スネーク達の戦いも本格的に始まります。
スネークをカッコよく書こうと思うのでこうご期待!
第11話 平行世界の潜入者
鳴り響く音に追い立てられる。
重苦しく淀んだ空気は窒息しそうな熱気と血のような鉄の匂いを孕んでいた。
紡ぎ繋いだその手を離さないように二人で赤と黒に塗り潰された空の下を走っている。
ただひたすらに、がむしゃらに、転がるように『何か』から出来る限り遠くを目指していた。
「もうおしまいだ」
誰かが吐き捨てた言葉は最期の世界を如実に表していた。
市街地のビルが崩壊する。地響きと轟音が世界を揺らす。
その世界の中、立ち上がる新たな焔を背に黒い影が陽炎のように揺れた。
火の粉を上げ、それを纏い、無感動に、値踏みをするかのように崩れたビルの上から世界を見下ろしながら。
恐怖を噛み締めて、ただ逃げる為に走り続ける。
怖い
繋いだ手から震えが伝わる。
大丈夫、大丈夫だから
緊張と恐怖にこわばる顔を無理やり笑顔にした。
好きだった。
自分はこの子のことが好きだった。
自覚が出来ないほどに幼く、ちっぽけな感情だったけれど。
だから
だから守ろうと思った。助けたかった。
それなのに
それなのに
直接揺らいだ熱風が繋いだ手を拐っていった。
それから
それから。
«こちらクロノ、エルズス、聞こえますか»
耳に取り付けたイヤホン型の無線機から声が聞こえた。
「聞こえるぜ、クロノ」
エルズスが耳を押さえながら答える。微妙にサイズがあっていない。
«それでは今回の任務を再確認します»
「ああ、頼む」
横にいるスネークも同様に耳を押さえていた。
«今回の任務は概念核の破壊です»
概念核。魔法壁と呼ばれる強力な防護壁に何重にも覆われた『概念を構成するための中心体』
そして今回、破壊する概念核は
«あなた達が今いる平行世界の概念核を破壊すること»
それが、
«今回の任務です»
「平行世界を破壊する・・・か・・・・・・」
気分の良いものではない。だが、やらなければならない。
やらなければ
「オタコン達がまずい」
事は一刻を争う、と言うわけだ。
28時間前。次元航空艦、アースラ内部
「つまり、今のこの状況は、人為的に誰かが平行世界をぶつけて時空震を起こし、その地震の余波から出たエネルギーを魔法に転換させて世界の時間を止めているということだな」
「簡単に言えばそうです」
もう、スネークがクロノと会話できる程に魔法に完全に馴染んでいやがる・・・・。
「質問をいいッスか」
「はい、エルズス」
「そんなことをして相手は何が目的なんスか?時間を止めたって、どうしてスネークや俺は無事なんスか?」
「前者についてはまだ分かりません。今も正体を含めて捜査中です」
「目的不明って・・・・」
世界の時間が止められているという異常事態に対して少しいい加減だ。
「すみません。しかし、後者については答えられます」
自覚があるのか、それとも申し訳なさからか、クロノの声のトーンが低い。
「恐らくお二人には魔法耐性があります」
・・・・・・・・えっと・・・・・・・
「魔法耐性?」
「はい、少し長いですが説明すると、読んで字の如く魔法に対してある程度の耐性があるということです」
「それで?」
「人間の脳は1%しか使われていないという話を聞いたことがありますか」
「ああ」
「残りの45%には『魔術回路』というものがあります」
45%もか・・・・・。
「この魔術回路は言ってみればコンセントのようなものでこれと魔法を使うためのデバイスがあることではじめて魔法を使うことができます」
「魔術回路単体やデバイス単体では、魔法を使えないと言うことか」
スネークの疑問に対してクロノは苦笑した。というのも
「いえ、扱う魔法によっては魔術回路単体でも使えますし、魔力がすごい人はデバイスから再構成します」
こういう訳だ
さらに説明は続く
「魔法耐性というのは、魔術回路をコンセントと例えて、その中にある抵抗器のようなものです」
「つまり、電流を抑えるように外部干渉してきた魔術を防ぐことができるということか」
「そういうことです」
「神経回路みたいなものってことッスね!」
さっぱり解らん
エルズスは苦しんだ。昨日まで「魔法なんてねーよwww」と思っていたのに今ではこれだ。
むしろどうしてスネークはついていけるのだろうか
単純に俺がバ・・・・スネークがメルヘンチックで常識はずれなだけだろうか。いや、そうにちがいないきっとそうだ。
「スネーク・・・・・辛いことがあったら頼ってもいいんス・・・・・」
憐れみの目をスネークに向ける。が
「それで、俺たちはこれからどうすればー」
完全に無視だ。
・・・・・・・もしかして俺って今、空気なんじゃ・・・・・。
「・・・・・そ、そんなことはないよな」
エルズスには酷だが、最初からである。
「しかし、この『ダイバーズシステム』ってスゲーなクロノ」
ところかわって、28時間後、平行世界のとある都市郊外。
スネークとエルズスは『ダイバーズシステム』と呼ばれるシステムで平行世界についていた。
このダイバーズシステムというのは、ド○えもんのタイムマシンのようなものらしく、クロノいわく『公安局技術開発部の技術の全てを注ぎ込まれて作られた最高峰のシステム』らしい
変な装置を着けることなく、ただベッド状の装置に横たわるだけでシステムが起動。
魔力を持たないスネーク達でも楽に平行世界に行けるというわけだ。
ちなみに、エルズスとスネークは魔法を使えない。なのに魔術回路を持っているのには訳がある。
魔法を受けたことが引き金になり、使われなかった魔術回路が使われ、脳自体がアップデート中らしい。
これには個人差があり、この過程で使える魔法が決まっていくらしい。
«二人とも、渡した概念干渉爆弾は持っていますね?»
「ああ」「持っているッスよ」
«予定通り、それを核の中心部で爆破すれば、あなた達の世界も元に戻ります»
「そして、爆破後に新しい概念核をセットしてこの世界も元に戻す」
これにも訳がある。
«まさか、この世界概念核が止められているとは»
スネーク達のいた世界と今いる世界は干渉しあっており、それを剥がすには、固定核に書き換えられたこの世界の概念核を一度破壊しなければならない。
しかし、破壊すれば当然この世界は崩壊する。それを防ぐために破壊後、新しい概念核を入れるということらしい。
それを成し遂げるためのダイバーズシステムということだ。
ともあれ、
「科学の力ってスゲー!」
この一言に尽きる。
「しかし、よりによって概念核が都市中心部にあるとはなぁ」
面倒だ。しかもクロノの話によれば複数の魔法反応が確認されたらしい。
そんなこんなで都市に到着。といっても転送位置が比較的近かったため、そこまで歩いてはいない。
「この先が『ビリアル』か」
外周に大型ドームを取り付けられた鳥の巣のような古墳の形をした都市ビリアル。
大きさはアメリカ合衆国の州1つぶんに相当するらしい。
まぁ、とりあえず
「この一歩は我々にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ」
「アームストロング船長のマネッスかスネーク」
「ああ」
「しかし、貴様に初めの一歩はゆずらんッッ」
「何ッッ!」
エルズスが元気よく走り、ビリアルの内部に一歩を刻む。
近くにいた人々は二人の行為に笑っていたが気にしない。
「初めの第一歩!!」
直後、アラームが鳴った。
・・・・・・・・・えーと
「エルズス・・・・・・・」
「いや、今は俺のせいじゃねぇ!!」
タイミングがあまりにも完璧だったため、思わず言い訳をいったが、事態は最悪だ。
(もしかして、時空震を起こしたやつはこれを見越していやがったのか!?)
が、
「あんたら、なにつったってんだ!早く逃げろ!!」
近くにいた男性が焦りながら、走っていく。
よく見ると周りにいた人々も彼と同様に必死に逃げている。
「一体どうしたんだ?」
「奴らが来たんだよ!!速く逃げろ!!!」
男性はそのまま去っていた。
「奴ら・・・・?」
「来たぞ!!」
誰かの叫びにその場はパニックになる。
「!?」
ー唐突に爆発音が響いた。
吹き付ける爆風に頭を庇い、激しい風圧てアスファルトの欠片が飛んでいった。
「なんだ!?」
二度目の衝撃。近くの古いビルの三階より上の部分が綺麗に切断される。
地響きが耳をつんざき周りに不協和音を奏でる。
破壊されたビルから青空が覗き、逆光から何かの姿が写しだされる。
そしてエルズス達もそれを見た。
金属的光沢があり、全身が作り物めいたシルエットをしていた。
関節部分は逆関節と人間の関節を足したかのような形をしており、全体的に歪な形をしていた。
「ディシィーズだ!!」
「なんなんだよ、これ・・・・・・!?」
エルズス達と目が合う
怪物が咆哮をあげた
金属の軋んだ声をあげた。その見た目は
「まるでメタルギアじゃないか!!」
ディシィーズは種類を色々と考えています。
いいアイデアがでるまではまた不定期になります。
だって更新速度が亀だもん!仕方がないね!
次の話に続きます。それまで少々お待ちを・・・・。