JIJIMORIに女の子付けてみた   作:ちゅぴま

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おじいちゃんが可愛い女の子の仲間が欲しいと言っていたので付けてみました。


原作前
プロローグ


場所は鎌倉、風鳴本邸。

 

カコン…

ししおどしが小気味よい音を鳴らす。

しかし、襖を開け内外の隔たりを無くしたソコは異様な雰囲気を漂わせていた。

 

一方は齢100を超えて尚爛々とした眼光を放つ護国の鬼。

もう一方は女給の様な装いをした灰髪を持つ幼い少女。

 

決して釣り合わぬであろう2人が、卓を挟んで対面している。そしてあろうことか将棋を指している。これは一体どういう状況か。報告に来た風鳴機関の男は動揺していた。

 

 

ーーー風鳴訃堂は享楽に靡かぬ人間ではなかったのか?

 

ーーーそして共に将棋を指している少女は何者なんだ?

 

 

男が思考する中、パチンパチンと駒を指す音が響き盤面は水流の如く変わっていく。一方が攻めれば一方がそれを潰し、そこを起点に反撃を仕掛けても想定内だと鉄壁の護りで迎え撃つ。

 

しかし見ていれば次第に訃堂に戦局が傾き、遂に少女の王将を獲るまでに至った。そして訃堂の口が開く。

 

 

「…護るばかりでは真の守護など不可能。夷狄は残らず滅せよ。でなければ内へと潜られ食い破られるのみ」

 

「当主様が先日、私の手は真っ直ぐすぎると仰られましたので少し慎重にと思ったのですが…」

 

「果敢無き哉。お前は極端すぎるのだ。……して、何用だ?」

 

 

ギロリと、訃堂の視線が男を貫く。決して怒気を含んでる訳でも、殺気立ってる訳でもないというのに訃堂から放たれる威圧感は男が怯えるには十分すぎるほどだった。

 

 

「ッ…と、特機部二より例の品が到着しました!」

 

「そうか、支度をしろ。"琴葉"」

 

「はい、当主様」

 

 

嵐野 琴葉(あらしの ことは)は将棋台を片付け、言われた通り支度に取り掛かる。部屋にあった掛け軸を軽く下に引くとガコンと何かが動く音がした。すると一枚の畳が起き上がり、そこから少々大きめのクローゼットが現れる。

 

 

「本日のお召し物は如何致しましょう?」

 

「今宵はお前の独り舞台、ならば相応しき装いが入り用だ」

 

「かしこまりました」

 

 

男はその光景を眺めることしか出来なかった。いや、それしか許されなかったと言えよう。例えここに居たのが誰であってもそのやり取りに割って入るなど命の投げ捨てに等しい愚行だ。

 

 

 

そう感じさせるまでに今の風鳴訃堂は満たされていたのだ。

 

 

 

それは何故か?

例の品が到着したという知らせが届いたから?否。

未だ権力という力で国を影から動かせるから?否。

答えは必然か偶然か、愛である。

 

 

それを語るには、話は過去に遡る。

 

ーーー

 

琴葉は、若き日の死んだ訃堂の妻に似ていた。

それだけなら、ただ何ともなかった。他人の空似と割り切れた。

 

しかし致命的だったのは捨て子であった琴葉を拾い自ら育てたことだった。普段の彼であれば目にも留めぬ様な存在、興味のない人の子。ただ当時の彼は愚息への失望と侮蔑が有頂天に達していた事もあり生まれたばかりであろう捨て子を拾い上げこう考えた。

 

 

そうだ、こやつを護国の剣としよう。

 

 

唯一無二、天下無双の防人の刃。

使い手がどんなに甘くとも手を抜くことすらままならぬただ一振の名刀として育てあげると心に決めた。

 

訃堂の行動は早かった。適当な野山に隠れ家を建設させディー・シュピネの結界の処置を風鳴機関に命令。愚息、風鳴弦十郎のような予期せぬ方向に育つ事を危惧して誰の手も借りずに育て始めた。

 

ただ問題が1つ。

訃堂には子育ての知識がほとんどなかったのだ。

今まで何人もの子を孕ませてきたが彼だが育児に関しては微塵も手を出していなかったのである。そのせいか育児本を読み漁ったり側近の者に育児のことを聞くなどといった奇行が目撃された。

 

 

そうして四苦八苦しながら四年の歳月が過ぎ去った。次第に顔つきもはっきりしてきて知恵も付いた。そんなある日、鍛錬として野山を自由に歩かせていた時のこと。数時間歩き回り、開けた場所に出た。そこは、花畑。色とりどりの花が咲き乱れる不可侵の聖域。それを見つけた琴葉はただポツリと、言葉を漏らした。

 

 

「きれいですね、とうしゅさま」

 

 

そこで訃堂は何十年前の記憶を思い起こした。護国の鬼となり久しく思い出すことのなかった思い出。その思い出にある今は亡き妻と琴葉が、重なるように見えた。

 

 

 

「…果敢無き哉」

 

 

 

それは、自らへの罵倒だった。

彼が真に護りたかったのは国という機構ではなく、そこに生き笑う人々の筈だった。ただそれを護るには国としての枠組みがなくては叶わず、いつしか怒りに呑まれた彼は手段が目的となり護国の鬼に堕ちていたのだ。故に護る筈だったものを切り捨ててきた今の彼は、数十年分の生き恥を感じている。本懐を果たせずましてや自ら汚してしまうなど自害の理由として十分足り得るだろう。

 

「琴葉、儂は…」

 

「とうしゅさまは、これからもくにをまもっていかれるのですよね?」

 

「………無論。祖国の宝は二度と、誰にも凌辱などさせん」

 

 

しかし、彼が眠りにつくにはまだ早い。夷狄はそれこそ無尽蔵に湧き出る。ならばこそ、己が死しても国を守る防人が必要だ。息子たち、そして翼。誰が後を継ぐかは分からない。だがそれまでは、過去の精算として真の護国の鬼とならん。腰に携えた群蜘蛛にそう誓ったのだった。

 

 

ーーー

 

それから2年が経ち、今に至る。

 

袴を着替えた訃堂は風鳴宗家専用の車で移動しており、同じ車に琴葉も乗せている。回りくどいが、琴葉は風鳴の振るう剣として育てあげようとした以上風鳴の姓は与えなかったが一応既に廃れた分家の子として扱っている。

 

 

「「…」」

 

 

訃堂、琴葉。共に沈黙。ドライバーの精神は限界を迎えるかもしれない。現在、風鳴機関本部のある松代に移動しているものの鎌倉からでは四時間もかかる道程だ。その間ドライバーはこの空気に耐えねばならないのだ。だが安心して欲しい、既に松代町内に到着しておりもうすぐ彼は開放されるだろう。

 

 

「か、風鳴機関本部に着きました。後は開門を待ってから内部に移動します」

 

「うむ、御苦労」

 

 

厳重な管理がなされた多層式の門が開き、車体を内部へと招き入れる。駐車場に着き、車から降りれば複数名の職員が待っていた。

 

 

「お待ちしておりました、総帥。して、そちらが…」

 

「お初お目にかかります、嵐野 琴葉と申します」

 

 

裾を摘み上げ、軽くお辞儀する。洗練されたその所作は傲岸不遜な風鳴訃堂が育てたとはとても思えぬほどに礼儀正しく、美しく滑らかだった。

 

 

「…ではこちらへ」

 

 

そして職員が内部へと案内する。訃堂は兎も角、琴葉は来るのは2度目であり少し興味深そうに道中視界に映る機器を見ていた。

 

 

「…まだ着かないのですか?」

 

 

琴葉が珍しく声を発する。同じ所を何度も通ってるような不思議な感覚。さっき来た道が目の前に広がってるような気持ち悪さがありかれこれ1時間は歩いただろう。更にそこから暫く歩き…大きな扉に突き当たった。そして案内していた職員の一人が扉のロックをカードキーを用いて解除、扉を開けた。

 

 

「して、あれが…」

 

 

訃堂の視線の先。そこには1つの赤いペンダントが安置されていた。付け加えるように職員が口を開いた。

 

 

「ーーー天羽々斬のシンフォギア、で御座います」

 

 

昨年、紆余曲折あって特異災害対策機動部二課司令官の座を引責辞任する事となった訃堂だったがその前に天羽々斬のシンフォギア、その予備を研究の為と称して風鳴機関へと譲り渡す決議を下しのだ。

 

 

「琴葉、歌え」

 

「…? 」

 

「…歌うのだッ!!」

 

 

シンフォギア、あるいは聖遺物。

歌で力を発揮するという事を全く知らない琴葉が戸惑いながら歌うのは、国歌である。あまりの選曲の渋さに職員たちは苦い顔をしているが、計器はしっかりと示していた。

 

 

聖遺物、天羽々斬が嵐野 琴葉の歌声に反応している事を。

 

 

「天羽々斬、共鳴しています!つまりーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーー嵐野 琴葉さんは適合者ですッ!!」




何が起きてるのかわかってない琴葉ちゃん
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