歯車と眠れ   作:MSX

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戦闘をすると言ったな





あ れ は 嘘 だ


第4話 ARE YOU READY?

で、もちろんチート転生で俺TUEEEEE系で美少女ときゃっきゃっウフフな展開なんだろう?

 

「は?なに言ってるんですか?頭に蛆虫でも湧いているんですか?」

 

えっ、違うの?

 

「当たり前です。そんなどこぞの狸型ロボットに依存するダメダメ小学4年生みたいな展開、死んでも嫌です」

 

なんでや、いいやろ!じゃあ、せめて俺TUEEEを・・・・・!

 

「あっ、いい忘れていましたがそういうのが一番嫌いです」

 

終わった・・・・俺の転生、終わった・・・・・・・

 

「は?転生?何甘ったれた事言ってるんですか?」

 

もしかして転生も・・・・?

 

「絶対嫌です(^_^)」

 

なんだよ、この(^_^)!!4倍増しにムカツクわ!!

 

「ごめんなさい(^O^)」

 

もう、やる気/zeroだろ、てめえェェェェェェェェ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、これ以上、無駄な抵抗するな」

 

そう言いながら男達の中心にいたスーツを着た男が威圧する。

 

場所は地下鉄でも人通りの少ない裏通り。

 

その裏通りでスーツを着た男達がいた。人数は6人。体格も年齢もバラバラだ。

 

「ふ、ふざけないで!!アンタ達一体何なのよ!」

 

言葉だけでは無いことを示す為、腕を軽くひねってやる。

 

腕をひねられた少女は苦悶の声を洩らす。

 

だが、眼光は依然として鋭い。恐らく逃げる算段をつけているのだろう。

 

と、そこに男女のカップルが通る。

 

「っ、助けてください!」

 

大声で言ったはずなのにまるで耳栓をしていたかのようにスルーされる。

 

「この人達、私をどこかに連れていこうとしているんです!」

 

カップルの男の方と目が合う。

 

「助けて下さい!」

 

男は無視する。

 

「お願い、助けて!!」

 

女も同様だ。

 

そして何事もなかったようにカップルは通り過ぎていった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・ど」

 

どうして?

 

掠れた声でなんとか言おうとしても声にならない。

 

ショックだった。

 

どうして見捨てるの?

 

理由は明白。単純に関わりあいたくないからだ。

 

だが、脳が理解しても心が結果を拒む。

 

もし、逆の立場だったとしても結果は自分でも分かっている。

 

「兄貴、コイツ黙らしてやりましょうよ、ねぇ!」

 

小柄な男が目の前にでて、甲高い声で喋り始める。

 

骨張った腕の先、手にはバタフライナイフが握られている。

 

「ダメだ」

 

「えぇ~、ケチ!」

 

「任務中だ」

 

「ケチケチケチケチケチケチケチケチケチケチケチケチケチ―!!!」

 

「何度言っても駄目なものは駄目だ」

 

「「「「ははははははは・・・」」」」

 

周りの男達が笑い合う。

 

「兄貴、兄貴から殺しちゃうぞ~!!」

 

小柄な男の雰囲気が変わった。

 

「ひっ」

 

少女は顔を青くした。背筋にゾクリとした寒気が走った。

 

男達に拉致されている今の状況も恐ろしい。

 

まるで挨拶のような気軽さで殺すと言うことを平然と言う得体の知れない恐怖感を覚えていた。

 

だが、それよりも少女は男達の目に圧倒的な恐怖を抱いていた。

 

誰も、誰一人として目が笑っていない。

 

その濁りに濁った目からは真意が一切分からない。だが、これだけは言える。

 

「あ、あああ・・・」

 

狂っている、と。

 

「いい加減にしろ。そろそろ行くぞ」

 

「へーへー」

 

「了解~」

 

まずい、このままじゃ、

 

「誰か助け-」

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たなびく短髪なびかせて~」

 

「緊急事態に急行だ~」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・?」

 

何処からか、下手くそな歌が聞こえてくる。

 

「困った人を助けるぞ~(コマッタ!)」

 

「は、はぁ?」

 

小柄な男も呆気にとられている。

 

「死んじゃう人を助けるぞ~(ギャー!)」

 

「な、なんだこの歌?」

 

「一体どこかra-」

 

言い切る前に男の一人が飛び蹴りを顔面で食らい勢いよく吹き飛んだ。

 

「!?」

 

少女の隣に青年が着地した。

 

「だ、誰?」

 

「さっそう登場エルさんだ~」

 

男達がざわめき始める。

 

「え、エルさん・・・・?」

 

「さっそう登場・・・?」

 

しかし、当の本人は気にせず歌いきる。

 

「みんなの人気者~」

 

説明する必要も無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か?お姫様?」

 

エルズスだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、何なんだお前は?」

 

エルズスが答える。

 

「決まってんだろ、エルさんだよ」

 

「いや、だから誰だよ!!」

 

まともな突っ込みが入り、エルズスもその言葉に反応し、答える。

 

「え、知らねぇのお前・・・・・・?」

 

「知るか!!」

 

最初の剣呑とした雰囲気はどこに行ったのやら、冷静さを失い、男が叫ぶ。

 

「奇遇だな、俺もだ」

 

「くっそ、何なんだよコイツぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

と、その時、ナイフが顔を狙って飛んできたのをキャッチし、その勢いを生かし体を回転。

 

そのまま遠心力をつけて投げ返す。

 

しかし、投げてきた相手はいない。

 

気づいた時には既に間合いに入られていた。

 

「なんか面倒くさいなお前」

 

小柄な男が一瞬で近づいていた。

 

「死ねよ」

 

手に持ったナイフで斬られる。

 

丁度、スピーカーからアナウンスが流れる。

 

«まもなく3番ホームに電車が参ります。ドア付近をーー»

 

エルズスは笑う。

 

「安心しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時間稼ぎは終わりだ。つまらん猿芝居もな」

 

「!?」

 

ナイフの突き攻撃を体を横に半身にし、最小限の動きで攻撃をかわす。

 

のみならず、右肘をがら空きになった相手の背中に叩きつける。

 

さらに足を引っかけそのまま上げて転けさせる。

 

「ぐわっ!」

 

フリーな左腕を使い、転倒する寸前の相手の首をラリアット。

 

小柄な体格が災いし、吹き飛んだ。

 

「走るぞ嬢ちゃん!」

 

「え、ちょ、キャッ!」

 

少女の手を握り、3番ホームに急ぐ。間に合うか?

 

いや、間に合わせてみせる。

 

お姫様抱っこをし、全速力で駆け抜ける。

 

周りの人々が何事かと奇異の眼差しでこちらを見てくるが気にする暇もない。

 

後ろから声と足音。まずい、結構速い。

 

1番ホームにスーツの男。手には消音器を取り付けた小型拳銃を隠し持っている。

 

ヤバい。挟まれたかコレ?

 

大丈夫。相手はまだ気づいていない。通り抜けられ-

 

「そっちに逃げたぞマッドレー!」

 

マッドレーと呼ばれた男と目が合う。

 

くそ、今度こそ挟まれる。だが幸いにも相手との距離は丁度いい。

 

「逃がすかっ」

 

ちなみに何故、幸いなのかと言うと

 

「あ、すまん。足が滑った」

 

「グゥヘッ!?」

 

顔面に本日2回目の蹴りを入れられるからだ。

 

「ちょっ、マッドレー!!」

 

後ろから絶叫が木霊する。うん、地下鉄では音が反響するのでうるさいことこの上無い。

 

2番ホームの途中にある階段を二段飛ばしをしながら猛ダッシュ。

 

強化外骨格を着ているとはいえ体力的にそろそろヤバそうだ。

 

「エルズス!!」

 

横からスネークの声が聞こえ、程なくして本人もエルズスと並走する。

 

息の荒いエルズスを見て、スネークの一言。

 

「一体何に追われているんだ?」

 

「引き際が分かっていない優男(ロメオ)達にだよ!!」

 

と言うか何で見て分からないんだ?今、後ろからめちゃくちゃ足音がしてるんだが。

 

この人の天然性(?)が時々恐ろしくて仕方がない。

 

しかも何か持ってる大きいケースもガチャガチャいってるし・・・、

 

視線に気づいたスネークが得意げに答える。

 

「オタコンに渡された物だ。なんでも『凄く格好いいもの』らしい」

 

何が入ってるんだよマジで。

 

そんなこんなで3番ホームに到着。

 

ギリギリのところで乗り、電車が発車する。間に合った・・・・・・!

 

お姫様抱っこをやめ、少女を降ろす。と、

 

「うぇあ!?」

 

目の前にナイフが通り過ぎる。あと数瞬遅かったら危なかった。

 

「くそ、またあいつかよ!」

 

視線を前に。だがいたのは別人。いるのはスーツを着崩した線の細い気だるげな男。

 

その後ろにはセーラー服を着た少女が一人とコートを羽織った大男。

 

エルズス達の後ろには同じようにスーツをきっちりと着た若い男が一人。

 

同じスーツを着ても先ほど追いかけて来た傭兵崩れの男達とは迫力がちがう。

 

「エルズス」

 

「分かっているッス」

 

電車の中は誰もいなかった。つまり、

 

「嵌められたな」

 

「ええ、嵌められたッスね」

 

不可解なのは相手の行動の良さだ。

 

動きを読んでいたというよりは、予測に近い。

 

一体どうやって・・・・・・・・・・?

 

「まっ、今は後回しッスね」

 

スネークと背中合わせにし、真ん中に少女を配置。前後どちらでも守れるようにする。

 

長細いケースを開ける。中からあるものが飛び出し、キャッチ。

 

なるほど、確かにこいつは『凄く格好いいもの』だな。

 

「ああ、まずは」

 

「ええ、とりあえず」

 

スネークが銃を構え、エルズスが構える。

 

武器の名前は高周波ブレード。

 

構えるはエルズス。

 

味方は伝説の英雄。

 

狭い電車の中に得体の知れない敵は4人。

 

人数的にどちらかが死ねばその時点で少女を守れなくなりゲームオーバー。

 

上等だ。やってやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつらをどうにかしないとな」

 

「ゲーム開始だ」

 

さぁ、やろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人外同士の戦いを。

 




今回は都合上、戦闘は次回に持ち越しになっちゃいました。

つ、次こそは戦闘を・・・・・・・!





次は更新が遅くなるかもしれません・・・・・・・。

出来るだけ早く更新出来るように頑張ります。
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