TSアクセラレータちゃんとはオレのこと 作:悪ィがこっから先は性転換だァ!!!!
「一方通行の口調書くのが思った以上にめんどい」
そういう事で間違ってたら誤字報告で教えてください。
作者の名前についてはツッこまないでください。作者自身も理解が出来ていないので。
オレの、
親は、他人は言う。「お前は天才」だと。その瞳に確かな恐怖を宿しながら。
誰かは言う。「お前は悪魔」だと。正しくその通りだろう。オレは何かを壊す事しか出来ず、壊す事に悦楽を覚えてしまうような人間だから。
とある焼野原君は言う。「お前はモルモット」だと。様々な実験を施されたオレは確かにモルモットで間違いない。今までもこれからも運命というレールを敷かれ、自由の二文字など何処にも存在しないオレは確かに飼いならされたモルモットだろう。
ツンツン頭の金欠ハーレム野郎は言った。「お前は優しい奴」だと。眼科に行ってこいという言葉を返しておいた。
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そこは人通りの少ない裏路地の一角。そこでオレは1人の少女と会敵していた。その少女がオレの敵になりうるのかと聞かれれば、ならないと自信を持って言える程度には力が隔絶しているのだが。
「これより第8982回目の実験を開始しますとミサカは宣言します」
目の前の可愛らしい制服に身を包んだ茶髪のボブカットの少女が、ミサカなる少女がそう言う。目には電子線を見る為の専用ゴーグルを着用し、その手にはM16自動小銃を持っている。慣れた手付きで銃を構え、その銃口をオレに向けた。
そして、一切の躊躇いもなく、引き金を引き、銃が火を噴いた。
放たれた音速の弾丸はオレに迫る。その次の瞬間、銃弾で蜂の巣にされたのはオレではなく、銃を持っていたはずのミサカであった。放たれた銃弾は180度曲がり、主であった彼女に襲い掛かる。1つの銃弾は寸分の狂いもなく、小銃の銃口に戻り、銃を内側からぶっ壊した。
他の数発の弾丸は右肩、脇腹、左腿を貫いた。
銃弾による傷のせいで思わず膝を突いたミサカに歩いてゆっくりと近付いていく。何千回と繰り返してきたにも関わらず、反省も改善もしない彼女らを見ていると、本当にオレを殺そうとしているのか疑問に思えてくる。何度も何度もバカの1つ覚えみたいにオレに銃を撃ち、反射されて自分達が貫かれて死んだというのに最初の1回目から何1つとして変わっていない。
オレを殺さなくては自分が死んでしまうというのに。だとしても、きっと彼女らは死への恐怖など感じていないのだろう。死ぬ為だけに生み出されたのだから死んで当然とでも思っているのだろう。
だからこそ、それが気に食わない。
「はァ、イイ加減に学べよなァ、オマエら。オレに銃なンて効きやしねェッてよォ。頭にスポンジでも詰まってンじゃねェかとさえ思えてくるオマエらにイイ事を教えておいてやる」
トライアル&エラーなにそれ美味しいのとか思っていそうな阿呆な彼女らに1つヒントを出してやろう。そのヒントを得たとしても、俺を殺せる可能性が0%から0.000……1%程度に上がるだけだが、どうにかしてその那由多の果てにある可能性を掴めるように。
「オレの能力はベクトル操作。ありとあらゆる力の向き、ベクトルを自由自在に操る能力だァ。オレに向けられた銃弾のベクトルを操れば、銃弾を放ったオマエに返す事だって簡単に出来ちまうッつう訳だ」
こいつらの頭は繋がっている。ここで得た情報から次の実験にも多少の変化が生まれる事だろう。そんで丁寧にオレの手の内をバラしてやったというのに、目の前のこいつは動く素振りを見せない。オレの能力の説明からオレに与えられる有効打でも考えているのだろうか。
そんな事を考えている暇があったらなぁ……
「少しは逃げる素振りでも見せて、オレを楽しませやがれェ!」
地面を軽く踏む。軽くとは言っても、ありとあらゆるベクトルを操作して全てを足に集約している。結果、地面にはクレーターが出来上がる程でその時の破片はミサカへと直撃する。
大きめの瓦礫が腹部に直撃したようで口から血を吐いて、ゴミのように吹き飛んだミサカ。ミサカは負傷した箇所を手で押さえながら、ヨロヨロと立ち上がり、覚束ない足ながらもオレから離れる為に走り出した。
「それで良いンだよ」
少しは生きる意志を見せてくれ。そうすれば、きっといつかは……
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ミサカを追いかけて辿り着いた先は人気のない駐車場であった。現在時刻は2時を回っていて、出歩く人はいないだろう。駐車場には誰の物かも分からない車が何台か置かれていたが。
そんな駐車場に辿り着くと背を向けて逃げていたミサカは足を止めて、オレの方に振り返った。
「どうしたってんだァ? 楽しい楽しい鬼ごっこはこれで終わりかよ?」
「鬼ごっこではなく、殺害対象を目的地までの誘導を完了したとミサカは目的を明かします」
オレの問いかけに答える事なく、ミサカは独り言を呟く。どうやらミサカはオレをここにおびき出すのが目的だったらしい。こんな所で一体何をするというのだろうか。
それはオレを殺し得るものだろうか。
なんて考えていると、ミサカから複数の電磁波が飛んで行くのが見えた。その行先はここに駐車している車全て。オレからアクションを起こす訳でもなく、ミサカの思うがままの事をさせた。
結果、引き起こされたのは複数台の車の大爆発。全てにガソリンを満タンまで詰め込んだのか、その衝撃や轟音は凄まじいものであった。近隣のビルの窓は割れ、駐車場に設置されていたフェンスは何処かへ吹っ飛んでしまった。
オレは視覚や聴覚にダメージがいかないように一定以上の強さを持つ光や大きな音は自動で遮断するように設定している。爆発の衝撃や飛び散った破片等は言うまでも無いだろうが、反射している。つまりは、ノーダメージである。
爆発によって立ち込める煙が鬱陶しいので腕を軽く振るう事で煙を晴らした。腕を払うぐらいで煙は晴れないだろうが、オレの能力のおかげで腕を払う程度でも煙を晴らすぐらいの風は容易く起こせる。
煙が晴れ、開けた視界の先には気絶しているミサカの姿があった。なんと阿呆な事に自分で引き起こした爆発音で気絶しているらしい。鼓膜が破れたのか、耳からは血が垂れている。
自分で巻き起こした爆発で負傷し、気絶するなどただの阿呆ではないか。本当にこんな阿呆達がオレを殺せるのだろうかとコイツらを作り出したキチガイ研究者共への疑問を浮かべる。
キチガイ曰く、最後の20000体目はオレでも苦戦する程などとほざいていたが。
まぁ、何にせよ。気絶しているなら良い事だろう。
死ぬ時の痛みなど無いのだから。
オレは足を振り上げ、ミサカの頭を踏み砕いた。ベクトルを操ってさえすれば、風船でも踏み潰すように頭を砕く事だって容易い。
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改めて、オレの名前は鈴科百合音。名前から分かる通り、性別は女である。中身は男であるが。
というのも、オレには前世の記憶があった。学費を工面する為にバイト三昧の男の大学生であった前世の記憶が。いつものようにバイトに明け暮れていたら、寝不足や疲労困憊で注意力が散漫していた結果、自転車に乗っている最中に酔っ払いの乗用車に轢かれて死亡した。
それで目が覚めたら全く別人の女の子となって生まれ変わったとそういう訳である。しかも、「とあるシリーズ」という物語の中の世界に生まれたという訳である。どういう訳かオレにも分からん。
しかも、生まれ変わった鈴科百合音なる人物をオレは知っているとも言えるし、知らないとも言える。
先に言った「とあるシリーズ」という物語は地球が舞台なのだが、その地球は普通ではなく、魔術や超能力が普通にある世界なのである。超能力は科学に位置づけられているという摩訶不思議な状態になっているのだが。
それで能力を宿した多くの登場人物の中で1位という座に君臨しているのが「アクセラレータ」という本名不詳な男。能力名は
もうここまで言えば分かると思うが、オレはアクセラレータとして生まれ変わった。より正確に言うと性別不詳であったアクセラレータではなく、性別が女と確定したアクセラレータとしてオレは生まれた。
これがオレの「知っているとも言えるし、知らないとも言える」という言葉に繋がってくると、そういう訳である。
アクセラレータという人物は加害者であるとも言えるし、被害者であるとも言える人物であった。アクセラレータは作中で1万体以上のクローンを手に掛けた。更なる高みへと至る為に。だが、それは過去に誰かを傷付け、人と関われなかったからこそ抱いた願望でもあった。
最強ではなく、無敵になれば誰かと関わる事が出来るのではないかという希望を抱いてしまったからこそ、クローンを殺し続けた。罪悪感を抱きながら。
オレは進んでクローンなど殺したくも無かったし、孤独にもなりたくなかった。だからこそ、原作と同じ道筋だけは辿らないように頑張った。だが、その努力は実らなかったというのは最初の独白から分かってくれるだろう。
オレを生んだ親は「悪魔の子を産んでしまった」と心を病み、昨日まで遊んでいたはずの友達は「近寄らないで、化け物!」とオレの伸ばした手を叩き落す。
オレの能力を悪用しようとした阿呆な科学者共は揃いも揃って、恐怖に怯え、他所へとオレを送る。
そうして、出来上がったのは他者と関わる事に怯え、暴力だけで誰かと繋がる阿呆なオレ。原作のアクセラレータと違う点と言えば、性別が女だとハッキリしている事と学校に通っている事だろうか。通っている学校は能力開発が盛んな学校ではなく、至って平凡な「とある高校」。
そこは我らが主人公の上条当麻が通う高校である。
まだ僅かに残っていたオタクとしての魂が主人公をこの目で見てみたいと訴え、第1位の権力で無理矢理入学した。オレが第1位の超能力者であると知っているのは学校では1人としていない。校長もオレの正体は知らず、上層部からオレの事を入学させてやれと言われたから入学させたというだけ。その学校の中でなら、オレは大量虐殺者のアクセラレータではなく、至って普通のJK鈴科百合音として生活出来ている。
心の何処かで誰もオレに怯える事のない学校生活というのに確かな温もりを感じていた。数多のミサカを殺し続けているオレがそんなものを感じてしまっている事自体に自己嫌悪を覚えるのだが。
オレにそんな資格などないというのに。
……ちなみにオレは高校生となっているが、本当の年齢は13歳。本当だったらオレは中学校に入るべきであったのだろうが、こちとら中身は20超えてるし、第1位様である。そんなオレが中学校のノリに付いて行ける訳もないと判断して、高校に入る事にした。オレの頭なら高校ではなく、学園都市トップの大学に入っても、楽勝で首席を取れるぐらいなので13歳のオレが高校に入っても大した問題にならない。
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「おはざまーす」
未だに慣れないというか慣れたくないとある高校の女子制服に身を包み、登校して、テキトーな挨拶と共に扉を開けた。ちなみに現在時刻は10:50。紛う事なき遅刻である。だが、オレの登校時間は平均して12:00前後という事を考えれば、早登校と言えなくもないかもしれない。
扉を開けると殆どの生徒が「あぁまたか」という表情になる。大体の先生もオレが遅刻常習犯であり、何を言っても遅刻以外の登校をした事がない為に諦めている。だが、どうやら今日はオレはハズレの時間に来てしまったらしい。
教卓に立っているのは桃髪の小学生にしか見えない月詠小萌。見た目は小学生なのだが、これでもアル中にヘビースモーカーを患う立派で
まぁ、遅刻するオレが悪いんだけど。
「また遅刻ですか、鈴科ちゃん!? 鈴科ちゃんは成績は良いんですから──」
話が長くなりそうだったので懐からイヤホンを取り出して、目の前で装着。なんか言っているちんまい先生を素通りして、自分の席に座って寝た。
今日も今日とて四肢欠損し、血を流し続ける妹達に呪詛を吐かれる夢を見たせいで夢見が悪く、寝不足なのだ。喧しい音は能力で反射して、オレは快適な睡眠を送るとしよう。どうせ夢で1時間程度で叩き起こされるだろうが。
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肩を誰かに揺すられる。普段は反射を発動している為、オレに触れる事など誰1人として出来ない。ある1人を除いてという言葉が付くが。
オレに触れ、肩を揺するなどという事が出来ている時点でそれが誰なのかは声を聞かずとも、姿を見ずともすぐに分かる。
「おい鈴科」
ほら、やっぱり。声を聞いた事で半ば確信していた真実が確信的な真実となった。ついさっきまでまたいつもの夢を見ていたのだが、悪夢から目覚めさせてくれた事に感謝の感情が、オレが受けるべきであろう罰を中断された事に怒りの感情も湧いてくる。
億劫ながらも、目を開き、光を眼球に取り込む。
光を取り戻した視界に映ったのは有名人であり、ヤベー三人衆。黒髪、金髪、青髪と色彩豊かな集団である。この学校においてデルタフォースなどというカッコイイけれど、その意味は要するに3バカという不名誉な称号を欲しいままにしている残念組。
そんでオレに触れているのはロリを落とす事で有名なロリコン担当であった。
「ンだよ、ロリコン、シスコン、セクハラ。こちとら寝不足でねみィンだよ。テキトーな理由で起こしたンなら、ぶっ飛ばすぞテメェら」
オレは夢見が悪いせいで寝起きはすこぶる機嫌が悪い。オレを起こした理由がしょうもない理由だったら即座に塵カスに出来るように能力を発動する演算を開始しておく。デルタフォースを宇宙の彼方まで吹き飛ばす算段を付けていると、ロリコンが話し始めた。いや、作中では人間など比較する事すら烏滸がましい長寿な超越者すらも手篭めにしていた。ロリコンという言葉だけでは表せない何かがあるのだろう。そんな人間をロリコンと称するのは些か不適切であるかもしれない。まぁ、ロリコンのあだ名なんで生ゴミに劣るぐらいには価値など無いし、ロリコンのままでいいだろ。
「酷く屈辱的なニックネームで呼ばれた気がするが、今は置いておこう。小萌先生が「寝坊助さんな鈴科ちゃんに後で職員室まで来るように言っておいてください!」って言ってたぜ」
あぁ、成程。またいつものお説教タイムという事だろうか。何時かは呼び出されたにも関わらず、そのまま帰宅したら後日に倍になって説教が帰ってきたのである。まぁ、呼び出されて帰ったオレが100%悪いんだけど。
それにしても、ロリコンの合法ロリの声真似がキモすぎて若干引く。
小萌からの説教の最長記録は3時間とかだっただろうか。ついでに授業サボりまくった罰として追加課題が大量に出されたのだが、こちとら学園都市第1位の超能力者である。課題などノンストップで問題を解いていけば、すぐに終わる。
それにしても、呼び出しかぁ。
めんどくせェなァ、ほんとに。オレみたいな大量虐殺者の事など放っておけばいいものを。