ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~ 作:天野空
その眷族角が【近未来都市】を襲う。
2人抜けたチームGMだったが、眷族との戦いに健闘していた。
そんな中、一瞬の隙をついて眷族のブレスがヒーロを襲う。
果たしたヒーロの運命は?
ビシュン!
ビシュン!
二条の光が眷族と眷族の放った光を消滅させる。
ヒーロはそのまま着地、光が放たれた方を見た。
光を放ったその人物がヒーロ達の方へと降りてくる。
『フレアさん』
名前を呼ばれたそのホロメンは笑顔で地面に降り立った。
「危ないとこだったね」
フレアは長銃を下ろし、ヒーロに言った。
「ありがとうございます、フレアさん」
レイムもヒーロ達と合流する。
「お礼はいいよ。
それにまだまだ来る」
フレアはそう言って空を見上げる。
空は未だに爆発が続いているが、その中からいくつか眷族角が抜けて落ちてきている。
「しばらくはここでサポートする」
フレアの言葉に頷く3人。
「あ、それとこの中で魔力の高い人いる?」
フレアに聞かれ「私が」とレイムが答える。
「よかった。
これお願いできるかな?」
フレアから一つのマガジンを渡されるレイム。
それには先端に石がはめ込まれていた。
「これは?」
「その石のところに指を当てて、魔力を込めるように念じてみて」
レイムは言われた通りにすると、レイムの魔力がその石へと吸いとられる。
(すごい、一瞬で半分の魔力を持っていかれた)
「ありがとう」
レイムはフレアにマガジンを返した。
「よかった、いくつかマガジンに魔力を込めたんだけど、後1つだけ込められなくて」
そう言ってフレアは長銃を構え、落ちてくる眷族角を狙う。
長銃の先に魔方陣が現れ、そして引き金を引くと同時に銃口から炎の弾が放たれた。
その弾は落ちてくる眷族角を意図も容易く撃ち抜いた。
「魔法銃ですか?」
「そう、ちょっと特別製だけど」
レイムにそうフレアは笑顔で答えた。
「このマガジンの先に付いてるのは、【ホロライフルストーン】という石。
様々な力を保存しておける石ね」
「それでさっき私の魔力が大量に吸われたんですね」
「え?そんなに吸ったの?」
「はい、半分ほど」
「うわぁ、ごめん。
それは想定してなかった」
「いえ、大丈夫です」
慌てるフレアにレイムは軽く手を振って答える。
「それより、戦況は分かりますか?」
レイムは落ちてくる眷族角を狙い攻撃しながらフレアに聞いた。
ヒーロ達も落ちてくる眷族角を狙って攻撃している。
「今のところ五分五分ね。
第六世代組の2人も頑張ってくれてるけど、押しきれていない感じ。
ただ、さっきロボット子先輩からあと30分もたせて欲しいって連絡がきてたから、準備が整いそうなのかも」
「よかった、間に合いそうなんですね」
フレアの言葉に嬉しそうにレイムは言った。
「ただ」
フレアのその言葉に3人はフレアを見る。
「まだ、アレはブレスを使っていない」
フレアの言葉に3人は息をのんだ。
眷族角を打ち落としながら、戦いを続けるフレアとレイム達。
いくつか地面に落ちた眷族角から、眷族が現れたが4人はその眷族も倒していた。
「まさか、ここまで来るとはね」
フレアは建物の影から現れた多数の眷族を見て言う。
レイム達が戦っている場所から、少し離れた場所の眷族角から現れたもの達だろう。
本能的に、フレア達が邪魔だと感じてこちらに来たようだ。
「ここからはフォローができないかもしれないけど頑張って」
フレアはそう言って新たなマガジンを銃に装填した。
「大丈夫です。
こちらも本気でいきます」
『GMチェンジ!』
レイムの言葉に3人は同時に変身した。
レイムは戦いが終盤に入ったと判断。
長期間変身できないが為に温存してきた変身をここで使う。
「GMスーツ。
それなら安心だけど、ブレスには気をつけて」
フレアは3人を見てそう伝える。
3人は頷き、それぞれの武器を構える。
「それじゃ、掃討戦始めるわよ」
フレアの言葉を皮切りに4人は迫ってくる眷族に向かっていくのであった。
「やぁー!」
ズドンっと巨大な斧を振り下ろし、リィスは眷族を消滅させる。
ヒーロもイーグルブラスターを持ち、眷族を撃ち倒していた。
レイムも負けていない。
ちょこが使っていたような蛇腹剣を装備し、次々に眷族を切り刻む。
「レイム先輩って前衛もいけるんだな」
舞うように戦うレイムを見てヒーロが呟く。
「ほら、ボサッとしない!」
そう言ってヒーロに背後から近づいてくる眷族を斬り倒すリィス。
「あっぶなぁ、俺に当たるだろ!」
そう言ってヒーロもリィスを狙っていた、眷族を撃ち倒した。
「お礼はいいません、お互い様です」
「何機嫌損ねてるんだ?」
「しりません」
そんなやり取りをする2人を横目で見て微笑みながら、フレアは眷族を確実に撃ち抜いていた。
「だいぶ減ってきましたね」
4人は集まり、レイムが言った。
「そうね、そろそろ30分。
あちらも動きがあるはず」
フレアがそう言った時に突如離れた場所から飛んでくる鱗。
『く』
咄嗟に避ける4人。
しかし、次々と飛んでくる鱗は、避けたヒーロとリィスを取り囲むように飛んできた。
「しまった!」
意図した事に気付くフレアだが、そんなフレアへ残っていた眷族が襲いかかる。
「レイム!」
フレアはそう声をかけた後、自分に迫る眷族に対処する。
レイムはフレアにいわれる前に体が動いていた。
ヒーロ達を囲った鱗を飛び越えようとジャンプするレイム。
しかし、レイムは背後からの長い腕に掴まれ引き戻された。
背後を見るとそこには「ギャギャギャ」と笑う眷族がいた。
すぐに蛇腹剣で手を切り落とすレイム。
しかし、片方しか斬れなかった。
片方の手で引っ張られるレイム。
そうこうしている時に、鱗内に大きめの眷族が飛び入るのをレイムは見た。
(スリースターズ級!)
レイムはその大きさからそう考えた。
(あの2人が危ない)
どうにか振りほどこうとするレイムだがそう簡単にはいかなかった。
ギャワァァァー!
「くそう」
飛び込んで来た眷族にイーグルブラスターを撃つが、スリースターズ級にはそこまでダメージを与えられない。
長い腕の横殴りが逃げ場のない2人を襲う。
「させない!」
リィスは咄嗟にビッグシールドでその攻撃を受ける。
「くぁ」
何とか止めれたが、その衝撃はリィスの体を打ちのめした。
片ひざをつくリィス。
そのリィスへ追撃が!
「させるかぁ!イーグルバースト!」
イーグルブラスターの銃口から凄まじい炎が、眷族の顔に向かって放たれる。
これはたまらず眷族は両手で顔を覆う。
「よしゃ!」
しかし、まだ眷族の攻撃は終わってはいなかった。
リィスが盾を構えている方の反対側から、眷族の巨大なしっぽが襲いかかる。
「!!」
ヒーロはチラリとリィスを見る。
まだ、攻撃の余韻が残るのか動けそうにない。
咄嗟にヒーロはリィスを庇うように抱きしめた。
「ヒーロさん!」
「お前は俺が守ってやる」
リィスの悲痛な叫びに、ヒーロは笑顔でそう答えた。
そして、背後から迫り来るしっぽ。
ヒーロは強くリィスを抱き締めて目を瞑ってしまった。
それからゆっくりと目を開ける。
しっぽの攻撃がこない事に不思議に思ったのだ。
ヒーロの腕の中ではリィスも目を瞑っていた。
ゆっくりと顔をあげるとそこには銀色の鎧があった。
その人は片手で眷族のしっぽを止めて、眷族と睨みあっていた。
「すぐにすむから」
そう言って銀色の鎧の騎士は、掴んだしっぽを持ち上げ、眷族を頭上に投げる。
そして、それを追うように飛び上がる。
銀色の鎧の騎士は背負っていた剣を抜き、眷族を一刀の元に斬り裂いた。
そして、2人の元に降り立つ。
ゆっくりと2人に振り向いた騎士は優しそうに微笑んだ。
「ノエルさん」
ヒーロはそう言って安堵する。
「こんマッスル~」
ノエルはそう言って笑った。
ドゴン!
凄まじい音をたて、ノエルが取り囲んでいた鱗をメイスで吹き飛ばしていく。
「ごめんフレア、遅くなっちゃって」
鱗を全て吹き飛ばしたノエルは、フレア達に合流し謝った。
「大丈夫ナイスタイミング」
そう言って微笑むフレア。
「2人とも無事でよかった」
フレアの掩護射撃により助かったレイムも、合流した2人に声をかけた。
頷く2人。
「それで、ノエル上手く言ったんだね?」
フレアに言われてノエルは嬉しそうに背中を見せる。
「それじゃ、後はそれを届けないと」
「そうだね」
フレアの言葉に頷くノエル。
「ごめん、今からロボ子先輩の援護に行くわ。
まだ、眷族は残っているかもしれないから気を付けて」
「もうすぐ終わらすから」
「はい、気をつけて」
「ここは任せてください」
「そちらは任せますね」
フレアとノエルは3人の言葉を聞いて頷き、ロボ子が戦っている方へと向かった。
時間がきて変身が解ける3人。
「だいぶ倒したから、後はこの状態でも大丈夫ですよね?」
「やってやろうぜ、残党狩り」
そんな2人を微笑ましくレイムは見ていた。
ふと、何かが建物の影で光った気がした。
レイムは咄嗟にヒーロを抱き締める。
「え?」
「へ?」
目の前でヒーロを抱き締めたレイムを見て、驚くリィス。
そして、抱き締められて驚くヒーロ。
「え?なんで?」
「ちょ、ちょっと」
慌て狼狽えるリィスと顔を赤くするヒーロ。
しかし、ヒーロはその手に力が入ってない事に気づいた。
「え?
レイム先輩?」
ゆっくりと地面に倒れていくレイム。
咄嗟にヒーロはレイムを抱き止める。
グギャァァァァァァー
そこに建物の影から眷族が現れる。
「レイム先輩?
レイム先輩!」
ヒーロは現れた眷族の方を向かず、目を閉じ動かないレイムを揺さぶる。
リィスも何が何やら分からず立ち尽くしている。
そんな3人に眷族は飛び上がり襲いかかった。
「何をやってるんだ!」
ザン!
「!?」
突然の大声にビクッと体を震わせて、我にかえり眷族を見る2人。
その目には、眷族を切り裂いたさくやの姿があった。
さくやはそのまま眷族を後ろに蹴り飛ばす。
そこに待つフジがその眷族を1発で殴り倒した。
すぐさまレイムの元に来るさくやとフジ。
「俺、俺を庇って…」
ヒーロは腕の中で動かないレイムを、さくやに見せながらうわ言のように言った。
さくやはすぐにレイムに触れる。
それからディスプレイを開き確認する。
そして。
「やられている」
そう短くヒーロに伝えた。
「ぐ」
フジはそれを聞いて拳を強く握る。
「え?やられてるって」
未だに状況が分からないリィスは狼狽えたままだ。
「そんなまさか…」
から笑いのヒーロが、目を瞑ったままのレイムを見る。
「胸にブレスを受けたのだろう。
咄嗟に胸にバフを集中してかけたお陰で、胸を貫いてお前にダメージをいかないようにしたようだ」
「なんで、なんで自分だけ、貫くようにしたらもしかしたら全部のダメージを受けずに生きれたかもしれないのに!」
「それはもしかしての話だ。
レイムはこの方法が一番被害が少ないと判断したのだろう」
「くそう!くそう!」
叫ぶヒーロ。
「う、うぅぅぅ」
理解が追い付きリィスはその場に座り込む。
さくやはゆっくりと立ち上がり、総隊長に連絡した。
ちょうどその時、フレア達が向かった先で、巨大な光が立ち上っていた。
ホロサウルスとの戦いはロボ子の乗るホロカイザーと駆けつけたノエルが持っていた【ホロライブソード】の活躍により勝利した。
しかし、チームGMはその勝利を喜べぬまま、GM本部へと帰還した。
『ご苦労だった』
GMの部屋に戻った4人は、ディスプレイに映る総隊長からの言葉を黙って聞いていた。
『そう、気落ちするな』
総隊長は静かにそう言った。
「レイム先輩がやられたんですよ!
それも俺を庇って!」
ヒーロが大声を出す。
「死んだ訳ではない」
総隊長は優しくそう言った。
「ても!」
ヒーロはダン!と机を叩く。
「レイムはこのまま去るのか?」
さくやはそう総隊長に聞く。
『え?』
ヒーロとリィスは驚いたようにさくやを見た。
「え?去る?ってなんですか?」
ヒーロが立ち上がりさくやを見る。
「そのままの意味だ」
さくやは答える。
「え?
リスポーンするんでしょ?
俺達GMは時間はかかりますが、リスポーンはできるはずです!」
ヒーロが強めの口調でさくやに言う。
「そうですよね、総隊長!」
そして、総隊長にも。
「そうだ、我々もリスポーンはする。
しかし、レイムの場合は」
「リスポーンを申請していない」
総隊長の言葉にフジが付け加えた。
「な、なんで、なんでですか!」
先輩達の言葉に驚きながらヒーロがいう。
「どうして、レイム先輩…」
リィスもまた泣きそうな声を出し俯く。
「前から話していた事だ。
レイムは退職する事になっていた」
『まさか』
その言葉に驚くヒーロとレイム。
「聞かされていなかったのか」
そう言われてヒーロ達はふと思い出す。
今回の作戦の前にレイムが、自分達に何かを伝えようとしたいた事に。
「そう言えば今回の作戦の前に、レイム先輩は何かを言おうとしてました」
ヒーロはそう言ってうなだれながら椅子に座った。
「たぶん、その時に伝えたかったんだろうな。
レイムは寿退社する事になった」
『はい?』
さくやの意外な言葉にヒーロとリィスは驚いて顔をあげる。
「え?寿退社ですか?」
「そうだ」
リィスの言葉に頷くさくや。
「えっ、今回の事が原因で退職を決めたとか」
「さっきも言っただろう。
退職は前から決めていたと」
ヒーロの言葉にさくやが言う。
「ま、最後に戦績にマイナスが付いたのは痛かっただろうがな」
そう、フジが言う。
『何を言ってるんの、そんな事で悔しがる事ありません。
だって仲間を助けられたんですよ』
そう突然ディスプレイから声がする。
『レイム先輩!』
2人が言うように画面には総隊長と共にレイムが映っていた。
『ごめんね2人とも伝えるの遅くなっちゃって』
レイムはそう言って謝る。
「え、いえ、いきなりなんでなんか気持ちが追い付かなくて」
ヒーロの言葉に頷くリィス。
『ま、悪いのはこの木偶の坊なんだけど』
そう言ってレイムは総隊長の頭を叩く。
『こら、叩くなって』
『いいでしょ。
もう、退職したんだし』
『あのなぁ、そういう問題じゃない』
「え?もしかして?」
そんな2人のやり取りを見てリィスが言う。
『そう、私の旦那さん』
レイムはそう言って総隊長の腕をとった。
『えぇ~?』