ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~ 作:天野空
しかし、捕らえられたさくらみこと沙花叉クロヱの居場所は、以前分からないままだった。
そして、突如倒れそうになる兎田ぺこら。
果たして、彼女達は大丈夫なのだろうか?
「ぺこらちゃん!」
リィスが慌てて駆け寄り倒れかけたぺこらを支える。
「レイム」
「はい」
さくやに言われてレイムは、ぺこらの体をスキャン異常がないか調べ始めた。
フジとヒーロは辺りを警戒。
何者かがまだこちらを狙っているかもしれないからだ。
「特に異常は見当たらないわ」
レイムはディスプレイを消しながら言う。
「でも、すごく苦しそうです」
リィスはぺこらを抱き締めながら言う。
「原因はいったいなんだ」
さくやはぺこらを見つめながら呟いた。
「お取り込み中ごめんね、うちうちうちだよ~」
『え?』
突然空中に開くディスプレイ。
そこには大神ミオが手を軽く振りながら映っていた。
「ミオさん?」
フジが画面に向かって言う。
「そうですよ。
しかし、やっぱり嫌な予感は当たってたかぁ」
「嫌な予感ですか?」
「そう、嫌な予感したので占いをしたら、ぺこらに悪い運勢が出たから探してたの」
「でも、ぺこらちゃんの体には異常はありませんが?」
レイムがそう答えた。
「うん、それは体の異常じゃないのよ。
ぺこらのステータス見た?」
ミオに言われてすぐにレイムはスキャンし直しステータスを確認する。
「その欄の一番下」
ミオに言われてレイムはその場所を確認した。
「え?
なぜ?」
レイムはそのステータス値を見て驚く。
ぺこらの運は-999だった。
「送った護符を額に張っておいて」
ミオから送られてきた護符をぺこらの額に張るリィス。
「少しの間だけどその凶運を押さえられる。
誰でもいいから、ぺこらをうちの神社に連れてきてくれるかな?」
さくやはヒーロを見る。
「ヒーロ行けるか?」
「え?
あ、はい」
「ぺこらちゃんが一緒だ。
気を失っているからスピードは押さえてワープは使うな」
さくやの言葉に頷くヒーロ。
そして、ヒーロは直ぐにぺこらを背負うと、GMバイクに乗り、ミオの待つ大神神社に向かった。
「なぜ、あんなあり得ない数字なんですか?
普通99が限界値の筈です」
レイムはディスプレイのミオに聞く。
「確かに。
でも、ぺこらは絶対勇者の力を使わなかった?」
さくやはぺこらがこの力を使っていた事を思いだし頷く。
「勇者の力はぺこらの持つ幸運眼を変身に使ったもの。
でも、絶対勇者は幸運眼の限界を越えて発動する力、その力は絶対と言われるけど、反動で凶運になってしまう」
「凶運とは?」
不安なリィスはミオに聞く。
「運悪くリスポーンする確率が80%以上」
ミオの言葉を聞いて4人は唾を飲む。
「だから、期間が終わるまではうちの神社の中で、ゆっくり休んでもらうつもり」
そう言ってミオは微笑んだ。
「あ、後、わためちゃんは?」
草むらに寝かされているわためを見てリィスが聞くと、ミオは微笑んだまま、「適任者がもうすぐ来るよ」と言って通信は終わった。
しばらくしてその適任者が森から現れる。
「旨そうな獲物が寝てるなぁ」
『ぼたんちゃん』
「よ」
GM呼ばれたその人物は、軽く片手を上げて笑顔で答えた。
「どうしてぼたんちゃんが?」
「ちょっと野暮用で近くに来ててね。
そこにちょうどミオ先輩から連絡受けたんだ」
ぼたんはそう言いながら、わための側に来る。
そして、寝ているわための耳元で歌うように囁いた。
「今日のご飯はジンギスカン」
「う…」
「美味しいお肉が寝ています」
「…く…」
寝苦しそうに首をふるわため。
「寝ているお肉は食べてもいいよ」
「う、ぃぁ…」
「た~べてもぼたんは」
「ぼ…た…ん?」
「悪くないよねぇ~」
「わ、わるいわぁ~ぁってあれ?」
うなされ続けて起きるわため。
キョロキョロ辺りを見回し、ぼたんと目が合う。
「た、食べないよねぇ?」
「どうかなぁ~」
「う、ご、ごめんなさい~」
こうしてわためは復活した。
「一応、記憶はあるんですね」
「うん、何となくだけどね」
事情聴取として、わために話を聞くさくやとレイム。
いろいろと聞いたが、記憶が曖昧なのと、どこでコメント集に乗っ取られたのかは分からなかった。
「振り出しに戻るだな」
さくやの言葉に、レイムは残念そうに頷いた。
そこへ。
「場所が分かりました!」
リィスが嬉しそうに報告に来た。
2人が事情聴取している間に、リィスはみこ達の場所を探っていた。
ぼたんとフジのサポートにより、場所を特定できたのだ。
「ここは【僻地闘技場】か?」
リィスの表示するマップを見てさくやが言う。
「ああ、そうだ。
運営がまだ開発中で閉鎖しているエリアだな」
「しかし、前回ここが無断使用された事で完全にエリア遮断している筈」
フジの言葉にレイムが続く。
「ま、いろいろと抜け道はあるって事だね。
じゃ、今回はこっちの不始末もあるし、あたしとわためぇで行くよ」
「え?
わためぇも?」
「いや、むしろあたしが付いていく感じだから」
不思議そうなわために呆れたようにぼたんが言う。
「分かりました。
それでは、こちらはリィス。
行ってみるか?」
さくやはそう言ってリィスを見た。
「は、はい、がんばります」
「ホロメン。
それも戦闘特化のぼたんちゃんと一緒だ。
いろいろと勉強してくるように」
リィスの元気な返事にさくやは微笑みながら言った。
「はい!」
「じゃ、よろしくな」
「よろしくぅ」
ぼたんとわためもリィスに挨拶した。
「ここが目的地の場所」
闘技場に降り立ったわためが周りを見渡す。
GMバイクに驚異の3人乗りを成し遂げ、3人は【僻地闘技場】に来ていた。
「あそこに入り口があるね」
ぼたんが闘技場の端にある入り口を指差す。
「行ってみましょう」
リィスの言葉にぼたんとわためは頷いた。
入り口に来た3人は階段を少し降りたところで止まる。
目の前には鉄の扉。
「開くかなぁ?」
わためが押すがびくともしない。
「ま、力任せで開いたら苦労しないよ」
ぼたんはドンドンと扉を叩く。
ドンドン
『?』
何故か中からノックが返ってきた。
ドンドン
ぼたんはもう一度叩く。
次は返事がない。
しかし。
「危ない!」
わためが突然力を使い2人を後ろに引っ張る。
それと同時に扉が勢いよく開き、中から巨大なオーガが現れた。
ダダダダ!
ぼたんは引っ張られた勢いのまま手に持つマシンガンを打つ。
全て当りオーガが前に倒れてくる。
だが、その奥から次々とオーガが現れる。
「ああ、もう!」
わためは力を使ってオーガ達を浮かばすと、闘技場の方へと投げた。
土煙が上がる闘技場。
「一旦出るよ!」
ぼたんの声に2人は頷き闘技場の方へと戻った。
土煙が晴れゆっくりと立ち上がるオーガ達。
そこに思わぬ人物が飛び降りてきた。
「よ」
ぼたんはその人物を確認し軽く手を上げて挨拶する。
「どうしてぼたん先輩達が?」
「ここにみこちゃん達が捕まってると分かったので」
リィスはその降りてきた人物を確認、いろはだ。
直ぐ様、リィスは情報を提示する。
今はholoXと争っている場合ではない。
「やはりここに」
「ごめんねぇ」
「え?」
呟くいろはに手を合わせてわためが謝っていた。
「操られていたとはいえ、みんなに迷惑かけちゃって」
わためは申し訳なさそうな顔で言った。
「大丈夫です、操られてたんだし、こうして仲間のいる場所も分かりましたから」
そういろはは答えた。
「え?
許してくれる?
もしかしてワンチャン、わため悪くない?」
「いや、悪いって」
「いたぁ」
ぼたんが軽くわための頭を叩く。
「ひどいよ、ぼたんちゃん」
「アホなことやってないで、こいつらどうにかしないと」
ぼたんは目の前にいる数体のオーガを見る。
いろはも背負うチャキ丸に手を掛けた。
「ここはあたし達に任せて、みこ先輩達を助けに行きなよ」
ぼたんは銃を構えいろはに言った。
「お願いします」
リィスも巨大な斧を構える。
「いいでごさるか?
かざま達は敵でござるよ」
「構わないさ。
もし何かしようとしたらその時、その場にはあたしがいるから」
いろはの言葉にぼたんはそう微笑みながら答える。
「あっと、行く前に」
そう言っていろはの手をとるわため。
「え?」
「ホロライブワールド第四世代組、角巻わためです。
よろしくねぇ~」
「え、え?」
いきなりの自己紹介に混乱するいろは。
「どうやって集めてるか分からないけど、集めてるんでしょ?
ホロメンの絆」
「あ」
「これはこの前のお詫びという事で」
「いいのでござるか?」
「内緒だよ」
そう言って口に人差し指を当てて微笑むわため。
「内緒、でござるな」
いろはも真似して指を口に当てて微笑む。
「ほら、何してるんだい?
さっさと助けに行ってきなよ」
オーガ達を攻撃しながらぼたんから声がかかる。
「かたじけない」
いろははそうぼたん達に伝え、さっきリィス達が向かった入り口向かう。
「さて、みこ先輩が来るまで少し遊びますか」
ぼたんは他の入り口から次々と現れるオーガ見て言った。
「よぉ~し、頑張るぞ~」
「了解です」
ぼたんの言葉にわためは胸に、リィスは胸の前に手を持ってくる。
そして、「変身!」「GMチェンジ!」
2人の声が闘技場に響きわたった。
前回とは違い黄金に輝く鎧を纏うわため。
ピンクのGMスーツを着るリィス。
そして、両手に銃を持ち構えるぼたん。
3人とも目の前に次々と現れてくるオーガを見て、余裕な顔をしていた。
そして、彼女達の本気の戦いが始まった。
「ごめん、助けに来てくれてありがとにぇ」
リィス達がオーガ相手に奮闘していると、いろはが入っていった入り口からみこが手を振りながら走ってきた。
「おかえりなさい」
リィスは元気な声でみこを迎える。
「みこ先輩ごめんなさい」
オーガを吹き飛ばしたわためが、みこに謝る。
「事情は道中いろはちゃんから聞いたよ。
仕方ないにぇ。
まさか、コメント集がまた出てくるとは誰も思わない」
そう言ってみこは笑顔で答えた。
「後輩は帰ったか…」
ぼたんはみこが走ってくる入り口の奥で、2人の人影が消えるのを見た。
「よし、あたし達も撤退する。
撤退後は直ぐに運営がここを隔離閉鎖するよ」
ぼたんは小型の通信機でGMに連絡、ぼたんの近くにワープホールが現れた。
「みこちゃん先に」
リィスに言われてみこがワープホールへ、続いてわため、リィスと続く。
「ぼたんちゃん」
ワープホールに入る前にリィスはぼたんを呼んだ。
しかし。
「あたしはここで少し野暮用があるから、先に行っておいて」
「え?
何を…
隔離閉鎖されちゃうんですよ」
「大丈夫、いろいろと抜け道はあるんだ」
そう言ってリィスをワープホールに押すぼたん。
「まっ…」
最後まで言葉が言えず、リィスはワープホールへと入りワープホールは消えた。
「さて、頼まれた用事を済ませましょうか」
ぼたんは銃を構える。
「もちろん、手を貸すよね?」
ぼたんはそう言って闘技場のいくつかある柱の1つに目を向ける。
そこには白騎士が下を見下ろすように立っていた。
19話更新となります。
前回現れた謎の白騎士がまたも登場。
コメント集が現れるところに出てくるこの人物とコメント集の関係とは?
ぼたんちゃんも裏で何か動いている感じです。
では、次回は第5世代組総出演。
お楽しみに