ようやく2話。
お待たせしました。
第2話です。
仮に
仮にだ、
自分の目の前に自称神が現れた時、どうするのがベストなのだろう?
やはり、崇めるべきなのか?それとも、殺すべきなのだろうか?
よくわからないのでこう言ってやった。
「くたばれ、クソ野郎」
流石、自称神と言うべきか御心が広いのか、笑ってこう言った。
「黙れ、穀潰し」
言うまでもなくお互いの第一印象は勿論最悪そのものだった。
ロボットの最大の特徴は何だろうか?
それは、『足』だ。
人間と同じように歩く事も走る事もできる。
だが、最大の特徴は同時に最大の弱点になる。
故にロボットの弱点も『足』なのだ。
足を破壊すれば人間同様に転けるし、最悪、動けなくなる。
それをどう克服させるかは、設計者の腕の見せどころだ。
「いや、だからって、これは酷いだろ」
『それ』の大体の輪郭は人に似ているが、勿論、人ではない。
胴体の剥き出しのフレームに対して脚部関節部の装甲が異様に厚い。
背部には2つのアームが翼の様に張り出しており、先端部には武装が施されている。
肩の部分には格納状態にある腕が2本ついていた。
恐らくまだ未完成なのだろう。
全体的にぐにゃぐにゃで、まるで精巧なマネキンがどろどろに歪に溶けたような形をしている。
『メタルギア』
それもただのメタルギアではない。
四本腕のメタルギア。
·····はっきり言おう。
下手物だ。
『シャドー・モセス事件』が起き、世界は大きく変わった。
元フォックスハウンド隊員、リボルバー・オセロットがメタルギアREXの情報を
裏工作にてブラック・マーケットに流し、巨額の大金を得た。
あのジーサンが金目的でなにかしらのアクションを取るとは思わなかったが。
当時のアメリカ合衆国大統領、ジョージ・シアーズは事件の責任を取るため失脚。
その後、自宅で謎の死を遂げた。
恐らく殺されたのだろう。
アームズテック社は事実上、解体寸前になり、社長のケネス・ベイカーは心臓麻痺で死亡。
DARPA(国防省付属機関先進研究局)局長、ドナルド・アンダーソンも心臓麻痺で死亡。
事件の黒幕と言われているアメリカ国防長官、ジム・ハウスマンは自殺。
これによりアメリカの国防を担う奴は大体が死んだ。
世界はこの事件によって大きく変わった。
当然だ。大国アメリカに恨みを持つものは腐るほどいる。
名もなきテロリスト、アメリカがトップに立ち続けることを不快に思う連中、様々な理由で粛清された者達
等等等等等・・・・・・・・・。
世界は大きく変わった。
故に『シャドー・モセス事件』は後にこう呼ばれる。
『世界変革の日』と
「かかって来いよ、ブリキ野郎」
言葉と同時にメタルギアが動き始める。意外に速い。
アームズユニットを起動し、先端部に搭載されたマシンガンが一斉に火を吹き始める。
「格の違いってもんを見せてやる」
言ってから、スライダーを起動させる。
相変わらずの反則染みたスピード。無論、相手も攻撃の手を緩める事は一切ない。
肩に装備しているミサイルポットをこちらに向かって小型ミサイルを発射。
スライダーの動きだけで強引に避ける。
後ろで一発のミサイルが爆発。後続のミサイルが爆発に巻き込まれて連鎖的に爆発する。
行ける。殺れる。
それ以上の理由なんて要らない。
アームの1つのがこちらに向かって伸びる。先端部のマシンガンは既に格納されており、
代わりに大型クローが装備されている。
クロー自体が振動しており、その振動が基地の内部全体に不協和音を奏でていく。
恐ろしく速いスピードでこちらに迫ってきた。
「はっ」
だがらなんなんだ?
そんなオモチャで動きを止めようなどと本気で思っているのか?
人を舐めるのもいい加減にしろ。
迫りくるクローを腕の動きだけでいなし、地面に激突させる。
腰に提げていた試作型の高周波ナイフを起動させると同時にメタルギア本体に急接近する。
こちらの意図に気づいたのか地面に埋まったアームを動かし戻そうとするメタルギア。
だが、所詮は機械。動きが余りにも緩慢で遅い。
アームの上に飛び乗り、関節駆動部分にある強化装甲を高周波ナイフで滅多斬りにし、露出させる。
持っていた小型ロケットランチャーを露出したアーム関節部に向けてトリガーを引く。
まずは腕1本を破壊。続けてもう1本腕を破壊しようとするが残っているアームユニットに吹き飛ばされる。
さらに股間部に搭載されている大口径のマシンガンが火を吹き、こちらを殺さんと地面に穴を開けながら迫る。
ただし、メタルギアが狙っているのは自分ではない。
その上--メタルギアの武器が入っているコンテナを狙って撃っている。
過ぎた言葉を撤回しよう。コイツは確かに下手物だが知能はあるのかもしれない。
だとしてもこちらのほうが速いが。
と、メタルギアの脚部が展開。隠し腕だ。
「やべ」
スライダーは直線スピードは速いがなにぶん小回りが効きづらい。
避ける暇もなくアームに捕まる。
「っ」
捕まったときに誤って高周波ナイフを落としてしまう。油断した。
コンテナが落ちる音を背景にメタルギアはアームを2本こちらに向けてさらに体を拘束。
そのまま体を引きちぎろうと器用にアームを動かす。
のみならず、落とした高周波ナイフを拾い、アームを使って刺そうとする。
絶対絶命。そういうシチュエーションなのだろう。
だが
「甘ぇよ」
確かに完成品だとヤバい。というか、引きちぎられて死んでいただろう。
だが、先ほども言った通り、このメタルギアは未完成品だ。
アームユニットも万全の体制ではない。
「えいや」
アームを力で強引に吹き飛ばすと同時に高周波ナイフを空中でキャッチ。
さらに追撃を仕掛けようとするが、脚に踏み潰される可能性があるため、一旦後退。
金属の軋む声。メタルギアの咆哮だ。
勿論、内部フレームが擦れあってそう聞こえるだけだ。
メタルギアはコンテナの中にあるものを脚部アームを器用に使って取り出す。
腕部アームを両サイドパージ。コンテナの中にあった『それ』に強引に接続する。
それを見て一瞬で凍りついた。戦慄する暇もない。
「・・・・・マジかよ」
コンテナの中にあった武器がメタルギアの右肩に装着される。
マスブレードが。
「しゃーねぇ、あれを使うしかねぇか」
こちらもスライダーをパージし、背負っていた武器のロックを解除。展開コードを送る。
『展開を開始します』
電子声が響き、背部から武器が展開。
メタルギアもマスブレードを展開。
ここから先はスピード勝負だ。
『レールマグナムモードへ移行』
音声の後、背部のユニットがに変形。
複雑怪奇な変形を繰り返し、巨大なライフルの形を帯びていく。
『レールライン、大型弾丸、全弾直結』
全弾といっても1発しかない。とはいえ、1発で十分だ。
『マグナムアンカー、脚部ロック』
相手もエネルギーをチャージ。いよいよヤバくなってきた。
『砲身内、冷却開始』
間に合うか?
『マグナム弾、装填。エネルギーチャージ開始』
凄まじい電気が砲身に帯びはじめ、焼けるような高熱を耐える。
メタルギアが腰を落とし、マスブレードを構える。
マスブレード本体は既に火を帯びており、見た目以上の威力を誇る恐ろしい武器になっていた。
間に合ってくれ。
『チャージ完了、全シークエンス終了、発射準備完了』
『撃てます』
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
それが合図となった。
携帯型短式電磁投射砲、レールマグナムが悲鳴を挙げ、メタルギアがマスブレードに引っ張られるように音速接近。
ジェットエンジンを簡単に凌駕する勢いで迫る。
マスブレードを思い切り引き、殴るモーションに入ると同時にレールマグナムのトリガーを弾いた。
マスブレードとレールマグナムの2つの超絶テクノロジーの一撃が同時に激突。
お互いの攻撃による爆裂衝撃波が周囲を吹き飛ばし、アンカーを打ち込んだ足場をも崩れ始めていた。
互いの必殺の一撃がぶつかり合い、拮抗している。
既に相手のマスブレードにはひび割れが入っているが、
こちらのレールマグナムも火花がちりはじめていた。
両者共に獣の雄叫びを上げながらありったけの力を注ぎ込む。
だが、まだ終わっていない。
お互いにエネルギーをありったけ全てぶちまける。
「コイツで・・・・・・」
「コイツで終わりやがれぇぇぇぇぇえぇええぇええぇぇ!!!」
そしてーー
極大エネルギーのぶつかり合いの末、聞いたこともない澄んだ破砕音が響き渡った。
アンカーで固定したはずの体が不意に引っ張られ、吹き飛ばされる。
磁石の同極同士を近づけたかのような反発力に吹き飛ばされてしまう。
メタルギアは最後まで理解を拒むかのような顔をしていた。
無論、そう見えただけである。
「派手にやったなこりゃ・・・・・」
「メタルギアが抵抗してきたんでしょうか?」
「恐らくな」
「にしても、こりゃすごいですね隊長」
「ああ、どうやったらこうなるんだろうな」
「敵さんがいきなり降伏したのは、てっきり補給物資が尽きたからだと思ったんですけど」
「・・・本当は、切り札を破壊されて降伏したんだろうな」
2人の兵士が話し合っていた通り、それはとてもひどい状態にあった。
結論から言えば、メタルギアは原形を失っていた。
マスブレードは大穴が空いており、その先の壁も何かの弾丸が貫通していた。
本体の損傷も酷い。
既に原形を失っており上半身から右側は綺麗に蒸発している。
脚は吹き飛んで、内部構造が露出していた。
「フィランソロピー」
「へ?」
「聞いたことないか?最近、巷を騒がしている反メタルギア財団の名前だ」
顔が理解の色を表す。
「そう言えば、前にそんな話を聞いたことがあります」
何でも
「『歯車殺し』っていうあだ名を持つヤバい奴がいる!とかなんとか」
「恐らく、そいつの仕業だろう」
「覚えているか?今日の司令、何かを隠しているような顔をしていただろう?」
「・・・言われて見れば・・・・・・・・そうでしたっけ?」
「・・・・・」
仕方ない。無視しよう。
「今思えば、この事を隠していたんだな」
「あっ、そうか!!危険性の高いNGO財団に極秘にメタルギア破壊任務を頼んでいた。
なんてバレたらヤバいですもんね~」
「たぶん、そういう事なんだろうな」
改めてその名に思いを馳せる。
反メタルギア財団、フィランソロピー
歯車殺しのエキスパート達のことを。
マスブレードというのは、アーマード・コアというゲームにでてくる
OW(オーバードウェポン)というイケメン兵器のことです。
カッコいいのでだしてみました。
ちなみにレールマグナムはオリジナル兵器です。
次の話でアイツをだそうと思います。
(ヒント、スネークの親友でオタッキーなアイツです)