この小説は勢いで書き進め、深夜テンションのまま投稿をしてしまったのですが、やはり書くにあたりAMAZING SPIDER-MAN誌(以後ASM) を読み直さなければならんだろうとのんきに読んでいた私が馬鹿でした。
待っていたのは怪物でした。
ダン・スロットって言うんですがね。
ピーター・パーカーという少年は、放射線を浴びたクモに噛まれたのは15歳の時だった。
クモ並みの速度・怪力・敏捷性を獲得した彼は、さらに手足の指先が壁にくっつくようになり、危険を事前に知らせる"スパイダー・センス”も備わった。
彼の叔父であるベンが悲劇的な死を迎えた後、ピーターは大いなる力には大いなる責任が伴わねばならないことを悟った。
こうして彼は、 悪と戦うスーパーヒーロー、スパイダーマンへと変貌した。
大人になった彼はそれまでにあらゆるスーパーヴィランと闘ってきた。
グリーンゴブリン、サンドマン、モールン、サノス、ウルトロン、そしてドクターオクトパス…
彼が闘ってきた相手はいつだって敵の方が圧倒的に強かった。
それは彼がヴィランに対して100%の力を出していなかったこともあるだろう、なぜなら彼はヴィランを傷つけたり殺したりすることを望んでいなかったからだ。
遂に彼が戦いに勝てたとしてもやっぱり結果負けてきた。
ヴィランを打ちのめせば自分が現れないことでMJをがっかりさせて、JJJの仕事をすっぽかし、彼女を待ちぼうけにさせてきた。
以前の彼ならアベンジャーズタワーに住んで、スーパーモデルの妻がいた。以前というのも間違いかもしれないが。
運命は彼にそのような暮らしは似つかわしくないとでも言うように、金に困り、ツいてなくて、ロクな目に遭わない人生に戻してしまった。*1
そんな彼にも大きな転換点が訪れた。
ホライゾンラボへの就職だ。
まあ、高校時代に並のヴィランでは引きちぎれず、1.2時間で溶けてしまうクモ糸を開発して、その発射機構まで発明していた彼には当たり前のことだったかもしれないが。
当時のピーターの人生は確実にいい方向へと向かっていたと言えた。
そして彼のもう一つ大きな転換点が訪れる。マーラ・ジェイムソンの死だ。*2
彼はマーラの死を防げず、良心の阿責を抱え込み、そしてより新たな誓いを立てた。
“自分の周りでは誰も死なせない”
実現不可能な誓いだ。
高潔な誓いでもある。
そして彼を傷つける誓いでもあった。
蜘蛛は
蜘蛛自身を守る力を失ったのだ。
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十二月も末へと近づいていた日の朝、今から5年前俺はこの世界に誕生した。
世界は冬至の到来を告げるように、凍えるような寒さの朝だった。
レンガ調の壁、そして部屋の真ん中には大きなストーブが鎮座していて大きな丸いテーブルにストーブの前には揺り椅子が並んでいた。俺はなんとなしにストーブのスイッチを付けたのを覚えている。
洗面台のガラスの前に立てば、俺の顔はこの部屋の先住民の顔に変わってしまっていたことが感覚的にわかった。
黒い肌に黒い髪を短く刈り込んだ男がそこにはいて、記憶を辿れば俺の肌は黄色(アジアン)だったことは明らかだった。
当時彼の記憶は一切なかった(おそらくだが)、彼の純然たる悪意、復讐心はしっかりと受け継がれていたようだ。
なにもせず、誰にぶつければ良いかわからない苛立ちと怒りを抱えながらただ棒と日々を過ごしているとある日、彼の書棚の本を手に取った時下へと続く階段が現れた。
隠し部屋…
瞬時に理解ができた。
電灯が照らした深淵は俺の毛羽立った青筋をすっと撫でた気がした。