ホロライブ・オルタナティブver.IF外伝 ~GM戦隊グレートメンバー~   作:天野空

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さくや達の調査で、次に第六世代組が狙うであろうイベントに目星をつけたGMチームα。
今回の戦いに参加するヒーロとリィスはさくやの提案により、総隊長に【樹海】でサバイバル訓練を受ける事になった。
過酷な訓練を無事に乗り越えた2人は本番まで鋭気を養うのだった。


第8話 激戦 樹海争闘戦~中編~

「お、見えてきた」

ヒーロは昨日までサバイバルしていた【樹海】への門へ歩いていた。

門のある神殿は普段と違いお祭りをしているように露店が並び賑やかだ。

門を守るスターズの守護石像も今日は色とりどりに飾られて大人しく立っていた。

『樹海争闘戦』の会場でもある、この門でヒーロは待ち合わせをしていた。

「ヒーロさん」

声をかけられそちらを向くとリィスが手を振りながら走ってきた。

「遅刻するかも思いました」

少し息が荒いリィスは慌てて来たのだろう。

「まだ、時間はあるよ」

そう言ってヒーロは笑う。

「確か、この辺で待ち合わせって総隊長が言ってたよな?」

ヒーロはそう言いながら周りを見渡す。

「こっちだ」

そんなヒーロ達に背後から声がかけられた。

振り向く2人。

そこには『先輩達』

そう、さくや達が私服で待っていた。

「先輩達も来てたんですか?」

ヒーロ達はさくや達の方に向かい聞いた。

「ああ、総隊長から聞いてな」

「総隊長の訓練、クリアしたそうだな」

フジが嬉しそうに頷いている。

「なかなかやるわね、あの人も2人を誉めてたわよ」

レイムも微笑みながら言った。

「さて、2人とも心構えはいいか?」

さくやが2人に聞く。

『はい』

「そうか、なら私からは何も言うことはないな」

さくやはそう言って笑った。

「それじゃ、私達は観客席で見守ってるよ。

助っ人はもうすぐ来るからここで待っているように」

さくやに言われて頷く2人。

そして、さくや達は観客席の方へと向かった。

しばらくそこで2人が待っていると、大柄な男性?が2人の方へと歩いてきた。

「待たせたな」

獅子のマスクを付けたその人物は2人の前で止まるとそう2人に言った。

「えっと…総隊長?」

その人物を見てリィスが聞く。

「ん?

誰だねその人物は?

私は獅子仮面だが?」

体つきや声が総隊長そっくりなその獅子仮面が言った。

「えっと…」

それでも何か言おうとするリィスにヒーロが横から制止する。

ヒーロを見るリィス。

ヒーロはゆっくりと首を横にふった後、「よろしくお願いします」と元気よく獅子仮面に声をかけた。

「うむ、よろしくな。

それでは、同じチームとして自己紹介しておこう。

私は先程も言ったように獅子仮面。

言いにくかったらししさんと呼んでくれ」

そう言って獅子仮面がにかっと笑う。

口元は見えているので笑うのは分かった。

「えっとヒーロです」

「リィスでよろしくお願いします」

2人は獅子仮面に頭を下げる。

「うむ、優勝目指して頑張ろう」

獅子仮面はそう言ってガッツポーズをとった。

 

『大会参加の選手の皆さんは舞台へと集まってください』

アナウンスが流れ、ヒーロ達は舞台に上がる。

舞台にはところ狭しと選手が集まっていた。

「この中に第六世代組が」

ヒーロはリィスに言う。

「はい、ただ外見は変えられるのでどこにいるかまでは分かりません」

リィスも周りを見ながら答える。

「2人ともキョロキョロするな。

それに選手になっているとは限らんしな」

獅子仮面は前を見ながら2人に言った。

『はい』

2人はそう言って前を見る。

舞台の前に1人の男性がマイクを持って現れた。

『それでは、これより第47回 樹海争闘戦を開催いたします。

まずは基本的な説明を、審判長の方からお願いします』

そう紹介されて1人の男性が前にでてきた。

簡単な説明はさくやに言った事だった。

ただ、追加として、この大会でホロメンと戦う事になっても絆判定は行われない事。

そして、やられた場合は【樹海】でリスボーンするのではなくこの舞台にリスボーンし、再突入は出来ないという事だった。

『それでは、まずは10チーム1グループに別れていただき、予選を開始したいと思います。

予選はポイント制でプレイヤーを倒した場合5点、倒された場合は-5点とさせていただきます。

後、各プレイヤーの動き等を各々のエリアにいる審査員が審査して点数が足され最終結果の上位2チームが決勝戦に進める事になります。

それでは、グループ割は各チームリーダーにメールで送られていますので確認後、指定時間になりましたらグループ順に【樹海】へと突入してください。

では、よい戦いを!』

おお~!

アナウンスが終わった後、会場から拍手と大きな歓声が上がった。

「我らはBグループだな」

手元の画面を見て獅子仮面が言った。

「すいせいさん達のチームは?」

「うむ、最終グループのEグループだ」

リィスの言葉に獅子仮面が答えた。

「違うグループか」

「ま、この場合何かあればさくや達が出るだろうが、試合中だった場合は後手に回るだろう」

何故かやたらにミッションに詳しい獅子仮面が呟く。

「そうなんですか?」

「ああ、試合中に急遽部外者が中に入るにはいろいろと手続きをしないといけないからな。

その場合はホロメン3人に頑張ってもらうしかない。

ま、条件は向こうも同じはずだが」

リィスの問いに答える獅子仮面。

「と言うわけで我々の目標は決勝戦に出る事だ。

決勝戦は予選より混戦になるからな。

相手も狙うならそこだろう」

『はい、分かりました』

獅子仮面の言葉に頷く2人。

そして、ヒーロ達の戦いはもうまもなく始まろうとしていた。

 

「いよいよだな」

「はい」

ヒーロは隣のリィスに声をかける。

少し緊張しているのだろうリィスから笑顔が消えている。

バシ!

「うわぁ」「きゃ」

いきなり2人は後ろから背中を叩かれた。

「そんなに体を固くしてたら動けるのも動けなくなるぞ」

そう言ってにかっと笑う獅子仮面。

『はい』

ヒーロも知らないまに体が固くなっていたのだろう。

先程の獅子仮面の気合いで体が軽くなったような気がした。

「では、行くぞ」

獅子仮面の言葉に2人は頷き【樹海】への門へと入って行った。

 

武装

ヒーロ ソード ガトリング スナイパーライフル

リィス ナイフ ハンドガン バズーカ

獅子仮面 アックス 小型ミサイル スナイパーライフル

 

「まずは探索をする」

獅子仮面が2人に言った。

頷く2人。

ヒーロはガトリング、リィスはハンドガン、獅子仮面はアックスを装備した。

基本このエリアではマップが使えないが、この大会ではバトルエリアが設定されている為、マップが使える。

ただし、相手の場所は表示されない。

敵対する相手は全部で9チーム。

敵を1度でも目視した場合、遠距離武器が届く範囲にその相手がいればマップに表示される為、どれだけ早く相手を見つけて目視するかが、まず初めの課題だ。

起伏が少ないが木が多いこのエリアでは自ずと隠れる場所も決まってくる。

「こっちだ」

獅子仮面の誘導で動く2人。

そして、この先に目標がいた。

「2人ですね」

リィスは木に身を隠しながら言った。

「たぶん1人は偵察として動いているんだろうな」

ヒーロも相手を見ながら言う。

「ヒーロの言う通りで間違いはないだろう」

獅子仮面が頷いた。

「どうします?」

「プランAでいく」

ヒーロに獅子仮面が答えた。

頷く2人は武器を持ちかえる。

ヒーロはガトリングにリィスはバズーカだ。

「もう1人が戻るまでにカタをつける。

もし、戻ってきたら深追いはするな」

『了解です』

「では、行くぞ」

獅子仮面の合図で、リィスは目標の2人に向かってバズーカを撃った。

「な、なんだ?」

「て、敵か?」

慌てる相手。

撃ったリィスはすぐさま敵の横手側に移動する。

「くらえ!」

バズーカの弾を避けた2人にヒーロがガトリングを放つ。

「う、うわぁ~」

ダメージこそあまりないが突然の攻撃で相手の動きは完全に止まった。

「うおりゃ!」

そこへリィスの反対側へと回り込んでいた獅子仮面がアックスを振りかざし飛び出す。

「くそ!」

応戦しようとする相手は一手遅かった。

獅子仮面の一撃を受け体勢を崩す相手、そのまま獅子仮面が蹴り飛ばす、蹴られた相手はもう1人ガトリングを受けて動きが遅くなった方にぶつかった。

「なにやってんだ」

「くそう」

ぶつかってお互いに言い合う2人。

その時、リィスの撃った2発目のバズーカの弾が2人に向かっていた。

「うわぁ!」

大爆発で1人がキル。

「くそう、やられた」

追撃から逃げようと煙から飛び出した1人が目の前を見て止まった。

そこには小型ミサイルを構えた獅子仮面が。

「これで終わりだ」

引き金を引く獅子仮面。

そして、小型ミサイルは最後の1人に当たり爆発した。

 

「上手く動けていたぞ」

ヒーロ達3人は先程戦っていた場所から移動していた。

道中、獅子仮面はヒーロ達を誉めていた。

「ありがとうございます」

リィスは嬉しそうに返事をする。

ヒーロも満更ではないのだろう笑顔だ。

「この調子でポイントを稼いでいくぞ」

『はい』

その後、ヒーロ達はサバイバルで練習したプランを確実にこなし敵を倒していった。

被弾はしたが回復薬を使い、キルにはならずに戦えていた。

そして、予選の時間が終わろうとしていた。

「このまま行けば決勝戦行けますね」

リィスが嬉しそうに2人に言った。

「ああ、これだけやっつけたんだいけるさ」

ヒーロも嬉しそうだ。

「うむ、2人とも本当に成長したな。

サバイバル練習の時とはえらい違いだ」

何故かサバイバル練習の事を言う獅子仮面。

それを聞いてヒーロ達2人は笑った。

「危ない!」

突然、獅子仮面が2人に覆い被さる。

「く!」

「総隊長!」

獅子仮面の下でヒーロが叫ぶ。

『予選終了です』

ちょうどその時アナウンスが流れた。

 

「大丈夫ですか?」

予選が終わり【樹海】から強制的にだされたヒーロ達。

ヒーロは最後に自分達を庇いダメージを受けた獅子仮面に聞いた。

「ああ、大丈夫。

エリアを出ればダメージは消えるからな」

そう獅子仮面は笑う。

それを見てヒーロ達2人はほっと胸を撫で下ろした。

「しかし、最後まで気を抜くなよ。

それでは、私は少しようがあるからしばらく席を外すが2人はここで成績発表を聞いておいてくれ」

そう言って獅子仮面は選手用の控え室のある場所に向かって歩いていった。

ふと、リィスがその後ろ姿を見てヒーロに聞いた。

「獅子仮面さんの右手ってあんなに黒かったですかね?」

ヒーロはそれを聞いて獅子仮面を見ようとしたがもういなかった。

「たぶん見間違いじゃないか?」

「そう…ですよね」

ヒーロに言われてリィスは頷く。

「2人とも頑張ったな」

そこにさくやとフジが合流する。

『ありがとうございます』

ヒーロ達は2人に頭を下げる。

「あれ?レイム先輩は?」

ヒーロが2人に聞くとさくや達はお互いの顔を見た後、「少し用事があってな」と言うだけだった。

 

 

1人控え室へと向かって歩く獅子仮面。

右手を左手で押さえ苦しそうに歩いている。

「大丈夫なの?」

「ん?」

控え室の前にいた1人の女性が獅子仮面に声をかけた。

「レイムか」

獅子仮面にそう言われレイムは悲しそうな顔をして獅子仮面を見ていた。

「それ、治ってないじゃない」

レイムは獅子仮面の右手を見て言う。

「ああ、中で話そうか」

獅子仮面はそう言うと控え室に入る。

レイムも後に続いた。

「見てくれるか?」

獅子仮面が右手を見せる。

右手は黒くなり何か文字のようなモノが右手を包むように蠢いていた。

「これって」

レイムは驚いたように聞く。

「ああ、コメント集だ」

獅子仮面が苦しそうに言った。

「まさか、消えたんじゃなかったの?」

「確かに、その存在はこのゲームが実装される前、β版の時にときのそらさんとホロメン達の力で消えたはずだ」

「なら、なんで?」

コンコン。

誰かがドアをノックした。

「誰だ?」

獅子仮面が聞いた。

「開けてもらえるかい?」

「え?まさか」

獅子仮面はその声に聞き覚えがあったのか、レイムに向かって頷く。

レイムも頷きゆっくりとドアを開けた。

「大丈夫なのかい?」

そう言って1人の亜人女性が中へと入ってきた。

その姿を見て驚いた2人。

そして、獅子仮面はマスクを外した。

「無様なところをお見せしてしまいました」

そう言って頭を下げる総隊長。

「構わないさ。

それに無様じゃない。

最小限誰もやられずに守った姿は立派だったよ」

そう亜人女性は笑った。

「それより、やっぱりまだ残ってたんだね」

そう言って亜人女性は総隊長の右手を見る。

「知っていたんですか?」

「確信はなかったけど、前回の戦いで第X世代組がその力を使ってたって仲間に聞いたから」

総隊長の言葉に亜人女性が答える。

「それより、早く本部に戻って治療しなよ。

手遅れになったらキャラ崩壊するよ」

「そうよ、早く本部に」

亜人女性の言葉にレイムも総隊長に言う、が総隊長はゆっくりと首を横に振る。

「ここで止められん。

ここで止めたら棄権になる。

あの2人の頑張りを無駄にしたくない」

「リア…」

レイムは総隊長の名前を言って下を向く。

「はぁ、相変わらずだね。

ごめん、2人にしてくれる?」

亜人女性はレイムに言う。

レイムは頷き部屋を出た。

部屋には総隊長と亜人女性の2人。

「あの時もそうだったね。

頑張った2人の為に急遽試合に出れなくなった自分の代わりに必死でお願いしてきたの」

「昔の話です」

亜人女性に言われ総隊長が微笑む。

「昔の話なもんか。

今も変わらない。

アレまだ持ってる?」

「え?」

亜人女性の言葉に顔をあげる総隊長。

「は、はい、あの時、私が責任を持って預かりましたから」

そう言って総隊長は左手でアイテムボックスからある物を取り出し、亜人女性に差し出した。

それは獅子仮面が被っていたマスクの色ちがい。

白が強調された白獅子のマスクだった。

「なら、もう一度だけ、それを借りるよ」

亜人女性はそのマスクを手に取りかぶる。

するとあっという間に体が総隊長と同じようになる。

変身機能の付いた変身アイテム。

身バレ防止のアイテムだった。

「後は任せて本部に戻りな。

早く治すんだよ」

そう言って亜人女性、いや、白獅子仮面が部屋の扉のノブを握る。

「ありがとうございます」

深々と白獅子仮面の後ろ姿に頭を下げる総隊長。

「部下の面倒を見るのは隊長のつとめだよ」

そう言って部屋を出た。

部屋の前で待つレイム。

「あ」

レイムは白獅子仮面を見て小さく声をあげる。

「後は任せて彼を本部に」

「はい、分かりました」

急いで部屋に入るレイム。

そして、白獅子仮面は自分の行く場所を見てゆっくりと歩き始める。

ちょうどアナウンスがヒーロ達のチームが決勝戦にいける事を放送していた。

さぁ、この大会の最後の戦いがもうすぐ始まる。




前回の続きの更新となります。
今回の戦いは次回で終わり。
さて、第六世代組の野望を食い止めれるのか?
そして、白獅子仮面の正体は?
では、次回後編をお楽しみに
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