貞操概念が逆転したIS~更識家の執事さんから愛を込めて~ 作:ジョインジョイントキィ
次の日曜日、ガルムは更識の屋敷に来ていた。
本来は休みの日だが前回雇った彼が今日から勤務なので、教育と歓迎会の為だ。
ちなみにあの後の事を軽く触れるなら、彼はまだ学生なので土日祝の休みの日のみの出勤であり保護者に確りと事情を伝えて許可を貰うこと。
また保護者が上司(この場合は一応ガルム)との面会や話し合いの席を設けたいといった場合にはすぐに報告。
そして学業への支障をきたしていないと証明できる場合のみ許可するとなった。
まぁ、一応こんなだらしない奴ではあるが魔王として何千の部下を面倒見てきたので一人や二人懐柔するのは訳無いがあくまでも意思を見せた彼が成長しなければ意味がないからと、割りと厳しい条件を出したのだ。
ただ、その後に彼の保護者と連絡先を交換してちょくちょく話しているのは秘密だが。
「おはようございます!」
「おはよう一夏君」
朝早くの屋敷に爽やかに響く一夏の声。
それを聞き微笑みながら返事をし、すぐに軽い教育を始める予定だ。
とは言え初日だし相手は子供なので怪我の発生しにくい事や、危険度の少ないものばかりだが。
「おはよ~」
「おはようございます本音さん」
「お、おはようございます!
本日から御世話になる織斑一夏ですよろしくお願いします!」
「よろしくねおりむ~♪」
「お、おりむ~?」
眠そうな目をこする本音の言葉に何とも言えない表情を浮かべ、ガルムに解説を求める目で見た。
「本音さんは人にアダ名を付けて覚えるタイプの人なんですよね」
「あー……」
「おはようございます」
「あ、おはようございます!」
「私は布仏虚、彼女は妹の本音です」
「織斑一夏です!」
「いい自己紹介ですね」
そう聞き少し嬉しそうな一夏。
それではと言い、ガルムがドンドンと教育を始めるのだった。
「先ずやるべきは朝食の準備と掃除と洗濯です」
「そんなに一辺に、ですか?」
「そこは優先順位を着けて行ってください
ここだと門の前や通路に誇りが溜まりやすいので優先順位は上、ですがそれ以上に主人達の食事が大事なので最低限の掃除をして調理し次に移ります」
「優先順位……ですか」
その言葉に少しだが表情が曇る一夏。
もしかしたらそう言った事が苦手なのかもしれないので、今後どうするかを少し考えておく。
「まぁ、順番的な意味でのそこまで片意地張らずに行ってください」
「は、はい!」
「がんばれおりむ~♪」
「頑張って下さい」
そう言われ少し気合いを入れる。
そこから始まるあらゆる物事は一夏にとって新鮮その物だった。
特に驚いたのは料理だ。
「見ててくださいね一夏君」
「?」
「疾っ!!!」
イカを広げ包丁を構えるなり疾風の如く包丁を入れ様々な切り方をしていく。
そして出てきた切り身を皿に乗せて一夏へと差し出した。
「ただのイカ……では無いですよね?」
「スーパーで売っている安いイカですよ♪」
「?」
出された切り身を一つ、また一つと口に運ぶとその食感の違いや味の変化に驚いた。
職人技、そう呼べる物をこの若さで全て……いや更に発展させた物までも見せてくれるのだ。
「これは!?」
「包丁一つで味は大きく変わります、切れ味に味と言う字が付くのは切り方によって味が左右されるからです
柔らかく甘く作ることも、そして固くガムのようにするも全て腕一つ
一夏君はどうなりたいですか?」
同じ食材でも過程が違えばこんなにも大きな違いが出てくる、それは人間も同じでは無いのか?
そう言った意味の質問を理解した彼は力強く頷き、確りと断言した。
「このイカみたいに可能性を出したいです!」
「よろしい♪
ではさっさと準備を済ませて次に行きましょうか」
「はい!」
ガルムは久々に楽しくなってきた。
魔王三銃士を育ててる時と同じ気分、怒る時もあれば喜ばしい時もある。
今後の成長が楽しみだ。
「ちなみに、私は一夏君のお姉さんより年上ですからね」
「嘘!?」
然り気無く爆弾発言を(故意に)置いて、ドンドンと教育を進めるのだった。
この日の歓迎会は荒れたらしく、特に更識家の構成員達がこの日から派閥別れしたとか。
ちなみに『熱血子犬一夏』と『妖艶狼ガルム』が派閥らしい。
織斑一夏
現役中学生だが姉の手助けをしたいからとガルムのクソな問いにイエスと答えた命知らず
容姿や性格からショタコンのお姉さん方に人気が出ているが本人の警戒心がそれなりにあるので困った物らしい
ガルム
アラサー手前の男故にかなりの人気らしい
分け隔てなく物腰柔らかく丁寧に接してくれるので一部(更識のダメな人)は甘やかされたいとかバブバブしたいとか病気になっている
ちなみに何故か女性に接する時はこうなるだけで本来はかなり粗暴な人物である