ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~   作:天野空

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AZKiよりこの世界に危機が迫っているのを知らされたさくや。
彼女が目を覚ましたその時から、世界への驚異が始まる。
さくやは覚悟を決め、ログインする。
これから【ホロライブワールド】を守る戦いが始まるのだ。



第33話 【ホロライブワールド】大戦

ゆっくりと彼女は目を開けた。

そこはいつもの場所。

GM基地の中だった。

さくやは急いでチームがいる部屋に急ぐ。

「あ、おはようございます」

「おはようございます」

「遅かったな」

部屋にはチームGMが揃っていた。

「何かあったのか?」

フジがさくやの顔を見て聞く。

それほどさくやは真剣な顔だったのだろう。

「戦闘準備だ。

まもなく始まる」

そうさくやが言った瞬間、GM基地にけたたましくサイレンが鳴る。

「え、え?」

「な、なんだ?」

ヒーロとリィスが辺りを見渡す。

『緊急事態が発生しました』

基地全体にアナウンスが入る。

『消滅したはずの五帝、3体が復活。

各地で進軍を開始しました。

それに伴い、多数のスターズ亜種が発生。

また、未確認の黒い物体も多数出現しています。

各GMチームは緊急出動してください』

「これか?」

フジはそうさくやに聞くが、さくやは真剣な顔でじっとテーブルの方を見ていた。

そして、ブォンとテーブルのところにディスプレイが開く。

そこにはAの姿が。

『貴女には何か伝わっていたみたいですね』

Aはさくやを見て言った。

『チームGMには別の任務があります。

先程、あるホロメンから協力依頼が入りました。

4人はそのホロメンに協力してください』

「だ、誰なんですか?

そのホロメンって」

ヒーロがAに聞く。

『そのホロメンの名は、ラプラス・ダークネス。

第六世代組の総帥です』

 

 

Aの部屋。

「まさか、消滅したはずの五帝が復活するなんて」

「今、GMチーム総動員で対処していますが、亜種並びにコメント集で手一杯な状況です」

Aに総隊長が状況を報告する。

「分かっています。

ホロメンの皆さんにも声をかけていますが、ホロメンの皆さんにはどうしても守らないといけない施設を優先的に守ってもらっています」

Aが苦しそうに言う。

「分かっていますよ。

この世界を維持する為には、その場所はどうしても死守しないといけない。

しかし、五帝は…」

総隊長も苦しそうに言った。

「…私も出ます」

「な、総司令自ら」

「はい、五帝の1体でも止めなければ」

驚く総隊長にAは言った。

「では、残り2体は?」

「1体はある人達がもう向かっています。

もう1体は私が知る最強の戦力に向かってもらっています」

Aはそう言って微笑む。

「分かりました。

それでは、俺も出るとしましょう」

「お願いします。

全てが終わったらみんなで慰労会ですね」

「楽しみにしてますよ」

Aの言葉に総隊長は笑って答えた。

 

 

GM基地のある部屋の中、1人の女性が箱の前で立っていた。

女性はゆっくりと箱を開ける。

そこには1組のカードとリングのようなものが納められていた。

彼女は自らサポート役にまわる為に、その強大な力を封印していた。

(「今回は貴女1人で五帝1体に向かってもらわないといけません。

行った先には多くのプレイヤーとホロメンがいますが、サポート役にまわるのではなく、最前線で戦う事になるでしょう」)

そう彼女はAに言われた。

「また、力をお借りしますね」

そう言って彼女はリングとカードを取り出す。

付属のベルトを着け、カードホルダーにカードを入れ、右手にリングを持った。

するとベルトとリングはすっと消える。

彼女が装備して証だ。

そして、彼女は部屋を出る。

この世界を救う手助けをする為に。

 

 

ここは【学園】と呼ばれる場所。

学生の通う賑やかな場所なのだが、その実【ホロライブワールド】を構築する為のデータを保管している場所でもあった。

そこに黒い影が大量に押し寄せていた。

『直接接触せずに、遠距離からの攻撃で対処してください』

学園放送からちょこの声が響いた。

【学園】の至るところにバリケードが作られ、学生達が迫ってきている影を攻撃していた。

ダンダン!

その1つのバリケードの裏で2人のホロメンも戦っていた。

「はぁ、なんか思い出すなぁ」

「ん?」

「前もこうやって【学園】を守る為に戦ったでしょ」

そう言ってまつりは影に対コメント集の弾丸を撃ち込む。

「そうだっけ?」

そう答えてはあとも同じく弾丸を撃った。

「そうだよ。

今回はプレイヤーさん達もいるからあの時と違うけどさ」

「そういえばそうだったね」

弾をこめながら2人は、確実に影を消滅させる。

運営から全プレイヤー並びにNPCに配給された対コメント集装備は今のところ、効果を発揮していた。

「だけど、数が前よりだいぶ多いわね」

ダンダン!

連続ヒット。

はあとが影を撃つ。

「でも、どうにかなるんじゃない!」

ダンダン!

まつりも負けてはいない。

「そういえばさぁ。

前にも聞いたけど、今のはあとちゃんってどっち?」

ふとまつりに聞かれてはあとは少し考える。

そして「さぁ、どっちでしょうね~」と笑って答えた。

「もう、またぁ~」

まつりも笑いながら敵を撃つ。

【学園】に迫る影は多いがホロメンとプレイヤーの力で今は抑えられていた。

 

 

シャン、シャン。

大桜神社の御神体、大桜の前でみこが舞う。

みこはコメント集の進行により、世界のバランスが崩れようとしているのをどうにか調整していた。

しかし、そこにも影が忍び寄る。

許されたものしか入れないその場所に、影が現れたのだ。

調整の為に舞うみこは完全に無防備。

このままでは、やられてしまう。

ゆっくりと近づく影。

だが、そこにも抑止力は存在する。

ザン!

斬られ消滅する影。

「許しもないのに勝手に入るのは良くないなぁ」

赤い刀身の剣を持ち、影を睨み微笑むバンパイア。

メルの笑顔の奥には、怒りが見え隠れしていた。

ダン、ダン、ダ、ダン。

そして、その背後に進む影達を短銃の連続交換で撃ち滅ぼす1人の女性。

「はいはい、踊り子さんに手を触れようとするのはご法度ですよ」

その手にシミターを装備し、アキロゼが笑った。

「さて、ここを通ってみこちゃんに会いたいなら」

「アキロゼ達を倒してからにしてもらおうかしら?」

2人は武器を構えて笑う。

それはまさに消滅へと誘う女神の笑みだった。

 

 

「まさか、こんなところまで来るなんてね」

草原の彼方から影と亜種の群れが向かってくるのを見て、パンと手と拳を合わせる女性。

「さすがはコメント集って事なのかな?」

その後ろでフードを被った女性が立つ。

「ごめんなさい、遅れて」

突如その女性達の横の空間に扉が現れ、そこからもう1人女性が現れた。

「あ、大丈夫。

今からだから」

「タイミングバッチリだよ」

「良かった」

2人に言われて胸を押さえて安堵する女性。

そこは巨大な剣【ホロライブソード】の突き刺さる神聖な場所。

そこにもヤツラは現れている。

「さ、今日も歌うぞぉ~」

そう言ってにこっと笑うすいせい。

「その元気に負けそう」

すいせいを見て笑うAZKi。

「じゃ、ここはトリオで歌いましょうか」

フードを外し、マントを脱ぐそら。

『賛成』

3人は【ホロライブソード】を背にして、これからライブを開く。

この世界の始まりの場所を守る為に。

 

 

 

ここはある場所に向かう為のワープ空間の中。

特殊なその場所に行く為、ワープもすぐにとはいかなかった。

その空間を走る4台のGMバイク。

ヒーロ達だ。

4人はラプラスからの救援要請を受けてGMバイクを走らせていた。

「!!

後方から接近する反応があります」

最後尾を走るリィスが前にいる3人に言った。

バイクを止めて背後を見る4人。

そこには通常あり得ないはずの光景が見えた。

「な、なんで」

「常識も通じないか」

リィスの言葉にさくやが答える。

背後から無数の影が追ってきているのだ。

通常、ワープ空間には、その空間を開いたものしか入れない。

それをちょっとした隙間から影は入り込んできた。

3人を見るさくや。

(そうか、ここが今回の私の場所なんですね)

さくやはそう思い、3人に声をかける。

「ここは私が引き受ける。

3人は先を急いでラプラスの手助けをするんだ」

「な、何を」

「隊長命令だ」

ヒーロが何か言おうとしたが、さくやはそれを止め言った。

「ヒーローになるチャンスだぞ」

さくやは優しくヒーロに言った。

「そ…了解しました」

何かを言おうとしたが、ヒーロはさくやの顔を見てやめる。

さくやは優しく3人に微笑んだ後、背後を見る。

その背に頭を下げてヒーロ達は先に進んだ。

「どうして残ってるの?

おにぃ」

さくやは背後に立つフジに言う。

「この世のどこに妹を置いて先に行く兄貴がいるんだ?」

「え?案外いると思うけど?」

「そうなのか?」

さくやの言葉に少し驚くフジ。

「ま、俺はそんなやつ知らん」

フジはそう言って武器を構える。

「先に行ってくれればよかったのに」

「それならこいつらをさっさと倒してから行けばいいだろう?」

「それもそうか」

さくやは両手のクロウを展開する。

「ありがとうね」

「当たり前のことをするだけだ。

大切な家族を守れなくて何が守れる」

「やっぱりそういうとこが…」

「なんだ?」

「なんでもない」

そうしてGM最強の2人は、影に向かって走り出した。

 

全てのキャラクター達が立ち上がる。

それは世界を救う為。

この世界【ホロライブワールド】でまだ過ごしていきたいと思う気持ちのあらわれだった。




最終決戦開始となります。
【ホロライブワールド】中に現れた影、コメント集。
ゲーム参加のプレイヤーには、イベントとして告知され、詳しい内容までは告知されていません。
この【ホロライブワールド】の危機を知っているのは、ホロメンとGM、そして、これを読んでくださっているあなただけです。
では、次回お楽しみに
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