転生したら(自称)宇宙人になってしまった件 作:イガリマ
それと、オリ主のエイリアネームをエイルからルシアに変更しました。
無理やり転生させられた鬱憤を晴らした僕”ルシア”は、グランと一緒に基地内のフィールドへ向かっていた。
突然だが、今僕が着ているアンドロメダのユニフォームのデザインを紹介しよう。
下は黒いハーフパンツだが、上は黒をベースに黄緑色のカラーリングに星の輝きを模した紋章が施された半袖という、シンプルな見た目だ。そして胸には、エイリア石を模したような紫色の丸い結晶がある。恐らくは、他のマスターランクチームである”プロミネンス”や”ダイヤモンドダスト”と同じようにしてあるのだろう。
そんな僕に与えられた背番号は”11”だ。
「ところでさグラン、君以外は誰が練習に参加するの?」
「一応はガイアの皆が来ることになっているよ。他のチームから参加するのは、ルシアだけだね」
「大丈夫?僕変な目で見られたりしない?特にウルビダとか…」
「心配無いと思うよ。君自身の実力は、俺達ガイアに負けずとも劣らないって他の皆も言ってたからね」
「ならいいんだけどさ…」
そう話している間に、僕達はフィールドに着いた。見た限りだと、ガイアのメンバーは既に練習を始めているようだ。
「やあ皆、ちゃんと集まっているようだね」
「グランさん、横にいるのは…?」
「ルシアは今回、俺達の練習に参加する事になったんだ。他のチームのメンバーも練習に加われば、いい刺激になると思ってね」
質問したガイアのメンバーに対して、グランが説明した。しかし、僕達2人の前に向かってくる人がいた。さっき僕がチラッと話した”ウルビダ”こと”八神 玲名”である。
「他のチームのキャプテンである貴方が私達の練習に加わるなんて、どういう風の吹き回し?ルシア」
「…もし僕が、敵情視察って答えればどうする?」
「参加はお断りよ。ジェネシスの称号は、私達にこそ相応しい。アンドロメダに横取りなんてさせないわ」
「おお~怖い怖い。あんまり厳つい顔をすると、折角の美人が台無しだよ、ウルビダさん?」
「相変わらずね…貴方のその気さくな態度」
「まあまあ、敵情視察なんてただの冗談。本音は別にある…ってとこかな?」
「フン…精々頑張ることね」
「二人ともそれくらいにして…早速、各自でトレーニングに励んでもらうよ」
僕とウルビダの話にグランが割って入ったことで、練習が始まった。
それぞれのメンバーが、パス回しやシュート、ランニング等の練習をする。そして僕は、グランを相手にボールを奪う練習をしていた。
「さっき頭を打ったせいで腕が鈍っていないか、俺が確かめてあげるよ」
「僕も勘を取り戻すのには時間がいるかもだけど…行くよ…!」
こうして僕は、必殺技以外の方法でグランからボールを奪おうとした。最初こそ身体に慣れるのに苦労したが、次第に考えが身体に適応していった。そして…
「はぁ!」
「うわっ!?」
どうにかカットでボールを奪うのに成功した。ボールに足を乗せた僕は、グランに目を向ける。
「凄いね。最後の辺りで、動きのキレが最初と比べて格段に上がっていたよ」
「僕もグラン相手は少し緊張してたからね…何とか奪えたって具合だよ」
「その調子で、実践的な事もやって貰おうかな?」
「…えっ?」
そんな流れで始まってしまったのが、シュート決め一本勝負。僕がガイアの数人のディフェンス陣を突破して、シュートを決められたら僕の勝ち。ボールが奪われるか、シュートを止められた場合は、ガイアの勝ち…と言った内容だ。
(ディフェンスの突破は兎も角、ネロから点を決めるってのは流石に厳しいかな…)
そして僕はボールを持って、フィールドの中央に立つ。相見えるのは、4人のDFと1人のGK。この雰囲気の時点で、並の実力では突破出来ない事が容易に窺える。
「いいね。沸いてきたよ…!」
僕は左手の指を、湯気のようにゆらゆらと動かしながらそう言った。
「準備はいいかな?始め!」
グランの合図で、僕はドリブルで前に勢いよく走った。最初に立ちはだかるのは、ピンク色の肌をしたDFの”ハウザー”。
「行かせはしない!」
「邪魔だよ!」
僕は素早い動きで下がった。…と見せかけてのフェイントで突破した。
次の相手はマスクを付けた屈強な体格の”ゾーハン”と、褐色肌の女性である”キーブ”。
「2人がかりならどう?」
「それなら…」
僕はボールを誰もいない場所に向かって、強い回転を加えて蹴った。DFに奪われると思ったら、それは大間違い。
僕は2人を大ジャンプで突破して着地すると、回転していたボールはすぐさま僕の元に来た。
「何ですって!?」
「”ひとりワンツー”か…やるね」
グランがそう呟いたのが聞こえた。最後のDFは、蛇のような顔つきをした”ゲイル”。
「俺を突破出来るか?」
「出来るよ…絶対にね!」
僕は右手を薙ぎ払うように振るうと、周囲に宇宙のような空間が展開される。そして瞬く間にゲイルを抜き去ると、僕はそっと呟く。
「…”サザンクロスカット”」
その直後、ゲイルの真下で十字形の爆発が発生した。DFを全員抜いて最後に立ちはだかるのは、ガイアの小さな守護神である”ネロ”。
「………」
ネロは何も言わず、静かに構えた。彼のGKとしての実力は、エイリア学園の中でもトップ。それを突破するならば、此方も強力なシュートを撃たなければならない。
「君を突破してもいいよね?答えは聞かないけど」
そして僕はボールを横に強く蹴ると、回転と共に宇宙のエネルギーが集中する。
「レーゼの”アストロブレイク”?そんな技で…」
「いや、違うよ」
ウルビダの発言を、グランが否定した。
続けて僕はボールを空中に向かって蹴る。するとボールが止まるや否や、ドス黒い強力なエネルギーが集まってきた。恰もブラックホールのように。
そしてボールに向かって、僕は下から強烈な蹴りを入れて黒いシュートを放つ。その名も…
「”ブラックホールブレイク”!」
黒いオーラを纏った強力なシュートが、ゴールに向かって突き進む。それに対して、ネロも必殺技を使う。
「”プロキオンネット”!」
三つの光で形成された三角形のネットが、シュートの勢いを殺そうとする。しかし、僕のシュートも負けじと回転を続けた。
「ぐっ…!はぁ!」
彼にしては珍しく気合いを入れたようで、最終的にシュートはネロに止められてしまった。
「…止めたか。僕の負けだね」
僕が少し落ち込んでいた所に、グランが乾いた拍手をしながらやってきた。
「やっぱり、君の実力は本物だよ。俺も少し疑い過ぎたかな」
「それでも、負けは負けだ。負けた側には、何か罰ゲームでもあるの?」
「そんなのはないよ。これは、ただお互いの強さを確認する為の勝負。どっちが負けても、いい薬になると思ったからね」
「そうだったのか…取り敢えず、僕はこの辺で失礼するよ。誰かさんの機嫌を損ねない為にね…」
僕はその”誰かさん”に少し目を向けてから、フィールドを去っていった。
「…フン」
<ごめ~んグラン!僕の部屋まで道案内お願いしてもいい~?迷いそうで怖いから~!
「…やっぱり記憶喪失なのかな、ルシア…?」