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「確か、この辺りに事務所があるはずなんだけど...」
職場体験先のヒーロー事務所から事前に送付されてきた住所を記したメモを片手に、鬼姫は北の大地、北海道へ足を運んでいた。雄英から支給された制服を着ているものの、その他の持ち物は皆無に等しい。
制服の内ポケットにペンやメモ用紙はあるが、着替えすら持ってきていなかった。...彼女が深海棲艦だということを前提にすれば、それまでなのだが。
「あの、少しお聞きしたいことがあるんですけど...」
道行く人々の一人に声をかけた鬼姫はその人から事務所の場所を聞き出す。その人の情報を頼りに歩き、また他の人から情報を聞く。雄英の体育祭を中継で見ていた人が多く、快く道を教えてくれたり、鬼姫へ応援の声をかける人もいた。そして、鬼姫は目的地となる場所へ到着した―――のは良いものの、目の前の建物で合っていることを確認する。
「ここで合っている......よね」
メモと住所が同じなのを確認すると、その建物の入口となる扉を開け、足を踏み入れる。建物の看板には『喫茶店
◇◆◇◆◇
「「ボーンズ?」」
「そ、骨ヒーロー・ボーンズ。聞いたことのない名前だったから、ここに行こうかなって」
宇覇とドレミーの声が重なる中、鬼姫は自身が行く予定の職場体験先の説明をしていた。ハイツアイランスの地下一階にある鬼姫の部屋、宇覇がライダー事務所へ行くことを決めた翌日の出来事だった。
「ボーンズは個性は骨...のようですね」
ドレミーが自身の手帖をペラペラと捲りながらそう言う。鬼姫自身はというと、鬼姫はプールに身体を浮かばせ漂っていた。体育祭で派手に暴れまくったおかげか、すっかりお気楽ムードの鬼姫だが、その頭は昨日見たボーンズに関連する動画のことについて考えていた。
青とオレンジ、白い骨を用いた攻撃、相手の立つ位置を移動させ翻弄する重力攻撃、そして、犬のような顔の骨を召喚して放つ数多のビーム攻撃。これらの攻撃手段を持つキャラを鬼姫は前世で知っていた。
「(どっからどう見ても、SANSなんだよねぇ...)」
そう、UNDERTALEのしがないスケルトンであり、色々とメタい存在であるSANSそのものだ。だが、ソレだと疑問が何個か出てくる。SANSがヒロアカ世界とは無縁の存在であるはずなのに、何故この世界にいるのか。そして、その目的が何なのか。
「(まぁ、会ってみればわかるよね)」
そんな心境を胸に、鬼姫は当日を迎え、今に至る――――。
◇◆◇◆◇
鬼姫が扉を開けると、程よい席の配置であり、中にはそれなりに人は居て、各々の休息を楽しんでいた。
「(ガッツリGrillby'sなんだなぁ)」
やはり、UNDERTALEのGrillby'sを踏襲しているようで、鬼姫は席位置に心当たりがあった。
「いらっしゃい。お好きな席へどうぞ...っと、その制服は......ふふ。そう、貴方が来る予定の子だったのね」
Grillby'sに入った鬼姫を目の前で出迎えてくれたのは、人間の急所に当たる頭部と胸部、そして身体の各所にダークグレーのプロテクターをバランス良く装着した人物。プロテクターの下にある黒地の服からはでもわかるくらいの膨らみと、高い声を聞いた鬼姫は、目の前の人物を女性と仮定して話すことにした。
「え~...と、雄英高校で職場体験に来た者なんですけど......」
「そこまで言わなくてもわかってるわよ。さ、ついておいで」
鬼姫を先導する形で女性は店の奥へと案内する。案内している最中、接客を他の人へ任せる旨を店員へ伝えると、【
「ちょっと汚いけど、適当なところに座っててね。今お茶淹れるから」
「あ、はい」
女性にそう言われると、鬼姫は近くにあった椅子をデスクの方へと持っていき、その椅子へ腰を下ろす。スタッフルームは名前だけであり、その中身は事務所のような部屋作りをしていた。冷蔵庫からキッチン、ソファーやテレビまである快適仕様。
「改めて、ようこそ。第二拠点・Grillby'sへ。ここの店主、スペースよ」
女性―――ボーンズのサイドキックを務める一人、空間ヒーロー・スペースはキッチンでお湯を沸かしたりわちゃわちゃしながら自己紹介を済ませると、棚からコップを二つ取り出して、お湯が沸くのを待ち続ける。
「えっと、煉黒 鬼姫です。よろしくお願いします」
「うんうん、挨拶は大事だね。貴方のことはテレビで見てたわ。準優勝、おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
キッチンから戻ってきたスペースからミルクティーが入ったコップと祝いの言葉を受け取った鬼姫は、ミルクティーに口をつけながら、スペースの方を見ながら思考する。予め、鬼姫自身もボーンズ周りのヒーローのことについても調べていたため、スペースの事に関してもそれなりのことは知っていた。
彼女の個性は空間操作。空間同士を繋ぎ合わせることで疑似的なテレポートを実現し、その気になれば空間を捻じ曲げ“亜空間バリア”なるものを生成したり、その空間一帯を圧縮し、切断エネルギーとして周囲に解放、空間ごと切り刻む必殺技“亜空切断”を持つという、なかなかの強キャラっぷりだ。その力は高層ビルを丸ごと輪切り、からの細切れにできる程の威力と規模を誇っている。
仄かなミルクの甘さと僅かに残った紅茶の香りを感じながら、鬼姫はミルクティーを飲み干した。鬼姫がデスクの上にミルクティーの入っていたコップを置き、ふぅ、と一息ついていると、スタッフルームの扉が開き、二人の人物が入ってくる。
「―――大体、ボーンズが保須市に行くとしても、その穴を学生が埋められると?」
「Heh、まぁそう思うのも無理はない。だけど、それだけのポテンシャルを秘めてるってことだ」
スタッフルームに現れたのは、ボーンズと全身を女性と同じようなダークグレーのプロテクターで全身を覆った人物。声的には男性のようだ。
この人物は、スペース同様、ボーンズと組んでいるもうひとりのサイドキック。結晶ヒーロー・プリズムだ。
個性は結晶。名前そのままの個性で、その場に硬質な結晶を発生させたり、棘のように飛ばし、任意のタイミングで破裂させ、相手に切り傷を与える個性だ。鬼姫が動画を見た限りだと、巨大な6本脚――正確には4本の脚と一対二本の翼脚を持つ――の龍を模した結晶を創り上げ、ブレス攻撃をさせているのを見ると、汎用性はかなりのもの。
「おかえり、どうだった?パトロール」
「特にコレと言った収穫はなし...だな。それより、迷わずに来たんだな―――!?」
スペースの問いに答えたボーンズは、鬼姫の方へと視線を向け、ピタリと手を止めた。ボーンズ...SANSは人の内側に存在するEXPやLOVEを判別することができる。だが、SANSが見た鬼姫の内側にあるLOVEやEXPの数値は、今まで見たこと無い―――かつて戦ったニンゲンよりも遥かに高いLOVEとEXPを保有していた。
「......どうかしたのか?ボーンズ」
「......いや、何でもないぜ」
プリズムの問いに答えていたボーンズの額には汗が滲んでおり、その心境はかつて無いほどの焦り、焦燥、危機感に満ちていた。
「(この感覚.....間違いない。あのクソガキより濃い気配...。こりゃあ、相当な事になりそうだな)」
ボーンズは心の中でそう呟くと共に、保須市にある本拠点の方でもパトロールをしなきゃいけない事を思い出す。
「んじゃあ、ちっと行ってくるぜ。オレが居ない間の穴埋め、頼むぜ嬢ちゃん」
「わかり...んん、わかった」
「Heh、個性使用の認証に関しては、嬢ちゃんの裁量で行ってくれや」
鬼姫が敬語からタメ口へと切り替えたのを見ると、ボーンズは笑みを浮かべたまま、保須市の方へとショートカットを使って向かう。
そしてその日から少しの間だけ、プリズムとスペース、そして鬼姫改め深海ノ姫・
筆が乗る時は乗って、乗らない時は短いですねぇ...。
それでは次回をお楽しみに!