ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~   作:天野空

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リィスはさくやのお願いどおり、第六世代組の動向を調べる事ができた。
風真いろは、沙花叉クロヱ共に絆は結んではいたが、コメント集との関わりはなかった。
第六世代組とコメント集に関係性はないのだろうか?
真実はまだ先のようだ。


第30話 秘密の石の真実

GM本部基地内。

さくやは自分達の部屋に戻る為に、廊下を歩いていた。

そこで背後から声がかけられる。

振り向くとそこにはAが立っていた。

「珍しいですね。

総司令がこのエリアでうろうろするのは」

2人は休憩室に移動し、部屋の片隅でジュースを飲みながらさくやは隣に座るAに言った。

「まぁ、普段はもう少し上のエリアで仕事してますから」

遠慮がちに少し上と言うAに、さくやは笑う。

「笑う事ないでしょう」

「いや、失礼。

最上エリアで仕事されている総司令殿がそんな冗談を言われるから」

さくやはそう言って笑いをこらえた。

「相変わらずですね、あなたは。

本性は少し意地悪で子どもっぽい。

なんなら、喋り方も昔に戻したらどうですか?」

「はは、止めときます。

隊長なんかになってしまっているので」

そう答えるさくやにAは、はぁとため息を付いた。

「別に形から入ろうとしなくても、十分隊長してますけどね」

「はい?

何かおっしゃいましたか?」

「いえ、何も」

Aの小声で呟いた事はさくやには聞こえていなかったらしい。

「それで、総司令がこのエリアに何かようですか?」

さくやの言葉に頷く。

「ええ、あなたに用があります」

 

 

(ここね)

総司令と話した後、さくやは【ファンタジー】にある霊峰 封神山に来ていた。

(確か前回、リィスが来たと言ってたなぁ)

さくやはGMバイクで洞窟の前に降りた。

GMバイクはそのまま本部に戻し、洞窟の周囲を見る。

(あれは、騎乗用環境生物のアビッグル?)

アビッグルに近づくさくや。

アビッグルはさくやをじっと見ていた。

(頭に帽子?

確かルーナちゃんが愛用しているアビッグル。

なるほど、先客がいるって事ね)

さくやは洞窟の入り口を見る。

(これは急いだ方がいいかな)

そう思いさくやは洞窟の中に入っていった。

 

しばらく進むと、少し先が明るくなっている。

そこから話し声も聞こえてきた。

(ルーナちゃん1人ではないのか?)

そう思いさくやはゆっくりと先に進んだ。

発掘後の前に2人の人物が立っていた。

1人はルーナ。

もう1人は。

「数ヵ月前に山を彷徨っていたプレイヤーが、偶然ここに入ってこの石を見つけ持ち帰ったらしいのら」

そうルーナちゃんが言った後、さくやは続けて2人に語りかけた。

「そして、その石は運営も把握していなかった物だった」

「!誰?」

さくやの声に振り向く2人。

(やっぱり、ルーナちゃんの横にいるのは…)

「まさか、holoXとルーナちゃんが共に行動しているとは」

「く、GMか!」

ルイがすぐに戦闘体勢をとった。

さくやは腕組みをして、2人の前に立つ。

「ルーナちゃんと会うのは初めてかな?

GM部隊所属さくやと言うものです。

よろしく」

さくやは腕組みを解き、ルーナ達に挨拶をする。

「こちらこそ、よろしくなのら」

ルーナは片手を軽く上げて挨拶した。

「それと、鷹嶺ルイ?

私はここで戦うつもりはないよ」

そう言ってさくやは両手を上にあげる。

しばらくさくやを見たルイはゆっくりと杖をおろした。

「その言葉信じましょう」

「ありがとう」

そう言ってさくやはルーナの横に来て、発掘場所を見る。

「さっきの話は本当なのら?」

ルーナは発掘場所を見ながらさくやに聞く。

「ええ、運営はこんなアイテムを実装した形跡はないと言っています。

なので、誰か他の者が密かにこのアイテムを実装したか、あるいは」

「あるいは?」

ルイも2人の側で聞き返した。

「超AIと呼ばれる存在が何らかの理由で、これをこの世界で作ったか」

さくやの言葉にルイが何かを考えるような顔をする。

(あの情報だけで私が言いたい事を把握している?)

「さすがはholoX一の分析屋ですね。

私の言いたい事をほぼ把握しているようで」

「まぁ。

しかし、本当に超AIが?」

「それは分かりません」

「よいしょ」

2人が話している間にルーナは採掘されて落ちている石を拾う。

「ちょっとルーナ先輩」「ルーナちゃん?」

驚く2人。

「どうかしたのら?」

「いや、どうかしたのら?じゃなくて話聞いてました?」

「それは運営も把握していない物で、何があるか分かりませんよ」

ルイとルーナに勢い良く言われるルーナだが、当の本人は気にしないような顔をしていた。

「別にいいのらよ。

それにこの石の能力は間違いないなのらよね?」

「ええ、それはそうですが」

ルーナに聞かれて答えるさくや。

「なら、何も問題ないのら」

ルーナは自身のアイテムボックスに石を入れた。

「さ、戻るのらよ」

またも来た道を1人どんどん進もうとするルーナ。

「ちょちょっと」

慌ててルイがその後を追いかける。

さくやもその後に続いた。

「ふぅ、これで任務完了!」

外に出たルーナが伸びをする。

「はぁ、こんなに行動力ある人でしたっけ?」

ルーナの後を追い出てきたルイが呟く。

さくやも洞窟から出てきた。

そして、2人が何やら話している。

(たぶん、絆を結んでいる。

今なら大丈夫か…)

そう考えたさくやは総司令から言われた任務を実行した。

ルーナがアビッグルに乗り屋敷に帰っていった。

「いいんですか?

謎の石をホロメンに持たせたままで」

ルイは帰っていくルーナを見送りながら、隣に立つさくやに言った。

「構わないさ。

初めは運営も把握していない石だったが、今は持ち帰ったプレイヤーによって把握している物になったからね。

それに」

さくやはルイを見る。

「貴女はあの石を取っていないみたいだから」

「分かりませんよ、貴女が帰った後に取りに行くかもしれません」

ルイはさくや見て言う。

「それは心配ないさ。

何故なら私が来た理由がそれだからね」

さくやのその言葉にルイが背後にある洞窟の入り口の方を見た。

そこにはもう洞窟はなかった。

「通路を隠した?

いや、これは洞窟自体の存在を切り離した」

「ご名答。

総司令の指示なのでね」

さくやはそう言ってルイから離れる。

「帰るのですか?」

「もちろん、今回の任務はあの洞窟の処理でしたから。

holoXとの戦いは任務に入っていないよ」

さくやがGMバイクを召喚し跨ぐ。

「そういえば、彼女は元気にされていますか」

ルイがそうさくやに聞いてきた。

(まさか、holoXがこちらの心配をしてくるなんて)

そう心の中で驚きなから、さくやは答える。

「…彼女はもうこの世界にはいませんよ」

「いない?」

「ええ、退職しましたから」

きちんと伝える必要はないと思ったさくやは、要点だけを答える。

そして、ルイをその場に残し、さくやはGM本部へと帰った。

 

 

さくやは本部へと戻りすぐにAの部屋へと向かった。

コンコン。

「どうぞ」

中からAの声が聞こえた。

「失礼します」

さくやはそう言って部屋に入る。

そこには机につくAとその傍らで資料を持って立つのどかがいた。

「任務完了の報告にあがりました」

さくやの言葉に頷くA。

「ありがとうございます」

「形式的な報告書は出さないでほしいという事でしたので」

「ええ、今回は運営側の事情でしたので。

それでどうでしたか」

「はい」

さくやはそう言って洞窟であった事を話した。

「なるほど、ルーナさんとルイさんが…」

「はい、後、ルーナちゃんが例の石を持ち帰りました」

「1つですか?」

「はい」

「分かりました。

その件はこちらからサイレント修正をかけておきます」

「それで、何故今回この洞窟を切り離したのですか?」

さくやは今回の作戦の理由を聞いた。

Aは少し黙った後、ゆっくりと息を吸う。

「今回この洞窟、いえこの【ホロライフルストーン】をゲームから切り離した理由は、コメント集と関わりがあるのではないかと、疑いが出たからです」

「コメント集と?」

「はい。

【ホロライフルストーン】が何故膨大な量のデータを蓄積できるか分かりますか?」

「…

【ホロライブワールド】の未実装エリアにデータを保管する場所を作ってそこに送る端末とか?」

さくやは考えてそう答えた。

「それは正解であり不正解でもあります。

確かに【ホロライフルストーン】はデータを送る端末の役割をしています。

ですが、それは未実装エリアにではなく、このゲーム外へと送って保存されています」

「ゲーム外?」

「はい、保存先の特定は今行っていますが、外部へと繋がるという事は、そこからコメント集がデータとして侵入する恐れもあるという事です。

あと、現在プレイヤーないしホロメンが所有する【ホロライフルストーン】は、さくやさんが言ったように未実装エリアにデータ保存領域を作ってそこにデータ保存、管理をしています」

「そういう事ですか…」

「今、コメント集がどこから来ているのか分からない状況です。

この【ホロライブワールド】を安全に運営していくには怪しい物から調べる必要がありますので」

「分かりました。

それでは、これで失礼します」

「はい、任務ご苦労様でした」

さくやはそう挨拶をすると、Aの部屋からでた。

しばらく廊下を歩いていると後ろから声をかけられる。

のどかだ。

「どうかしましたか?」

「すいません、先程の事とは関係ないのですが、総司令が伝え忘れてた事があると」

そう言ってのどかはさくやの側に来た。

「それで伝え忘れた事とは?」

「はい、前回の【ファンタジー】で起きたコメント集の事件です。

報告書に白騎士が現れたと書かれていましたので、その時の映像を確認しました」

そう言って映像を見せるのどか。

そこには白騎士が剣を振り抜き、コメント集を一蹴していた姿が写っていた。

そして、一瞬で消える。

「消えた?」

「はい、ログアウトでもなく、移動した形跡もなく、忽然とこの場から消えています」

「そんな事が可能なんですか?」

さくやは不思議そうに聞いた。

「何らかのスキルなら可能ですが、普通ならプレイヤーには無理です」

「と言うことは、こちら側の人物?」

「はい、それか超AIかです」

「なるほど」

「あと、マリンさんが言っていた。

誰かに見られてるっていう話ですが、こちらも調べました」

「結果は?」

「これです」

そう言ってのどかは別の映像を見せた。

「これは!」

そこには1人の亜人の少年が、岩影に隠れながら、さくや達とホロメンを見下ろしていた。

その姿は、始めによくholoXと共に行動していた。

「プレイヤー名、ロック少年です」




後2話でラプラスの野望のお話に追い付きます。
2つのお話が揃った時、最後のお話が始まります。
後少しお付き合いくださいませ。
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