ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~   作:天野空

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GM本部にあるチームGMの部屋で、3人の男女がディスプレイを前に奮闘していた。
そんな彼女達にまた新たな驚異が迫っている。
果たして彼女達は無事にその驚異を打ち負かす事が出きるのであろうか?


第24話 近未来都市防衛戦 開戦

「さくや先輩とフジ先輩は合同任務ですか?」

GMの部屋で作業をしながら、ヒーロはレイムに聞いた。

「ええ、他の部隊と合同でスターズの鎮圧に向かってる。

最近、暴走スターズが増えてて、私達の部隊以外でも対処していかないといけなくなってるから」

「やっぱり、コメント集のせいですか?」

「それもあるわね」

リィスの質問に打ち込み作業をしながら言うレイム。

「あ、後はこれね。

みんなのバフ関連の設定操作と、デバフ処理の方法」

「あ、はい」

レイムは操作マニュアルをリィスに送ると大きく伸びをした。

「いつもこの量を戦闘前と戦闘中に処理してたんですか?」

マニュアルを見ながら感心するレイム。

「慣れたらそんなに大変じゃないわよ。

それにリィスなら、私よりもっと早く対応できるわ」

レイムはそう言ってウィンクした。

この数日前から、レイムはリィスに自分の役割を教えている。

前回みたいにバラバラで出撃しないといけない事もあるという事で、後衛担当のレイムはその役割にリィスを選んだ。

ま、ヒーロとリィスどちらに教えるかになると、やはりリィスの方が向いているという先輩3人の意見だった。

ちなみにヒーロはさくやとフジにみっちりと前衛の役割を教えられており、今日は2人がいないので、レイムに簡単なバフを教えてもらっていた。

「そうそう、2人には伝えてなかったんだけど…」

そう、レイムが何かを言いかけた時、GM本部内全体でけたたましいサイレンが鳴り響いた。

「な、なんだ!」

慌てて椅子から立ち上がるヒーロ。

リィスもキョロキョロ何事か周りを見渡す。

「まさか、もう?」

レイムは何かを感じたのか椅子に座り直す。

『緊急事態です!』

突然、空中にディスプレイが開き、のどかがアップで表示される。

「う、うわぁ」

それにびっくりして尻餅をつくヒーロ。

「追いついてのどかさん」

そんな慌てているのどかにレイムは落ち着いた声で言った。

『あ、ご、ごめんなさい』

のどかは謝り後ろに下がる。

「それで、用件はもしかして五帝ですか?」

落ち着き椅子に座るのどかにレイムは言った。

『あ、はい、そうです。

よくお分かりで』

驚くのどか。

「五帝ってまさか?」

ヒーロが立ち上がり、真剣な顔でレイムを見た。

「ええ、その五帝で間違いないでしょうね。

GM本部全体に鳴り響くサイレンは、それくらいしか考えられないから」

『はい、その通りです。

現在、【近未来都市】のロボ子さんから情報があり、五帝の1体、黒帝獣ホロサウルスが確認されたという事です』

「前回から比べるとかなり出現が早くないですか?」

『はい、そのせいで【近未来都市】の例の準備が大幅に遅れているそうです。

現在、チームγ、チームΔが【近未来都市】に出撃、プレイヤーやNPCの避難の補助を開始してます』

「さくやとフジ、それにチームβは合同任務ですね」

『はい、先程連絡したところ、あちらの用件が終わり次第合流するとの事です』

「分かりました。

それで私達は?」

『現場に向かって、総合指揮をされているリア総隊長の指示に従ってください。

それではチームGM出撃お願いします』

『了解!』

3人はディスプレイののどかに敬礼した後、現場に向かう為に部屋から出た。

 

 

「五帝ってなんですか?」

出撃前の武装準備ならびにバフ効果を受けている時にリィスはレイムに聞いた。

「そっか、リィスはまだ会った事なかったわね」

レイムは武装のチェックを手元のキーボードを操作して行いながらリィスを見た。

「え、はい、勉強不足ですいません」

バフを受けるカプセルから出たリィスはレイムに謝る。

「謝る必要はないわ。

そんな再々出会う相手じゃないし、本来はもっと先になるはずだったから」

2人は準備室から出て格納庫に向かう。

今回はいろいろと武装を直接運ぶ為、GMトラックが出る。

現在、【近未来都市】周辺へのワープは制限されており、GMトラックにて移動するしかなかった。

GM3人もそれに乗って目的地に向かうのだった。

「お、来た来た」

先に待っていたヒーロと共に3人はGMトラックに乗り込む。

「それで、さっきの話の続きだけど」

レイムはそう言って、五帝の事をリィスに伝え始めた。

五帝とは黒、白、赤、青、黄からなる5色の【ホロライブワールド】内での最強の存在とされている。

ホロメンはプレイヤー側のチートキャラ。

それに対してモンスター側のチートモンスターが五帝となる。

それぞれの種族の頂点に立つそのチートモンスターは、このゲームを開発していた当時に運営が面白がって作った存在と言われている。

その為、あらゆる設定を解除している為に、運営もその動きを止められず、ほぼ放置にされていた。

ちなみに桐生ココはそのチートモンスターである赤竜帝を素体にしており、チートの上にチート能力を与えられているので、実質他のホロメンより基本能力は高い。(例外あり)

そして、今回はその中の1体、黒帝獣が出現した。

実は半年前に同じく近未来都市でそのモンスターは、数名のホロメンと多数のGM、そして一部のプレイヤー達によって討伐されている。

1度討伐された五帝はその能力ゆえ、1年ほどは復活しないはずだった。

それが何故か1年も立たない間に、今回出現したのだ。

「偽物と言うことはないんですか?」

リィスがレイムに聞く。

「それはないわね。

ロボ子さん達がいる近未来都市には、五帝の情報が蓄積されている。

観測間違いはないはずよ」

「じゃ、違う五帝とか?」

ヒーロが言う。

「それもないわ。

五帝がいくら自由に動けると言っても、縄張りが決まっている。

自由にあちこち動き回るのは、ココさんだけじゃないかしら」

「それじゃ…」

「ええ、間違いないでしょうね。

今回の相手は黒帝獣ホロサウルスよ」

 

 

GMトラックが【近未来都市】に着く。

「ご苦労だったな」

着いたトラックから次々と物資を下ろす後方担当のGM達。

その中から総隊長が現れて、レイム達を迎えた。

「チームGM、レイム他2名到着しました」

レイムと2人は総隊長に敬礼する。

頷く総隊長。

「では、来てくれ」

3人は総隊長の後に続き、近くの建物に入った。

「さて、まずは問題なのだが」

「はい」

「実は第六世代組が来ている」

「え?」

総隊長の意外な言葉にヒーロが驚く。

残り2人も声は出さなかったが驚いた表情だ。

「これを見てくれ」

総隊長はディスプレイを開きあるものを映した。

「これって」

見た事があるのかヒーロが画面をじっと見る。

「そうだ、ヒーロからの報告書にあった、ラプラスのゴーレムによく似ている。

それに、このゴーレムから、ラプラスからの声明もあり、確実にこの物体が第六世代組のものだと判明している」

「この緊急事態にですか?」

「そうだ。

向こうには関係ないからな。

しかし、そうも言っておれん。

今、ロボ子さんとフレアさんがどうにか説得しておるそうだ」

「間に合うといいのだけど…」

「総隊長!

現れました!

黒帝獣ホロサウルスです!」

総隊長の後ろにいる通信係が慌てたように言った。

「く、もう来たのか。

現状は」

「はい、ホロサウルスは現在、エサであるキングワームを追ってこの【近未来都市】に接近しております」

「総隊長!

第六世代組がこちらに参戦するそうです」

他の通信係からの報告。

「ほう、あちらも馬鹿ではないか。

よし、あのデカブツは第六世代組とロボ子さん。

それにロボット所持のプレイヤーに任せる。

こちらは運ばれてきた装置を各場所に設置、ホロサウルスからの眷族角に備えろ」

『了解です』

総隊長の指示に、後方部隊が動き出す。

「すまんな、2人欠けているとは戦力が欲しい。

頼めるか」

総隊長の言葉に頷く3人。

「では、中央南の地区を3人に任せる。

さくや達が合流次第、そちらに向かわせる」

『了解です』

3人は直ちに現場へと向かった。

 

3人が向かった先は建物が少ない、少し開けた場所だ。

先程、後方部隊が装置を設置して、また別の場所に向かった。

「そういえば、眷族角って何でしょうか」

機関銃を装備したリィスがレイムに聞く。

「眷族角はね。

はい、ヒーロ。

答えてあげて」

「え?あ、俺ですか?」

機関銃を装備し辺りを警戒していたヒーロは、突然レイムにあてられて慌てる。

しかし、すぐに落ち着いた。

「眷族角ってのはな。

ホロサウルスの背中にある無数の鱗を目的の場所に打ち込み、その鱗から、小さなホロサウルスが生まれてくる。

その鱗の事だよ」

「なるほど」

「ちなみにそのモンスターはチート級ではないにしろ。

普通のモンスターより強いから気をつけて」

「はい」

レイムの補足に頷くリィス。

「あまり大きいのは勘弁して欲しい」

ボソリと呟くヒーロ。

「大きさが関係あるんですか?」

その言葉を拾うリィス。

「眷族角の大きさで、中から出てくる個体の強さが違うのよ。

大きいものだと、スリースターズ級のモンスターになるわ」

「た、確かにスリースターズ級を3人は」

「ま、幸い眷族角が地面に落ちる前に破壊できれば、モンスターは現れないし、眷族角の時には爆破属性が効きやすいから、滞空装置でいくつかは落とせるわ」

(それで、この滞空装置なんだ)

レイムの言葉に周辺に察知されている装置を見ながらリィスは思った。

ゥォン

レイム達の前にディスプレイが現れて、そこに総隊長が映し出される。

『まもなくホロサウルスが、こちらとの戦闘エリアに入る。

各自、眷族角に注意しろ。

そして、地面に突き刺さった眷族角はすぐに処理しろ。

ほっておくと中から眷族が現れて暴れまくるぞ。

それでは、各自健闘を祈る』

そして、ディスプレイは消えた。

「いよいよね。

2人とも無茶はしないで」

『はい』

そして、【近未来都市】での戦闘が始まった。

 

まずは無数の爆発音が遠くから聞こえてきた。

それはホロサウルスに、ロボット所持のプレイヤーが攻撃している音だろう。

その後、多数の爆発と閃光。

こちら側の攻撃が続いているようだ。

そして、【近未来都】市全体にバリアのようなものが張られた。

「来るわ」

それを見たレイムが言った。

その直後、空からそのバリアに何かが当たり爆発する。

次々と空中で爆発が起きる中、その爆発の中から何かが落ちてきた。

起動する滞空装置。

しかし、全てを阻止する事は出来なかった。

ズドン

凄まじい音で落ちる鱗が、レイム達の前に現れる。

「ヒーロ、突撃。

私が援護する、全力で攻撃して。

リィスはバフの重ねがけをお願い」

「うぉりゃ~!」

レイムの言葉にヒーロは、すぐにドリルナックルを装備、眷族角に突撃をかける。

レイムはその後ろから眷族角にスナイパーライフルを放った。

リィスも教えてもらった方法で、2人にバフをかける。

ドガァ!

レイム達の攻撃で眷族角は、壊れ光の粒子になって消えていく。

「やった!」

喜ぶヒーロ。

「次くるわ」

そんなヒーロにレイムは言った。

確かにまだまだ空から眷族角が降ってきている。

今度は同時に2つ。

いや、3つ。

地面に突き刺さる眷族角。

すぐに攻撃すレイム達だったが、とうとつ眷族角からモンスターが現れた。

「これが、ホロサウルスの眷族」

見た目は某古代怪獣そのもの。

しかし、それにはない長い腕を持っていた。

グギャァァァァァァー

吠える眷族。

「見た目や、攻撃方法は全くホロサウルスと一緒よ。

あの手としっぽ、口からビームに注意!」

レイムはライフルを撃ちながら2人に伝える。

「はい!」

リィスもビッグシールドを装備して前衛に出る。

ヒーロは両手にドリルナックルを装備していた。

「いくぞ!」

「はい!」

ヒーロの声にリィスは返事をして、2人は眷族に突撃をかけた。

眷族に迫る2人。

眷族はヒーロに向かってその長い腕を伸ばした。

「予想通りです!」

リィスはそう言って迫る腕ごと縦を横にして地面に突き刺す。

「ナイス!」

ヒーロはその盾を飛び越え、眷族の頭上へ。

見れば眷族は大きく口を開けて、ヒーロを狙っていた。

「させるかよ!」

ヒーロは右手のドリルナックルを眷族へと飛ばす。

口を撃ち抜くドリルナックル。

「ざぁまぁみろ!」

空中で喜ぶヒーロ。

「避けなさい!!」

そんなヒーロに突然大きな声が。

はっと横を向くヒーロとリィス。

その横には新たに現れた眷族が大きく口を開いていた。

そして、空中で咄嗟に動けないヒーロに向かって無情に放たれる一条の光。

それは確実にヒーロを消滅させる光だった。




【近未来都市】戦開幕です。
五帝と呼ばれる運営が面白がって作ったモンスターが、今回登場します。
このゲームが実装した当時は、倒せるわけない強さでしたが、今はアップデートや新装備が増え、人数集めて、ホロメンに手伝ってもらったら、運良く勝てるかもしれないレベルまで下がっています。
果たして、そんな相手に第六世代組、ロボ子さん、GM達は勝てるのでしょうか?
そして、絶体絶命のピンチにヒーロは助かるのか?
次回をお楽しみに
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