ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~   作:天野空

7 / 35
夏色まつりのライブでは第六世代組の動きはなかった。
しかし、第六世代組がホロメンを狙っているという情報を手に入れたレイムはあるイベントに目を付けた。
果たしてそのイベントに第六世代組は現れるのか?


第7話 激戦 樹海争闘戦~前編~

「おはようございます」

GM本部チームαの部屋にログインしてヒーロはチームメイトに挨拶をした。

「お、今日は遅刻じゃないのか?」

椅子に座りコーヒーを飲んでいるさくやがヒーロに笑いながら言った。

「お、おはよう」

自分の専用画面で何かを調べていたフジも顔をあげる。

「あ、おはようございます。

ヒーロさんもコーヒーでいいですか?」

コーヒーを運んでいるリィスもヒーロに挨拶をした。

「ああ、お願いするよ」

ヒーロはそう答えて椅子に座った。

「あれ?レイム先輩は?」

部屋にレイムがいないのでヒーロが聞く。

バシ

「いるわよちゃんと、ヒーロみたいに遅刻はしません」

「いってぇ」

ヒーロの後ろからバインダーで後頭部を叩き、レイムが現れた。

「おかえり。

で、どうだった?」

「ええ、今年もやるみたいね」

さくやの言葉にレイムはバインダーを振りながら笑顔で答えた。

「お、やはりそうか。

わしも専用ページ探してたら今見つけたよ」

フジも何故か嬉しそうだ。

「え?何かあったんですか?」

ヒーロが興味深そうに聞いてくる。

「え?何かあるんですか?」

コーヒーを持ってきたリィスも気になったようだ。

「ああ、これだ」

そう言ってさくやはレイムから受け取ったバインダーをみんなに見えるように出した。

そこには、『第47回 樹海争闘戦』と書かれていた。

 

「これは?」

「ああ。

ま、簡単に言えばPvPの大会だな」

「PvP?」

「そうだ。

今から説明しよう」

リィスはヒーロとレイムにコーヒーを配った後席に着いた。

それを見てさくやは樹海争闘戦について話し始めた。

 

『樹海争闘戦』

それは裏世界【樹海】で行われる集団PvPで、運営が行う不定期だが人気のある大会だ。

ルールは3人1チームになり参加。

【樹海】のある一定の範囲内において複数チームの生き残り戦だ。

毎年参加者が多いため、予選と本選に分けて行われているらしい。

予選はポイント制、本選は完全な生き残り戦となっている。

【樹海】はそのフィールド性質によりレベルをある一定に固定できる。

その為、参加者はどんなレベルであろうと均等にされ、装備も運営から支給された物のみを使用する。

なので、この争闘戦ではプレイヤーの腕のみが物を言う。

ちなみに支給される武器とアイテムは全部で4種類。

アイテムは回復薬が3つ。

これは最大HPの半分が回復する。

武器は近距離、中距離、遠距離の3種類が支給され、各々3種類ありそこから選ぶ事ができる。

近距離はソード、アックス、ナイフ。

中距離はハンドガン、小型ミサイル、ガトリング。

遠距離はスナイパーライフル、バズーカ、小型ドローン。

攻撃、連射性が違い、前から平均、攻撃、連射に特化している。

なので、全部平均な物を選んでもいいし、別々に選んでもいい。

ちなみに小型ミサイルはハンドガンのような物から打ち出せるミサイルで威力が高い。

小型ドローンは遠くから対象に向かって飛び対象に威力の弱い弾をしばらくの間撃ち続ける。

ただし、ドローンは壊す事も可能だが、壊されてもしばらくすると持ち主のところで復活する。

必ず遠くからしか使用できない。

「ま、基本的なところはこんなものだろう」

さくやは資料を見せながら説明した。

「なかなか面白そうですね」

ヒーロは説明を聞き言った。

「そうか、なら今回のミッションはいけそうだな」

「え?」

さくやの言葉にヒーロが不思議そうな顔をする。

「今回のミッションはこの大会に参加してある人達を見守り、何かあった場合はそれに対処する事だ」

「ある人ですか?」

リィスが不思議そうに聞いた。

「そうだ。

その人物はホロメンで、星街すいせいさん、湊あくあさん、常闇トワさんだ」

「あ」

何かに気づいたように声をあげるリィス。

「リィスは気づいたようだな。

そう、この3人はリアルの方達もこういった大会に参加した事がある人達で、ゲーム内のAIである彼女達もその影響を強く受けているらしく、よく3人でこういった大会に参加している。

いわば常連チームだ。

そして、今回もこの大会に参加表明を出している」

「それで、ここからが本題」

さくやに変わってレイムが話し始める。

「第六世代組なんだけど、今までの動きからホロメンを狙っているのは確実だと思われるの。

だから、今回確実にホロメンが参加するこの大会に現れる可能性が高い。

なので、今回このミッションが組まれたわ」

「ま、他には腕試しをさせたいっていうのもあるのだがな」

レイムの言葉の後、さくやはそう言って笑った。

「腕試しですか?」

「そうだ」

ヒーロの言葉に頷くさくや。

「ちなみに、我々3人もプライベートで参加した事があってな。

惜しくも優勝を逃した」

「え?まさかこの3人に?」

「いや、その時は違うな」

さくやの言葉に苦笑いのフジとレイム。

「誰だったんですか?」

そうヒーロが聞く。

「後にも先にもその大会だけしか出てきてないんだが、チーム『牙王』と言われる人達だ」

「チーム『牙王』…」

リィスが唾を飲む。

「一般プレイヤーチームだったんだが、とんでもない人が1人混じっててな。

実はチームにSSRB団の人達でどうやって引っ張ってきたのか獅白ぼたんさんがいた」

「はぁ?」

さくやの言葉に変な声を出すヒーロ。

「ま、プレイヤーの人達も強いんだが、ぼたんさんが異常でな。

最後は1人で残った相手を殲滅した」

「本当にあれは怖かったわ」

「知らないまにやられてたからな」

思い出したのか苦笑いでフジとレイムは身震いした。

「さすがぼたんさん」

ヒーロがぼそっと呟く。

「ちなみにその時の映像が残っているが参考にならない。

スペックはみんな同じ筈なんだが動き方や攻撃のタイミングが凄すぎてカメラが追い付いてない」

「こわ」

「ま、あれが最初で最後ってぼたんさんは言ってたからもう出てくる事はないだろうけどな」

「はははは」

さくやの言葉にヒーロが乾いた笑いをする。

「ま、そう言うわけで今回はヒーロとリィスにこの大会に参加してもらう」

「え?2人っすか?」

「もう1人はこちらで手配しているから、当日現地で落ち合ってくれ」

「は、はぁ」

「了解しました。

でも、大丈夫かなぁ」

「2人には今日から大会当日までの5日間休みをやる。

その間、【樹海】でサバイバルしてこい」

『ええ~!』

さくやの言葉に声をあげる2人。

「あそこなら、GMだろうがホロメンだろうが、みんな平等にレベル1からスタートだからな。

腕を磨くならいいだろう。

付き添いもこちらでお願いしている」

その言葉と同時に部屋の入り口が開いて入ってくる1人の人物。

「よう、やっと出番か?」

そこには大柄で筋肉質なスキンヘッドな男性が立っていた。

「え?総隊長?」

ヒーロの言葉に総隊長と呼ばれた男性はにかっと笑った。

 

 

大会5日前。

ここは【樹海】の入り口。

そこには3人の男女が立っていた。

「よし、これからサバイバルを行う」

大柄な男性は残りの男女2人に言った。

「総隊長が付き添いだったんですね」

ヒーロは大柄な男性を見ながら言った。

「そうだ。

ま、今からは総隊長ではなく教官と呼べ」

「は、はぁ」

ノリノリな総隊長もとい教官を見てため息をつくヒーロ。

リィスは何故かニコニコしながら教官を見ている。

「リィスは平気なのか?」

こそっと聞くヒーロ。

「何がですか?」

聞き返すリィス。

「総隊長の訓練ってめちゃくちゃきついらしいぞ」

「…だ、大丈夫です」

ヒーロの言葉に少し間を空け答えるリィス。

本当に大丈夫なのだろうか?

「よし、お前達はこのエリアは始めてか?」

『はい、始めてです』

「なら、リセットは使わなくていいな」

この【樹海】は初めて入るとレベル1に強制的にされアイテム、装備、スキルが全てなくなり、決められた物を始めに支給される。例外もあり。

そして、ここで1からレベル上げやアイテムを自力で探さないといけない。

ちなみにここで上げたレベルはこの【樹海】を抜けると元の状態に戻るが、再び【樹海】に入ると前回の続きになる。

それを初期に戻すのがリセットだ。

「よし、これから5日間みっちりしごいてやるからな」

「ええ~」

「返事ははいだ!」

「そこはイエッサーとかではないんですね」

ヒーロを睨む教官。

『はい!』

「よし、では簡単にここでの生き方を教えてやる」

そうしてヒーロとリィスの地獄のサバイバル訓練が開始された。

 

大会4日前。

「よし、ついてこい!」

『はい!』

教官を先頭にライフルを持ったヒーロとリィスは走る。

木々が生い茂る【樹海】で武器を持ったランニングを行っていた。

時折現れるモンスターを時にはライフルで攻撃し、攻撃を避け走る3人。

昨日よりはだいぶ慣れてきたのだろう、動きは良くなってきていた。

そんな2人を見て教官は小さく頷き微笑んだ。

 

大会3日前。

「よし、今日は各々大会までの3日間の食料を調達してこい」

「ええ、3日分ですか?」

この2日はなんとかその日の食料を調達するのがやっとの2人に教官のいきなりの無茶振り。

ヒーロは驚いた。

「何を言う。

この2日で何がどこにあるか分かっただろうが」

教官に言われて考える2人。

確かにランニング中に教官がいろいろと説明してくれた。

「後はその中で今の自分の実力にあっていると思うところで食料を集めればいい。

アイテムボックスに入れれば持ち運びも楽だろう」

確かに教官の言っている事に間違いはなかった。

「よし、分かったら行け!」

『はい!』

教官に言われて2人は【樹海】へと入っていった。

 

夕方。

教官の元に戻ってきた2人。

「よし、何を取ってきたか見せてもらおう。

まずはヒーロ」

「はい!」

ヒーロはアイテムボックスから取ってきた食料を出した。

「ほう、キノコ類に果物、それにこれはキングボアの肉か」

キングボア、この【樹海】にいるボアの上位種だ。

「はい、キノコを餌に罠を仕掛けて倒しました」

ヒーロが答える。

「よし、いいぞ。

キノコも毒性の物はないな。

次、リィス」

「はい」

リィスも取ってきたものを出した。

「こちらもほぼ同じか、ボアは罠を仕掛けたのか?」

「あ、いえ」

教官に聞かれどもるリィス。

「なら、どうやって獲った?」

「一対一で…」

シーンと場が静まる。

普通のボアなら今の2人のレベルなら出きるだろうが、キングボアは上位種、まだタイマンで狩るにはかなりのプレイヤー技術がいる。

「まじで?」

ヒーロがリィスに聞く。

リィスは恥ずかしそうに頷いた。

「ははははははは」

それを聞いて大笑いする教官。

「これはすごい逸材だ、ははははは」

そうして、大会3日前が終わった。

 

大会前日。

「よし、そこまで!」

『はい!』

教官の号令で荒い息をしながら2人は【樹海】から出てきた。

訓練の仕上げとして教官対2人で模擬戦をしていたのだ。

「だいぶよくなってきたな」

『ありがとうございます』

「これなら、本番もいいところまで行くだろう」

「本選は無理ですか?」

ヒーロが聞く。

「そうだな、あたる相手にもよるがギリギリと言うところだ」

「そうですか」

教官に言われ下を向くヒーロ。

「しかし、お前達には本選に出場してもらわなければ困る。

なんせ監視保護対象があの3人だからな」

そう、今回の大会に出るホロメン3人。

彼女達は確実に本選に上がって来るだろう。

「なので、助っ人は有能な人物にお願いしている。

その相手とフォローしあいながら頑張るんだぞ」

『はい!』

2人の返事に頷く教官。

「よし。

では、本番までゆっくりと休め。

次の集合は大会場所とする。

健闘を期待している」

『はい、ありがとうございます!』

挨拶の後、3人は帰還し各々大会に向けて英気を養う。

そして、波乱の大会が始まろうとしていた。




今回は複数のホロメンが登場します。
このお話は3人のホロメンの方が参加した大会に刺激を受けて書こうと思い書いています。
実際の行われたイベントとはまったく関係はありませんが、【ホロライブワールド】のホロメン達の活躍をお楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。