歯車と眠れ   作:MSX

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た、タイトル手抜きすぎやしませんかねぇ・・・・・(震え声)

というのも実はこの作品のサブタイトルは全部、映画が元になっていて、そのストックがないとこのように適当になっちまったり。

でも長いサブタイトルは好きじゃないしなぁ。どうしましょ。


第29話 「なんのことだ?」

国会議事堂から7キロ離れたA地点にて、戦闘が起きていた。

 

ピポサル部隊とエルズス達、自衛隊による中規模の戦闘。戦況は一進一退といったところだ。

 

「12時の方向、距離400、煙幕爆弾(スモークボム)発射5秒後、音響機雷(サウンドクラスター)発射。タイミングは任せまス」

 

「了解!」

 

たった今気絶した隊長に代わりエルズスが代理指揮を執っているが、本人もスネークほど指揮には慣れておらず、ピポサル部隊に比べて自衛隊の練度が低いというのが現状だ。

 

現在、国会議事堂に囚われた人質を救助するために単身で潜入したスネークを援護するために敵戦力分断の陽動作戦を起こなっているが、この作戦にはそれ以外の理由がある。それは未だ反抗を続けている自衛隊と合流を図り、戦力増強とともに情報を引き出すことだ。

 

しかし、合流したエルズス達はその惨状に目も当てられなかった。当初は本気でゲリラかなにかと勘違いするほどに疲弊していた残存戦力は戦力になるとは言えず、今まで生き残っていたのが信じれないほどだ。

 

それでもここまで持ちこたえていれたのは、ひとえに彼らの技術を超える頑張りがあるからだろう。

 

「発射!!」

 

ポン、せりだす音とともに試作型月光の肩のグレネード発射装置からスモークグレネードの5倍の煙幕範囲をほこる煙幕爆弾が射疾され、地形を盾にとっていたピポサル部隊のど真ん中に着弾。辺り一面を灰色に染めた。

 

「ウキッ、キキキッ!」

 

ピポサル達も隊列の乱れ生じるが、それも一瞬のこと。すぐさま暗視スコープを装備するがすぐさま異変に気づく。

 

「ウキウッ!?」

 

この煙幕爆弾の最大の特徴はスモークに0.5ミリほどの特殊加工された金属片を含んでおり、暗視スコープですらその先を見透すことは叶わない。そして金属片のもたらす電波障害はピポサル達の連携を一時的に崩し、支援兵器の射線を狂わせる。

 

「音響機雷、発射!」

 

そこに加害範囲700メートルの空中機雷が散布され、中から卵状の鉄球が落とされていった。

 

「全員!目と耳を塞げっ!!」

 

そして空白が訪れた。

 

エルズスが最初に感じたのはカメラのフラッシュライトのような閃光と静寂だった。

 

それが断続的に起こり、そのつど、視界がクリアになる。隊員達が俯せの体勢やしゃがむ中、音響機雷が炸裂したのだ。

 

これも煙幕爆弾同様に作られた試作兵装であり、その真価は対人戦でこそ発揮する。

 

元々、特殊音響閃光弾(フラッシュバン)は室内戦でこその力をだす物だが、この音響機雷は対テロを想定してつくられた世界初の屋外向けの兵器だ。

 

この兵器は改良型特殊音響閃光弾58個を空中で散布し、付近の敵を無力化するものだが、その規模と効果は恐ろしいの一言に尽きる。

 

58個ぶんの爆音、爆光、精密機械をいとも容易く故障させる圧力衝撃波の三種類がミックスとなってピポサル達を襲った。

 

かなり距離が離れているエルズス達ですら完全防御体勢になるほどのものが、視界0で何も見えず対応しきれないピポサル部隊に炸裂すればどうなるか。

 

結果は火を見るよりも明らかで、なまじ身体能力の高い彼らにとってこれほど堪えるものはない。

 

最後の一つの爆発が終わり、エルズス達はピポサル部隊が一匹残らず目を回していたのを確認し、無力化に成功したことを本部に伝える。

 

(意外と呆気なかったッスね)

 

とはいえ、早く終わるに越したことはない。安堵を吐くと隊員に無線で知らせるように指示をして

 

「本部、こちらは作戦成功!付近のサルどもを一掃してやっ」

 

ーその隊員のヘルメットを銃弾が掠め、手に持った無線機を粉々に粉砕した。

 

「くっ、敵襲!距離1000、増援部隊です!」

 

すぐさま観測手が位置を割り出し、混戦へと勃発する。終わりがない。

 

立体高速道路の上から兵員輸送ヘリコプターが5機着陸し、その中から先ほどの倍以上のピポサル兵が降り立つ。加えてUFOの形をしたUAVがエルズス部隊の真上を飛びまとい、搭乗員が手にした起爆剤でエルズス達の後ろにそびえる電灯と看板を破壊した。

 

やられた、これで退路は潰されたも同然だ。

 

「左手のビルに撤退!!急げ!!」

 

(スネーク、早くしろッス!)

 

このまま続けば自衛隊が負けるのは目に見えていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Mk.22を両手で構え、足音を立てないように歩き、そしてトラックの側面から前方を覗く。

 

ピポサル兵が一匹、こちらを向いている。武器はピポサル用のアサルトライフルとメカボーの2つだけだ。

 

しかし、無線機で応援を呼ばれれば作戦は失敗。ここは時間がかかってもゆっくりと落ち着いて行った方がいいだろう。

 

ピポサルに注意を向けながら静かに移動を繰り返す。ある時は遮蔽物、ある時は背景と同化しながら慎重に。

 

エルズス達の陽動で大半の兵士がいなくなっているが、流石に警備兵は残している。見つかったら面倒だ。

 

(ターゲットGPSの発信源はここか)

 

作戦開始から5分、スネークは敵の監視を掻い潜り、国会議事堂の一階にたどり着いた。

 

窓から光が漏れている場所もあれば点灯していない場所があり、その場所に人影もとい猿影はない。

 

この場所とそこから13メートル先の部屋のどちらかにいるかないし、どちらにもいないかもしれない。

 

時間が限られている以上無駄な時間は少ないほうがよく、となると人質の情報が必要になる。

 

(さっきあそこに・・・・・・・いたいた)

 

国会議事堂の入り口に巡回中の歩兵を1人発見。空になったマガジンを彼の視界の前方に見えるように投げ、マガジンは狙い通りに光が届かない曲がり角の付近の草むらに落ちて音をたてた。

 

人間なら聞き逃してしまう小さな音もピポサルの聴覚はしっかりと聞こえたらしく、首を傾げて件の草むらへとゆっくりと行く。

 

「ウキ?」

 

マガジンを拾い上げるが、とくに異常はない。

 

「・・・・・・・ウキ!?」

 

(いや待て、そもそもどうしてこんなところにマガジンが転がっているんだ!?)

 

猿ともいえど知性は人間より上だ。そんなピポサルでもとっさの判断には隙があるようで、そこをホールドアップされては手も足もでない。

 

「動くな。少しでも妙な真似をしたら撃つ」

 

冗談や比喩ではなく本気で言っていることを強調してから本題に入る。要するに脅迫だ。

 

「人質はどこだ」

 

そしてこのような時の情報源は決まっていた。

 

「ウキ、ウキウキウキキ!」

 

「む・・・・・」

 

「ウキキキキ!?ウキ、ウキキッ!」

 

が、ここで問題発生。言葉は通じているようだが、何を言っているのか分からない。

 

「・・・・・・・(無言のジェスチャー)」

 

「・・・・・・(無言のジェスチャー返し)」

 

(これは・・・・・予想外に難題だな)

 

しかし、ピポサルとの意志疎通はやったことがある。時間はかかりそうだが。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(くそ、猿だと思っていたら科学技術はスターウォーズ並みかよ!)

 

あれから10分、未だに戦闘は続いており、ピポサル軍の兵力差よりも科学技術の差にエルズス達は苦戦していた。

 

なにぶん装備が豪華仕様でレーザーガンとメカボー、各種兵装が標準武装というのは結構な差だ。弓矢と拳銃とまでは言わないが、やはり長期戦は武が悪い。

 

「次、11時の方向、ビル4階の裏側の真正面に撃ち込めッス!」

 

やられた兵士、倒した敵の数は数え切れないが、そんなことを気にする余裕もない。

 

「しかし弾薬が!」

 

元々長期戦を念頭に置いた構成ではないため、弾薬も必要なものしか持っておらず、それも尽きかけている。

 

「アイツをやれなきゃどのみちじり貧ッス!やるんだ!!」

 

「っ、了解!」

 

エルズスの横いるロケットランチャー装備の自衛隊員に攻撃を指示するが数秒のタイムラグが仇となり、それが現れた。ミサイルを乱射しながら、だ。

 

「ッ!邪魔!!」

 

咄嗟に隊員を蹴り飛ばし、その反動で真横に転がり回った時には二人がいた場所は爆煙に包まれ、消し飛んでいた。

 

「クッソ、やってくれるなぁおい!」

 

見上げた先には排熱と自身を浮かばせるためのジェット噴射で陽炎が如く揺らめく機体。

 

二本のアームからはレーザーを放ち、うしろのミサイルベイからはこれでもかと言うほどのミサイルが積まれている。

 

(おまけに性能がヘリの上位互換みてぇな奴ときたもんだ!)

 

その兵器の識別コードは言い得て妙と言える。

 

「アイツさえ何とかすれば・・・・・!」

 

識別コード、サルUFO。

 

制空の怪物だ。

 

「ぐぁああああ」

 

また1人、誰かがやられ、悲鳴とともに消える。死んでいった仲間を追いかけるように。

 

「―冗談じゃねえ!!」

 

その思いを瞳に宿し、眼前の兵器を睨む。

 

俺の目の前でこれ以上の死人は御免だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

英語、フランス語、スペイン語、ロシア語等々の言語を自在に扱うバイリンガルなスネークにとってサル語などものの問題にもならず、僅か数分で完璧にマスターしていた。

 

「ウキキ?、ウキ、ウキキッ!(人質?何を言っているんだ!)」

 

そんなスネークは動揺を隠せずにいた。

 

目の前のピポサルは嘘を付く理由がなく、となると事実を言っているのは明白だが、そうなると辻褄が全く合わない。

 

(どういうことなんだ、これは?)

 

「ウッキキキ、ウキ、ウキャキャキキキウキ?(何って、お前達が彼らを人質にとったのは事実だろ?)」

 

「ウキキウキキキッキキィ!(人質なんてここにはいないし、とっていない!)」

 

(・・・・・・どういう、ことだ)

 

ならばあの映像は何だったのか?まさか、偽情報?

 

「くそ!」

 

とりあえず、ピポサルを麻酔銃で撃ち、眠らせて落ち着いて考える。

 

(考えろ、こんなことをした奴の狙いは・・・・・・・・・・・まさか!)

 

結論が出るのと緊急無線が流れるのはほぼ同時で、その時にはもう何もかも終わっていた。

 

いや、これが始まりなのかもしれない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

煙を出しながらサルUFOが後退し、それを援護するようにピポサル部隊が弾幕を張り続ける。

 

「おらああああああああ!!」

 

だが、そんなものエルズスの持つ高周波ブレードの前には玩具も同然。なすすべなく倒れていく。

 

普通は接近戦を挑む相手に対し、遠距離武器は一方的な強さを発揮するものだが、それは距離的に不利、有利の鉄則があるためであり、そのためにピポサル兵もメカボーを装備している。

 

銃はただトリガーを引くだけ。しかし、刀は経験と実力が物を言う。

 

そしてエルズスが高周波ブレードを愛用する理由は至極簡単なものだった。

 

『近接戦での絶対的有利性』、これが高周波ブレードの成せる技だ。

 

「逃がすかッ!」

 

大きな瓦礫を干渉材として使うべく、エルズス自らでUFOの方向に蹴りあげる。

 

距離はエルズスとUFOのちょうど中間となるところで、強化骨格を起動させて前を走る。

 

サルUFOのセンサーユニットのカメラ部分に瓦礫が直撃し、陽炎が揺らぐ。その僅かな隙が決定打となり、エルズスはUFOの視覚から消えていた。

 

「-我流剣術」

 

センサーの死角の真下から急転斬撃の一撃を繰り出し、すれ違う刹那に一線。それだけでUFOの動きは止まり、勝負は終わる。何をされたか、UFOの搭乗員は分からなかっただろう。

 

「繊切り一旋!!」

 

スパン!こぎみよい音と共に電子基盤が割れる音が鳴り、そこにいたUFOは音からワンテンポ遅れて思い出したかのように真っ二つに切り落とされ、地面に落下した。

 

簡単だ。エルズスは高周波ブレードを使ってUFOを切り落としただけだ。

 

着地したエルズスは強化骨格の中の熱は吐き出し、ブレードを鞘に納める。暫くは充電が必要なのがこの高周波ブレードの欠点だ。

 

「よし、UFOは落とした!これで」

 

その時、タイミングを見計らったかのようにかなり荒い無線がエルズス達に発信され、その内容に一瞬理解が追い付かなかった。

 

だが、これだけは分かる。

 

«基地が壊滅状態にある。至急戻られたし»

 

嵌められた。どうしようもなく。

 




今回もいつも通りの亀進行です。んまぁ、何故遅いのかと言うと、このMSX実は携帯を持っておらず、最近になってやっと買ったのです(遅すぎ)。

それに慣れようと四苦八苦しているうちに投稿ペースがガクンと・・・・。

まあ、読者の皆さんが気にしていなかったらそれでよし!ということで。






作品のスネーク、エルズス、スカリエッティ、そして(忘れていた)クロノ。

この四人がミリオンモンキーズの世界でどうなるのか?それはまだ考え中です。

願わくはハッピーエンドで終わりますように。





次回に続きます。
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