『お姉ちゃんが、私たちの武器は昔あったお話や実在した物をモチーフにしてるって言ってた。私の場合は''●●●●''。生前にひとつだけ徳を積んだ●●が●から垂らされた一本の糸を頼りに●●から抜け出そうとするお話。私も困っている人に手を差し伸べて助けられる人になりたい』
大赦書史部・巫女様 検閲済
夏凛が犬吠埼宅に着いたとき、部屋から勇者装束を纏った風が飛び去っていくのが見えた。
「なっ‼︎ え、風⁉︎」
夏凛は反射的に風を追わなければならないと思い、スマホを操作し変身する。
(どういうことなのっ⁉︎ 風……!)
ーー少し遅れて三日月と友奈は犬吠埼宅へ訪れる。
三日月はチャイムもなしにドアを開ける。
「え⁉︎ ミカくん……⁉︎」
「遅かったか!」
家の中に人の気配はなく、樹の歌声が流れていただけだった。
「あれ? この音、どこから……?」
「今はいいんだ。部長を止めなくちゃ。……きっとそこにオルガもいるっ!」
「え、どうして、っていうかどこに行けば……」
三日月の想像通りなら風の行き先はひとつしかない。その理由も。
「ーー待ちなさいッ‼︎ 風‼︎」
夏凛は前を跳んでいく風に呼びかける。
「……‼︎」
風は夏凛を一瞥したが、そのまま跳び続ける。
夏凛は風が泣いていることに気付いた。
「アンタッ、どこいく気ッ⁉︎」
夏凛は追いつき風の腕を掴むが、すぐ振り解かれる。
「大赦をっ、ぶっ潰してやるッ‼︎」
「ーーッ⁉︎」
「大赦は私たちを騙してたッ!」
「な、なにを……?」
風と夏凛は道路の上に着地する。周囲には誰もいない。
「満開の、後遺症は……。治らないッ‼︎」
「えっ……何言ってーー」
「大赦は、はじめから後遺症のことを知ってたっ。なのに、何も知らせないで私たちを犠牲にしたんだァ‼︎」
「そんなデタラメなことーー」
「デタラメなんかじゃないッ‼︎ 犠牲になった勇者がいたんだッ‼︎」
「なん……⁉︎」
夏凛は衝撃的な一言に目を見開いた。
「勇者は私たちの前にもいたんだッ。先代の勇者が! 何度も満開して、ボロボロになった勇者がァ‼︎ ……そして300年前にも! 手術を施され、勇者にさせられた人たちがっ……。そのために何十人という人たちを犠牲にしてッ! この戦いは……、犠牲は、300年間ずっと続いていたんだッ‼︎」
風は走り出した。夏凛はその先へ立ちはだかる。
「何で私たちがこんな目に遭わないといけないッ⁉︎ 何で300年前の尻ぬぐいをさせられなきゃいけないッ⁉︎ どうして樹が声を失わなくちゃいけないっ、夢を諦めなければいけないッ‼︎ 人類を守った結果がッ、世界を救った代償がコレかァァァーーッ‼︎」
風は激昂のあまり大剣を、前に立ち塞いでいた夏凛に向けて振るう。
「ーーえっ?」
夏凛は一瞬思考が止まった。風の言葉に驚愕していたこともあるが、風の大剣を突然現れた菊幢丸がバリアで防いだのだ。
夏凛はその衝撃で地面に片膝をついた。
……精霊バリアは勇者が致命傷を負う攻撃を防ぐために……。
「アンタ……。今私をっ……」
「どうせ精霊が守るんだッ! 本人の意思がどうだろうと‼︎」
風と夏凛は睨み合う。
風は大剣を構えた。
「……だから私は大赦を潰す。その邪魔をするならっ、お前も斬るッ‼︎」
「……‼︎」
風は夏凛に向けて再度大剣を振った。
ガキンッと風の大剣と夏凛の双剣がかち合い火花が散る。
「風! アンタが今やろうとしてることはっ、私たちが必死かけて守った世界をっ、蔑ろにすることよ! それを……私が見過ごすと思うのっ⁉︎」
夏凛は鍔迫り合いのまま風を押していく。
風は勢いに押され後ずさる。
「大赦を潰そうが、この世界には何の影響もないッ」
「違う、わ。この世界をまとめているのは大赦よ! この世界で生きていく限り、大赦と関わらない人生なんてないッ!」
「その大赦が私たちの人生を狂わせたんだーッ‼︎」
風は夏凛の腹めがけて蹴りを入れる。
夏凛はそれを見切って体をのけぞり、避けて距離をあけた。
「はあ、はあ……。私は樹を守らなきゃいけないっ。いけなかったんだ……。なのに‼︎」
「こんなことしたって樹の声は戻らないわよ‼︎ アンタだってホントはーー」
「黙れェェ‼︎ あんたに何がわかんのよォ⁉︎」
風は大剣で薙ぎ払い、夏凛は跳んで躱す。
「一人で暮らしてるようなあんたに……、何がわかんのよ⁉︎ 親も兄弟もいない生活のあんたにぃ、私の何が分かるってんだァ‼︎」
ガキィンッ! と風の攻撃を夏凛が剣で弾いて防いだ。
「私はもう樹だけなんだよッ‼︎ 親にだって会いたくても会えないんだよ! 樹の成長が……幸せになることが私の願いだったんだッ! 望んで家族と離れて暮らしてるお前なんかにぃぃぃ、理解できてたまるかァァァ‼︎」
風は大剣を振り回した。
夏凛は後ろに跳んで回避する。夏凛は俯いて歯を食いしばった。
「……そうよ。私はひとりよ。いつもひとりだったわよ……」
夏凛は双剣から手を離す。
双剣はカシャンと音を立てて地面に転がった。
「……でもね風。ここに来てから、勇者部に来てから、アンタたちに会ってから、私は変わっちゃったのよ。''ひとり''を苦に思ってなかった私が、初めてアンタたちと……''誰か''と居たいって思えたの」
夏凛は顔をあげた。その表情はとても晴れやかなものだった。
「覚えてる? 猫を探してた時、アンタは私に''あんたも立派な勇者部の一員ね''って言ったことを……。覚えてる? 総攻撃の時、アンタは私の誕生日を覚えてくれてた。みんなで祝ってくれたことを……。アレね、私すっごく嬉しかったのよ? 一度としてなかった。私を''仲間''と呼んでくれる人が現れたことは」
夏凛はゆっくりと風の元へ歩いていく。
風はいつでも斬れる様に構えている。
「……だけど……。私は結局、アンタたちの仲間にはなれなかったのね……」
夏凛は両手の拳を風に向けて構えた。
「結局、私は大赦の勇者よ。アンタたちも大赦も、私にとっては無くちゃならないものなの。だからアンタに壊させなんかしない。そんな事をしても誰も幸せにはならない。だからアンタを止める。……それが私の、勇者部所属、三好夏凛の覚悟!」
夏凛が大剣のリーチ内に入ると腰を低くした。
その瞬間、風は思いっきり薙ぎ払う。
「ーーッ‼︎」
夏凛は躱して、薙ぎ払われた大剣の上に乗った。そして、風の後頭部へ肘打ちする。
「がっ……」
風は地面に跪いた。
「……大剣は重い分、薙ぎ払おうが、振り下ろそうが、大きな予備動作が必要になる。熟練者ならその予備動作で次の攻撃が分かるくらい、って教えたはずよ? ……まあ、人に向けるなんて思ってなかったけどね」
風は跪いたまま起き上がろうとも、大剣を再び握ろうともしなかった。
「……ねぇ風。何も感じなかったの? 私に剣を振って。私に攻撃して。何も感じなかったの?」
「……」
「私は、痛いわよ……。今、アンタにぶつけた肘が痛むわ。この辺もね」
夏凛は胸に手を当てる。
「……」
「ねぇ、もうやめよ? 今からみんなのところへーー」
「……るさいわよ」
「え?」
風は今この瞬間で大剣を握り立ち上がった。
「うるさいわよ。……そんなのわかってんのよ」
「風。アンタ、しつこいわよ!」
「私だって痛いんだ! でもっ! 私はこの怒りを。悲しみを。誰かにぶつけなきゃ気が済まないッ‼︎」
「まだやり足りないようね。なら気が済むまで付き合ったあげる!」
風は大剣を頭上に構えて振り下ろすが夏凛はヒラリと避けて風の腹に拳を入れた。
「うッッ‼︎ がはッ、ゴホッゴホッ」
風はそれでも大剣を握りしめた。
ーーとそこへオルガが走ってきた。
「部長ォォォォォォ‼︎」
「……! アンタ……」
「うっ、イツ……カ……?」
オルガは夏凛と風の間に入る。そして夏凛の方へ向く。
「……どういうつもり?」
「はぁ、はぁ……。部長を、行かせてやれ」
「はぁ⁉︎」
「え……?」
夏凛はもちろん、風も驚いた。てっきりオルガも風を止めにきたと思ったからだ。
「どういう事? アンタ、風がやろうとしてることわかってんの?」
「ああ」
「だったらーー」
「いいから、どけよ夏凛。テメェのくだらねぇお喋りを聞いてるヒマはねぇんだよ」
「……⁉︎」
オルガは夏凛へ拳を構えた。
「おかしんだよ。俺らが必死こいて戦ってるってのに、安全地帯からのうのうと見ているような奴らに好き勝手されんのが」
「……?」
「今の大赦にはバーテックスと戦ってる奴なんざ一人として居やしねぇ。ただ戦場を眺めているようなお偉いさん共だ。俺たちを駒にしか思っちゃいねぇ。気に食わねぇんだよ。そんな奴らが、犠牲だの何だのほざきやがるのがなァ」
「何を言って……」
「だから俺らが大赦を潰して成り代わる。俺らで大赦を、この犠牲だらけの世界を変えてやるんだッ!」
オルガは風を見て言い放つ。
「止まるじゃねぇぞ、部長。行けッ! 俺たちで大赦を乗っとる。もうこれ以上誰も傷付かない世界にするためにッ!」
風はピクッと反応しよろよろと歩き出す。
「……そうよ。樹を……、みんなをこれ以上ーー」
「ダメよ風!」
夏凛は風を止めようとするが、逆にオルガに腕を掴まれ止められる。
「くっ……、はなっ、しなさいッ‼︎」
「ーーうがあッッ」
夏凛はオルガの腕を取り、一本背負いでオルガを投げた。
……しかし、地面に叩きつけられてなお、オルガは夏凛の足にしがみつく。
「このぉっ‼︎ 邪魔よ‼︎」
「邪魔なのはお前だァ夏凛‼︎ 大赦を変えねぇと、これからもまた犠牲になる奴が現れる。それが勇者じゃねぇかもしれねぇ。ちっぽけな人間かもしれねぇ。……根本的に元を絶たねぇといけねぇんだァ‼︎」
風は歩き続ける。……しかし、その足取りは依然重い。
「風、行くなァァァァァァーー!!!!」
風は足を止めない。
(結局、私の声は届かなかったの……?)
夏凛は足を掴んでいるオルガを踏みつけ、オルガはやっと手を離す。
そこへ……。
「待ってぇぇぇーーッ! 風先輩ーッ‼︎」
「ーッ⁉︎ 友奈‼︎」
友奈が追いつき、風の前に立ちはだかった。三日月も一緒にいる。
「オルガ」
「……ミカァ」
三日月は悲しげな目でオルガを見下ろす。
「……ど、どきなさい。友奈」
「嫌です! 風先輩がこれ以上、誰かを傷付けるのなんてっ見たくありません!」
「どきなさいよーッ‼︎」
「友奈‼︎ 危ない!」
風は友奈に向かって大剣を振り回した。
友奈に当たる直前で牛鬼が現れバリアを張る。
「私がっ、大赦を変えてやるッ! もう誰も傷付かないように!」
「大赦を変えるにしてもっこんなやり方間違ってます‼︎」
「うるさいッッ‼︎ そもそも大赦がァ! 私に全部説明してくれてたら! こんなことにはならなかったァ‼︎ 樹が夢を諦めずに済んだんだ! それなのに、それなのに……!」
風はまた大剣を振り回した。
「こんなことがッ、許せるかァァァーッ‼︎」
風の攻撃はまたしてもバリアに阻まれる。
友奈はその衝撃でバランスが崩れた。……しかし、倒れない。
「分かってます。風先輩の怒りも、悲しみも……」
「だったら‼︎」
「でも! もし、本当のことを教えられたとしても結局私たちは戦ってたはずです‼︎」
「ーーッ!」
「じゃないと世界は滅んでしまう。世界を守るためには戦うしかなかった! 私たちには最初からっ選択肢なんてなかったんです‼︎ だから誰も悪くないッ」
「それでもォ‼︎ それでも教えてくれていたら、あなたたちを、樹を勇者部には誘わなかった。幸せを掴んでいたはずだった……!」
風はジャンプして、落下の勢いを乗せ大剣を振り下ろす。
「ーッ‼︎ 二人ともダメェェ‼︎」
「勇者ぁ、パーーンチッッ‼︎」
夏凛は叫ぶ。
友奈は拳を振り上げ、風の大剣にぶつけて弾き飛ばした。
「勇者ぁ、キーーック‼︎」
風の手から離れ、地面に落ちた大剣を今度は遠くまで蹴り飛ばした。
「はあ、はあ……。風、先輩。私は……、勇者部に入ってよかったと思ってますよ? だって、風先輩に会えたんですから……。それに勇者になったから夏凛ちゃんにも会えたし、ミカくんとイツカさんにも会えました。……みんな大切な友達なんです!」
だから、と友奈は続ける。
「風先輩を止めるためなら、私はっ、これくらいッ……!」
友奈の手甲には光が灯っていた……。
「友……奈……」
「だって私は……勇者だから」
風は立ち尽くす。……と後ろから誰かが抱きしめてきた。
振り返るとそこには樹がいた。……今にも泣きそうな顔で。
「……え? いつ、き……」
樹は首を横に振る。何かを訴えるように。
樹はスマホに文字を入力し風に見せる。
『私たちの戦いは終わったんだよ。だから、もうこれ以上失うことはないから』
それを見た風からまた涙がこぼれる。
「うっ……。で、でも。私が勇者部なんか作らなければっ」
樹はまた首を横に振る。そして、紙切れを取りだした。
その紙は前に歌のテストへ向かう樹に三日月が偶然を装って忍ばせた、全員から樹へのメッセージだった。
「これ、は……、あのとき、の……」
樹はあれからずっと、この紙を大切に持っていたのだ。
そして、樹はその紙に文字を書いていく。
『お姉ちゃんが勇者部に誘ってくれなかったら私は夢を見つけることは出来なかった。今の私があるのは、勇者部の、お姉ちゃんのおかげなんだよ。だから……』
「ーーッ!」
「そうですよ風先輩。だから勇者部を作らなければっなんて言わないでください」
風は涙を流しながら、拳を頭上に掲げた。
しかし、振り下ろすことができないまま泣き続ける。
樹の書いた言葉が何度も何度も頭の中で響きわたる。
『いつもありがとね。お姉ちゃん by樹』
「ううう、うわあああああああーッ‼︎ ああああああああああああああああああああ」
樹は風の手を取り、抱きしめる。
今度は強く、決して離れてしまうことがないように。
「……」
夏凛はその様子を見ていたあと、自分の左肩を見る。
そこには赤色の花弁が光っていた……。
ーーオルガは仰向けになったまま三日月を見上げていた……。
「ミカァ、俺はーー」
「謝ろうとしてる?」
「……えっ?」
「俺がこんな状態になったのオルガのせいだと思ってる?」
「……そうじゃねぇ、って言うと嘘になっちまう。俺はァ、結局お前を守れなかったんだ。お前を守ることが役目だとか、都合の良い言葉ばかり並べてよ。……何が守ることが役目だァ。何が最強の盾になる、だァ。結局俺はテメェで誓った言葉さえも守り通すことができなかった、ただの人間だ。……情けねぇ人間だった」
「何言ってんの? オルガはちゃんと守ってくれていたよ? 俺を。……初陣のときからずっと」
三日月は腰を下ろしてオルガとの距離を狭める。
「俺はオルガの力を、想いを全部知ってる。確かに右目と右腕が使えなくなったのは不便だけど、でも決して不幸では無いんだよ……」
「どういう事だ?」
「これは、俺が俺だった証だから。勇者になる前には何もなかった俺が、確かに、勇者になってみんなと一緒にいたっていう証なんだ」
「……それが、たとえ理不尽な犠牲だとしても、か?」
「それでも俺は決めたんだ、決まったんだよ。オルガ」
オルガは目を閉じた。三日月との思い出が走馬灯のように流れていく。
(そうだな。俺たちの今までは、全部無駄じゃなかった……。無駄にしちゃいけねぇんだ)
「……ミカ、俺は、謝んねぇぞ」
「あたり前じゃん? オルガもみんなも……誰も悪く無いんだから」
先程友奈が言っていたように、誰にも責任はないのだ。ただ、切迫した状況の中で最善の手を打とうとした。
失敗に終わってしまったかもしれないがみんな、自分にできることを精一杯やったのだから。
「謝ったら、許さない……」
「ああ、わかってる……」
三日月は手を差し伸べ、オルガはそれを掴んで起き上がった。
ーー二人は風の元へ駆け寄る。
「部長……、帰ろう?」
「ううっ……。ごめんね夏凛。ごめんねイツカ。……ごめんみんな……」
「部長もだよ? 謝る必要なんてない」
「そうだな、俺たちは、誰かのためを思って行動したんだ。部長も大切なもののために、な……」
オルガはポンっと風の頭に手を置いたあと、夏凛を見る。
「夏凛にもひでぇこと言ったよなぁ……」
「……もういいわよ。私も、アンタを蹴ったし……」
「いいや、むしろ蹴られて当然のことをやっちまったからな」
「……あっそ。じゃアンタたち今日はウチに泊まりなさいっ。……朝までお説教してあげるわ」
「勘弁してくれよ、夏凛……」
ーー三日月は未だに泣き続けている風を、抱きしめる樹を見つめていた。
「……」
三日月の脳裏にある光景が浮かぶ。
ーーそれは、勇者部の部室内でみんながテーブルを囲んで樹の歌を聴いている光景だった。
友奈はマラカスを持ち、夏凛も東郷もオルガも笑っている。風に至っては少し涙目になりながら。オーディションに合格した記念に宴を開き室内を樹の透き通るような歌声で響かせている。そんな光景を……。
『頑張る理由があれば私はお姉ちゃんの隣を歩いて行ける……。そんな気がするから……!』
『うん……。樹ちゃんならできるよ。……それに俺はその場所を見てみたいんだ。樹ちゃんが辿り着いたその場所を、景色を。隣でさ……』
……いつか三日月が樹とした会話。
もう、その場所を見ることは叶わなくなってしまったかもしれないけれど……。
それでもここにいる六人は、この犠牲だらけの世界の中で前を向いて歩いて行こうと決めたのだ。
ーーそう、ここにいる''六人''は……。
次回予告
『勇者が人間であることを忘れないように正しい絶望を与える。それが散華』
『東郷には助けられてばっかりね』
『お姉ちゃんがもう役に入ってる……!』
『私は結城友奈。あなたのお名前は?』
『東郷、美森……』
ーー第十九話 絆の記憶ーー