外。となると――――
「.......
二人にバレないよう一人小声で呟く。砲撃での攻撃力及び殲滅力、そして重量での地上適性で響くデバフをデメリットではなく、場外ギリギリで踏ん張れるよう転用することである意味メリットへと変化させることが可能だ。
『クワガタ!カマキリ!バッタ!対人戦なら誰にも負けねぇやべぇ奴!分倍河原 宇覇! 対するは今の所影が薄い緑谷 出久!』
「ん、お手並み拝見だね」
宇覇の名前を聞き、瞑っていた両目の内右目の瞼を持ち上げ、始める試合を観戦する。ブレンチシェイドにより4人に分裂した宇覇と、防戦一方の緑谷。そして、一度だけ発動した緑谷のフルカウルを見て無意識に鬼姫はニヤッと笑みを浮かべた。浮かべていた、と言えばいいのだろうか。その笑みは、強敵の出現を歓迎するかのような、それこそレ級のような
「...原作より成長してるね。緑谷」
「そうですね。....では私も試合の準備をしてきますね」
鬼姫の言葉に同意したドレミーも控え室に向かうために観客席の席を立ち、観客席にて一人になった所で鬼姫は自身の個性について考え始める。
レ級のときのみ感情的になった際に起こる片言現象。そして、時折夢で見る深淵のような場所へ沈み――――――否、引きずり込まれるような感覚。
「......まだ、隠された能力あるのかな。――なんてね」
そんな夢のようなことが、ある訳が無い。
その決断とともに思考を一度止めると、いつの間にか宇覇が戻ってきて、更にはシードの第2戦目が終わり砕拳とドレミーの試合が始まるところだった。
「ありゃ、そんなに時間が経ってたのか....」
試合開始と同時に砕拳がブラキディオスへ、ドレミーがドレキングへ変身し、ブラキディオスの咆哮が会場に鳴り響くのを尻目に席を立ち、控え室へ歩いていく。――――何も起こらないことを祈って、だが。
◆◇◆◇◆
『頭爆発ツンツンボーイ!爆豪 勝己!イレイザーが大好きなネコにもなれるぜ!煉黒 鬼姫!』
『人の趣味をサラッとばらすんじゃねぇ。次やったらお前の本名をここで公表するぞ?』
『それは勘弁してくれ! イレイザー! な! な!?』
「誰が爆発頭じゃ!」
「相澤先生ネコ好きだったんだ......」
2回戦はドレミーが勝ち、鬼姫が戦う3回戦目が回ってきた。マイクとイレイザーヘッドの会話を聞きながら、鬼姫は戦術を固めていた。変身するのみにまだ1秒ほどのタイムラグがある中、爆豪の猛攻、あるいは一撃必殺を耐えきる。そこからが本番、といったところだろう。
「それでにゃ〜?始めっ!」
ミッドナイトも便乗してくるせいで、鬼姫は余計感覚が鈍ってしまい、そのせいか変身するタイミングを見誤ってしまい、出遅れてしまう。
「先手必勝!
「!」
爆豪の手から放たれた爆風が、未だレ級へ変身途中の鬼姫へと襲いかかる。鬼姫は爆風の中で火傷をする――――ことはなかった。
元々、鬼姫自身が素の変身前でも炎への耐性を持っているのもそうだが、戦艦レ級へ変身する際に発生する、一種の無敵時間を利用して爆風の熱を回避しきったのだ。...ソレを抜きにしても爆豪の爆風は地上適性から発生するデバフを存分に発揮した鬼姫を後退させることなど、できるはずもない。
観客やテレビを見ている人たちからすれば、化け物として見られるだろう。...尤も、深海棲艦はそもそも化け物クラスが揃い踏みなのだが。
「なァ......その程度の爆発で吹っ飛ぶと思ってんノカ?」
ユラリ、と黒煙を引き裂くように砲身がついた尻尾が、リュックサックのようなバックパックを背負った小柄な身体が露出し始め、中から戦艦レ級へと姿を変えた鬼姫が出てくる。―――無傷の状態で、だが。
「あ?なんで無傷なんだよ.....!」
爆豪の声に鬼姫は無意識に顔を顰めた。爆豪から感じられるなんとも言えない...不快感。その感覚に鬼姫は内心ため息とともに、自分が
「ツマンネェノ......バイバイ」
その瞬間、閃光――からの轟音が会場に響き渡る。尻尾に搭載された3連装の主砲、2連装の副砲、計5門の砲身から放たれた疑似砲弾はまっすぐ爆豪の方へと向かっていき...そのまま着弾する。硝煙の匂いが立ち込める中、着弾した煙が晴れた先には、爆豪が倒れているのが鬼姫からは見えた。着弾痕が5発とも床にあるのを見ると、爆豪本人への直撃は免れたようだ。
「...!爆豪君戦闘不能!煉獄ちゃんの勝利!」
「......悪運ニ救ワレタカ」
会場の歓声に紛れて、鬼姫はレ級の状態のまま小さく呟く。他人への悪口に当たる発言に忌避感を感じないところを鑑みると、変身している時は深海棲艦の思考に
レ級への変身を解くと、爆豪を肩に担いで会場を降りると、出入り口で待機していた医療用ロボットへ爆豪の身を預け、そのまま控室の方へと歩みを進める。
「......早めに対策を打たないと、最悪の場合―――」
控室へ辿り着いた鬼姫は椅子に座り、一息ついてから呟き、対策を練ろうとした。だが、結局対策など思いつかないまま、切島との準々決勝を迎えることとなった。
“最悪の場合―――私が人類への
何やら不穏ですねぇ、フラグ、立っていますねぇ(ニチャア)
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