地球過剰防衛軍   作:APHE

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裏でネタエピソードも書いてたりします。


遥かなる外来人ー冥王星沖迎撃戦

冥王星周辺宙域

 

フォーリナー、それは純粋な侵略者。

人類を抹殺し地球を手に入れようと企む外来人(フォーリナー)

彼らの目的が己の知るとおりならば、それは地球から人類をひとり残らず消し去ることである。

 

そんな存在をこの星に、星系に近づけるわけにはいかない。

 

「冥王星駐留艦隊出撃!」

 

冥王星基地から次々と飛び立つ戦艦群。

その最前列を飛ぶマクロス級戦艦の艦長は志を共にする仲間たちを見渡した。

内約はペガサス改級を主幹としてマゼラン、サラミスの改型を主力とするEFSF艦隊、ヘイムダル級数隻と多数のヴァナルカンド級巡洋艦、ニーズヘッグ級駆逐艦からなるTRT艦隊、金剛型戦艦改二を旗艦として村雨型巡洋艦や金剛型戦艦のそれぞれ新旧型混成のUNCF艦隊、マクロス級戦艦とアームド級空母を主軸に多数のオーベルト級駆逐艦を引き連れた我らが統合軍艦隊。

戦力の大部分は地球周辺に付ききりのため外縁部を護る部隊の絶対数は少ない。

 

「冥王星73〜184部隊、防衛ライン構築中!」

 

「敵艦隊との距離、7光秒!」

 

「数100…120…増加継続中です!」

 

しかし少ないといえどもその数は千を超え万に届く。

自らの属する統合軍の部隊だけでも1000は堅い。

 

「カイパーベルト艦隊、後退し冥王星艦隊と合流します!」

 

それにカイパーベルト艦隊が加われば艦艇総数は2万を軽く超えるだろう。

奴らを押し留める戦力としては充分…だと思いたい。

 

「天王星、海王星艦隊も順次戦線を構築します」

 

「土星艦隊は主戦力を残し防衛ラインを構築します」

 

対応は早い。

奴らの特性上、一隻でも侵攻を許してしまえば大変なことになる。

それ故に宇宙戦での決着が最重要項目なのだ。

 

「火星駐留艦隊は防衛ラインの構築終了、余剰戦力を周辺コロニーの防衛に充てます」

 

「エンケラドゥス守備隊、展開完了」

 

「木星守備艦隊は小惑星帯に防衛ラインを構築中、余剰分を衛星とヘリウム3採取プラントの防衛に充てます」

 

徐々に敵の侵攻を防ぐ何重もの壁が構築されてゆく。

絶対に奴らを地球に触れさせまいとの意志の裏返しであるそれは確実に役目を果たすだろう。

…最もここを突破させる気もないので背後の防衛線が役目を果たすことはおそらく無いのだが。

ないままであってくれ。

 

「敵艦隊との距離、4光秒!」

 

「艦載機発艦せよ!」

 

艦長の指示に合わせて乗艦からバルキリーが次々と飛び立ってゆく。

その翼下には反応弾を抱え、敵を微塵も残さぬ心意気である。

それが号砲となったか周りの空母、戦艦、あらゆる艦艇から小さな光が放たれてゆく。

万を超える艦隊から飛び立つ艦載機は億を超え、最後には宙空を埋め尽くす程の光が敵を討つべく飛んでいった。

その流れがまだ収まらぬうちに別の艦隊からオールチャンネルの通信が飛び込んできた。

 

 

『ミッドナイト・アイより入電!艦載機隊交戦開始した模様!繰り返す!交戦開始した模様!』

 

艦長は遥か彼方の暗礁地帯に爆炎の輝きが現れたのを見た。

 

「始まったか!」

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

冥王星沖 先制防衛ライン

 

〈こりゃすげぇ、宇宙が玉だらけだ!〉

 

パイロットの目前に広がるはフォーリナーのマザーシップの数々。

六角形の赤、白、黒色の装甲が表面を覆っており、存在的不安に駆られるような見た目をしている。

それぞれが途方もなく大きく、自分の乗るVF-1バルキリーと比べていたらいくらあっても足りない。

そんな球体型宇宙船が宇宙にひしめき合う光景に度肝を抜かれ、遠近感が狂いつつも操縦桿だけは手放さなかった。

 

〈みんな、覚悟はできているな!〉

 

部隊長の声に意義の声は返ってこなかった。

覚悟など出撃前に済ませている。

キャノピーに映る他の戦闘機たち、そのパイロットたちもみな同じだ。

 

〈各自、独自の判断で敵を殲滅せよ!〉

 

と、目前のマザーシップを覆っていた六角形の装甲が本体から離れて周りに浮遊し始めた。

それの内側が赤く光った気がするーーー

 

〈散開!散開!〉

 

刹那、破壊を伴った赤色の光線が機体の横を通り過ぎた。

反射的に操縦桿を倒していなければ直撃していただろう。

マザーシップの周囲を跳び回る装甲の数々は一つ一つが強力な砲台なのだ。

 

〈イーグル1〜4右翼へ!〉

 

〈EFF289〜354は当機に続け!〉

 

〈TR56、7、8、亜空間へ移行する!〉

 

編隊は散り散りになり、後ろに控えていた攻撃隊もコンバット・ボックスを崩して回避行動へと移った。

マザーシップたちは次々に装甲を展開してその数を増やし、弾幕を張り巡らせてゆく。

一隻ならばまだ知れているが、対するは無数のマザーシップ。その弾幕の濃密さは想像を絶するものだった。

 

〈イーグル7、尾翼に被弾した!〉

 

〈小隊機が1機やられた!本体は無傷だ!〉

 

〈ニューロン機関不安定!撤退する!〉

 

その色とりどりの濃密な弾幕をすべて躱し切るというのは不可能に近く、捉えられてしまう機体もあり被害報告が次第に増えてゆく。

それは目に見える範囲でも起こっており、横を飛んでいたブラックフライが離脱していくのを見てパイロットは歯噛みする。

 

〈あれは!〉

 

追い打ちをかけるようにマザーシップの下部ハッチが開き、そこから無数のドローンが溢れ出した。

ユラユラと独特な軌道で飛ぶそれは非常に狙いがつけにくく、しかし向こうは正確にビームを連射してくる厄介極まりない存在だ。

純白のボディーを持つ通常のそれに混じって、何倍も堅牢で強力な武装を持ち素早い動きをする赤色のドローン、『レッドカラー』も見受けられる。

かつてこのドローン群によって各国の空軍は壊滅し、制空権をほぼ失った地球は厳しい戦いを強いられた…

 

だがしかし、今度はそうは行かない。

 

〈目標を補足!〉

 

小隊を組んだR戦闘機がレールキャノンを連射し、こちらに向かってきたドローンを粉々に破壊していく。

追いすがるドローンにはミサイルと爆雷をすれ違いざまにばら撒いて次々と葬り、その軌道には閃光と多数のデブリが残された。

反撃に放たれたビームはフォースが防ぎ、その攻撃を仕掛けたドローンも射出されたフォースに追突し粉々に爆発。

出鼻をくじかれたドローンはいくつもの塊に分かれて再編成を試みるがもう遅い。

R戦隊から逃れたドローンの約半数がコスモゼロの編隊と鉢合わせし、ヘッドオンからの対艦ミサイルの一斉発射を受けて激しい爆炎とともにその数を著しく減らした。

 

〈遅い!〉

 

コスモゼロのパルスレーザー機関砲はドローンの装甲を滅茶苦茶に破壊し掃射を受けたものは片っ端から爆発、スクラップが増えてゆく。

ミサイルの追い打ちを食らったドローンに逃れるすべはなく、その一群は1機も残らず殲滅された。

 

そう、もはやドローンは恐れる存在ではなく、『レッドカラー』でさえも多少の性能差がある程度でしかない。

我々は強くなったのだ。

 

〈ドローンのおかわりが来るぞ!〉

 

出撃直後にドローンの半数が撃墜という損害を受けたフォーリナーが取った行動はドローンの追加投入。

それでも臆することなく味方たちは格闘戦を挑み次々と堕としていく…が、奴らにとってこの程度はまだどうとでもなる範囲なのだ。

パイロットはドローンを排出し続けるマザーシップを睨む。

本体を叩かなければならない。

 

〈吶喊する!〉

 

ブースターをふかし機体を急加速、ひねりを入れてビームを躱しつつ目標へと接近する。

際どい射撃はスラスターの噴射とガウォーク形態の切り替えで躱しきり、翼下に抱えたそれの射程圏内へと着々と近づいていった。

しかしすぐさま補填されたドローンが行く手を阻んでくる。

奴らとてカカシではないのだ。

と、数十機いたドローンが上方からミサイルの直撃を受けて真っ二つに裂け粉々に。

 

〈EFF572〜601、直掩する!〉

 

あちこちで格闘戦を行っていた部隊のうち一つがそのパイロットの意図に気づいて援護に回る。

コアファイターの編隊が機銃とロケットで手近のドローンを蜂の巣にして蹴散らし、うち1機が抱えていた大型の武装コンテナを射出。

三角柱形のソレはドローンの密集地帯に突っ込むと大量のミサイルをばら撒き、ドローンを巻き込んだ爆炎を一直線に作り出した。

そうしてできた戦線の穴に控えていた戦闘機が次々と突っ込み閉じさせまいと奮闘する。突破口は確保された。

これなら行ける!

 

〈助かる!〉

 

パイロットは機体を旋回させて自分を狙って放たれた光線を躱すと代わりに自らに攻撃を加えてきたマザーシップに機首を向けた。

 

〈駄賃を受け取れ!〉

 

VF-1の翼下に提げられていた大型のミサイルが火を吹き、攻撃への返礼としてマザーシップへと真っ直ぐ向かってゆく。

命中面付近に浮遊していた装甲がそれを防ごうとするが…

 

 

ゴオッ!

 

 

ミサイルがそれに接触した瞬間極大の火球が出現し、その装甲ごと範囲内のものを刳りとった。

反応弾の爆炎が晴れたところには3分の2が消失し沈黙するマザーシップの無残な姿が晒された。

コントロールを失った装甲板が周囲に漂いデブリと化している。

 

〈マザーシップを撃沈!〉

 

パイロットの撃破報告に味方は歓喜し、残りのマザーシップはというと先頭を飛んでいたものが一撃で破壊されたことに混乱してか動きが乱れていた。

 

『本部より入電!映像解析の結果、マザーシップ装甲強度は指向性反応兵器により打破できるものと判明した!繰り返す!マザーシップ装甲強度は…』

 

仕掛けるならば、今。

 

 

〈攻撃隊再編成完了!これより一斉射を加える!〉

 

 

一斉に放たれるは統合軍の反応弾、EESFの旧世代戦略兵器(メガトン級原水爆)、TRTのバルムンク(波動水爆)、UNCFの波動カートリッジミサイル。

光の尾を引く彗星が、破壊をもたらす彗星が、巨大な群れをなして敵へと押し寄せる。

 

 

───かつてその一隻でさえ人類存亡の驚異となり、人類の総力を上げてやっと追い立てることができた存在。

 

そんな存在がいま───

 

 

 

カ ッ ッ ッ !

 

 

 

一瞬で葬られた。

 

ゴゴゴゴゴ…

 

数え切れないほどの火球が宇宙にひしめき、恒星が幾つも現れたかのような凶光が宇宙の漆黒を白く照らし出した。

 

火力をもった殲滅作戦は見事、成功した。

 

 

〈敵影なし、我々の勝利です!〉

 

 

〈やったぞ!〉

 

〈見たか!〉

 

〈艦隊決戦の必要もなかったな〉

 

〈核のいい在庫処分になった〉

 

勝利に湧く味方たちの歓喜の無線信号が明るい宇宙に飛び回る。

備えは無駄ではなかった、役目を全うできた、そして侵略者を撃退できた。

喜ぶ理由には十分すぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、物事はそう甘くないものだ。

 

『待ってください…亜空間信号多数確認…!』

 

『ワープ予約信号です!何かが来ます!』

 

『数300…600…1200…!?』

 

『戦闘機部隊は直ちに帰還せよ!繰り返───』

 

 

ゴウン!

 

 

宇宙を震わせて現れたのはマザーシップ。

 

 

 

その数、8万。

 

 

 




統合軍「U.N.SPACY」

地球統合系組織の1つ、数的こそ他の組織に劣るが総戦力はEFSFを超えるとも言われる。
主力の可変戦闘機による高度な航空、航宙戦術を得意とする。
強力な反応兵器、可変戦闘機技術と戦略兵器を有する。

外来人「フォーリナー」

侵略的外宇宙勢力。人類種の殲滅を目的とする。
地球は世界統合前にこれの侵攻を受けている。
その兵器軍はそれぞれ強力であるが、最大の強さは『数』である。
EDF因縁の相手。

戦時協定「南極条約」

そんなものはない。
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