地球過剰防衛軍   作:APHE

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Xデー襲来

巨大なキャタピラが大地を砕く。

EDFの誇る陸上戦艦、E651タイタンの巨体が歩みを進める。

戦艦というのは比喩でもなく、この車両は砲身を短縮した戦艦砲を搭載しているのだ。

そこまでの火力を持って立ち向かう相手は地球外の脅威である。

 

「青い地球を守るため♪」

 

宇宙には夢があった。

広大な資源地帯、無限のフロンティア、人類革新の地、そして人類以外の知的生命体の存在。

 

この広大な宇宙で、何度かそういったアプローチはあれど直接それに出会うことはなかった。

そしていつの間にか人類は自らがこの宇宙に孤独な存在であると考え始め、やがては地球外知的生命体への興味を失っていった。

 

そこへ、奴らは現れた。

 

人類が初めて接触した、全く異なる生命の樹を持つ存在。

期待、不安、好意、恐怖、人々は目の前に現れた未知の存在に様々な思念をぶつける。

しかし、その根底ではどこか喜んでいたのかもしれない。

自らが宇宙で孤独な存在であると思い込んでいたゆえに、その孤独が否定されたことへの喜びを感じていたのかもしれない。

 

 

しかしーーー

 

返ってきたのは、破壊だった。

 

 

家が、ビルが、大地がえぐれ、人も車も崩壊し粉々にちぎれ飛ぶ。

奴らはそんな圧倒的な破壊を楽しむように行使し、人類と地球に暗黒をもたらした。

奴らにはもともと、人類と交流する気などなかったのだろう。

星々を跳び回る星間航行技術を持った彼らにとってはこのような種や文明などさして珍しいものではない、道端のアリ以下の存在。

この星の資源を欲していたのかもしれない。

支配下に置きたかったのかもしれない。

または単に…時たま子供がそうするように、この星を、人類を、アリを、踏みにじってみたくなったのかも知れない。

 

その理由がどうあれ、人類とて好きなようにやられているわけではなかった。

その時の持てる力すべてをぶつけて抗い、なんとかソレを退けることに成功したのだ。

もちろん、ただでは済まなかった。

世界中の中枢都市は徹底的に破壊され、世界人口は何分の1にも低下し、戦力もほぼ全て喪失した。

荒廃した世界を見た人々の中には世界の終わりを悟って絶望する者も多かった。

そのまま行けば、世界は本当に終わりを迎えていただろう。

 

だが、人類は絶望的に諦めが悪い生き物だった。

僅かな残存戦力で世界を纏め、復興に向かって無謀な一歩を踏み出した。

やけくそにも近かったソレだがしかし実を結び、こうして世界はまた回っている。

途中にあった紆余曲折は図り知れず、途中で何度も人類同士のイザコザも起こった。

それさえも踏み越え乗り越えて、今日よりも明日を、明日よりも明後日を信じて突き進み、ここまでやってきた。

 

「……」

 

そして宇宙を見上げる目にはもう、夢はなかった。

漆黒の死の海原、泡構造には悪魔が棲んでいる…

潰えた宇宙の夢が盛り返すことはなく、異星人とは侵略者の代名詞になってしまった。

そして今も『敵』を探すべく地上から宇宙から様々なレーダーが照射され続けている。

 

「夢だったんだけどな」

 

遥かなる星からやってきた異星人と仲良くなって、星系を超えた交流を結ぶ…

今や不可能になったその夢に少なからず未練はあった。

攻撃的な殺気を放つレーダーに混じって交信信号を送る少数のアンテナがその未練を持つ者がまだ存在することを示している。

名残惜しい目を向けても事態がどうにもならないのは解っているが、それでも諦めきることができなかった。

 

 

ヴォオオオオオオオオオオォ…

 

 

突然、耳を塞ぎたくなるようなけたたましいサイレンが響き渡る。

世界の都市各所に等間隔で建てられた大型スピーカーから放たれるそれは比喩ではなくこの星で暮らすすべての住民に届いていた。

当然、兵士たちにも。

その警報の意味は人類ならば皆理解している。

タイタンはその巨体を旋回させ、一目散に基地へと戻っていく。

キューポラから頭を出した戦車長のロマンチストに輝いていた瞳は今は曇りきっていた。

 

「来やがった、か」

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

ついにやってきた『その時』にEDF本部司令室は大混乱だった。

と言っても阿鼻叫喚の地獄ではなく、浮足立った雰囲気と統制された困惑からなる極めて落ち着いたものだ。

 

「緊急警報の全域発令完了!」

 

「冥王星基地から緊急入電!」

 

「超長距離タキオンレーダーに多数の反応!」

 

EDF総司令は訪れたXデーに対応すべく思念を巡らせる。

今の地球に切り抜けられない困難はないはずだ。

落ち着いて対処すれば…

 

「これが初めてではない、落ち着いて対処せねば」

 

「我々ならできるはずです」

 

「…君はいつでも落ち着いているな」

 

ストームは総司令の言葉に小さな笑みを浮かべた。

 

「おかげさまで」

 

総司令は気まずそうにひとつ咳払いをすると視線を上げて司令室の大型モニターをまっすぐ睨みつける。

モニターには太陽系とそれに近づく無数の赤点が映し出されていた。

 

「レーザースキャン完了、立体画像出ます」

 

「これは…」

 

3次元プロジェクターに浮かび上がったのは巨大な球体。

完全なる球である。

 

「……」

 

「総司令…これは…こいつらは!」

 

彼らはこの形状の宇宙船を、それを使用する敵を、地球勢力の中で一番よく知っていた。

 

 

「「フォーリナー…!」」

 

 

 

フォーリナー、襲来。

 

 




太陽系「人類の領域」

世界統合に前後して宇宙進出した人類は、それを離れる技術を持ちながらもその外側へと足を踏み出すことはなく、人工の大地や入植惑星を増やすことでひたすら星系内でその数を増やし続けた。
護るものは手近で少ない方が良い。

E-アラート「地球保護サイレン」

人類活動地域全域に届く強力な音波を発する警報装置。
地球保護と銘打っているが火星等の入植惑星や各宇宙基地にも設置されている。
問題の発生を伝える事には事欠かないが、残念ながら効果はそれだけであり、問題に対処するのはそれを聞いた人間である。

最初に侵攻してくるのは?

  • フォーリナー(イージー)
  • ガミラス帝国(ノーマル)
  • バッフクラン(ハード)
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