貞操概念が逆転したIS~更識家の執事さんから愛を込めて~ 作:ジョインジョイントキィ
執筆の励みになります
翌日、執事服を確りと着たガルムはとある屋敷に入り庭の手入れを始めた。
それと同時に指を鳴らし己の行使できる数少ない魔法の一つ『死霊魔法』で料理を開始、更にはもう一度指を鳴らし洗濯も始めた。
何故一人でこんなにも作業を行っているかと言うと、此処が職場である更識邸だからだ。
これの何処が理由なのかと言うと、更識家とは国に代々使える名家でありその下に着くには過酷な訓練やテストと言った物をクリアしなければならないのだ。
そうなると必然的に家事等の更識家の仕事とは違う物のスキルを持つ者は少ない。
一応他にもメイドが二人居るが其々が簪、刀奈の専属になっているので屋敷全般の事はガルムがこなしているのだ。
そんなこんなしているうちに朝食の用意、洗濯の終了、そして庭の手入れを終わらせた。
一応有能寄りなのだが、彼の使う魔法はぶっちゃけ死んだ生物の魂と契約して行使する物なので、耐性の無い人や霊感の強い人からすると常にその存在がチラチラと見えるので恐怖その物だ。
「おはよ~ガルルン」
「おはようございますガルムさん」
「はい、おはようございます」
一息吐くと足音を立てずに二人の少女が姿を表す。
片方はピシッとメイド服を来ており髪を後ろで結んだメガネの少女。
見るからに確りとしてる。
もう片方は一応メイド服を着ては居るが少しよれてたり眠そうな表情だったりと対象的なのほほんとした少女。
名前はピシッとした方が布仏虚、のほほんとした方が布仏本音。
この二人も姉妹なのだ。
ちなみに虚が姉である。
「ガルルンって朝早いね~」
「そうですか?」
「えぇ、まさか朝の四時には来て五時までに全てを終わらせて居るのですから……」
「ガルルンって何時も遅くまでしごとしてるよね~?」
「えぇ、お二人と違ってお嬢の護衛とか出来ないので家の事だけでも完璧にしておきたいので」
ちなみに虚と刀奈、簪と本音は同い年なので一緒の学校に通ったりクラブに入ったりと結構側に居る。
ガルムは歳が違うのでその様に側に居れないのでこうやって二人の手が届かない場所は自分が補うと行動しているのだ。
「ガルルンって寝てるの?」
「確かに、ガルムさんって寝てるイメージがまったく無いですね」
「寝てますからね」
二人の発言に少し呆れながらツッコミをいれる。
正解は寝てない、いや寝ては居るが起きてると言うべきだろうか。
彼の扱う死霊魔法とは魂の操作や死体の操作等の『操作』に秀出た物であり、寝ながら意識を操作し体を操作し記憶を操作してるだけだ。
ちなみに今は絶賛爆睡中では有るが寝る前に魔法を掛けてこの時間にこの動作を終わらせ、二人の相手をしつつ時間になったら更識姉妹を起こす。
そして脳を操作して二人との会話や動作に返事をする。
聞いているだけで頭が痛くなってくるが、これが普段起きている人間が瞬時に行っている事。
ただ魔法や機械で再現しようとするとかなりの労力が掛かるだけだ。
「そろそろ起こしに行きましょうか」
「えぇ」
「うん♪」
時計を見て起こす時間だと確認すると其々が主を起こしに向かった。
そして十分後、更識邸の食卓にはガルム作の故郷の料理が並んでいる。
ちなみにこれは刀奈のリクエストであり、ガルムは何度も止めた方が良いと警告した。
「ガ、ガルルン……これって?」
「コンポージュ、簡単に説明すれば野鳥と野菜の煮物です
此方はグリディラ、木の実を粉にして固めて焼いただけの物です」
「食べ物……ですよね?」
「一応食べれます」
「一応って……」
「何度も止めましたよ
自分の故郷、魔導城の料理なんて人間どころか野良犬でさえ食べずに逃げる程『不味い』って」
それを聞き後悔してしまう刀奈。
一応此処に居る面子(更識母、刀奈、簪、虚、本音)はガルムが違う世界から来たことを知っており、面白そうだからと違う世界の料理を食べたいと思ってしまったのだ。
ちなみに食卓には健康に悪そうな毒々しい色の煮物と真っ黒になったパンらしき物。
匂いはしないが逆にそれが危険だと思わせてくれる。
「ガルムの出身地は凄い厳しい環境だったんだね!」
この空気を打破する為か、巳槍は声を大きくして笑いながら話し始めた。
「うん……た、食べてみよう、見た目はあれだけどもしかしたら美味しいかもしれないし」
先陣を切ったのは主犯である刀奈だ。
先ずはグリディラを一口。
噛み千切るのがキツイくらい固く、粉っぽくて口の中の水分がどんどんと奪われていく。
そして何とか噛み千切り咀嚼するが木の粉のような変な風味にガチガチの食感、そして奪われていく水分。
飲み込んだ後の感想は酷かった。
「私……何食べたのかな?」
「グリディラです、水と一緒に流し込めば腹は膨れますし栄養だけは有りますし」
気を取り直して次はコンポージュへとスプーンを伸ばした。
野鳥の野生臭と野菜の青臭さを無理矢理煮込んで味付けだけした料理とは呼びたくない物だ。
しかも兎に角味付けが濃く、喉が痛くなってくる。
すかさず水を刀奈に渡すとそれを一気に飲み干して無の表情で何処かを見つめる。
「ハッハッハッ、米軍のレーションとガルムの故郷飯のどっちが不味いか今度比べてみようかな」
たった二口で無の境地に至ってしまった刀奈を見て思わず笑ってしまう巳槍。
流石にこれを食べろとは言えないので確りと用意しておいた普通の朝食を出して何とか平和に食事を終わらせるのだった。
※魔導軍レーションはスタッフが泣きながらいただきました
コンポージュ
ガルム曰く「こんなの食うくらいなら虫を茹でた物を食べた方がマシ」レベルで不味い料理
別名食べれる拷問器具
グリディラ
ガルムから「栄養価だけあるゴミ」評価をいただくレベルで不味い料理
ワインのコルクの方がまだ旨いらしい