【番外編】お労しい兄上になったんだが…ここどこ? 作:gnovel
「……サーヴァント、セイバー。助けを呼ぶ声を聴いて参っ……た……兄上!!」(全力で抱き着く)
「グハッ!!(血を吐きながら)」
「黒死牟さん!?」
……俺が召喚されるくらいだからいつかは召喚されるかもしれないと思った矢先にこれか……鬼として召喚された弊害なのか、恐らく目の前の弟、縁壱が持っているであろう『鬼殺し』のスキルが発動して俺は死にかけている。
それを見たマスターと俺が静止に入って何とかこの場が収まった。マスターに聖杯を捧げられて全盛の力を超えた俺でさえこのダメージとは……
「では改めて、サーヴァント、セイバー。助けを呼ぶ声を聴いて参った……名を継国 縁壱と申す。宜しく頼む」
「よろしくっ!縁壱さん!えっと……それで黒死牟さんとはどのような関係で……?」
「黒死牟、いや継国 巌勝は私の敬愛すべき兄上だ」
「……グハッ」
マスターに自己紹介を終えた後、カルデアの施設の案内を任された俺は縁壱と共に各場所についての説明をしながら歩いていた。
その道中こんなことがあったな……
「……ここが食堂だ」
「なるほど……」
食堂についた俺たちだったが、ふと周りからの視線を感じた。……そういえば縁壱が来たことを知っているのはマスター達と俺だけだったな
「あー、黒死牟さん?そちらの黒死牟さんに似ている人はどなたで……?」
俺によくつるんでくる織田信長と一緒に居ることが多い沖田総司が聞いてきた。……そんなに似てるのかと思ったら、そうか俺は今第二再臨(継国 巌勝)だったか
それも含めて周囲に説明したところ……
「あー、なるほど道理で……見た目だとその痣くらいしか判別材料が無いんですね……」
「マジで!?黒死牟が増えたって聞いたんだけど!?」「今来たんですか?ノッブ」
どうやら騒ぎを聞きつけて織田信長が来たようだ。その隣には信長の弟の織田信勝がいた。
……俺が普段から信長に勧誘されている所をいつも信勝が恨めしそうな眼をしているのは、恒例行事でもあった。
「ふむ……お主!名は!?」
「継国 縁壱と申す」
「そうか!……よしお前たち!儂の臣下に……」「断る」「お断りいたす」
「速くない!?決断速くない!?即断即決じゃん!?」
「お前ら……!姉上が勧誘してくださるのだぞ!無礼にもほどがあるだろ!!」
「君達食堂で騒ぐのはやめてくれないか?」
それからエミヤ殿に定食を作ってもらい、そこで一服することにした。……その間周りにいた血の気が多いサーヴァントから縁壱の強さについて聞いてきたためはっきりと
「……縁壱は私の数十倍は強い」
そう答えたが、縁壱が
「いいえ兄上の方がもっとお強いです」
「どっちも譲ってばっかじゃねえか!?」
たまたま周囲にいたクー・フーリン(ランサー)が突っ込みを入れたのをきっかけに、試しに戦ってみてくれよ!と何人かが意見を飛ばしてきた。
「……マスター?」
マスターに助けを求めたつもりだったが、如何やら違う意味で捉えられてしまったようだ……
「ちょっと待って!今種火用意するから!!」
「マスター?」
「じゃあ行こうか二人とも!」
「え」「はい」
そういうな否や、俺と縁壱はサーヴァントの強化をする場所に案内され、即座に縁壱のレベルが90、スキルレベルもまさかのオール10にしたのだ。……俺はこれまでの周回の成果が一瞬で溶けるという精神的ダメージを負った。今日だけで既に2回受けたか……
そして場所は変わりシミュレーションルームにやってきた俺たちは早速力比べをすることになった。周りには大勢のサーヴァントがいる。
「……どうしてこうなった」
「兄上、久しぶりですね。こうして刀比べをするのは」
色々言いたいことはあるが
「……はぁ、まぁいい。やるぞ縁壱」
「いきましょう」
それから俺たちは中央に向かい合うようにして刀を構え、開始の合図を待った……
「……」「……」
『始め!!』
「「参る」」
「すっごい……」
この時マスター、藤丸立香は先程召喚したセイバーの縁壱の戦闘能力の高さに純粋に驚いていた。それは周りのサーヴァントも同じだった。
いつになく本気の黒死牟が無数の斬撃を嵐のように絶え間なく飛ばしているのにも関わらず、その斬撃を悉く回避しては、縁壱が繰り出す技でそれらが相殺されるという状況が続いているのだ。
「ふむ黒死牟殿……いつにもまして本気になっているな」
そう呟くのは、黒死牟とよく剣を交えているセイバー、柳生但馬守宗矩であった。その発言に続くように斎藤一が
「うっわ……まじで殆ど視界が斬撃で覆われてんじゃん……てかあれ無傷で回避出来るもんなんだ……うわぁ……」
以前黒死牟と戦った際に嫌というほど味あわされた斬撃の嵐
……かつて戦った時、体に決して軽くない傷を負いながらも何とか凌げた自分と
無傷のまま回避する縁壱の化け物のような戦闘能力にドン引きする斎藤であった。
「で?あの状況を見ても、まだ『殺してでも家来にする』が通用すると思うんですか?ノッブ」
「いやー……アーチャーになりたいなー、儂。だめかな……?」「だめですね」
先日イベントがあってアベンジャーにクラスチェンジした信長からしてみればまだアーチャーの時の方が有利だったと思うのも仕方なかった。
「おいダーオカ、お前何でもコピーできるんだろ?じゃああれコピーして見せろ」
「ふざけとるんかぁ蛇女ぁ!!!あんなん(※月の呼吸、日の呼吸のこと)できる訳ないじゃろうがあああ!!!」
「まぁまぁ以蔵さん、落ち着いて」
などと色々思い思いの感想を話しているが、黒死牟たちの決着がつきそうになっていた。
月の呼吸 拾肆ノ型 兇変・天満繊月
黒死牟の技の中でも破格の攻撃範囲を持つ技を繰り出しても縁壱は、跳びながら刀を使い上手く躱していた。更に続けざまに
月の呼吸 陸ノ型 常世孤月・無間
縁壱が飛び上がったのを見てから空中に縁壱に向かって無数の縦方向の斬撃が襲い掛かる
(素晴らしき技の数々……!いくら私でもこれほどの斬撃の回避は困難……!流石です兄上……)
(……ならば!)
日の呼吸 漆ノ型 斜陽転身
縁壱は宙で若干横にずらしながらも体を回し、刀を振るい斬撃を相殺した。
(だろうな……だがそれは俺も読んでいたこと……)
月の呼吸 拾弐ノ型 霹靂神・海月
空中から地面に着く瞬間に放たれた技は縁壱の上空そして、足元から斬撃が迫っていた。縁壱がその斬撃の性質を見極めるや否や、その場を動かず向かってくる斬撃に対して
日の呼吸 玖ノ型 輝輝恩光
刀を両腕で握り、体ごと渦巻くように回転しながら斬撃を弾き、そのままの勢いで黒死牟の方へと向かって行った。
自らの方へ突っ込んできた縁壱に対して黒死牟は迎撃の準備をした。縁壱も同様に技を繰り出そうとした……
(……くるか!)(これで……)
月の呼吸 捌ノ型 月龍……
日の呼吸 壱ノ型 円……
「はい!ストップ!ストップ!!そこまで!!」
突然響き渡る止めの合図。どうやら魔力を使いすぎたらしい……
彼らの攻防がどれほど凄まじいものだったのかは周囲につけられた無数の斬撃痕が物語っていた
「……仕舞いか」「……そのようですね」
「……次は俺が勝つぞ」
「楽しみにしておきます兄上」
こうしてマスターは縁壱にも聖杯をつぎ込むことを決めた。だが、黒死牟を酷使しまくったことを知った縁壱から無言の圧を向けられたこともあったがそれはまた別の話……
~おまけ~
「ふん、サーヴァント……バーサーカー。私を呼ぶとは、身をわきまえ……は?」
「貴様を殺す」
「……?(理解が追い付いていない)」
「よ、縁壱さん……?」
召喚して早々不穏な空気が漂い、そして
「は……貴様、今、何と……?」「日の呼吸……壱ノ型 円」
「ちょっと待って!縁壱さぁあん!!」
立香は知る由もないが、この二人の仲を例えるなら源頼光と酒吞童子、アキレウスとアマゾネスの女王のような……いわば宿敵(無惨にとっては天敵)の関係なのだ
また黒死牟は嘗ての上司が召喚されたことと隣から感じるえげつない殺気を放つ縁壱という状況に頭がついていけてない様子であった……
「おのれぇえええ!!……はっ!?そこにいるのは黒死牟!?おい、なんとかし「貴様に慈悲は与えん」黒死牟!!!!」
「令呪を持って命ず!『戦闘行為を禁ずる!』」
(……あぁ、平穏が消えていく……)
その後なんやかんやあって立香は持ち前のパーフェクトコミュニケーションで鬼舞辻無惨を手懐け、カルデア内において縁壱に接近しないことを条件にして(無惨本人は心の底から了承した)なんとか騒動を納めることに成功した。
縁壱の方は黒死牟も説得に加わり数時間かけて現在の頼光と酒吞童子のような関係に持ち込むことに成功したのである。
「……相も変わらず……マスターは凄いな……」
「まぁ……前例があったから何とかなったよ!」
「そういう問題か……?」
黒死牟はその後、縁壱を連れて例のぐだぐだ組のところに赴き、心を落ち着かせたという……
……尚、無惨が黒死牟を呼び出すたびに縁壱の殺気が止まることを知らなくなるため無惨に呼び出された後は、決まってしばらくの間黒死牟から離れなくなった
みこちゃんをどうしたいか
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病ませる
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兄上諸共他の世界に転移させる
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上二つ全部