ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~   作:天野空

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さくや達は非番で行ったダンス大会で第六世代組沙花叉クロヱと歌魚レビィと遭遇、ダンス大会の混乱を何とか押さえ込むことができた。
しかし、ダンス大会を邪魔する事が目的だという沙花叉クロヱの言葉に釈然としないさくや。
そして、アキ・ローゼンタールから謎のプレイヤーロックが何か怪しいと聞かされる。
果たして第六世代組の本当の目的とは?


第4話 スターズ亜種

ここは【ホロライブワールド】にあるGM基地内にある1室。

今日はフジとヒーロ、リィスが出勤していた。

「ふぅ、俺らにはなかなか仕事回って来ないっすね」

ヒーロは椅子に座り画面を見ながらぼやく。

「ま、わしらは主に暴走モンスター処理が仕事だからな」

「え?そうなんですか?」

フジの言葉を聞いてお茶を飲んでいたリィスが驚く。

「ん?聞いてなかったか?」

「は、はい。

初出勤の時にこの部署は安全だから慣れるのにはいいだろうと言われて」

「ははは、間違いはないな。

任務は危険だが、わしらがいたら安全だからな」

フジはリィスの言葉に笑う。

「全然安全じゃないっすよ。

先輩方のしごきは他より厳しいって同期も言ってたし」

「そうか?

そんな事はないと思うがな」

ヒーロの言葉に顎に手を当て首をかしげるフジ。

ビービー

そんな時、丁度アラームが鳴り響く。

そして現れる巨大な画面。

3人は立ち上がり姿勢をただして画面を見た。

『こんにちは、チームαのみなさん』

画面には1人の女性、のどかだ。

『急な事ですいませんが、今から【バーチャル】の第2の町に向かってください。

そこの廃墟でスターズが暴走しているとGMコールがありました』

「スターズの暴走…」

リィスが呟く。

「分かりました、直ちに向かいます」

フジがそう答える。

『ありがとうございます。

さくや隊長とレイムさんにも連絡した方がいいですか?』

「いや、スターズでしたらわしらでどうにかなります」

『分かりました。

それでは、チームα出動してください』

『了解です』

3人はのどかに敬礼をした。

 

3人はGMバイクに乗り込み【バーチャル】の第2の町付近にある廃墟に来ていた。

「連絡があったところはここの近くです」

リィスが2人に伝える。

2人は頷き、バイクを停めた。

3人はバイクをおりて周囲を警戒する。

「GMコール信号は?」

「今はもう消えてますね。

ログアウトしたか、やられたかどっちかってとこっすね」

ヒーロが手元の画面を確認しながらフジに伝える。

「解析結果がきました、どうやらあの廃墟の近くみたいです」

リィスは近くの廃墟ビルを指差す。

「わかった。

では、各自辺りを警戒しつつ向かうぞ」

『了解です』

フジの言葉に2人は頷き、3人は廃墟に向かって進んだ。

「この廃墟エリアはどうしてあるんですか?」

辺りを警戒しながら小さな声でリィスがフジに聞いた。

「初めここには町があったんだが、ある事件で一瞬で廃墟に変わったらしい」

「一瞬で?」

「うむ、原因はよく分かっていないらしいが、記録によるとノイズが走ったと書かれてあった」

「ノイズ…」

フジの言葉にリィスは怖くなったのかおどおどし始める。

「大丈夫だって、その最初の報告があった以降はそういう現象は報告されてないから」

ヒーロはそうリィスに言った。

「は、はい」

リィスはその言葉を聞いて少し気分を落ち着かせたようだった。

「そろそろ問題の場所だが」

フジは瓦礫の山を上がりきり問題の場所を見る。

廃墟ビルの前は少し開けた場所だった。

「あ、あそこ」

リィスが何か見つけたのか広場を指差す。

そこには黒い靄がある。

「プレイヤーがいます、危ない!」

リィスはそう言って駆け出す。

「おい、待て!」

それを追うヒーロ。

「2人とも戻れ、く!」

フジは先に行く、2人を追う。

フジは追いながら先程の靄を見る。

そこにプレイヤーは確認できなかった。

 

「大丈夫ですか?」

リィスは広場におり目の前のプレイヤーに声をかけた。

ゆっくりと振り返るプレイヤー

「え?」

その顔を見たリィスはぞっとする。

その顔真っ黒で鼻や眉毛がなかった。

あるのは奥がどこか分からないような2つの穴と、大きく笑うように開かれた赤い口?

そして、目の前のプレイヤーは黒い霧になって消えた。

「おい、勝手に走り出すな」

追い付いたヒーロはリィスの肩を掴む。

「え?あ、なに?」

「どうした?おい!」

リィスの焦点が合っていない。

明らかにおかしい。

「お前達逃げろ!」

突然の声にヒーロは横を向く。

そこにはさっきまで黒い靄だった物が巨大なオーガに変わっていた。

横から巨大な鉄棍棒が迫る。

「く!」

ヒーロはリィスを抱きしめ守ろうとした。

その上からヒーロ達を抱きしめる大きな体。

「ぐぁ!」

ヒーロ達は鉄棍棒に吹き飛ばされて吹き飛び、瓦礫の山に勢いよくぶつかった。

「フジ先輩」

2人を守り瓦礫の山にもたれ掛かるように倒れるフジ。

ヒーロはリィスを静かに座らせた後、声をかける。

「逃げろ、あれはスターズじゃない。

あれはスターズ亜種だ」

フジは苦しそうに2人に言う。

スターズ亜種。

最近報告が上がっているモンスター

運営が実装したスターズの中に、何故か黒い靄を纏って普段の強さの数倍もの強い力を持つ物がいるらしい。

何故そういうモンスターになるのかまだ原因が分かっていなかった。

「しかし、フジ先輩が」

「わしはリスボーンすればいい」

「でも、俺達のリスボーンは」

苦しそうに言うヒーロ。

GMはその圧倒的な強さを持っている為、一度死んでしまうとリスボーンするのに1ヶ月以上かかる。

様々な特典が付いている為、すぐには復活出来ない。

「き、きます!」

リィスは何とか自分を取り戻したのか、2人の横で叫ぶ。

「くそ」

ヒーロはライフルを取り出し構える。

変身できないヒーロはまだチートと呼ばれる力を持っていない。

「くらえ!」

ダンダン!

ライフルを射つヒーロ。

弾はオーガに当たるがダメージは入っていない。

「HP表示がおかしくなってます」

横で解析しようと画面を開くリィスはオーガのHPバーが黒い靄ではっきりと見えない事を報告する。

「くそう」

なおも打ち続けるヒーロ。

リィスも同じくライフルを取り出し果敢に射ち続けるが2人の攻撃はオーガに効いていなかった。

ゆっくりと迫るオーガ。

巨大な鉄棍棒が振り上げられる。

「く、くそ…」

どうにか体を動かそうとするフジ。

しかし、思った以上のダメージで動く事が出来ない。

容赦なく振り下ろされる巨大な鉄棍棒。

「きゃー」

その場に頭を押さえて座り込むリィス。

ヒーロはその前に立ち、オーガから目を背けずライフルを射つ。

そして、鉄棍棒が3人を押し潰す。

ところだった。

グガァーー!

大きく仰け反るオーガ。

真っ白く光る斬撃波がオーガを攻撃したのをヒーロは見た。

瓦礫の山の方を見るヒーロ。

そこには全身真っ白な防具に身を包み、白い剣を持った人物が立っていた。

光の加減で顔は分からない。

その人物はヒーロの方を見た後、すぐに消えた。

「大丈夫ですか!」

ドゴン!

凄まじい音と共に仰け反っていたオーガが吹き飛ばされる。

声をかけながらこちらに来る人物がやったのか?

そのプレイヤーは1匹の浮遊する壺のような物に入った白熊?を連れて近づいてきた。

「え?え?」

リィスは頭を上げて周りを見る。

声をかけてきたプレイヤーはすぐにフジのところに行き、回復魔法をかけた。

「すまん」

フジはそう言って立ち上がる。

「こんなところにスターズですか?」

プレイヤーはオーガの方を見た。

「いや、あれはスターズ亜種だ」

フジはオーガを見ながら言った。

しかし、先程まで黒い靄を纏っていたオーガは今はその靄を纏っていない。

「ん?

リィス動けるか?」

フジはリィスに声をかける。

「はい、何とか」

「すまんがオーガを解析してくれ。

ヒーロはそのままライフルでわしと一緒に、あいつを牽制する」

「了解です」

フジはライフルを取り出しヒーロと共にオーガを射つ。

今度は攻撃が通っているのか、オーガはゆっくりと下がっている。

「解析出ました。

さっきは黒い靄ではっきり見えなかったところが全部見えています。

スターズ名称キングオーガです」

「亜種ではないのか?」

「せっかくだから手伝います」

プレイヤーはそう言って刀をキングオーガに向ける。

「だいふくさんは下がってて」

プレイヤーに言われて白熊?はリィスの方に向かう。

「え?え?本物?」

リィスは近づいてきた白熊?を見て興奮する。

さっきまでの恐怖は落ち着いたみたいだ。

「我は願う 大いなる神々に

我は欲す 神速で敵を貫く葬槍を」

プレイヤーが詠唱し始める。

「ほう、まさかキミが」

フジはライフルを射ちながらプレイヤーを見た。

「食らえ!サンダートライデント!」

プレイヤーの言葉に凄まじい威力の雷の槍がキングオーガに向かって放たれた。

槍はキングオーガを貫き、キングオーガはたまらずその場に膝をつく。

「よし、畳み掛けるぞ!」

フジの言葉にヒーロとリィスはフジと共にライフルをキングオーガに向かって射ち続けた。

ガァー!

断末魔を上げて光と変わるキングオーガ。

「やった~!」

近くにいるだいふくを抱きしめて喜ぶリィス。

「ふぅ、やった…」

ヒーロはその場に座り込んだ。

「協力感謝する。

世界の答え殿」

そう言ってフジはプレイヤーに手を差し出した。

「はは、もう違いますよ」

プレイヤーはそう言ってフジの手を取り握手した。

「それよりキミはどこかに行くところだったのかな?」

フジはプレイヤーに聞いた。

「あ、そうだ。

頼まれごとの途中だ。

だいふくさん行きますよ」

プレイヤーはリィスに抱きしめられているだいふくに言った。

「え?やっぱり本物なんですか?」

リィスは名残惜しそうにだいふくを放す。

「ええ、依頼主はラミィちゃんで、【学園】に変な飲み物を納品している人物を連れてくるっていう依頼を受けてて。

そのお供にだいふくさんが付いてきてくれてるんです」

「うわぁ、ホロメンからの依頼なんて」

「ま、ちょっとした縁がありますから。

それでは、GMのみなさん失礼します」

そう言ってプレイヤーはだいふくと共に【学園】の方に向かって走っていった。

「すごいですね、ホロメンに直接お願い受けるなんて」

リィスはそのプレイヤーの後ろ姿を見て言った。

「ま、特別な条件が揃っていたとはいえ、全てのホロメンの絆を集めたプレイヤーだからな」

フジは笑いながら言う。

「えぇ、じゃあの人が前回の事件を解決した?」

「ああ、世界の英雄だ」

「ふん」

フジの言葉に何故か気に入らなさそうにヒーロが横を向く。

「どうしたんですか?ヒーロさん」

「羨ましいんだろ、世界を救ったのが」

そう言ってフジが笑った。

「それより、今回は大丈夫だったか?

初めての戦闘でいきなりあれだからな」

フジはリィスの方を向いて言った。

「は、はい。

なんか全てが突然で頭が回らなかったですが何とか。

最後だいふくさんを抱きしめたら、なんか落ち着きました」

「そうか…」

フジはリィスを温かい目で見る。

「ヒーロもよくやったぞ」

「あ、はい」

フジに言われてヒーロも嬉しそうに返事する。

「ま、帰ったら2人にも今回の戦いの報告書出してもらう仕事が待っているがな」

「ですよね」

「がんばります」

2人は笑顔でそう答えた。

「では、戻るぞ」

『はい』

そうして、3人はGM本部へと帰還した。




「スターズ亜種に、消えた真っ黒な顔のプレイヤーそれに真っ白な装備を着けた人物ですか」
白く広い空間に机が1つ置かれていて、そこに1人の女性が座っていた。
「はい、チームαからの報告書です」
座っている女性の横に立っている女性のどかが言った。
「どう思われますか?」
のどかに聞かれて座っている女性Aちゃんはもう一度報告書を見る。
「これだけだと何とも言えませんが、この2人の人物は気になります」
Aちゃんは黒い顔の人物と白い装備の人物を指差した。
「たぶん、この2人が最近報告されている亜種に何らかの関係を持っているのではないかと思われますね」
「それでは、GMの人達には」
「ええ、全GMにこの2人。
もしくはよく似た人物に注意してもらうよう通達してください」
「分かりました」
そう言って消えるのどか。
1人白い空間に残るAちゃん。
「また、この世界に何かが起きようとしているのですか?」
そう言ってAちゃんはコーヒーを一口飲んだ。
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